広告の計測精度を上げる方法|拡張・オフライン・API連携の進め方
広告の計測精度を上げる方法は、大きく3つです。サイトで取れなかった成果をメールアドレスなどの情報で補う「拡張コンバージョン」、サイトの外で起きた商談や受注を広告に返す「オフラインコンバージョン」、ブラウザを経由せずサーバーから成果を送る「コンバージョンAPI」です。どれも、広告の管理画面に表示される成果の数を、実際に起きた成果に近づけるための仕組みです。
この記事では、なぜ計測が抜けるのか、3つの仕組みと設定の流れ、CRMの商談・受注を広告に返す意味、同意管理との関係までをまとめます。Nexlyは広告の運用と、GA4・GTMの計測設計、CRMの構築を一緒に見ているので、「広告の数字とCRMの数字が合わない」という悩みに関わることがあります。その実務をもとに、設定の順番と、つまずきやすい点を中心に書きます。
この記事でわかること
- 広告の成果が抜ける主な原因と、3つの手法がそれぞれどこを補うか
- 拡張コンバージョン(ウェブ/リード向け)の仕組みと設定の流れ
- オフラインコンバージョンの仕組みと、2026年6月の取り込み方法の変更
- MetaのコンバージョンAPIの仕組みと、二重計測を防ぐ重複排除
- CRMの商談・受注を広告に返すときの設計と、同意管理で押さえること
目次 [閉じる]
3つの手法の違い|補う場所が「サイト」「サイトの外」「ブラウザ」で分かれる
先に全体を整理します。3つの手法は、成果が抜ける場所が違うので、補う場所も違います。
| 手法 | 補うもの | 送るデータ | 主な対象の媒体 |
|---|---|---|---|
| 拡張コンバージョン(ウェブ) | サイト上の成果のうち、広告のクリックと結びつかなかった分 | フォームに入力された、メールアドレスや電話番号などをハッシュ化したもの | Google広告 |
| 拡張コンバージョン(リード向け)/オフラインコンバージョン | サイトで取った問い合わせが、あとで商談や受注になった結果 | ハッシュ化した連絡先、またはクリックID(GCLID)に、成果の種類と日時を添えたもの | Google広告 |
| コンバージョンAPI | ブラウザのタグでは送れなかった成果 | サーバーから送るイベントと、顧客情報(ハッシュ化したメールなど) | Meta(Facebook・Instagram) |

どの手法も、広告の最適化に使われる成果データを増やし、正確にするためのものです。計測が正しくなれば、媒体側が「どの広告が成果につながったか」を学習しやすくなります。ただし、設定しただけで成果が増えるわけではなく、あくまで測れていなかった分が見えるようになる仕組みです。数字が増えても、広告が良くなったわけではない点には注意してください。
なぜ計測が抜けるのか|よくある5つの原因
手法を選ぶ前に、自社の計測がどこで抜けているかを確認します。原因によって、効く手法が違うからです。
- ブラウザの制限:Safariに搭載されたITPは、公式の説明では、サードパーティCookieを既定でブロックします。また、リンクにクリックIDなどが付いた経路で来訪したときに、JavaScriptで作られたCookieの有効期限を24時間に制限し、そのサイトを7日間操作しないとJavaScriptで作られたCookieなどを削除します。この仕組みで、広告クリックから数日後の成果が広告に結びつかないことがあります
- 同意の状態:訪問者がCookieなどの利用に同意しなかった場合、タグが送れる情報が制限されます(後の章で扱います)
- サイトの外で起きる成果:電話、メール、来店、営業との商談、受注は、サイトのタグでは見えません
- タグの設定ミス:サンクスページに計測タグが入っていない、フォーム送信後に画面が遷移しない、二重に発火する、といった設定の問題です(GTMの使い方で確認方法を扱っています)
- 成果の定義のずれ:広告の成果は「フォーム送信」、営業の成果は「商談化」「受注」と、見ている段階が違う状態です
1と2は、ブラウザ側の制限なので、タグの設定だけでは解決しにくい部分です。ここを、ユーザー情報(メールアドレスなど)を使った仕組みで補います。3は、CRMとの連携で解決します。4と5は、手法の前に直すべき土台の問題です。先に4と5を直さないまま手法を足すと、誤った数字をさらに精密に積み上げることになります。
ポイント
計測の改善は、「土台を直す」「サイトで抜ける分を補う」「サイトの外の成果を返す」の順に進めます。土台(タグの発火と成果の定義)が崩れていると、補う仕組みの効果が見えません。
支援の現場から(オンライン英会話スクール)
オンライン英会話スクールのMicrosoft広告で、管理画面の成果が4月から毎月0件でした。一方、kintoneの記録では、同じ時期にMicrosoft広告から来たリードが10件あり、うち5件が受注しています。成果の条件が完了ページのURLと「等しい」になっていて、広告から来た人は末尾にパラメータが付いたURLに着くため、一度も一致していなかったのが原因です。条件を「含む」に変えて直しました。
拡張コンバージョン(ウェブ)|サイト上の成果を、ユーザー情報で補う
拡張コンバージョンは、Google広告の公式ヘルプで、コンバージョン計測の精度を高め、より強力な入札につなげる機能と説明されています。サイトのタグから、ハッシュ化したファーストパーティデータ(メールアドレスなど)をGoogleに送って、既存のコンバージョン計測を補います。ハッシュ化とは、元のデータに戻せない形の文字列に変換する処理で、公式ヘルプではSHA256という方式が使われると説明されています。
仕組みは、「成果が起きたときに、フォームに入力されたメールアドレスなどをハッシュ化して送り、その広告クリックの時点でログインしていたGoogleアカウントと照合する」というものです。照合できれば、Cookieで結びつかなかった成果も、広告に結びつけられます。
ハッシュ化の前にそろえる形
公式ヘルプでは、ハッシュ化の前に、データを正規化することが案内されています。前後の空白を除く、小文字にそろえる、電話番号をE.164という国際的な形式にする、gmail.comとgooglemail.comのアドレスでは、@の前のピリオドを除く、という内容です。ここがずれると、照合に失敗します。日本の電話番号を、先頭の0を外して国番号(+81)から始まる形に整えるのは、特にミスが出やすい部分です。
設定の流れ
- Google広告の管理画面で、拡張コンバージョンを有効にする(メニューの場所は変わることがあるので、公式ヘルプの最新の手順に従う)
- データの取得方法を選ぶ(Googleタグ、Googleタグマネージャー、またはAPI)
- フォームのどの欄がメールアドレス・電話番号なのかをタグに教える
- テストの送信を行い、診断のレポートで取り込めているかを確認する

公式ヘルプによると、2026年4月以降、ウェブ向けとリード向けの拡張コンバージョンは1つのオン・オフの設定にまとめられ、既存の利用者は自動で新しい設定に移ります。管理画面の項目名や並びは変わることがあるので、設定のときは公式ヘルプの最新の手順を見てください。
拡張コンバージョン(リード向け)とオフラインコンバージョン|商談・受注を広告に返す
BtoBや高額な商材では、広告から取れた問い合わせの質が、そのあとの商談や受注で分かれます。しかし、広告の管理画面には「フォーム送信」までしか見えません。問い合わせの後の結果を広告に返すのが、オフラインコンバージョンです。
クリックID(GCLID)を使う方法
Google広告のヘルプによると、広告のクリックごとに、固有のGoogleクリックID(GCLID)が付きます。サイトでフォームを受け取るときに、このGCLIDを問い合わせの情報と一緒に保存しておき、あとで商談や受注になったとき、そのGCLIDに「どの種類の成果か」「いつ起きたか」を添えてGoogle広告に返します。そうすると、Google広告が、その成果を元の広告クリックの成果として記録します。
拡張コンバージョン(リード向け)という方法
リード向けの拡張コンバージョンは、オフラインコンバージョンの取り込みを発展させたものと、公式ヘルプに書かれています。サイトのタグが、フォームのメールアドレスなどをハッシュ化してGoogleに送り、同じ情報をCRMにも保存します。商談や受注になったら、CRMにあるハッシュ化した同じ情報を、成果の情報と一緒にGoogle広告へ取り込みます。Googleは、タグから受け取った情報と、広告に反応したログイン済みのGoogleアカウントの情報を照合します。
公式ヘルプは、標準のオフラインコンバージョンの取り込みより、リード向けの拡張コンバージョンから始めることを推奨しています。タグがGCLIDも自動で集めるので、フォームにGCLIDを持たせる実装が難しい場合に取り組みやすいのが利点です。ただし、フォームに、メールアドレスか電話番号の入力欄が必要です。
ポイント:2026年6月15日からの変更
Google広告のヘルプによると、2026年6月15日以降、オフラインコンバージョンの取り込みとリード向け拡張コンバージョンのアップロードは、Google Ads APIでは受け付けられず、Data Manager APIに移ります。過去に自作のスクリプトやツールでAPI経由の取り込みをしている場合は、動いているかを確認してください。公式ヘルプには、2026年1月から6月のあいだにリクエストを送っていない開発者トークンは、従来の方法の許可リストに入らない、という記載もあります。管理画面(Data Manager)からの取り込みという方法もあります。

取り込むデータは、表の形で用意します。必要な列は、照合に使う情報(GCLIDまたはハッシュ化したメールアドレス等)、成果の名前(たとえば「商談化」「受注」)、成果が起きた日時、必要であれば金額の値です。成果の名前は、Google広告側で作った成果の名前と、文字までそろえてください。1文字違うだけで取り込みに失敗します。
コンバージョンAPI(Meta)|ブラウザを通さず、サーバーから成果を送る
MetaのコンバージョンAPIは、広告主の自社のシステムから、Metaに成果のデータを送る仕組みです。Metaの公式ドキュメントでは、ウェブサイト、アプリ、ビジネスメッセージ、オフラインのイベントを送れると説明されています。サーバーからのイベントは、Metaピクセルから送られたイベントと同じように処理され、計測・レポート・最適化に使われます。ピクセルはブラウザで動くタグで、ブラウザの制限や同意の状態で送れないことがあります。そこをサーバー経由で補います。
すでにMetaピクセルを入れている場合は、Metaのイベントマネージャから、コード不要で設定する方法が案内されています。CRMや自社のシステムから商談・受注のイベントを送りたい場合は、自社のサーバーやツールから、エンドポイントにPOSTリクエストを送る形になります。
二重計測を防ぐ:重複排除
ピクセルとコンバージョンAPIの両方で同じ成果を送ると、同じ成果が二重に数えられる恐れがあります。これを防ぐのが重複排除です。公式ドキュメントでは、推奨される方法として、ピクセルのイベントID(eventID)とサーバーのevent_id、ピクセルのイベント名とサーバーのevent_nameを、それぞれそろえる方法が案内されています。Metaはこの2つで、同じイベントかどうかを判断します。
また、重複排除が働くのは、最初のイベントを受け取ってから48時間以内に届いた同じイベント同士です。予備の方法として、event_nameにfbpやexternal_idを組み合わせる方法もありますが、基本的にブラウザのイベントが先に届いてサーバーのイベントが後から届く場合にしか働きません。

実務でよく起きるのは、ブラウザとサーバーで、それぞれ別に乱数のIDを作ってしまうミスです。そうすると、2つのIDが一致しないため、重複排除が働きません。注文番号や問い合わせ番号のように、両方の側で同じ値を作れるものをIDにするのが基本です。
顧客情報の送り方にも決まりがあります。Metaの公式ドキュメントでは、メールアドレス(em)と電話番号(ph)はハッシュ化が必須で、メールは前後の空白を除いて小文字にしてからハッシュ化します。電話番号は、国番号を含める必要があります。一方、IPアドレス(client_ip_address)は、ハッシュ化してはいけません。クリックIDのfbcと、ブラウザIDのfbpも、ハッシュ化せずに送ります。この区別を間違うと、照合できません。
CRMの商談・受注を広告に返す意味|問い合わせの数から、質へ
広告の運用では、「問い合わせ1件あたりの費用」だけで見ていると、質の低い問い合わせを多く集める広告が良く見えてしまうことがあります。商談や受注まで広告に返すと、媒体が「受注につながるクリック」を学習できるようになり、運用側も「受注1件あたりの費用」で判断できるようになります。
次は計算例です(数字は説明用の仮のものです)。1か月の広告費が50万円で、問い合わせが100件、そのうち商談になったのが20件、受注が5件だったとします。

この例では、問い合わせ単価は5,000円ですが、受注単価は10万円です。別の広告の問い合わせ単価が3,000円で安くても、受注につながらないなら、受注単価はもっと高い可能性があります。CPAの基本的な考え方はCPAとはに書いています。
どの段階を広告に返すか
すべての段階を返す必要はありません。返す段階は、次の観点で決めます。
- 件数が十分にあるか。受注のように件数が少ない段階だけを返すと、日ごとの変動が大きくなり、最適化が安定しにくくなる。この場合は、商談化のような手前の段階を使う
- 営業と合意した定義か。「商談化」の基準が営業と広告側でずれていると、データが意味を持たない(定義の合意はMQL・SQLとはで扱っています)
- 遅れて返しても許容できるか。商談や受注は、問い合わせから数週間かかることがある。返すのが遅いほど、最適化に反映されるのが遅れる
もう1つ、見落とされやすい前提があります。CRMに商談や受注の結果が、営業の入力で正しく残っていることです。入力が抜けていると、広告に返せる成果が実際より少なくなり、広告側から見ると「受注につながっていない」ように見えてしまいます。広告に返す前に、CRMの入力ルール(いつ、誰が、どの項目を更新するか)を決め、入力率を確認してください。入力が安定しないうちは、無理に受注まで返さず、入力が確実な段階から始めるほうが、数字の信頼性が保てます。
実務では、問い合わせ(サイトで即時に取る)、商談化(CRMから返す)、受注(CRMから返す)の3段階を別々の成果として登録し、最適化に使う成果と、見るだけの成果を分けることが多いです。どの成果を入札の最適化に使うかは、件数と遅れで判断します。なお、CRMの設計そのものについては、CRM・SFA・MAの違いで整理しています。
支援の現場から(オンライン英会話スクール)
オンライン英会話スクールでは、広告で取れた申込が面談の予約まで進んだかどうかを、kintoneからGoogle広告とMetaへ返しています。Googleには過去90日分の596件を送り、582件が受け付けられました。Google広告の画面には「予約完了」の成果が155件載り、いまは予約が入るたびに自動で積まれていきます。
申込の件数だけで入札していると、予約に進まない申込を集めても成果に見えてしまいます。予約まで返しておくと、その差を広告の側が学べます。
同意管理との関係|送ってよい情報かを先に確認する
計測を細かくするほど、利用者に関する情報を外部に送る量が増えます。送ってよいかの確認は、技術の設定と同じくらい重要です。
日本では、電気通信事業法の外部送信規律が、2023年6月16日に施行されています。総務省の説明では、ウェブサイトの運営者などが、利用者の端末から情報を外部に送信させるプログラムを送る場合に、送信される情報の内容、利用目的、取り扱う者の名称などを利用者が確認できるようにすることが求められます。確認の機会を付与する方法は、通知・公表、同意取得、オプトアウト措置の提供のいずれかです。広告や計測のタグも対象になりうるので、自社のサイトがどれに当たるかは、総務省の公式のFAQなどで確認してください。法律の適用は個別の事情で異なるので、必要に応じて専門家にも相談します。
Googleのタグ側には、同意の状態を伝える仕組み(同意モード)があります。公式ドキュメントでは、同意の種類として、広告用のCookie(ad_storage)、分析用(analytics_storage)、広告目的のユーザーデータの送信(ad_user_data)、パーソナライズ広告(ad_personalization)の4つが挙げられています。同意が得られていないときは、タグがCookieの書き込みやイベントの送信を、それに応じて制限します。同意モードには、基本と高度という実装があり、どちらにするかは自社の方針で決めると説明されています。
拡張コンバージョンのように、ユーザーデータを広告に送る仕組みは、同意の状態と関係する場合があります。バナーで同意を取る場合は、同意の結果をタグに正しく渡せているかを確認してください。同意の取得画面と、タグの動きがつながっていない設定は、起こりうる問題です。
同意の取得と、タグの動きをつなぐ確認手順
同意バナーを置いているのに、タグの動きが同意の結果と連動していない、という状態になっていることがあります。次の順で確かめます。
- 同意バナーを「拒否」にしてサイトを開き、広告や計測のタグが想定どおり制限されているかを、ブラウザの開発者ツールやタグの確認ツールで見る
- 「同意」にしたあとに、タグが動き出すかを見る
- 同意の結果を変えた(あとから撤回した)ときに、タグの動きも変わるかを見る
- バナーの文言に、送る情報の内容と利用目的が、利用者に分かる形で書かれているかを見る

この確認は、公開前に1回行うだけでなく、サイトの改修や、タグの追加のたびに行うと安全です。タグを足したときに、同意の連動が外れる事故は起きやすいからです。
設定後の確認とよくある失敗
設定しただけで終わらせず、数字が合っているかを確認します。次の順で見ると、原因を絞りやすくなります。
- テストの成果を1件起こし、タグが発火しているかを、プレビューなどの確認ツールで見る
- 広告の管理画面で、拡張コンバージョンの診断のレポートに、エラーや不足が出ていないかを見る
- CRMの件数と、広告管理画面の件数を、同じ期間で並べる。ぴったりは合わないが、大きくずれていないかを見る
- Metaの場合、イベントマネージャで、ピクセルとサーバーの両方のイベントが届いているか、重複排除されているかを見る
- 設定後の1〜2週間は、成果の数の急な増減がないか、毎日見る
公式ヘルプでも、よくある問題として、ユーザーデータの欠落や、形式の誤りが挙げられています。データの形式に関する問題は、診断で見つかることが多いです。
| よくある失敗 | 起きること | 確認・対策 |
|---|---|---|
| メールや電話番号を正規化せずにハッシュ化した | 照合できず、効果が出ない | 前後の空白除去、小文字化、E.164形式を確認 |
| 成果の名前が、広告側とCRMで違う | 取り込みに失敗する | 名前を文字までそろえる |
| ピクセルとAPIでイベントIDがそろっていない | 成果が二重に数えられる | 同じ値(注文番号など)をIDに使う |
| GCLIDをCRMに保存していない | あとから広告に返せない | フォームに隠し項目を持たせて保存する、またはリード向け拡張コンバージョンを使う |
| API経由の取り込みが2026年6月以降に止まった | 商談・受注が広告に反映されない | Data Manager APIまたは管理画面での取り込みに切り替える |
| 同意の結果がタグに渡っていない | 送れるはずのデータが送れない、または送ってはいけないデータが送られる | 同意の取得画面とタグの連動を確認 |
成果の数字が急に変わったときの切り分けは、広告のCPAが急に悪化したときの原因の切り分け方でまとめています。計測を変えた直後は、広告の成績が変わったのか、計測が変わったのかを分けて見る必要があります。
よくある質問
Q. 拡張コンバージョンを入れれば、成果の数は増えますか。
測れていなかった分が見えるようになるので、増えることはありますが、増える量は、サイトや訪問者の状況で変わります。増えること自体を目標にせず、実際の問い合わせの件数との差が縮まったかで見てください。
Q. 拡張コンバージョンのために、お客さまのメールアドレスをGoogleに渡すのは大丈夫ですか。
公式ヘルプでは、ハッシュ化したデータを送ると説明されています。ただし、自社のプライバシーポリシーや、利用者への通知・同意の取得が、それに合っているかの確認は必要です。法律の適用は個別の事情で違うので、必要に応じて専門家に相談してください。
Q. 電話での問い合わせや来店も広告に返せますか。
電話番号や、CRMに残した情報で、あとから成果として返す方法があります。ただし、広告のクリックと、電話の相手を結びつけられる情報(GCLIDやハッシュ化した連絡先)が残っていることが前提です。電話の受付で、どの広告から来たかを記録する運用から整える必要があります。
Q. Google広告とMetaで、同じ成果を両方に送ってよいですか。
媒体ごとに、その媒体の広告から来た成果を返します。同じ問い合わせが、複数の媒体の成果として数えられることはあるので、管理画面の数字の合計は、実際の件数より多くなることがあります。実際の件数は、CRMで見るのが基本です。
Q. 小さな会社でも、ここまでやる必要がありますか。
月の問い合わせ件数が少ないうちは、まずサイトの計測の土台を直すことを優先します。商談・受注を広告に返すのは、返せる件数がある程度たまってからでも遅くありません。ただし、CRMに、問い合わせ時のクリックIDや連絡先を残しておく運用は、早めに始めたほうが、あとで返せるデータが増えます。
Q. 設定は自社でできますか、外部に頼むべきですか。
タグの設定は自社でも進められますが、CRMとの連携、データの正規化、同意の連動、重複排除は、複数の仕組みにまたがるため、つまずきやすいです。Nexlyでも、計測の設計から、CRMとの連携、確認までの支援を行っています。
まとめ:土台を直し、サイトの外の成果を返す順に進める
広告の計測精度は、拡張コンバージョン、オフラインコンバージョン、コンバージョンAPIの3つで高められます。ただし、タグの発火と成果の定義という土台が崩れたままでは、補う仕組みの効果が見えません。順番を守って進めてください。
- まず、タグの発火と成果の定義を直す。数字がずれる原因を先に特定する
- サイトで抜ける分は、拡張コンバージョンやコンバージョンAPIで補う。ハッシュ化の前の正規化と、重複排除のIDに注意する
- 商談・受注は、CRMから広告に返す。件数が十分にある段階を選び、2026年6月以降はData Manager API側への変更を確認する
- 送る情報は、同意や通知の確認を先に済ませる
- 設定後は、診断のレポートと、CRMとの件数の突き合わせで確かめる
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この記事を書いた人
株式会社Nexly 代表 大林 諒。広告運用、kintone・SalesforceなどのCRM構築、業務の自動化とAI活用を中心に、マーケティングの設計から実行まで中小企業の支援をしています。自社でも転職エージェント「Re:WORK」を運営し、広告・SEO・CRMを日々回しています。