LINE公式アカウントは、店舗や会社がLINEの上でお客さまに情報を送り、問い合わせを受けるためのビジネス用のアカウントです。見た目は友だちの1人ですが、中身は配信・チャット・自動返信・クーポン・分析をまとめた業務の道具です。この記事では、個人のLINEと何が違うのか、2026年10月時点で何ができるのか、どんな会社に向くのかを一通り書きます。読み終わると、自分の会社で公式アカウントを始めるかどうかと、始めるなら何から手をつけるかが決まります。例は全記事で共通の、スタッフ6名ほどの予約制の小さな料理教室「サンプル料理教室」です。
この記事の内容
先に決めること
公式アカウントは誰でもすぐに作れます。そのぶん、最初の判断を飛ばして作り、あとで作り直すことがよく起きます。作る前に次の4つだけ決めておきます。
1つ目は、アカウントを何個にするかです。1つのビジネスIDで作れる公式アカウントは100個までですが、友だちはアカウントごとに別々です。あとで1つにまとめることはできません。サンプル料理教室は1教室なので1アカウントにします。教室が2つあって、日程も講師も別なら2つに分ける判断もありますが、配信の手間は2倍になります。迷ったら1つで始め、リッチメニューと配信の絞り込みで教室を分けるほうが楽です。
2つ目は、管理者を誰にするかです。開設するときは、ビジネスIDに「LINEアカウントで登録」か「メールアドレスで登録」でログインします。担当者の個人のLINEアカウントだけで作ると、その人が辞めたときに管理画面へ入れなくなります。会社のメールアドレスで作ったビジネスIDを管理者にし、スタッフは後からメンバーとして追加する形にしておくと、人の入れ替わりで困りません。
3つ目は、何をLINEで受けて、何を受けないかです。体験レッスンの予約、日程の確認、よくある質問、ちょっとした問い合わせはLINEに向きます。入会の契約書や請求書、クレームの長いやりとりはメールや電話のほうが残しやすく、後から探しやすいです。ここを決めずに始めると、チャットに何でも届いて対応が回らなくなります。
4つ目は、返信を誰がいつするかです。公式アカウントは複数のスタッフで同じトークを見られます。誰も返さない、2人が同時に返す、のどちらも起きます。平日夜と土日にレッスンがあるサンプル料理教室では、レッスン中は自動返信、終わってから受付担当が返す、と決めておきます。詳しい組み方は「LINE公式アカウントの運用設計:誰が返信し、何を自動にするか」で扱います。
個人のLINEとの違い
一番大きな違いは、1対1の連絡帳か、1対多の窓口か、です。個人のLINEでお客さまとつながると、担当者のスマホが店の窓口になります。公式アカウントでは、窓口は店そのものになり、スタッフはその裏側で交代しながら返します。
| 項目 | 個人のLINEアカウント | LINE公式アカウント |
|---|---|---|
| 送り方 | 1対1かグループで送る | 友だち全員への一斉配信、条件で絞った配信、1対1のチャットができる |
| 友だちの上限 | 5,000人まで | 機能ごとの作成上限の一覧に、友だち数の上限は書かれていない |
| 相手に見えるもの | 担当者個人の名前・アイコン・プロフィール | 店のアカウント名・アイコン・ビジネスプロフィール |
| トークの既読 | 開いたら既読になる | チャットをオフにしていると届いた時点で既読、オンにしていると自動では既読がつかない |
| スタッフ複数で使えるか | 1台のスマホを回すしかない | 1アカウントに100人までメンバーを登録し、権限を分けられる |
| 自動返信 | ない | あいさつメッセージ、応答メッセージ、ステップ配信、AIチャットボット(β)がある |
| 話しかけ方 | どちらからでも送れる | チャットはお客さまからメッセージが届いてから始まる。こちらから新しく始められるのは認証済アカウントの「チャットを開始」だけ |
| 管理する端末 | LINEアプリ | PCのLINE Official Account Manager(管理画面)と、スマホのLINE公式アカウントアプリ |
| 費用 | 無料 | コミュニケーションプランは月額0円。配信が多いと有料プラン |
既読の扱いは、実際に運用していると最初に戸惑うところです。個人のLINEの感覚で、開いたのに既読がつかない、あるいは誰も見ていないのに既読がついている、と言われます。チャットがオフだと、メッセージは届いた瞬間に既読になります。お客さまから見ると読んだのに返事がない状態です。チャットをオンにすると自動では既読がつかないので、届いたことをスタッフが確認してから返す運用にできます。管理画面のチャットには、トークを既読にせずに中身だけ見る「プレビュー」もあります。

もう1つ大事なのが規約です。LINEの利用規約は、LINEヤフーが認めたものを除いて、営業・宣伝・広告・勧誘その他の営利を目的とする行為を、守るべき事項の中で禁止しています。個人のLINEで新しいレッスンの案内を一斉に送る使い方は、そもそもこの範囲から外れやすいということです。お店の案内は公式アカウントで送るのが正しい置き場所です。
できることの一覧
2026年10月時点のLINE Official Account Managerのマニュアルにある機能を、サンプル料理教室での使い道と並べます。機能の名前はマニュアルの表記どおりです。
| 機能 | 何をするものか | サンプル料理教室での使い道 |
|---|---|---|
| メッセージ配信 | 友だちに一斉に、または属性で絞って送る。予約配信・テスト配信もできる | 翌月のレッスン日程を月末に送る |
| ステップ配信 | 友だち追加やオーディエンスを起点に、決めた日数ごとに自動で送る | 体験レッスンの後、入会の案内を3日おきに送る |
| オーディエンス | メッセージのクリック、友だち追加経路、チャットタグなどで送り先の集団を作る | 体験に来た人だけに入会の案内を送る |
| チャット | お客さまと1対1でやりとりする。担当者・タグ・ノートを付けられる | 問い合わせに受付担当が返す |
| あいさつメッセージ | 友だち追加されたときに自動で送る | 教室の紹介とリッチメニューの使い方を送る |
| 応答メッセージ | キーワードに合わせて自動で返す | 「駐車場」と送られたら案内を返す |
| AIチャットボット(β) | 登録したQ&Aから回答を選んで自動で返す。チャットProオプションの有償機能 | よくある質問の答えを夜間に返す |
| リッチメニュー | トーク画面の下に固定で出るメニュー | 「体験レッスンの予約」「レッスン日程」「よくある質問」「問い合わせ」の4つを置く |
| リッチメッセージ | 画像1枚にリンクを付けて送る | 季節の特別レッスンの告知 |
| リッチビデオメッセージ | 動画をトークの中で再生させて送る | 料理の仕上がりを短い動画で見せる |
| カードタイプメッセージ | カードを横に最大9枚並べて送る | 講師の紹介、コースの比較 |
| クーポン | 割引などのクーポンを作って配る。抽選にして当選確率と当選者数の上限を決めることもできる | 体験の後の入会特典、抽選で次回のレッスン割引 |
| ショップカード | ポイントを貯めるデジタルのカード。QRコードを読み取ってポイントを付ける | レッスン参加でポイントを付け、10回で特典 |
| リサーチ | トークでアンケートを取る。2026年12月2日で提供終了 | 新しく作る場合はGoogleフォームを使う |
| LINEコール | お客さまから無料で音声・ビデオ通話をかけてもらう | 当日の遅刻連絡を電話で受ける |
| 投稿 | 画像・動画・テキストを「ホーム」タブなどに載せる。2026年10月時点は一部の認証済アカウントのみで、全アカウントへの提供は2026年10月28日の予定(開始日は延期されてきたので変わることがある) | 教室の様子を載せる |
| LINEで予約 | 公式アカウントから来店予約を受ける。予約サービスとの連携が済んだアカウントだけが使える | 連携先が使えれば体験予約の受付に使う |
| メンバーシップ | 友だちから月額課金を受け、限定の配信や特典を出す | オンラインのレシピ講座を月額で出す場合 |
| ビジネスプロフィール | 店の情報・ボタンをプロフィールページにまとめる | 住所、レッスン時間、予約ボタンを載せる |
| 分析 | 友だち数、配信、リッチメニュー、チャット、クーポン、ショップカードなどの数字を見る | どの配信でブロックが増えたかを見る |
| トラッキング(LINE Tag) | Webサイトに計測タグを入れ、サイトでの行動を測る | 教室のサイトで予約ページを見た人を数える |
LINE VOOMは2026年9月30日で提供が終わりました。古いブログには「タイムラインに投稿する」「VOOMで発信する」と書かれていますが、今は「投稿」がその役割を引き継いでいます。過去のVOOMの投稿は移らないので、必要なものは「投稿」で作り直します。リサーチも2026年12月2日で終わるので、今からアンケートを組むならGoogleフォームで作り、リンクをメッセージで送る形にしておくと作り直しが要りません。

料金プランは機能の差ではなく、送れるメッセージの数で分かれています。マニュアルとプランのページでは、料金プランによって使える機能に差はないとされています。
| プラン | 月額固定費(税別) | 無料メッセージ通数 | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 送れない |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 送れない |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 1通あたり約3円(税別)から、配信数で変わる |
2026年10月時点の金額です。通数は送った人数で数えます。友だち100人に1回送ると100通です。チャットでのやりとり、応答メッセージ、あいさつメッセージは通数に数えません。メッセージ配信とステップ配信は数えます。細かい数え方は「LINE公式アカウントの料金:無料と有料プランの違い、メッセージ通数の数え方」で書きます。
未認証アカウント・認証済アカウント・プレミアムアカウント
公式アカウントには、作ったままの未認証アカウントと、LINEヤフーの審査を通った認証済アカウントがあります。以前はこれにプレミアムアカウントを加えた3種類で、バッジの色で見分けていました。2026年4月1日にバッジが刷新され、仕組みが変わっています。
| 種類 | 2026年10月時点の扱い | 取り方 |
|---|---|---|
| 未認証アカウント | バッジは付かない。2026年3月まではグレーの盾のバッジがあったが廃止された | 開設すればこの状態。個人・法人を問わず作れる |
| 認証済アカウント | 国内は緑色のチェックマークのバッジ。以前はネイビーの盾のバッジだった | 管理画面の「設定」>「アカウント設定」の「アカウント情報」にある「アカウント認証をリクエスト」から審査を受ける |
| プレミアムアカウント | 「プレミアムアカウント」という表現は廃止され、審査を通ったアカウントは認証済アカウントにまとめられた。以前は緑の盾のバッジだった | 今は新しく区分として取るものではない |
古い記事の「緑はプレミアム、紺は認証済、グレーは未認証」は、2026年4月より前の話です。管理画面の一部の説明文には今も「プレミアムアカウント」という言葉が残っていますが、区分として気にする必要はありません。
基本の機能は、未認証でも認証済でもほぼ同じです。料金プランも同じで、申請と審査は無料です。認証済になると次のことが増えます。
| 認証済でできるようになること | サンプル料理教室にとっての意味 |
|---|---|
| LINEアプリの中の検索で見つかる | 教室の名前で検索した人に見つけてもらえる |
| 友だち追加広告を出せる(一部の業種は不可) | 近くの人に広告で友だちを増やせる |
| 請求書決済「Paid」が使える | 会社の経理でカード払いが通らないときに助かる |
| 店舗用ポスターの無料ダウンロード、有料ノベルティの購入 | 教室の入口にQRコード入りのポスターを貼れる |
| LINEアプリ内の公式アカウントリストやクーポン掲載 | クーポンを友だち以外にも見せられる |
| メンバーシップが使える(未認証でもターゲットリーチ200人以上なら使える) | 月額の講座を出すときの条件を満たせる |
| チャットの「チャットを開始」で、こちらからトークを作れる | 予約の変更をこちらから連絡できる |
審査は5〜10営業日で、審査中も未認証アカウントとしてそのまま使えます。申込者の氏名と同じ名前や、個人を指すアカウント名は審査で通りません。お店や会社として運用するなら、作ったらすぐ申請しておくほうが後で困りません。申請の流れと通らないときの直し方は「認証済アカウントの申請:審査の流れ、通らないとき、できるようになること」で扱います。

Messaging APIで広がること
管理画面の機能だけで、配信・自動返信・クーポンまでは回ります。足りなくなるのは、LINEの外にある情報とつなぎたいときです。そこで使うのがMessaging APIです。公式アカウントに外部のプログラムをつなぎ、メッセージを受け取ったり、決めたタイミングで送ったりできます。管理画面の「設定」の「Messaging API」から有効にします。この設定はPCの管理画面からしかできません。
Messaging APIでつなぐと、サンプル料理教室では次のことができるようになります。
| つなぐ先 | できること | 扱う記事 |
|---|---|---|
| Googleスプレッドシート | 問い合わせが届くたびに、日時・名前・内容を1行ずつ記録する | 21 |
| 外部の予約システム | 予約が入ったら確認を送り、前日と当日にリマインドを送る | 19・20 |
| kintone | 友だちと顧客台帳を結び、やりとりを顧客ごとに残す | 22 |
| n8n・Make・Zapier | コードを書かずに、受信から記録・通知までを組む | 23 |
| 自作のBot | 予約番号を聞いて、その人の予約内容を返す | 25 |
たとえば、予約の前日に1人へリマインドを送るときは、外部のプログラムから次のように送ります。
curl -X POST https://api.line.me/v2/bot/message/push \
-H 'Content-Type: application/json' \
-H 'Authorization: Bearer YOUR_CHANNEL_ACCESS_TOKEN' \
-d '{
"to": "USER_ID",
"messages": [
{"type": "text", "text": "明日19:00から体験レッスンです。サンプル料理教室でお待ちしています。"}
]
}'
このプッシュメッセージは、管理画面からの配信と同じく通数に数えます。お客さまのメッセージに返す応答メッセージ(Reply API)は数えません。Messaging APIは無料で始められ、送れる無料の通数は契約している料金プランと共通です。チャネル・アクセストークン・Webhookの準備は「Messaging APIの始め方:チャネル・アクセストークン・Webhook」で最初から書きます。
ここで拡張ツールの話も出てきます。Lステップ・エルメ・プロラインフリーは、このMessaging APIの上に、タグ付け・顧客管理・細かい分岐配信を画面で組めるようにしたサービスです。要る会社には要ります。オープンソースで月額0円の「L Harness」という選択肢もあります。どれを選ぶかは「道具を選ぶ」の記事で比べます。公式アカウントだけでどこまでできるかを先に知ってから選ぶと、払わなくてよい月額を払わずに済みます。
向く会社・向かない会社
向くかどうかは、お客さまが普段LINEを使っているかと、やりとりが短く何度も起きるかでほぼ決まります。
| 業種 | 向くか | 理由と使い方 |
|---|---|---|
| 店舗(飲食・小売) | 向く | 来店のたびのショップカード、クーポン、営業日の案内がそのまま使える |
| 教室・スクール | 向く | 予約、リマインド、日程の案内、体験後の入会案内まで1つで回る |
| サロン・整体 | 向く | 予約の受付と変更、次回の来店のすすめ。1対1のやりとりが多い |
| 士業 | 用途を絞れば向く | 初回相談の受付と日程調整には向く。書類のやりとりと正式な連絡はメールや専用のツールで行う |
| BtoBの会社 | 一部で向く | 展示会やセミナーで集めた人への案内、問い合わせ窓口には使える。担当者同士の商談や見積はメールのほうが合う |
メールのほうがよいのは、契約書や見積書を送るとき、社内で転送して共有するとき、何年も後に記録を探すときです。チャットの履歴は、無料の範囲だとテキストもメディアも半年までしか残りません(チャットProオプションで5年)。記録として残すものはメールか、スプレッドシート・kintoneに移しておきます。
LINE WORKSのほうがよいのは、スタッフ同士の連絡です。LINE WORKSは社内用のビジネスチャットで、LINEのユーザーともトークできます。公式アカウントがお店からお客さまへの窓口なのに対して、LINE WORKSは社員が1人ずつのアカウントを持って社内と社外に連絡する道具です。講師同士のシフト連絡を公式アカウントで回すことはできません。違いとつなぎ方は「LINE WORKSとLINE公式アカウントの違い:社内用と顧客用、つなぎ方」で扱います。
お客さまの多くがLINEを使わない層、1回きりの取引で次がない商売、こちらから頻繁に新しいトークを始める必要がある営業は、公式アカウントの強みが出にくいです。
サンプル料理教室で、このサイトを読むと何ができあがるか
このサイトの33本の記事は、1つの料理教室の1つの公式アカウントを、順番に育てる形で書いています。どこで何を作るかの地図です。
| 段階 | 記事 | サンプル料理教室でできあがるもの |
|---|---|---|
| はじめる | 01 この記事 | 公式アカウントを使うかどうか、何を任せるかが決まる |
| はじめる | 02 作り方 | アカウントができ、プロフィールと基本の設定が済む |
| はじめる | 03 料金 | 月にどれだけ送るかと、選ぶプランが決まる |
| はじめる | 04 管理画面 | スタッフ6名がそれぞれの権限でログインできる |
| はじめる | 05 認証済アカウント | 認証済になり、検索で見つかる |
| はじめる | 06 運用設計 | 誰が返すか、何を自動にするかの表ができる |
| 画面を作る | 07・08 リッチメニュー | 予約・日程・よくある質問・問い合わせの4つのメニューが出る |
| 画面を作る | 09 あいさつと応答 | 友だち追加のあいさつと、よくある質問の自動返信が動く |
| 画面を作る | 10 チャットの運用 | 手動返信と自動返信の切り替え、対応漏れの防ぎ方が決まる |
| 画面を作る | 11 ショップカードとクーポン | レッスン参加でポイントが付き、次回のクーポンが出る |
| 画面を作る | 12 リッチメッセージ | 季節のレッスンを画像とボタンで案内できる |
| 配信する | 13〜15 配信・セグメント・ステップ | 日程の一斉配信、体験に来た人への入会案内のステップ配信 |
| 配信する | 16 アンケート | 体験後のアンケートをGoogleフォームで取る |
| 配信する | 17 友だち集め | 教室の入口とサイトにQRコードと友だち追加ボタンが付く |
| 配信する | 18 分析 | ブロックとクリックの数字を月1回見る |
| 予約・問い合わせ | 19・20 予約とリマインド | 体験予約を受け、前日と当日にリマインドが届く |
| 予約・問い合わせ | 21・22 スプレッドシートとkintone | 問い合わせと顧客の記録が自動で残る |
| 予約・問い合わせ | 23〜27 自動化・API・Bot・LIFF・ID連携 | 予約番号で答えるBot、会員情報と友だちのひも付け |
| 道具を選ぶ | 28〜32 拡張ツールとL Harness | 拡張ツールが要るかどうかの判断と、入れる場合の組み方 |
| 道具を選ぶ | 33 LINE WORKS | 講師同士の連絡は別の道具で回す |
最初の6本で土台を作り、7本目からは料理教室の流れに沿って1つずつ足していきます。全部を作る必要はありません。予約とリマインドが要らない店は19と20を飛ばせます。
個人のLINEで仕事の連絡をしている会社が移るとき
小さな教室やサロンでは、講師や店長の個人のLINEでお客さまとやりとりしていることがよくあります。公式アカウントへ移るときは、次の点で詰まります。
- 個人のLINEの友だちは公式アカウントに移りません。お客さま一人ひとりに、公式アカウントを友だち追加してもらう必要があります。
- 個人のLINEのトーク履歴も移りません。予約の約束や支払いの話が残っているなら、移る前にスプレッドシートなどに書き出しておきます。
- 案内は、個人のLINEから公式アカウントの友だち追加のURLかQRコードを送る形が一番早いです。「今後のご予約はこちらで受けます」と、いつから切り替えるかを日付で書きます。
- 切り替えの日を決めたら、それ以降に個人のLINEに届いた予約は、公式アカウントへ案内し直します。ここをあいまいにすると、2つの窓口が何か月も続きます。
- 公式アカウントを友だち追加してくれない人は必ず出ます。電話やメールで連絡できる手段を残しておきます。
- お客さまが入ったグループトークを個人で作っていた場合、公式アカウントもグループに参加できます(アカウント設定の「トークへの参加」で、グループ・複数人トークへの参加を許可する)。ただし一斉配信の代わりにはならず、メディアは2週間、ファイルは1週間しか見られません。
実際に運用していると、移る一番の理由はスタッフの退職です。担当者の個人のLINEにお客さまがいる限り、その人が辞めると連絡先ごと持っていかれます。公式アカウントなら、メンバーから外すだけで、お客さまとトークは店に残ります。

できないことと、その代わり
| できないこと | 代わりの手 |
|---|---|
| 個人のLINEの友だちやトーク履歴を引き継ぐ | 友だち追加のURLを送って追加してもらう。履歴は手で書き出す |
| 未認証アカウントから、こちらが先にトークを始める | 認証済アカウントにして「チャットを開始」を使う。または一斉配信で知らせる |
| コミュニケーションプランで月200通を超えて送る | ライトプランかスタンダードプランに変える。追加の通数が送れるのはスタンダードプランだけ |
| 1人のお客さまに細かくタグを付けて管理する | 無料の範囲ではチャットのタグは1人1個まで。チャットProオプション(最大30個)、kintone、拡張ツールを使う |
| 管理画面だけで外部の予約システムと連動する | 「LINEで予約」が使える予約サービスか、Messaging APIで自作する |
| PC版LINEでリッチメニューを見せる | PC版とChrome版のLINEには出ない。スマホで見てもらう前提で作る |
| チャットの履歴を何年も残す | 無料の範囲は半年。必要なものはスプレッドシートやkintoneに記録する |
| リサーチで新しいアンケートを長く使う | 2026年12月2日で終了する。Googleフォームを使う |
| スタッフ同士の社内連絡 | LINE WORKSなど社内用のチャットを使う |
| 友だちでない人に何度もメッセージを送る | 友だちでない人には最終受信から7日以内しか返信できない。友だち追加を案内する |

よく詰まるところ
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| お客さまに「読んだのに返事がない」と言われる | チャットがオフで、届いた時点で自動で既読になっている | 「応答設定」でチャットをオンにする |
| こちらからトークを始めるボタンがない | 未認証アカウントでは、メッセージが届いたトークしか表示されない | 認証済アカウントを申請する |
| 月の途中で配信もステップ配信も止まった | コミュニケーションプランの200通を使い切った | 送る人数を絞るか、プランを変えて配信を再開する |
| 辞めたスタッフしか管理画面に入れない | そのスタッフの個人のLINEアカウントだけで管理者になっていた | 早めに会社のメールのビジネスIDを管理者に追加する。辞める前に必ずやる |
| メンバーに送った招待のURLが開けない | 認証用URLは発行から24時間で切れ、1回につき1人しか使えない | 1人ずつ新しくURLを発行して送る |
| 検索しても自分の公式アカウントが出てこない | 未認証アカウントは、LINEアプリ内の検索に表示されない | 認証済アカウントを申請する。それまではQRコードとURLで案内する |
| 古い記事のとおりにLINE VOOMで投稿しようとしてメニューがない | LINE VOOMは2026年9月30日で終わった | 「投稿」を使う。全アカウントへの提供は2026年10月28日の予定で、日付は変わることがある |
| パソコンでLINEを使う人からリッチメニューが見えないと言われる | リッチメニューはPC版・Chrome版のLINEに表示されない | スマホで開いてもらう。大事な案内はメッセージでも送る |
| 「LINEで予約」がメニューに出てこない | 予約サービスとの連携が済んでいない | 連携に対応した予約サービスを使うか、外部の予約ページをリッチメニューに置く |
| チャットのタグが1人に1個しか付けられない | 無料の範囲の上限 | チャットProオプションを付けるか、顧客の記録をkintoneやスプレッドシートに移す |

次にやること
使うと決めたら、次は「LINE公式アカウントの作り方:開設から最初の設定まで(PC・スマホ)」でアカウントを作ります。会社のメールアドレスでビジネスIDを作るところから書いています。
月に何通送るかを見積もるなら「LINE公式アカウントの料金:無料と有料プランの違い、メッセージ通数の数え方」を読みます。サンプル料理教室の配信の回数から、どのプランが要るかを決めます。
作る前に、誰が返して何を自動にするかを決めたいときは「LINE公式アカウントの運用設計:誰が返信し、何を自動にするか」です。スタッフ6名の教室で、レッスン中と営業時間外の返し方を決めます。
拡張ツールをすすめられて迷っているなら「Lステップとは:料金・できること、公式アカウントだけでできること」を先に読むと、公式アカウントだけで足りるかどうかが分かります。
