ステップ配信の作り方:友だち追加から自動で送るシナリオ

公開 書いた人 大林 諒

ステップ配信は、友だち追加などをきっかけに、決めたメッセージを決めた日数ごとに自動で送る機能です。LINE公式アカウントには標準で入っていて、追加の費用はかかりません。サンプル料理教室で「追加の翌日に教室紹介、3日後に体験予約の案内、体験のあとに入会案内」を組むところまでを、管理画面の手順どおりに書きます。読み終わると、標準のステップ配信で足りるのか、拡張ツールやMessaging APIが要るのかを自分で判断できます。LINE公式アカウントの開設と、あいさつメッセージの設定は済んでいる前提です。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 標準のステップ配信でできること
  3. サンプル料理教室のシナリオ
  4. 標準のステップ配信の作り方
  5. 応用
  6. 配信を止める・作り直すときの注意
  7. 効果の見方
  8. 標準でできないことと、その代わり
  9. よく詰まるところ
  10. 次にやること

先に決めること

動き出してから設計を変えると、途中まで進んだ友だちの扱いが面倒になります。先に次の6つを決めます。

  • 何をきっかけに始めるか。標準のステップ配信で選べる開始条件は「友だち追加」と「オーディエンス」の2つだけです。体験レッスンの日付や予約日をきっかけにはできません
  • 何日目に、何を、何時ごろ送るか。待ち時間は日単位で、1回の待ちは1〜30日です。「追加から2時間後」のような時間単位は作れません
  • 途中で抜けてほしい人を、どう見分けるか。予約した人・入会した人に案内を送り続けると逆効果です。標準機能で見分けられるのは、性別・年齢・OS・エリアの属性と、オーディエンスだけです
  • 既存の友だちも対象にするか。開始条件を「友だち追加」にすると、指定した日付以降に追加された友だちだけが対象で、今いる友だちには届きません
  • 月に何通まで使ってよいか。ステップ配信で送ったメッセージは通数にカウントされます。当月の上限を超えると、利用中のステップ配信はすべて止まります
  • 誰が作り、誰がタグを付けるか。ステップ配信の作成はWeb版の管理画面だけでできます。LINE公式アカウントアプリでは作れないので、PCを触れる人が担当になります

サンプル料理教室では、スタッフがチャットで「体験予約済み」「体験参加」「入会済み」のタグを付け、そのタグをオーディエンスにして分岐に使います。無料の範囲では、作れるタグは5種類まで、1つのチャットルームに付けられるタグは1個までです(チャットProオプションでは300種類・1ルーム30個まで)。予約済みから体験参加、入会済みへと進むたびにタグを付け替えることになり、付け替えた人は前のタグのオーディエンスから外れます。

標準のステップ配信でできること

2026年10月時点の公式マニュアルに書かれている仕様をまとめます。料金プランによって使える機能に差はなく、無料のコミュニケーションプランでもステップ配信は使えます。

項目2026年10月時点の仕様
開始条件「友だち追加」か「オーディエンス」のどちらか
友だち追加の対象指定した日付以降に追加された友だち。追加経路で絞り込める
待ち時間次のステップまでの日数。1〜30日
ステップ数1ルートにつき10個まで、1つのステップ配信につき100個まで
作成できる数50件まで
条件分岐属性(性別・年齢・OS・エリア)とオーディエンス
配信時間時間帯で指定。3時間以上の幅が推奨
有効期間開始日・終了日の片方か両方。タイムゾーンも指定
配信数の上限ステップ配信ごとに設定でき、超えると停止
費用機能の利用は無料。送ったメッセージは通数にカウント
作れる場所Web版のLINE Official Account Manager(管理画面)だけ
テンプレート4つのテーマ、全6種類
分析配信数・開封数・クリック数・完了率などをWeb版で確認

タイトルは50文字、各メッセージのタイトルは20文字、条件名は50文字までです。メッセージのタイトルは管理用なので、「D1 教室紹介」のように何日目か分かる名前にすると分析画面で迷いません。

開始条件と分岐に使えるオーディエンスは、公式のお知らせでは次の6種類です。

オーディエンス料理教室での使いどころ
チャットタグオーディエンス「体験予約済み」「入会済み」のタグで分ける
追加経路オーディエンス店頭のQRコードとWebサイトの友だち追加ボタンで分ける
クリックリターゲティング一斉配信のリンクを押した人だけに続きを送る
インプレッションリターゲティング一斉配信を開封した人だけに続きを送る
ウェブトラフィックオーディエンス教室サイトの料金ページを見た人に送る
ユーザーIDアップロードLINEログインなどで集めたIDのリストで送る

ビジネスマネージャーから共有されたオーディエンスは設定できません。

サンプル料理教室のシナリオ

作るのは2本です。1本目は友だち追加をきっかけに体験予約まで案内するもの、2本目は体験レッスンに来た人へ入会を案内するものです。追加の直後はあいさつメッセージで送ります。待ち時間は1日からで、あいさつメッセージは通数にカウントされないからです。

シナリオ1「新しい友だちへの案内」(開始条件:友だち追加)

ステップ前からの待ち時間配信時間対象内容
0追加直後即時全員あいさつメッセージ(別機能)。リッチメニューの使い方
11日11:00〜14:00全員教室の紹介。講師・教室の写真・レッスンの流れ
22日(追加から3日後)18:00〜21:003つのタグのどれもない人体験レッスンの予約案内。日程と予約ボタン
34日(追加から7日後)18:00〜21:003つのタグのどれもない人よくある質問と、平日夜・土日の空き状況

シナリオ2「体験のあとの入会案内」(開始条件:オーディエンス「体験参加」)

ステップ前からの待ち時間配信時間対象内容
11日11:00〜14:00全員体験のお礼、当日のレシピ、入会の案内
23日(開始から4日後)18:00〜21:00「入会済み」以外入会の手続きの流れと料金、問い合わせ先
33日(開始から7日後)18:00〜21:00「入会済み」以外次回レッスンの日程とショップカードの案内

シナリオ2の開始は、体験レッスンが終わったあとにスタッフがチャットで「体験参加」のタグを付けた時点です。オーディエンスを開始条件にすると、開始時点でオーディエンスに含まれる人と、開始後に新しく含まれた人が対象になります。体験日そのものを起点にはできないので、タグを付ける日がずれると案内もずれます。レッスン当日の片付けのあとにタグを付ける、と決めておきます。

シナリオ1の全体図。ステップと分岐のひし形が並んだ編集画面
シナリオ1の全体図。ステップと分岐のひし形が並んだ編集画面

通数の見積もりもしておきます。月に30人が友だち追加し、そのうち10人が体験を予約するとします。シナリオ1は全員に1通、予約していない20人に2通で70通前後です。月8人が体験に来て2人が入会するとすれば、シナリオ2は8通と6通と6通で20通です。合わせて月90通ほどになります。コミュニケーションプランの無料メッセージは月200通(2026年10月時点)なので、これだけなら収まります。友だち300人に一斉配信を1回送れば300通なので、一斉配信も使う教室はライトプラン(月5,000通・月額5,000円税別、2026年10月時点)を前提に考えます。

標準のステップ配信の作り方

準備:タグとオーディエンスを作る

分岐に使うオーディエンスを先に作ります。チャットタグオーディエンスは、タグが付いた友だちとのチャットルームがあることが前提です。

  1. PCのブラウザでLINE Official Account Manager(管理画面)にログインする
  2. 「チャット」を開き、テスト用にスタッフのアカウントとのチャットを選ぶ
  3. ユーザー情報欄のタグのえんぴつマークから「体験予約済み」を作って付ける
  4. 別のスタッフのチャットに「体験参加」、もう1人のチャットに「入会済み」を作って付ける(無料の範囲では1ルーム1個のため)
  5. 管理画面の「データ管理」から「オーディエンス」を開く
  6. 「作成」をクリックする
  7. オーディエンスタイプで「チャットタグ」を選ぶ
  8. オーディエンス名に「体験予約済み」と入れる
  9. ターゲット設定に出るタグの中から「体験予約済み」を選び、「保存」をクリックする
  10. 「体験参加」「入会済み」も同じ手順でオーディエンスにする
オーディエンス作成画面でオーディエンスタイプに「チャットタグ」を選んだところ
オーディエンス作成画面でオーディエンスタイプに「チャットタグ」を選んだところ

すでにオーディエンスがあるタグは選べません。タグを消すとそのオーディエンスも消え、それを使うステップ配信は止まるので、運用中のタグは消さないことをスタッフに共有しておきます。チャットタグオーディエンスには、ほかのオーディエンスにある180日の有効期限がありません。

1ルーム1個の範囲で組むときは、タグが付け替わることを前提に分岐を置きます。シナリオ1の体験案内は「体験予約済み」だけで判定すると、すでに体験に来て「体験参加」に付け替えた人にも届きます。そこで分岐を「体験予約済み」「体験参加」「入会済み」の順に3つ重ね、どれにも当たらない人だけに送ります。分岐を重ねるのが手間なら、チャットProオプションで3つのタグを付けたままにする手もあります。

シナリオ1を作る

  1. 管理画面のメニューから「ステップ配信」を開く
  2. 新しいステップ配信を作るボタンをクリックする。迷ったら画面の「設定ガイド」で流れを確かめられる
  3. 「タイトル」(50文字まで)に「新しい友だちへの案内」と入れる。「ID」は作成後に付く
  4. 「タイムゾーン」が初期値の「Asia/Tokyo」になっているのを確かめ、有効期間の開始日に利用を始める日を入れる。終了日は空けておく
  5. 配信数の上限に、月の見積もりより少し多い数を入れる。例は 150
  6. 開始条件が初期値の「友だち追加」になっているのを確かめる
  7. 対象にする友だち追加の日付を入れる
  8. 追加経路は「すべての経路」を選ぶ
  9. フロー図の開始条件の下で「ステップを追加」を押し、待ち時間を 1 日にする(フロー図の最後には「完了」が置かれている)
  10. メッセージ配信のステップを追加し、タイトルに「D1 教室紹介」と入れる
  11. 配信時間を11:00〜14:00にする
  12. 本文に教室の紹介を入れる。必要なら友だちの表示名を差し込む
  13. 次のステップを追加し、待ち時間を 2 日にする
  14. 条件分岐を追加し、条件名を「体験予約済みか」にする
  15. 条件にオーディエンス「体験予約済み」を選ぶ
  16. 予約していない人のルートに「D3 体験案内」のメッセージを置き、配信時間を18:00〜21:00にする
  17. その先に待ち時間 4 日と「D7 よくある質問」のメッセージを置く
  18. プレビューで文面を確かめ、テスト配信でスタッフのスマホに送る
  19. 保存し、「利用を開始」をクリックする
ステップ配信の基本設定。タイトル・タイムゾーン・有効期間・配信数の上限
ステップ配信の基本設定。タイトル・タイムゾーン・有効期間・配信数の上限
開始条件で「友だち追加」と「すべての経路」を選んだところ
開始条件で「友だち追加」と「すべての経路」を選んだところ

待ち時間は前のステップからの日数です。「追加から3日後」なら、1日後のメッセージのあとに置く待ち時間は2日です。未設定の項目があるステップにはバッジが表示されるので、「利用を開始」の前に全体図を見渡してバッジが残っていないか確かめます。

分岐のひし形を置いたあと、条件に合わない人のルートの見え方と操作は、マニュアルに文章での説明がありません。この記事でも画面では確かめていないので、テスト配信とスタッフのアカウントで両方のルートを1回ずつ通してから利用を始めます。

テスト配信では友だちの表示名とアカウント名が反映されません。表示名を差し込んだ文面は、テストで「名前が入らない」と見えても不具合ではありません。

シナリオ2を作る

  1. 「ステップ配信」に戻り、「新規メッセージを作成」をクリックする
  2. タイトルに「体験のあとの入会案内」と入れ、有効期間と配信数の上限を入れる
  3. 開始条件で「オーディエンス」を選び、「体験参加」を選ぶ
  4. 待ち時間 1 日のあとに「D1 お礼と入会案内」を置き、配信時間を11:00〜14:00にする
  5. 待ち時間 3 日のあとに条件分岐を置き、条件にオーディエンス「入会済み」を選ぶ
  6. 入会していない人のルートに「D4 入会の流れ」を置く
  7. 待ち時間 3 日のあとに「D7 次回レッスン」を置く
  8. テスト配信をして保存し、「利用を開始」をクリックする
開始条件で「オーディエンス」を選び「体験参加」を指定したところ
開始条件で「オーディエンス」を選び「体験参加」を指定したところ

テンプレートから作る場合

「ステップ配信」から「テンプレートを使用」を選ぶと、開始条件と待ち時間が入った状態から始められます。テーマは「フォローアップ」「再来店の促進」「レビュー・チャットの依頼」「サービス・商品の宣伝」の4つです。テンプレートには基準日・追加経路・配信時間帯が自動で入るので、そのまま「利用を開始」を押さず、基本設定と開始条件を見直します。

スマホしか使えないとき

公式の機能比較では、ステップ配信とオーディエンスの作成はLINE公式アカウントアプリでは使えず、Web版だけです。一方、チャットのマニュアルにはアプリでのタグの付け方も載っていて、プロフィールのタグ欄のえんぴつマークから付けられます。そこで、現場のスタッフはアプリでタグ付け、設定はPCで一人が担当、と分けると回ります。

応用

友だち追加の経路で分ける

店頭のQRコードから追加した人はすでに教室を見ていますが、Webサイトから追加した人はまだ知らない人が多いので、開始条件の追加経路で分けて、店頭から追加した人向けには教室紹介を短くし、体験予約の案内を早めます。ただし2020年3月14日以前に追加された友だちには経路の情報がありません。古い友だちも対象にしたいときは「すべての経路」を選びます。

配信時間帯の決め方

配信時間は時刻ではなく幅で指定します。実際に運用していると、平日夜の教室では18時〜21時の案内の開封が早く、昼の教室紹介は11時〜14時に送ると日中のうちに読まれていました。仕事中に予約まで進めない人が多いので、予約ボタン付きのメッセージは夜に寄せています。

有効期間でキャンペーンだけ回す

春の体験キャンペーンを3月だけ案内したいときは、有効期間の終了日を3月31日にします。終了日のあとも、すでに入った人には最後まで届くので、文面に期限を書いておきます。

配信を止める・作り直すときの注意

進み具合は友だちごとに違います。止めたり書き換えたりしたときの影響は次のとおりです。

操作途中まで進んだ人への影響
メッセージの文面だけ変えるまだ条件が発動していない人には変更後、発動済みの人には変更前の文面が届く
ステップや分岐を足す・消す変更ごとにバージョンとして記録され、分析画面で見られる。文面だけの変更ではバージョンは変わらない
ステップを消す消したステップの次に置いたステップが、その条件を満たしたときに実行される
停止して再開する待ち日数0の人は再開時にすぐ届く。1日以上の人は残りの日数が過ぎてから届く。停止中に条件を満たした人は再開時に始まる
有効期間が終わる新しい人は入らない。入っている人には送り続ける
通数の上限に届く利用中のステップ配信がすべて止まる。プランか上限を変えて「再開」を押すと、利用中のものがすべて再開する
友だちがブロックするその人への配信は止まる。ブロック解除は新しい友だち追加として扱われる

この表から分かる注意は3つです。

1つ目は、長く止めて再開すると、待ち日数が終わった人へ一度に届くことです。

2つ目は、通数の上限で止まったあとの「再開」は利用中のもの全部が対象になることです。再開の前に、使わないものは編集画面で「停止」にしておきます。

3つ目は、作り直しの順番です。元のシナリオを止めてしまうと、途中の人はそこで置き去りになります。サンプル料理教室では次の順で入れ替えました。

  1. 元のシナリオの有効期間の終了日を今日にする
  2. 新しいシナリオを作り、有効期間の開始日を明日にする
  3. 新しいシナリオのテスト配信をして「利用を開始」する
  4. 元のシナリオの最後のステップまでの日数が過ぎたら、元のシナリオを停止する

今日までに入った人は元のシナリオを最後まで受け取り、明日からの人は新しいシナリオに入るので、同じ案内が2回届きません。

ステップ配信の一覧。ステータスと有効期間が並んだところ
ステップ配信の一覧。ステータスと有効期間が並んだところ

効果の見方

ステップ配信の数字は、ステップ配信の分析画面で見ます。利用中のステップ配信で「利用を開始」のボタンを押すと分析画面に移ります。全体画面と、1つのステップ配信を開いた詳細画面があります。

指標意味料理教室での読み方
配信通数期間内に送ったメッセージの通数通数予算の消化を見る
トリガー数期間内に開始条件を満たした数シナリオ1なら友だち追加の数とほぼ同じになる
完了数・完了率開始した人のうち最後まで届いた数と割合低いとブロックで抜けている
アクション到達率そのステップの配信数÷開始した人数どのステップで減っているかを見る
開封数・開封率メッセージを開いた人の数と割合配信時間帯の良し悪しを見る
クリック数・クリック率リンクやボタンを押した人の数と割合体験予約ボタンが押されているかを見る

数字の扱いには3つ注意があります。配信数以外はすべて推定値で、実際と1%前後の差が出ることがあります。分析画面の配信数は「分析」の「メッセージ通数」にある「ステップ配信」の通数と一致しないことがあり、課金は後者の通数で決まります。ステップを開始した人の数は、反映まで1日ほどかかることがあります。

見る順番は、まず完了率とアクション到達率です。D3は分岐でタグの付いた人が外れるぶん減るのが正常なので、減り方がタグを付けた人数より大きければ、D1の直後のブロックを疑います。次にD3のクリック率で、体験予約ボタンが押されているかを見ます。予約まではこの画面で追えないので、月に1回、予約表の件数と並べます。

分析のステップ配信の詳細画面。ステップごとの配信数・開封率・クリック率
分析のステップ配信の詳細画面。ステップごとの配信数・開封率・クリック率

標準でできないことと、その代わり

標準のステップ配信は、友だち追加から日数で送るシナリオには十分です。一方で、次のことはできません。

できないこと代わりの手
体験日・予約日など任意の日付を起点に送るタグを付けた日を起点にする(シナリオ2の形)。日付から逆算するなら拡張ツールかMessaging API
時間・分単位で待つ(2時間後など)拡張ツールかMessaging API
外部の予約システムの予約と連動して始める・止める予約システム側のLINE連携か、Messaging APIで予約データを読んで送る
回答フォームの答えやボタンの選択で細かく分ける分岐はオーディエンスと属性だけ。回答で分けるなら拡張ツール
友だちごとに任意のタイミングで途中から入れるオーディエンスの開始条件で代用。細かく制御するなら拡張ツールかMessaging API
スマホのアプリで作る・直すPCのWeb版を使う
当日すぐに送る(待ち0日)友だち追加の直後はあいさつメッセージで送る

予約の前日・当日に送るリマインドは、標準では作れない代表例です。

拡張ツールとMessaging APIで作る場合の違い

比べる点標準のステップ配信LステップL HarnessMessaging APIで自作
始まるきっかけ友だち追加・オーディエンス友だち追加、回答フォームなどのアクション友だち追加・タグ付け・手動登録自分で決める
待ちの単位日(1〜30日)1分単位から分単位自分で決める
分岐属性・オーディエンスタグ、回答、ボタンの選択などタグの有無・友だち情報の値自分で決める
日付から逆算できないリマインダーステップ配信リマインダー機能自分で作る
月額0円(通数は別)プランごとの月額0円(サーバー代・通数は別)0円(サーバー代・通数は別)
準備の手間管理画面だけ申し込みと初期設定Cloudflareなどの準備プログラムを書く

Lステップの「ステップシナリオ配信」は、1分単位の時間指定と条件分岐に対応し、日程から逆算して送る「リマインダーステップ配信」もあります。友だちをタグで分けて、回答フォームの答えに応じて自動で動かす、という組み方が管理画面でできます。予約・回答・タグで細かく分ける教室には、こうした拡張ツールが要ります。料金とプランごとの違いは別の記事にまとめています。

L Harnessはオープンソース(MITライセンス)の拡張ツールで、ソフトウェアの利用料は0円です。シナリオの開始は「友だち追加」「タグ追加」「手動」の3種類で、待ち時間は分単位、分岐は「タグがある・ない」と友だち情報の値で組めます。予約日などの日時を起点に、前後のタイミングで送るリマインダー機能も別にあります。代わりに、Cloudflareのアカウント、Messaging APIのチャネル、セットアップの作業が要り、LINE公式アカウントの通数の料金は別にかかります。

Messaging APIで自作する場合は、友だち追加のWebhookを受けて記録し、日数が来た人にプッシュメッセージを送る仕組みを自分で持ちます。プッシュメッセージは通数にカウントされます。通数は送った相手の人数で数え、1回に入れたメッセージの数(最大5つ)は関係ありません。

Messaging APIで自作するときの骨組み

Googleスプレッドシートと Google Apps Script(GAS)で、シナリオ1と同じ「1日後・3日後」を送る最小の形です。シートの名前は「友だち」、A列からF列に「ユーザーID」「追加日時」「ブロック解除か」「D1送信」「D3送信」「状態」を並べます。チャネルアクセストークンはスクリプトプロパティに CHANNEL_ACCESS_TOKEN という名前で入れます。

// 友だち追加(follow)とブロック(unfollow)を記録する
function doPost(e) {
  const sheet = SpreadsheetApp.getActive().getSheetByName('友だち');
  const body = JSON.parse(e.postData.contents);
  body.events.forEach(function (ev) {
    if (ev.source.type !== 'user') return;
    if (ev.type === 'follow') {
      const unblocked = ev.follow ? ev.follow.isUnblocked : false;
      sheet.appendRow([ev.source.userId, new Date(ev.timestamp), unblocked, '', '', '']);
    }
    if (ev.type === 'unfollow') {
      const ids = sheet.getRange('A:A').getValues().map(function (r) { return r[0]; });
      ids.forEach(function (id, i) {
        if (id === ev.source.userId) sheet.getRange(i + 1, 6).setValue('ブロック');
      });
    }
  });
  return ContentService.createTextOutput('ok');
}

const STEPS = [
  { day: 1, col: 4, text: 'サンプル料理教室の紹介です。レッスンの流れはこちら https://example.com/lesson' },
  { day: 3, col: 5, text: '体験レッスンの予約はこちらから https://example.com/trial' },
];

// 1日1回、時間主導型トリガーで動かす
function sendSteps() {
  const sheet = SpreadsheetApp.getActive().getSheetByName('友だち');
  const rows = sheet.getDataRange().getValues();
  const today = new Date(); today.setHours(0, 0, 0, 0);
  for (let i = 1; i < rows.length; i++) {
    const userId = rows[i][0];
    const added = new Date(rows[i][1]); added.setHours(0, 0, 0, 0);
    const status = rows[i][5];
    if (!userId || status === 'ブロック' || status === '入会済み') continue;
    const days = Math.round((today - added) / 86400000);
    STEPS.forEach(function (s) {
      if (days >= s.day && !rows[i][s.col - 1]) {
        if (push(userId, s.text)) sheet.getRange(i + 1, s.col).setValue(new Date());
      }
    });
  }
}

function push(userId, text) {
  const token = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty('CHANNEL_ACCESS_TOKEN');
  const res = UrlFetchApp.fetch('https://api.line.me/v2/bot/message/push', {
    method: 'post',
    contentType: 'application/json',
    headers: { Authorization: 'Bearer ' + token },
    payload: JSON.stringify({ to: userId, messages: [{ type: 'text', text: text }] }),
    muteHttpExceptions: true,
  });
  return res.getResponseCode() === 200;
}

送った日時を列に残しているので、同じ人に同じメッセージが2回届きません。状態の列に「入会済み」と入れた人は止まります。

この形には弱点が2つあります。GASのWebアプリが受け取るイベントの情報にはリクエストヘッダーが含まれないので、LINE Developersが必ず行うよう求めている署名の検証ができません。本番で使うなら、受け口をn8nやCloudflare Workersにして署名を検証します。もう1つは、ブロック解除も友だち追加と同じフォローイベントで届くことです。isUnblocked で見分けられますが、公式はこの値の完全な正確性を保証していません。解除した人に最初から送り直すかどうかは、ユーザーIDがシートにすでにあるかで決めるほうが確実です。

よく詰まるところ

症状原因直し方
今いる友だちに1通も届かない開始条件「友だち追加」は指定日以降に追加された人だけが対象今いる友だちには一斉配信で送る。チャットタグのオーディエンスを開始条件にする手もある
過去の日付を入れたのに、昔の友だちが1日目から始まらない過去の日付にしても開始の判定は設定した時点で行われ、待ち時間も設定時点から数える過去の追加日からの日数で送ることはできない前提で設計する
開始日当日に追加した人が対象から外れた開始の判定日が実際の追加日と1日ほどずれることがある境目の日に追加した人には、あいさつメッセージで同じ案内に触れておく
指定した時刻に届かない配信時間の幅が狭く、時間内に送りきれない3時間以上の幅にする
1日遅れて届いた時間内に配信できなかった人は翌日の同じ時間に回る幅を広げる。急ぐ案内はステップ配信に載せない
ステップ配信が全部止まった当月の通数の上限を超えたプランか上限を変えてから「再開」を押す。使わないものは先に「停止」にする
途中で1本だけ止まった開始条件や分岐に使っていたオーディエンスが使えなくなったタグを消していないか確かめ、オーディエンスを作り直して設定し直す
経路で絞ったら古い友だちが入らない2020年3月14日以前の友だちには経路の情報がない古い友だちも含めるなら「すべての経路」にする
文面を直したのに古い文面が届く条件が発動済みの人には変更前の文面が送られる急ぐ訂正はチャットか一斉配信で補う
名前の差し込みが空になるテスト配信では表示名が反映されない。プライバシーポリシーに同意していない人には送信されないことがあるテストでは気にしない。名前がなくても通じる文面にする
ブロック解除した人に1通目からまた届くブロック解除は新しい友だち追加として扱われる文面を2回目に読まれても困らない内容にする
予約した人に予約案内が届く「体験予約済み」のタグを付ける前に配信日が来た予約を受けたらその場でタグを付ける運用にする
スマホのアプリにステップ配信がないステップ配信の作成はWeb版だけPCのブラウザで管理画面を開く
新規作成でエラーになる作成できるのは50件まで使っていないものを整理する
分析の配信数と請求の通数が合わない分析の数字は推定値を含み、課金は「メッセージ通数」の数で決まる費用は「メッセージ通数」の画面で見る

次にやること

作ったタグとオーディエンスは、一斉配信の送り分けにも使えます。

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