Lステップとは:料金・できること、公式アカウントだけでできること

公開 書いた人 大林 諒

Lステップ(エルステップ)は、LINE公式アカウントに後から足す拡張ツールです。LINE公式アカウントのMessaging APIを使ってつなぎ、LINE公式アカウントの標準機能にない「予約日を基準にしたリマインド」「タグでの細かい送り分け」「人ごとのリッチメニューの出し分け」「人ごとのクリック計測」などを足します。LINE公式アカウントそのものはLINEヤフーのサービスで、Lステップはソーシャルデータバンク株式会社(旧: 株式会社Maneql)のサービスです。料金も契約も別々にかかります。この記事では、2026年10月時点の料金プランと機能の差を公式ページの数字だけで並べ、サンプル料理教室の運用で「どこまでは公式アカウントだけで足り、どこからLステップのような道具が要るか」を切り分けます。前提は、LINE Official Account Manager(管理画面)で配信・あいさつメッセージ・リッチメニューを一通り触ったことがある状態です。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. Lステップの料金プラン
  3. Lステップと公式アカウントだけでできることの比較
  4. サンプル料理教室で考える
  5. 入れるときの手順と注意
  6. 構築を外に頼む場合の考え方
  7. 応用
  8. できないことと、その代わり
  9. よく詰まるところ
  10. 次にやること

先に決めること

Lステップの料金表を見る前に、次の5つを決めます。ここが曖昧なまま申し込むと、要らない上位プランを契約したり、入れた後で既存の仕組みが止まったりします。

  • 足りないものを1つずつ書き出す。「ステップ配信をしたい」ではなく「体験レッスンの前日に、その人の予約日に合わせて送りたい」のように、誰に・いつ・何を送るかまで書きます。公式アカウントの標準機能で済むものが混ざっていることが多いです
  • 月に何通送るかを数える。Lステップの料金はプランごとの月間配信数で決まり、LINE公式アカウントの料金も別に通数でかかります。両方の上限を同じ数字で見ます
  • いまMessaging APIを使っている仕組みがあるかを確かめる。問い合わせをスタッフに通知するボット、予約システムの連携などが既にWebhookを受けていると、Lステップを入れた時点で止まります
  • 返信を誰がどの画面でするかを決める。Lステップを入れると、チャットは原則Lステップの「個別トーク」に移ります。管理画面のチャットと混ぜると履歴が分かれます
  • やめるときに何を持ち出すかを決める。タグや友だち情報はCSVで出せますが、別の道具にそのまま入るわけではありません。誰と突き合わせるための項目を最初から持たせておきます

Lステップの料金プラン

Lステップ公式の料金ページの数字です(2026年10月時点、表示はすべて税込)。初期費用はどのプランも0円で、通常プランは新規なら契約から30日無料です。月間配信数は公式の表記どおり目安の数字です。

プラン月額(税込)月間配信数主な違い
フリー0円約200通シナリオ配信1つ、タグ10個まで。新規・初回だけ、1社1アカウント
スタート5,000円約5,000通シナリオ配信・タグが無制限、Lフレックス、データ移行
スタンダード21,780円約30,000通上に加えてセグメントリッチメニュー、URLクリック測定
プロ32,780円約50,000通上に加えて流入経路分析、クロス分析、ファネル分析、コンバージョン管理、マルチカレンダー、スタッフ10名まで無料

50,001通以上は「大量送信プラン」(10万通・30万通・50万通・100万通)になります。オプションは次のとおりです。

オプション月額(税込)条件
スタッフの追加1名1,100円管理者1名は無料。プロ以上は10名まで無料
Webhook転送5,500円全プランで申し込める。アカウント単位
Webhook+API連携11,000円プロ以上。Webhook転送を使っている場合は追加5,500円

契約の条件で、小さい会社が見落としやすいものがあります。

  • LINE公式アカウントの料金は別にかかる。LINEヤフーと直接契約し、配信数によっては公式アカウント側を有料プランに上げる必要があります
  • Lステップの配信数がLINE公式アカウントの配信数より多くても、送れるのはLINE公式アカウントの分までです
  • 1対1の個別トークで送ったメッセージも、Lステップの送信数に入ります
  • 課金後の解約は3か月後(3回課金した後)から。解約は課金日の前日までに手続きします
  • プランを上げるのは無料でいつでもできます。下げられるのはプロと大量送信プランの間だけで、日割りはありません
  • 支払いはクレジットカードだけです。請求書の発行には対応しておらず、領収書の発行も2023年12月1日で終わっています。経理で請求書払いが前提の会社は、申し込み前に処理の仕方を決めておきます

LINE公式アカウント側の料金は次のとおりです(2026年10月時点、税別)。こちらは税別、Lステップは税込なので、合計するときは揃えてから足します。

プラン月額(税別)無料メッセージ通数追加メッセージ
コミュニケーションプラン0円200通送れない
ライトプラン5,000円5,000通送れない
スタンダードプラン15,000円30,000通1通〜3円(税別)
Lステップ公式サイトの料金プランの表(4プランの月額と配信数が並ぶところ)
Lステップ公式サイトの料金プランの表(4プランの月額と配信数が並ぶところ)

Lステップと公式アカウントだけでできることの比較

LINE公式アカウントの標準機能(管理画面)と、Lステップで同じことをするときの差です。「公式アカウントだけ」は無料のコミュニケーションプランから使える範囲で書いています。

やりたいこと公式アカウントだけLステップ
ステップ配信「ステップ配信」。起点は「友だち追加」か「オーディエンス」。待ち時間は1〜30日、日単位。作成上限50件シナリオ配信。フリーは1つ、スタート以上は無制限
予約日などを基準に送る起点にできないリマインダ配信。ゴール日を基準に逆算して送る
タグチャットのタグ。無料では種類5個・1人に1個まで。チャットProオプションで300個・1人30個タグ機能。フリー10個、スタート以上は無制限(最大10,000種類)
顧客ごとの情報チャットのノート。無料では1人1件友だち情報欄(カスタム項目最大100)
セグメント配信絞り込み配信。属性(推定)とオーディエンス。属性はターゲットリーチ100人以上、配信先のオーディエンスはそれぞれ有効な友だち50人が必要セグメント配信。タグや友だち情報、行動の条件で絞る
リッチメニューの出し分け管理画面で作るのはデフォルトのリッチメニューで、表示期間の予約ができる。人ごとの割り当てはMessaging APIでしかできないセグメントリッチメニュー(スタンダード以上)。人ごとに出し分け・切り替え
フォーム「リサーチ」。質問は最大7つ、結果はExcelでダウンロード(回答20件以上から)回答フォーム(最大20問)。回答に応じてタグ付けなどを自動で実行
予約「LINEで予約」。予約サービスと連携済みのアカウントだけイベント予約(最大60枠)、カレンダー予約。全プランで使える
分析「分析」タブで配信ごとの開封・クリックの合計。人ごとには見られないURLクリック測定(スタンダード以上)で人ごとのクリック。流入経路・クロス・ファネル分析はプロ
問い合わせへの返信チャット。応答メッセージ、AIチャットボット(β)(チャットProオプション)個別トーク、自動応答、対応マーク
管理画面の「ステップ配信」で開始条件を選ぶところ(「友だち追加」「オーディエンス」)
管理画面の「ステップ配信」で開始条件を選ぶところ(「友だち追加」「オーディエンス」)

表の左側だけで足りる会社は多くあります。差がはっきり出るのは、予約日を基準にしたリマインド、人数の少ないグループへの送り分け、人ごとのリッチメニュー、人ごとのクリックの4つです。絞り込み配信のマニュアルでは、配信先に使うオーディエンスにそれぞれ有効な友だち50人が必要とされていて、この条件は小さい教室ほど効いてきます。月に20人しか体験に来ない教室で「体験に来た人」だけに送る形は、この人数の条件に引っかかりやすいので、オーディエンスを作ったら画面で人数と配信に使えるかを確かめてから運用を組みます。

公式のCRMオプションという中間の選択肢

LINE公式アカウントには、有料の「CRMオプション」があります(2026年10月時点、月額5,000円・税別)。ユーザーリストで顧客情報をまとめ、フォームの回答でタグや顧客情報を更新し、属性やタグで絞ったユーザーリスト配信と、アンケート回答・誕生日・タグ付与をきっかけにしたオートメーションができます。チャットProオプション(単体なら月額3,000円・税別)の機能も含まれます。

条件があります。認証済みのLINE公式アカウントであること、認証済みのビジネスマネージャーと接続していること、友だち10万人未満であることです。購入と利用はWeb版の管理画面だけで、コミュニケーションプランでも申し込めます。タグと自動配信が欲しいだけなら、外の道具を入れる前にこちらと比べる価値があります。

サンプル料理教室で考える

サンプル料理教室の友だちは約400人、体験レッスンは月20人ほどとします。やりたいことを1つずつ、公式アカウントだけで足りるかを判定しました。

やりたいこと公式アカウントだけで足りないときの手
友だち追加→あいさつメッセージ足りる—
リッチメニューに「体験レッスンの予約」「レッスン日程」「よくある質問」「問い合わせ」足りる(管理画面で作るデフォルトのメニュー)—
よくある質問への自動返信足りる(応答メッセージ)—
問い合わせをチャットで受けてスタッフに通知足りる(管理画面・アプリの通知)内容をスプレッドシートに残すならMessaging APIかツール
体験レッスンの予約を受ける予約サービスと連携すれば「LINEで予約」外部の予約システムか、Lステップの予約
体験の前日と当日にリマインド足りない(予約日を起点にできない)予約システムのLINE通知か、Lステップのリマインダ配信
体験後に入会案内を数日おきに送る半分足りる(起点にするオーディエンスを作る手間がある)Lステップのシナリオ配信、CRMオプションのオートメーション
入会した人・しなかった人で送り分け人数が少ないうちは絞り込み配信の人数条件に当たりやすいタグで送り分けられる道具
会員と体験前の人でリッチメニューを変える足りないLステップ(スタンダード以上)かMessaging API
来店をショップカードで記録、クーポンで次へ足りる—

公式アカウントだけで作る場合の現実的な形は、体験に来た人にスタッフがチャットのタグ「体験済み」を付け、そのタグのオーディエンスをステップ配信の開始条件にする方法です。ただ、無料のチャットではタグを1人に1個しか付けられず、種類も5個までなので、「体験済み」「入会」「休会」を同時に持たせられません。ここで詰まったら、チャットProオプション、CRMオプション、Lステップの順に比べます。

Lステップを入れるなら、この教室に合うのはスタートプランです。リマインダ配信・カレンダー予約・シナリオ配信・タグは全プランで使え、スタートで数の制限が外れます。会員専用のリッチメニューまで欲しくなった時点で、スタンダードに上げます。

月額の見積もり

通数は、月2回の一斉配信が400人×2回で800通、体験前のリマインドが20人×2通で40通、体験後の入会案内が20人×4通で80通、合わせて月920通前後です。LINE公式アカウントのコミュニケーションプラン(200通)では足りないので、ライトプラン(5,000通)にします。

項目月額メモ
LINE公式アカウント ライトプラン5,000円(税別)=5,500円(税込)5,000通まで
Lステップ スタートプラン5,000円(税込)約5,000通
合計10,500円(税込)スタンダードに上げると26,780円(税込)

公式アカウントだけで済ませるなら5,500円(税込)、CRMオプションを足すと11,000円(税込)です。差額で何を買うのか、上の表のどの行を埋めたいのかで決めます。

入れるときの手順と注意

Lステップの初期設定は、PCのGoogle Chromeで進めます(Lステップ公式の推奨環境)。管理画面の操作はWeb版だけでできるものが含まれるので、アプリではなくPCで開きます。

  1. Lステップ公式サイトから申し込み、届いたメールの設定画面のURLを開く
  2. 管理画面の「設定」から「Messaging API」を開く(管理者権限が必要)
  3. 「Messaging APIを利用する」を押し、プロバイダーを作るか選んで「同意する」を押す
  4. 確認画面で「OK」を押す
  5. 表示された「Channel ID」と「Channel secret」を「コピー」ボタンでコピーし、Lステップの入力欄に貼る
  6. Lステップで「チャンネル情報を登録する」を押し、「確定」を押す
  7. 管理画面の「応答設定」で、チャット・あいさつメッセージ・応答メッセージを「オフ」、Webhookを「オン」にする
  8. LINE Developersで「LINEログイン」のチャネルを新しく作る(アプリタイプは「ウェブアプリ」)
  9. 作ったチャネルのページ上部のステータス「開発中」を押し、「公開済み」に切り替える(「開発中」には戻せない)
  10. LINEログインのチャネルIDとチャネルシークレットをLステップに入れ、「LINEログインチャネルを登録する」を押す
  11. Lステップの画面でアンケートに回答し、認証コードを受け取る電話番号を入れ、「ショートメッセージ(SMS)」か「自動音声通話」を選んで「次へ」を押す
  12. 受け取った6桁の認証コードを入力する
  13. 自分のLINEから公式アカウントにメッセージを送り、送受信できるかと、カレンダー予約の画面が開くかを確かめる
管理画面の「設定」>「Messaging API」で「Messaging APIを利用する」を押す前
管理画面の「設定」>「Messaging API」で「Messaging APIを利用する」を押す前
プロバイダーの選択画面(新規作成と既存の選択)
プロバイダーの選択画面(新規作成と既存の選択)
管理画面の「応答設定」でWebhookがオンになっている状態
管理画面の「応答設定」でWebhookがオンになっている状態

手順3のプロバイダーは後から変えられません。LINEログインなど他のチャネルと連携する予定があるなら、同じプロバイダーを選びます。プロバイダー名は友だちの認証画面に出るので、教室名にしておきます。手順6でつなぐ公式アカウントを間違えると、Lステップ側では直せません。チャネル名に「LINE」「ライン」を入れると申請が通らないことがあります。手順11の電話番号認証は5回失敗すると10分間ロックされ、手順13のテストで送ったメッセージも配信数に数えられます。

もう1つ大事なのが、既存の友だちです。導入前から友だちだった人は、Lステップに自動では入りません。メッセージを送る、ボタンをタップするなどの操作をした人から反映され、反映されていない人にはLステップから配信できません。サンプル料理教室なら、Lステップでリッチメニューを作り直して公開し、管理画面から「リッチメニューが新しくなりました」と一斉配信してタップを促します。

Webhookの切り替え

LINE公式アカウントに紐づくMessaging APIのチャネルは1つで、Webhook URLもチャネルに1つしか設定できません。Lステップを入れると、Webhookの送り先はLステップになります。それまでWebhookを受けていた仕組み(問い合わせをスプレッドシートに書くGASや、n8nのワークフローなど)には何も届かなくなります。

切り替える前に、いまの送り先を控えます。LINE Developersコンソールで対象のチャネルを開き、「Messaging API設定」タブの「Webhook URL」を見るのが安全です。APIで確かめるなら次の形です。

curl -X GET \
-H 'Authorization: Bearer YOUR_CHANNEL_ACCESS_TOKEN' \
-H 'Content-Type:application/json' \
https://api.line.me/v2/bot/channel/webhook/endpoint

返ってくる endpoint が今の送り先、active が true ならWebhookが有効です。ここで注意があります。長期のチャネルアクセストークンは1つしか持てず、新しく発行すると既存のトークンは無効になります。確認のためにトークンを再発行すると、そのトークンを使っていた別の仕組みが止まります。既に何かが動いているチャネルでは、トークンを作り直さずにコンソールの画面で見ます。

既存の仕組みを残したいなら、Lステップの「Webhook転送」(月額5,500円・税込)で、Lステップが受けたイベントを外に流します。転送されるのは友だち追加・ブロック・メッセージ受信・ポストバックで、タグなどLステップの中のデータは含まれません。転送先は1件だけなので、2つ以上に流すなら受け側で振り分けます。

LINE Developersコンソールの「Messaging API設定」タブのWebhook URL欄
LINE Developersコンソールの「Messaging API設定」タブのWebhook URL欄

他のツールと同時に使えるか

LINEヤフーは、1つの公式アカウントで複数のツールを使うこと自体は認めています。そのうえで、チャネルが1つなので次の4点がぶつかると案内しています。

ぶつかるもの何が起きるか先に決めること
Webhook URL1つのURLにしか届かないどのツールに受けさせるか。他へは転送か受け側で振り分け
チャネルアクセストークン種類ごとに上限があり、再発行で他のツールのトークンが無効になることがあるどのツールがどの種類を使っているか
レート制限全ツールのリクエストの合計で数えられる一斉に大量に送るツールを1つにする
機能ごとの上限通数、リッチメニュー数、オーディエンス数などはチャネルで共通同じ機能を2つのツールで使わない

リッチメニューも重なります。表示の優先順位は、Messaging APIで人ごとに付けたもの、Messaging APIのデフォルト、管理画面のデフォルトの順です。Lステップで出したメニューがあると、管理画面で作ったメニューはその人には出ません。管理画面で直しても反映されないときは、ここを疑います。

チャットについては、公式アカウントではWebhookとチャットを同時に使えます。Lステップの公式FAQでも、応答設定で「チャット」をオンにすれば管理画面から返信できるとしています。ただし管理画面から送ったメッセージはLステップの画面に出ません。返信はどちらか一方に決めます。

やめるときにデータを持ち出せるか

Lステップは友だちリストからCSVエクスポートができ、全プランで使えます。出せる項目は、タグ、友だち情報、LINE登録名、本名、システム表示名、個別メモ、友だち登録日時、対応マーク、ブロックの状態、最終メッセージ日時、購読中のシナリオなどです。

持ち出せるもの持ち出せないもの・注意
タグ・友だち情報・メモなど(CSV)CSVの「ID」はLステップの管理番号で、LINEのIDではない
—インポートできるのは同じアカウントから出したCSVだけ
—「データ移行」は構築データを別のLステップアカウントへコピーする機能で、友だちデータは移らない
—送ったメッセージは取り消せない

CSVのIDがLINEのIDではないので、別の道具に移すときに「この行が誰か」をつなぐ項目が要ります。運用を始める時点で、回答フォームで名前と電話番号かメールアドレスを聞き、友だち情報欄に入れておきます。後から集め直すのは大変です。

やめるときの順番は次のとおりです。

  1. 友だちリストからCSVを出して保存する
  2. Lステップのリッチメニューを非表示にする(解約しても自動では消えない)
  3. スマホ連携をしていれば解除する
  4. 管理画面の「応答設定」でチャットを「オン」、Webhookを「オフ」にする(次の道具に切り替えるなら、Webhook URLを次の送り先に変える)
  5. Lステップの解約申請フォームから申請する

Messaging APIの紐づけそのものは外せません。LINE公式アカウントとMessaging APIのチャネルは一度紐づけると解除できず、チャネルだけを消すこともできません。止めるときはWebhookを無効にし、不要になったチャネルアクセストークンを取り消します。管理画面の「Messaging API」は止めた後も「利用中」と表示されたままです。同じチャネルを次の道具に使えるので、乗り換えでは困りません。

構築を外に頼む場合の考え方

Lステップは機能が多く、「構築代行」を名乗る外注先も多い道具です。頼むかどうかは、作る量ではなく、作った後に誰が直すかで決めます。シナリオやタグは運用しながら毎月直すものなので、教室の中に直せる人がいない設計は、外注先に払い続ける形になります。

頼む前に、Lステップ公式の無料サポートを使い切ります。初期設定サポートと活用セミナーは無料で、有料プランならスポットコンサルが毎月1回(60分)無料です。初期設定の手順13までは自分でやり、詰まったところだけ聞くと、外に頼む範囲がはっきりします。

外に頼むと決めたら、次を契約前に決めます。

  • 契約者は自社にする。LINE公式アカウントの管理者、Lステップの契約者と支払いのカードは教室のもの。外注先にはLステップの「スタッフ」として入ってもらう
  • 納品物を決める。シナリオの一覧、タグと友だち情報欄の一覧(名前と付く条件)、リッチメニューの出し分けの条件を、表で受け取る
  • 既存の仕組みとの関係を伝える。今Webhookを受けている仕組みがあれば、切り替えの段取りまで含める
  • 引き継ぎの時間を取る。最低1本のシナリオを、自分たちで直せるところまで見てもらう
  • 終わり方を決める。外注先のスタッフ権限を外す日と、その後の問い合わせ先

見積もりは、シナリオ何本・タグ何個・フォーム何本・リッチメニュー何種類という数で比べると、外注先ごとの差が見えます。

応用

Lステップの外とつなぐには、Webhookアクション、Webhook転送、API連携の3つがあります。Webhookアクションはタグ付けなどLステップのアクションを起点に外部へ送る機能、Webhook転送はLINE公式アカウントの出来事をそのまま外に流す機能、API連携は外部からLステップのデータを操作する機能です(API連携はプロ以上)。サンプル料理教室なら、問い合わせの受信をWebhook転送でn8nかGASに流し、Googleスプレッドシートに1行ずつ残せます。Lステップのタグを外のkintoneに写したい場合はWebhookアクションを使います。

通知だけなら、Lステップの通知機能で、友だち追加・メッセージ・予約のときにメールやSlackへ送れます。スタッフが管理画面を開かなくても、問い合わせに気づけます。

通数は月の途中で一度見ます。LINE公式アカウント側の当月の送信数は、Messaging APIで次のように取れます(管理画面から送った分も含む概算)。

curl -v -X GET https://api.line.me/v2/bot/message/quota/consumption \
-H 'Authorization: Bearer YOUR_CHANNEL_ACCESS_TOKEN'

totalUsage が当月に送った数です。ライトプランは追加メッセージを送れないので、上限に近づいたら一斉配信を翌月に回すか、スタンダードプランに上げます。上限を超えると、Lステップから送っても届きません。

管理画面の「分析」>「メッセージ通数」で当月の合計を見るところ
管理画面の「分析」>「メッセージ通数」で当月の合計を見るところ

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
Lステップだけ契約してLINE公式アカウントを無料のまま大量に送る送れるのは公式アカウントの通数まで。両方の上限を揃えて契約する
請求書払い・領収書の発行クレジットカードの利用明細で処理する方法を経理と決める
解約を思い立った月にすぐやめる課金後3か月はやめられない。最初はフリープランか無料期間で試す
CSVをそのまま別の道具に入れる名前・電話番号など、突き合わせ用の項目を最初から友だち情報に持たせる
1つのチャネルで2つのツールにWebhookを直接届けるWebhook転送か、受け側で振り分ける仕組みを置く
導入前からの友だちを自動で取り込む一斉配信やリッチメニューで、タップしてもらうきっかけを作る
Messaging APIの紐づけを外して元に戻すWebhookをオフにし、チャットをオンにして標準機能に戻す

月額の道具を足すほどでもないが標準機能では足りない、という会社には、オープンソースで月額0円の拡張ツール「L Harness」という選択肢もあります。Cloudflareの上で自分で動かす形で、ステップ配信、タグ、タグ別のリッチメニュー切り替え、フォーム、トラッキングリンクがあります。かかる費用と向き不向きは別の記事で比べています。

よく詰まるところ

症状原因直し方
Lステップを入れたら、問い合わせをシートに書く仕組みが止まったWebhook URLがLステップに替わったWebhook転送で元の仕組みに流す
別の仕組みのトークンを発行したらLステップが送れなくなった長期のチャネルアクセストークンは1つだけで、再発行で古いものが無効になるトークンを再発行しない。必要なら別の種類のトークンを使う
前からいる友だちに配信できない導入前の友だちは操作するまでLステップに反映されない一斉配信でタップを促す
管理画面でリッチメニューを替えても変わらないLステップで出したメニューが優先されるLステップ側で直す
管理画面のチャットで返した内容がLステップに残っていない管理画面から送ったメッセージはLステップに反映されない返信はLステップの個別トークに寄せる
管理画面のチャットが使えなくなった初期設定で応答設定のチャットを「オフ」にした使うならオンにし、返信の窓口を1つに決める
Lステップは余裕があるのに配信が止まったLINE公式アカウント側の当月の通数が上限に達した公式アカウントのプランを上げるか、翌月に回す
個別トークが多い月に配信数が足りない個別トークもLステップの送信数に入る返信が多い月の通数を見込んでプランを選ぶ
リッチメニューの出し分けの設定が見当たらないセグメントリッチメニューはスタンダード以上プランを上げるか、全員共通のメニューで運用する
公式アカウントのステップ配信で体験者だけに送れない絞り込み配信の人数条件(各オーディエンスに有効な友だち50人)に当たっている、またはタグを1人1個しか付けられない期間を延ばして人数を貯めるか、チャットProオプション・CRMオプション・Lステップを比べる
プランを下げようとしたらできない下げられるのはプロと大量送信プランの間だけ最初は小さいプランで始めて上げる
解約したのにLステップのメニューが残っているリッチメニューは解約しても自動で消えない解約前に非表示にする
管理画面の「Messaging API」が「利用中」のまま紐づけは解除できず、止めても表示は変わらないWebhookがオフになっていれば問題ない

次にやること

Lステップが要るかどうかの判断がついたら、似た道具と並べます。エルメ・プロラインフリーとの違いは「Lステップ・エルメ・プロラインフリーの比べ方:拡張ツールが要る会社・要らない会社」、月額0円で自分で動かす道具は「L Harnessとは:月額0円で使えるLINEの拡張ツール。Lステップとの違いと、かかる費用」で書いています。標準機能でどこまで作れるか先に試すなら「ステップ配信の作り方:友だち追加から自動で送るシナリオ」に進みます。通数とプランの選び方は「LINE公式アカウントの料金:無料と有料プランの違い、メッセージ通数の数え方」で確かめます。

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