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問い合わせ・メールの自動振り分け|AIで仕分けて担当者に届ける仕組み

問い合わせ・メールの自動振り分け|AIで仕分けて担当者に届ける仕組み

問い合わせメールの振り分けは、まず「決まった言葉や送信元で分けられるもの」をルールで処理し、ルールで分けきれないものだけをAIで分類する、という二段構えにすると、無理なく自動化できます。フォームやメールで届いた内容を、種類と緊急度で分けて、CRMに登録し、担当者に通知する。この一連の流れが組めると、受信箱を人が目で見て仕分ける時間がなくなります。

この記事では、ルールによる振り分けとAIによる分類の違い、全体の仕組み、分類の設計、誤分類への備え、営業メールの除外、小さく始める手順を整理します。Nexlyでは、広告から入ってきた問い合わせをCRMに登録し、担当に届ける仕組みも作っていて、その経験から「ここを決めておかないと後で困る」と考える点を中心にまとめました。画面の例は、すべてダミーのデータです。

この記事でわかること

  • ルールで振り分ける方法と、AIで分類する方法の違いと使い分け
  • フォーム・メールから、分類、CRM登録、通知までの全体の仕組み
  • 分類の種類と、優先度の決め方(設計の考え方)
  • 誤分類が起きたときの備え方と、営業メールの除外の仕方
  • 小さく始めるための、2週間ほどの進め方

問い合わせの振り分けで、何が困りごとになるのか

問い合わせの窓口が、メールアドレスと、Webサイトのフォームの2つ以上あると、受信箱の中に、いろいろな種類の連絡が混ざります。お客様からの質問、見積もりの依頼、採用への応募、取引先からの連絡、そして営業メールです。これらを人が1通ずつ開いて、「これは営業担当」「これは経理」と判断して転送する作業は、件数が増えるほど負担になります。

困りごとは、手間だけではありません。次のような問題が起こりやすくなります。

振り分けを自動化する目的は、人の手間を減らすことだけではなく、「届くべき人に、早く、漏れなく届く」状態を作ることにあります。そのため、設計では、速さと同時に、漏れを防ぐ仕組みも考えます。

ルールで振り分ける方法と、AIで分類する方法

振り分けの方法は、大きく2つあります。1つ目は、条件を決めて機械的に分ける「ルールによる振り分け」です。2つ目は、メールの内容をAIに読ませて、種類を判定させる「AIによる分類」です。

ルールによる振り分けは、たとえばGmailのフィルタ機能で作れます。Googleのヘルプによると、フィルタは、検索条件を指定して作成し、条件に合うメールに対して、ラベル付け、アーカイブ、削除、スター付け、自動転送といった操作を実行できます。なお、転送のフィルタは新着メールにのみ適用されます。送信元のアドレスや、件名に含まれる決まった言葉で分けられるものには、この方法が確実です。

一方、問い合わせの本文は、お客様ごとに言い回しが違います。「料金を教えてほしい」と「いくらかかりますか」と「見積もりをお願いします」は、同じ種類の依頼ですが、言葉が一致しません。ルールで全部を網羅しようとすると、条件が増え続けて、管理しきれなくなります。この部分が、AIの得意な領域です。

観点ルールによる振り分けAIによる分類
向いているもの送信元、宛先、決まった件名など、形で決まるもの本文の意味で判断するもの(依頼の種類、緊急度)
結果の安定性同じ入力なら、必ず同じ結果表現によって揺れることがある
理由の説明どの条件に合ったかが明確判定の理由は、別に出力させる必要がある
追加・変更条件を足すほど複雑になる種類の定義を書き換えて調整できる
コストほぼかからない処理の件数に応じて、利用料がかかる
主な弱点想定外の言い回しに対応できない誤分類が起こりうる。確認の仕組みが必要

この比較から、実際の運用では、2つを組み合わせるのが基本です。先にルールで処理できるものを処理し、残ったものをAIで分類します。ルールは確実で安いため、できるだけ多くをルールで処理したほうが、全体の費用も誤りも減ります。

ルールによる振り分けとAIによる分類の使い分けを示した図。まずルールで、送信元や宛先や定型の件名で決まるものを処理し、残った本文の意味で判断するものをAIで分類する。AIが迷ったものは人が確認する
ルールとAIの使い分け

全体の仕組み:受信から通知までの流れ

仕組みの全体は、次の5つの段階で考えます。

  1. 受信:フォームの送信、または専用のメールアドレスへの着信を、自動化ツールが検知する
  2. 前処理:営業メールや、自動送信のメールなど、明らかに対象外のものを除く。本文を整える
  3. 分類:問い合わせの種類と、緊急度を判定する(ルール、必要に応じてAI)
  4. 登録:判定結果とともに、CRMや管理表に1件の記録として登録する
  5. 通知:種類に応じた担当者に、チャットやメールで通知する
問い合わせ自動振り分けの全体の流れを示した図。フォームやメールの受信、営業メールなどの除外と本文の整形、種類と緊急度の分類、CRMへの登録、担当者への通知の順。分類に迷ったものは、確認用の窓口に回す
受信から通知までの全体の流れ

この流れを動かす部分には、ワークフロー自動化ツールを使うのが一般的です。たとえば、n8nというツールには、テキストを分類するための「Text Classifier」というノードがあります。n8nのドキュメントによると、このノードでは、分類の種類(カテゴリー)ごとに、名前と説明を設定します。複数の種類を同時に当てはめることを許可する設定や、どれにも当てはまらないときの扱いを選ぶ設定もあります。ツールの全体像はn8nの使い方ガイドで説明しています。

登録先は、すでに社内で使っているCRMや管理表で構いません。新しい道具を入れなくても、受信した内容を1件の記録として残せれば、あとから件数や対応状況を集計できます。道具の選び方はCRM・SFA・MAの違いが参考になります。kintoneのようなデータベース型のツールを使う例は、kintoneの活用例で紹介しています。

フォームとメールで、受け口の作りを変える

受け口が、Webサイトのフォームか、メールかで、前処理の難しさが変わります。フォームは、入力項目(お名前、会社名、問い合わせの種類、本文)が最初から分かれているため、データとして扱いやすいです。フォームに「問い合わせの種類」の選択欄を置けば、お客様自身が分類してくれるので、AIの判定を補う材料になります。ただし、選択を間違える人や、「その他」を選ぶ人も多いため、選択結果をそのまま信じず、本文の内容とあわせて判定します。

メールは、自由な形式で届くため、前処理が必要です。署名や、引用された過去のやり取り、広告の定型文などを取り除いてから、本文だけをAIに渡すと、判定が安定し、AIに送る文字数も減ります。添付ファイルがある場合は、内容までは読まず、「添付あり」という情報だけを記録する運用から始めると、仕組みが単純に保てます。

分類の設計:種類と緊急度を決める

自動化の成否は、仕組みよりも、分類の設計で決まります。AIにも、ルールにも、「どんな種類があるか」を先に決めて伝える必要があるためです。

種類は、「次に誰が何をするか」で分ける

種類の分け方で迷ったときは、「次に誰が、何をするか」が変わるかどうかで線を引きます。内容の違いが、対応する担当や手順の違いにつながらないなら、同じ種類にまとめてかまいません。逆に、同じ話題でも、担当が分かれるなら、別の種類にします。

種類(例)どんな内容か届け先(例)
サービスの問い合わせ料金、機能、導入の相談、見積もりの依頼営業の担当
既存のお客様のサポート使い方、不具合、契約内容の確認サポートの担当
請求・お金に関する連絡請求書、支払い、領収書経理の担当
採用・取材・提携応募、取材依頼、協業の提案管理部門、経営者
営業メール・不要な連絡こちらが求めていない売り込み届けない(記録のみ)
判定できないものどれにも当てはまらない、内容が不明確認用の窓口(人が見る)

この表は例です。自社の問い合わせの実際の内訳を、過去のメール100通ほどで見て、多い順に種類を決めると、現実に合った設計になります。種類は、最初は5〜7個程度に絞ります。多すぎると、AIの判定が揺れやすく、担当者の側でも使い分けが難しくなります。

種類の最後には、必ず「判定できないもの」を置きます。AIにすべてを、いずれかの種類へ押し込ませると、無理な判定が増えるためです。n8nのText Classifierにも、どの分類にも明確に当てはまらないときに、別の出力(「その他」の枝)へ回す設定があります。この「その他」を、人が見る窓口につなぐのが、安全な設計の基本です。

注意したいのは、このノードの「どれにも明確に当てはまらないとき」の設定が、既定では「アイテムを破棄する」になっている点です(2026年10月時点のn8nドキュメント)。そのままにすると、判定できなかった問い合わせが、通知にも記録にも残らず消えます。「その他」の出力を有効にして、確認用の窓口へつなぐ設定に変えてから、本番で動かします。

緊急度は、定義を文章で書いておく

緊急度も、種類と同じく、基準を文章で決めておきます。「急ぎ」という言葉だけでは、人によって判断が分かれるため、AIも揺れます。たとえば、次のような基準です。

この基準は、AIに渡す説明にも、社内の対応ルールにも、同じものを使います。基準と実際の対応期限がずれていると、通知が来ても、誰も急がなくなります。

分類の設定画面のイメージ。種類ごとに名前と説明を入力する欄が並び、サービスの問い合わせ、サポート、請求、採用・取材、営業メール、判定できないものの6つが設定されている。判定できないものは確認用の窓口に回す設定。内容はダミー
種類ごとの名前と説明を設定するイメージ(画面はイメージです)

AIに分類させるときの指示の書き方

AIに分類させるときは、種類の「名前」だけでなく、「説明」を丁寧に書きます。n8nのText Classifierでも、カテゴリーごとに説明を入れる欄があり、この説明が判定の手がかりになります。

説明に入れる内容は、次の3つです。

  1. その種類に当てはまる内容の例(「料金の確認」「導入の相談」など)
  2. 似ているが、当てはまらない内容(「既存のお客様の使い方の質問は、サポートに分ける」など)
  3. 判断に迷ったときの扱い(「迷う場合は、判定できないものにする」)

2番目の「似ているが、当てはまらないもの」が、実は一番効きます。種類同士の境目で誤分類が起きやすいため、境目の判断基準を、先に言葉にしておくのです。

また、緊急度や、種類の判定理由を、一言で出力させておくと、あとで人が確認するときに助かります。「請求書という言葉があり、支払いの期限に触れているため、請求・お金に関する連絡」のような一文が付いていれば、判定が正しかったかどうかを、すばやく見られます。

お客様のメールには、個人情報や取引先の情報が含まれます。AIのサービスに送る内容の範囲や、そのサービスのデータの扱いは、事前に確認しておく必要があります。考え方は生成AIの使用で気をつけたいリスクで整理しています。

営業メールの除外のしかた

代表のメールアドレスやフォームには、営業メールが毎日のように届きます。これを他の問い合わせと同じ流れに乗せると、通知が増えて、本当に必要な通知が見落とされます。除外は、複数の段階で組み合わせると確実です。

段階方法特徴
1. 受信前フォームに確認の仕組み(入力の検証など)を入れる機械的な送信を減らせる。人の手による営業は防げない
2. ルール送信元のドメインや、件名の定型表現(「ご提案」「資料のご案内」など)で除く確実で安い。定型でない営業メールは通る
3. AIの分類「営業メール・不要な連絡」を種類の1つとして判定させる言い回しが違っても判定できる。誤分類の可能性がある
4. 記録除外したものも、消さずに記録に残す誤って除外した場合に、あとから取り戻せる

4番目が特に大切です。営業メールに見えても、実は新規の取引の相談だったということが起こりえます。除外したメールを削除せず、「営業メール」という種類で記録に残し、週に1回ほど、人が一覧で見直すようにすると、取りこぼしを防げます。誤って除外したメールの傾向が分かれば、ルールや説明の改善にも使えます。

個人や企業からの営業メールのなかには、特定電子メール法などの法令に関わるものもありますが、法的な対応が必要な場合は、専門家に相談してください。この記事の範囲は、受信側の仕分けの仕組みです。

誤分類への備え:人が確認する場所を設計する

AIによる分類は、完全ではありません。誤分類が起きることを前提に、「誤っても被害が小さい」仕組みにしておくのが、運用の要です。

確認の窓口を1つ作る

「判定できないもの」と、AIの確信が低いものを、1つの確認用の窓口(共有のチャンネルや、管理表の「要確認」の一覧)に集めます。担当者が、毎日決まった時間に、そこを見て、手動で正しい届け先に回します。人が確認する件数が少なければ、負担は小さく、見落としも防げます。

誤りを記録して、設計に戻す

人が確認して、AIの判定を直したときは、その内容を記録します。「サービスの問い合わせ」と判定されたが、実際は「サポート」だった、という記録が溜まると、どの種類の境目で誤りが多いかが分かります。そこで、種類の説明に、境目の判断基準を追記します。この見直しを、最初の1〜2か月は、週に1回行うのが目安です。

確認用の一覧画面のイメージ。分類の結果、緊急度、判定理由が一覧になり、判定できないものと緊急度が高いものが上に表示される。担当者が届け先を修正するボタンがある。内容はダミー
人が確認する一覧のイメージ(画面はイメージです)

緊急度が高いものは、確認を通さずに通知する

緊急度が高いものは、確認を待たずに、先に担当へ通知します。誤って高と判定しても、担当が少し確認する手間が増えるだけですが、本当に緊急のものを見落とすと、被害が大きくなるためです。つまり、迷ったときは、緊急側へ寄せる設計にします。

AIの出力が崩れたときの備え

AIの出力が、想定した形で返ってこないことがあります。たとえば、種類の名前が少し違う、空の結果が返る、といったケースです。n8nのText Classifierには、出力の形式を自動で直す「Auto-Fixing」という設定もあります。それでも直らない場合は、確認用の窓口に回す、という最後の受け皿を、流れの中に入れておきます。仕組みが止まって、問い合わせが届かなくなる状態が、一番避けたいからです。エラーが起きたときに、管理者に通知する設定も、あわせて入れておきます。

支援の現場から(採用支援の会社)

採用支援の会社で、サイトの問い合わせメールを自動で読み取ってチャットに流し、担当者がリアクションを付けると台帳に記録される仕組みを作りました。リアクションは先方が決めた6種類で、それがそのまま振り分け先になります。

動かし始めてから、問い合わせが1件、4日間拾われないことがありました。受け皿のメールボックスで迷惑メールと判定され、取り込みの条件を受信トレイだけに絞っていたためです。迷惑メールに入ったものも読む条件に変え、サイトから届くメールは迷惑メールにしないフィルタも足しました。分類の精度より先に、入口で落ちていないかを確かめる場所が要ります。

通知とCRM登録の設計

分類の結果は、通知と記録に使います。この部分の設計が悪いと、せっかく分類しても、現場で使われなくなります。

通知の内容は、読まなくても判断できる形にする

担当者に届く通知には、次の項目を入れます。

要約だけで判断が終わってしまわないよう、必ず元の内容へのリンクを付けます。緊急度が高いものは、通知の見た目を変えて、目立たせます。通知先は、個人宛より、チームの共有チャンネルのほうが、休暇や不在のときの対応の抜けを防げます。

CRMには、1件ずつ記録を残す

CRMや管理表には、受信日時、差出人、種類、緊急度、要約、対応状況、担当者を登録します。対応状況を「未対応・対応中・完了」のように持たせておくと、対応の抜けを、一覧で見つけられます。同じ差出人から、すでに記録がある場合は、新しい記録を作らずに、既存の顧客に紐づけると、やり取りの履歴がまとまります。

記録が溜まると、種類ごとの件数、返信までの時間、広告やサイトの経路別の問い合わせ数などが集計できます。振り分けの自動化は、手間を減らす施策であると同時に、問い合わせの実態を、データとして見られるようにする施策でもあります。

担当者に届く通知のイメージ。チャットの通知に、緊急度、種類、差出人、2行の要約、元のメールを開くリンク、返信期限の目安が表示される。内容はダミー
担当者に届く通知のイメージ(画面はイメージです)

運用が始まってから見る数字

稼働したあとは、次の数字を月に1回ほど見て、設計を直します。

見る数字分かること直し方の方向
種類ごとの件数どの種類が多いか。少なすぎる種類がないか種類を統合する、または分ける
「判定できないもの」の割合種類の定義が実態に合っているか多ければ、新しい種類を足す、説明を直す
人が判定を直した件数どの境目で誤分類が多いか説明に境目の判断基準を追記する
返信までの時間通知が実際の対応につながっているか通知先、緊急度の基準を見直す
未対応のまま残っている件数対応の抜けがないかリマインドの通知を足す

とくに「返信までの時間」は、自動化の価値をいちばん直接に示す数字です。振り分けの前と後で比べられるよう、始める前の数字も、おおまかに記録しておきます。

通知が多すぎると、見られなくなる

通知は、増やせば安心というものではありません。1日に何十件も通知が来ると、担当者は慣れて、通知そのものを見なくなります。次のように、種類と緊急度で、通知の出し方を変えると、見られる通知を保てます。

また、担当者が通知を受け取ったあとの動き(返信する、別の担当に回す、対応不要にする)も、あらかじめ決めておきます。通知から次の行動までが決まっていないと、「見たけれど、誰かがやるだろう」という状態になり、対応の抜けが生まれます。通知を出す仕組みと、対応の担当を決めるルールは、セットで作ってください。

担当が不在のときの扱い

休暇や不在で、担当者が通知を見られない場合に備えて、代わりの担当を決めておきます。自動化の流れに、担当の不在を判定する仕組みを入れるのは複雑なので、最初は、個人ではなくチームの共有窓口に通知する形にして、チーム内で拾えるようにするのが現実的です。

本番で動かす前の確認項目

2週間の試験が終わって本番に切り替えるときは、次の項目を確認してから動かします。一つでも欠けると、問い合わせが届かなくなる場所があります。

この確認は、設定を変えたあとにも同じ手順でやり直します。テストの問い合わせを、毎回同じ数件で用意しておくと、変更の前後で結果を比べやすくなります。

設定を変えるときのルール

種類の説明や、緊急度の基準を直すと、判定の結果が変わります。変更したときは、変更の日付と内容を記録しておき、変更の前後で、誤りの件数がどう変わったかを見ます。担当者を決めて、勝手に設定が変わらないようにしておくと、原因の切り分けがしやすくなります。

種類を増やしたくなったときの考え方

運用が進むと、「この種類を細かく分けたい」という要望が出てきます。そのときは、分けたあとの種類に、実際に別の担当や別の手順があるかを確認します。件数が月に数件しかない種類は、別に立てず、既存の種類の中にまとめて、要約の中で区別するほうが管理しやすいです。種類が増えると、AIの判定の揺れと、確認の手間も増えるためです。

逆に、「判定できないもの」の中に、同じような内容が繰り返し入ってくる場合は、新しい種類として切り出す合図です。確認用の窓口の記録を、月に1回、種類ごとに眺めて、増やすか統合するかを決めます。

小さく始める2週間の進め方

最初から全部を自動化しようとせず、「分類と通知」だけを先に動かして、人の確認を残したまま、少しずつ広げます。

期間やること確認すること
1〜3日目過去の問い合わせ100通ほどを、種類と緊急度で人が分類する。件数の多い順に、種類を5〜7個に決める種類の境目で迷うものがどれくらいあるか
4〜7日目種類の名前と説明、緊急度の基準を書く。過去の100通で、AIの判定を試し、人の分類と比べる一致する割合、誤りが多い境目
8〜10日目受信から通知までの流れを作る。通知は、まず確認用の窓口だけに出す流れが止まらないか、エラー時の通知が届くか
11〜14日目実際の新着で試す。AIの判定は、全件、人が確認する。誤りを記録して、説明を直す誤りの件数と傾向、担当者の負担

2週間の終わりに、誤りが少ない種類から、人の確認を外し、担当者へ直接通知します。誤りが多い種類は、確認を残したまま、説明を直して試します。この「確認を外す」判断は、数字を見て、種類ごとに行います。

AI活用全般の考え方はAIで業務効率化できる仕事に整理しています。

よくある質問

Q. Gmailのフィルタだけで十分ではありませんか?

送信元や、決まった件名で分けられるものなら、フィルタで十分です。フィルタは、検索条件に合うメールにラベルを付ける、転送するなどの操作ができます。ただし、本文の意味で判断する分類や、CRMへの登録、チャットへの通知までを行いたい場合は、自動化ツールとAIを組み合わせるほうが、対応の幅が広がります。

Q. AIの分類の精度は、どれくらい出ますか?

種類の定義の質と、問い合わせの内容によって大きく変わるため、一般的な数字は示せません。自社の過去のメールで、人の分類と比べて、一致する割合を測ってから判断してください。誤りが多い境目は、説明を直して、再度比べます。

Q. 誤って営業メールとして除外してしまうのが心配です。

除外したメールを削除せず、記録に残して、週に1回ほど一覧で見直す運用にします。また、除外の判定は、最初は人が確認する期間を設けて、誤りが少ないことを確かめてから、自動に切り替えます。

Q. 小さな会社でも、導入する価値はありますか?

問い合わせが月に数十件程度でも、対応の抜けを防ぐ効果が見込めます。件数が少ないうちは、AIを使わず、ルールと、通知とCRMへの登録だけから始めて、種類の判断に迷うことが増えてから、AIを足す進め方もあります。

Q. メールの内容をAIのサービスに送っても、問題ありませんか?

お客様の個人情報を含むため、利用するサービスの規約とデータの扱いを確認する必要があります。入力した内容が学習に使われない設定や、法人向けのプランを選ぶことに加え、送る内容を、必要な部分に絞る方法もあります。社内のルールは、事前に決めておいてください。

まとめ:ルールで確実に、AIで柔軟に、迷いは人に回す

問い合わせの自動振り分けは、ルールとAIの両方を使い、迷ったものを人に回す、という設計で、安全に始められます。

まずは、過去の問い合わせ100通を、人の手で種類に分けてみてください。分けにくいものが多い場合は、種類の設計から見直します。

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この記事を書いた人

株式会社Nexly 代表 大林 諒。広告運用、kintone・SalesforceなどのCRM構築、業務の自動化とAI活用を中心に、マーケティングの設計から実行まで中小企業の支援をしています。自社でも転職エージェント「Re:WORK」を運営し、広告・SEO・CRMを日々回しています。

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