kintoneでできること|活用例と向いている会社・Salesforceとの違い
kintone(キントーン)でできることは、顧客・案件の管理、問い合わせの対応管理、日報や申請の流れ、プロジェクトのタスク管理など、「Excelや紙で回している業務」を、自分たちでアプリにして共有することです。サイボウズの公式サイトでは、プログラミングの知識がなくても、AIとノーコードで業務アプリを作れる業務改善プラットフォームと説明されています。完成した製品を買うのではなく、自社の業務に合わせて画面と流れを組み立てる道具です。
この記事では、kintoneの基本の仕組み、業務別の活用例、向いている会社と向かない会社、プラン(2026年10月時点)、Salesforceとの違い、導入の進め方をまとめます。Nexlyは、kintoneとSalesforceの両方でCRMやデータ基盤の構築と運用の定着を支援していて、どちらにも向き不向きがあると感じています。公式情報で確認できる事実を軸に書きます。
この記事でわかること
- kintoneの基本の仕組み(アプリ・レコード・プロセス管理・通知・アクセス権)
- 顧客管理、問い合わせ、日報など業務別の活用例と、作るときの項目の考え方
- kintoneが向いている会社と、向かない場面
- プランの違いと、ユーザー数から月額を出す計算例(2026年10月時点)
- Salesforceとの違いと、導入を進める6つの手順
目次 [閉じる]
kintoneとは:業務に合わせてアプリを作れる基盤
kintoneは、サイボウズが提供するクラウドの業務基盤です。公式サイトでは、kintone上に作る業務システムの1つひとつを「アプリ」と呼びます。顧客台帳、案件管理、日報、問い合わせ管理といったアプリを、部署や担当者が必要な数だけ作り、データを蓄積し、一覧やグラフで見て、通知やワークフローで流します。
既存のCRMやSFAの製品と違うのは、最初から決まった画面や項目が用意されているのではなく、自社の業務に合わせて項目や画面を作る点です。ひな形(サンプルアプリ)は用意されていますが、それを土台に、自社の言葉で項目を整えていきます。そのため、自分たちで直せる自由さがある一方で、設計を決めずに作り始めると、アプリが増えて整理がつかなくなります。
つまり、kintoneは「業務の設計を自分たちで決める会社」に向く道具です。設計の力は、社内の担当者でも、外部の支援でも補えますが、どこかで誰かが決める必要があります。この点は、後の「向いている会社」の節で、判断の目安にします。

基本の仕組み:アプリ・レコード・プロセス管理・通知・アクセス権
サイボウズの公式サイトで説明されている基本機能を、仕事に置き換えて整理します。
| 機能 | 何ができるか | 仕事での使い方の例 |
|---|---|---|
| アプリ | 業務システムの単位。プログラミングなしで必要な数だけ作れる | 顧客台帳、案件管理、日報、備品管理をそれぞれ1つのアプリにする |
| レコード | 統一した形式でデータを登録・編集する。ファイルや写真の添付、計算式も使える | 1社の顧客情報、1件の案件を1レコードにする |
| 一覧・絞り込み | 担当者、日付、進捗などで絞った一覧を複数作り、切り替えられる | 「自分の担当」「今週の対応期限」の一覧を保存する |
| グラフ | データを集計してグラフにする。更新が反映される | 担当者別の件数、ステータス別の案件数を見る |
| プロセス管理 | レコードを複数人で確認する流れ(ワークフロー)を設定する | 稟議や申請、案件のステータスを進める |
| 通知 | 変更・申請・リマインドをPCやスマートフォンで受け取る | 次の対応日の当日朝に担当者へ知らせる |
| アクセス権 | アプリ単位からレコード単位まで、閲覧・編集・削除の権限を設定する | 役員の報酬情報は一部の人だけが見られるようにする |
| スペース・コメント | プロジェクトや部署ごとに情報と会話をまとめる。レコードごとにコメントを残せる | 案件の相談を、そのレコードのコメントに書く |
このうち、仕事の流れを決めるのは、プロセス管理です。公式のヘルプでは、プロセスは「作業者」「実行前のステータス」「アクション名」「実行後のステータス」の組み合わせで構成されると説明されています。ステータスが変わると、依頼先のユーザーに通知が届きます。案件を「提案中」から「見積もり」に進める、といった動きを、画面のボタンで行える形にできます。
通知には、アプリの条件通知、レコードの条件通知、リマインダーの条件通知の3種類があります。リマインダーは日付や日時のフィールドを基準にして、「3日前」「7日後」のようなタイミングで通知できます。次の対応日を入力すると、その日が近づいたら担当者へ知らせが届くようにできるので、追いかけ漏れの防止に向きます。
また、アプリ同士のデータ連携として、ルックアップや関連レコードの機能があります。顧客台帳の会社名を、案件管理のアプリから引いてくる、といった使い方です。この仕組みで、顧客・案件・活動履歴を別のアプリに分けつつ、顧客を軸につなげて見られるようにします。
このほか、公式サイトの基本機能には、添付ファイルの中身も対象にした全文検索、変更履歴の記録と復元、スマートフォンやタブレットへの対応が挙げられています。外出の多い営業が、移動中に案件の状況を見たり、その場で対応結果を入力したりする使い方は、スマートフォン対応があるからできることです。
業務別の活用例:どんなアプリが作られているか
公式サイトには、顧客・案件管理、ワークフロー(申請業務)、問い合わせ管理、日報・報告書、プロジェクト・タスク管理、ファイル管理、売上管理、採用管理、社内ポータルといった用途が挙げられています。ここでは、相談を受けることが多い用途を取り上げて、アプリの項目の考え方を書きます。
顧客・案件の管理
営業の現場で最もよく使われる用途です。サイボウズのサンプルアプリには、顧客の企業情報、担当者情報、案件情報、活動履歴を管理するSFAのパックがあります。作り方の基本は、顧客、案件、活動履歴の3つのアプリに分け、案件と活動履歴を顧客にひもづけることです。
項目は、判断に使うものだけに絞ります。顧客なら会社名、担当者、流入経路、担当営業、現在の状態。案件なら、段階、見込み金額、次の対応日、失注理由。活動履歴は日時、種類、内容があれば足ります。項目を増やしすぎて入力されなくなる問題は、kintone・Salesforceが現場で使われない原因と立て直し方で扱っています。

問い合わせ・クレームの管理
カスタマーサポート向けの公式資料では、顧客リストに問い合わせをひもづけて管理する方法が紹介されています。問い合わせごとにレコードを作り、受付日、種類、対応状況、担当者、対応内容、完了日を持たせます。ステータスを「受付」「対応中」「完了」に分けて、プロセス管理で進めると、放置されている問い合わせが見つかります。
Webフォームの内容を取り込みたい場合は、kintoneのREST APIや、連携サービスを使います。フォームからの自動登録と振り分けの考え方は、問い合わせ・メールの自動振り分けにまとめています。
日報・報告書
日々の業務内容、報告事項、所感を記録するアプリです。日報は、チャットやメールで送っていると、あとで探せません。アプリに残すと、案件や顧客でひもづけて検索できます。入力の負担を抑えるには、項目を「やったこと」「次にやること」「共有したいこと」の3つ程度にとどめるのが現実的です。
申請・承認のワークフロー
稟議や経費、備品の申請など、紙やメールで回している承認を、プロセス管理で置き換えます。申請者が入力し、上長が承認し、最後に総務が処理する、といった順番を、作業者とアクションで設定します。承認の状況が画面で見えるので、「いま誰のところで止まっているか」を探す手間がなくなります。
プロジェクト・タスク、売上、採用の管理
案件ごとのタスクと担当、期限を持たせたアプリや、売上の予定と実績を月ごとに集計するアプリ、候補者の選考状況を管理するアプリなども、同じ考え方で作れます。共通するのは、「1件=1レコード」と「状態を表すステータス」を決め、一覧とグラフで見る形にすることです。まず、いま最も負担になっている1つの業務から作り始めてください。

アプリを分けるか、1つにまとめるかの考え方
アプリを作り始めると、最初に迷うのが、情報を1つのアプリに詰めるか、分けるかです。目安は、「1つのアプリは、1種類のものを1件ずつ記録する」ことです。顧客と案件を同じアプリに入れると、同じ顧客の2回目の案件を登録するたびに、顧客の情報を重ねて持つことになり、更新の漏れが出ます。顧客と案件を別のアプリにして、案件から顧客を引く形にすれば、顧客の情報は1か所で直せば済みます。
逆に、分けすぎると、入力のたびに画面を行き来する負担が増えます。たとえば、問い合わせの「種類」だけのために、別のアプリを作る必要はありません。選択肢で足りるものは、選択肢にします。別のアプリにするのは、顧客や案件のように、それ自体が履歴や複数の項目を持つものに限ります。
項目の名前も、最初に決めておくと後が楽です。「日付」ではなく「受付日」「対応期限日」のように、何の日付かが分かる名前にします。あとから一覧やグラフを作る人が、項目の意味を読み違えないためです。
kintoneが向いている会社と、向かない場面
向き不向きは、会社の規模より、業務の設計と運用の体制で決まります。公式情報で確認できる機能と、支援の現場での経験から、目安を整理します。
| 確かめること | 向いている | 別の道具も比べたほうがよい |
|---|---|---|
| 業務の流れ | 部署ごとに違い、自社の言葉で画面を作りたい | 営業の型が決まっていて、標準の画面をそのまま使いたい |
| 設計と運用の担当 | 社内か外部に、項目と流れを決める人がいる | 誰も設計を担えず、できあいの画面に合わせたい |
| 使う人の範囲 | 営業だけでなく、事務や現場も使う | 営業の予測や高度な分析が中心 |
| 他システムとの連携 | APIや連携サービスで、必要な範囲をつなげればよい | 大規模な連携や専用機能を、最初から標準で求める |
| 育てていく姿勢 | 使いながら項目を直していく運用ができる | 一度決めたら変えたくない |
表の「向かない場面」は、kintoneができないという意味ではありません。自分で組む手間が、会社にとって負担になるかどうかの話です。メリットは、現場が気づいたときに、項目や一覧をその場で直せることです。デメリットは、直す人が決まっていないと、アプリが少しずつ使いにくくなっていくことです。
プランと料金(2026年10月時点)
サイボウズの公式の料金ページには、ライトコース、スタンダードコース、ワイドコースの3つが載っています。金額はいずれも税抜で、1ユーザーあたりです。
| ライト | スタンダード | ワイド | |
|---|---|---|---|
| 月額(税抜) | 1,000円 | 1,800円 | 3,000円 |
| 年額(税抜) | 12,000円 | 21,600円 | 36,000円 |
| 最小ユーザー数 | 10 | 10 | 1,000 |
| アプリ数 | 200 | 1,000 | 3,000(上限は相談可) |
| 外部サービス連携・プラグイン | なし | あり | あり |
| 1アプリあたりのAPIリクエスト | 記載なし | 1万回/日 | 10万回/日(上限は相談可) |
ライトコースは、公式の開発者向け情報で、JavaScriptやCSSによるカスタマイズが使えない旨の注記があります。外部サービス連携やプラグインを使いたい場合は、スタンダードコース以上が前提です。フォームからの自動登録や、n8nなどの自動化ツールとの連携を考えているなら、スタンダードコースから検討することになります。
月額を出す計算例です。ユーザー数は仮の例です。20人で使う場合、スタンダードコースなら1,800円×20人=36,000円(税抜、月額)、年額なら21,600円×20人=432,000円(税抜)です。ライトコースを10人で使うなら、1,000円×10人=10,000円(税抜、月額)です。これに、必要に応じてオプション(ディスクの増設、セキュアアクセスなど)が加わります。
公式には、スタンダードコースを30日間無料で試せると案内されています。お試し中はユーザー数に制限がなく、期間は延長できません(新しい試用環境を作ることはできますが、前の試用環境のデータは引き継げません)。試す前に、使いたい業務の実データを数十件用意し、実際に入力する担当者に触ってもらってください。

Salesforceとの違い:公式情報で確認できる範囲
kintoneとSalesforceを比べるとき、どちらが上かという話にはなりません。性質が違います。公式情報から確認できる点を並べます。
| kintone | Salesforce(Sales Cloud) | |
|---|---|---|
| 位置づけ | ノーコード・ローコードの業務改善プラットフォーム。業務アプリを作る基盤 | AIを活用した顧客関係管理(CRM)のプラットフォーム。リード・取引先・商談などを管理する |
| 最初の状態 | 空のアプリから、または公式のサンプルアプリから組み立てる | リード、取引先、商談など営業の管理に向けた標準の機能と画面から始める |
| 主な用途 | 顧客・案件管理、日報、申請、問い合わせなど、業務全般 | 営業、サービス、マーケティングなどの顧客管理を中心にした利用 |
| 料金の形 | 3コース。1ユーザー月額1,000〜3,000円(税抜) | エディションが複数あり、Starter Suiteは月3,000円、Pro Suiteは月12,000円(ユーザーあたり。税の扱いは公式ページに明記なし)。上位のエディションもあり、月払いはStarter Suiteのみで、ほかは年間契約と記載 |
| 無料の試用 | スタンダードコースを30日間 | Sales Cloudを30日間(エディションによる) |
Salesforceの料金は、公式ページの「Sales Cloudエディション」に載っている金額で、変更される可能性があると同ページに書かれています。機能の範囲も、エディションごとに異なります。最新の金額は、必ず公式ページで確認してください。
使い分けの目安は、次のとおりです。営業の管理が中心で、商談の予測や分析を標準の仕組みで行いたいなら、Salesforceが候補になります。営業だけでなく、事務や現場の業務も同じ基盤に載せ、部署ごとに画面を自分たちで直したいなら、kintoneが候補になります。判断のとき、「何ができるか」より「誰が設計を保つか」を先に考えると、選び間違いが減ります。CRM、SFA、MAの役割から整理したい場合は、CRM・SFA・MAの違いを参照してください。
Salesforceを自分で設定する場合の手順は、画面つきでSalesforce自作ガイドにまとめています。取引先・商談のつながりから始めるならSalesforceの使い方入門が入り口です。

kintoneとSalesforceを併用する、乗り換えるという選択
どちらか1つに決めなければならない、という決まりはありません。営業の管理はSalesforce、現場の業務や申請はkintone、という併用の形もあります。ただ、併用すると、顧客の情報が2か所にでき、二重入力と表記のずれが起きやすくなります。併用する場合は、「顧客の元データはどちらか」を先に決め、もう一方には必要な項目だけを連携で持ちます。
乗り換えを考えるときは、いまの運用が回っていない原因を先に切り分けます。定義や入力のルールが原因なら、乗り換えても同じことが起きます。画面の構造が業務に合わないことが原因なら、乗り換えで解決する可能性があります。切り分けの観点は、kintone・Salesforceが現場で使われない原因と立て直し方の「立て直すか、乗り換えるか」にまとめています。
導入を進める6つの手順
kintoneの導入で失敗しにくいのは、小さく始めて、入力と運用が定着してから広げる進め方です。Nexlyで設計を支援するときも、次の順番で進めています。
- 解決したい業務を1つ選ぶ。いま最も手間がかかっている業務から始める
- その業務を棚卸しし、「誰が、いつ、何を入力し、誰が見るか」を書き出す(業務の棚卸しのやり方を参照)
- 項目は判断に使うものに絞り、ステータスの進む条件を文章で決める
- 30日間の無料試用で、実データを数十件入れて、入力時間と迷う点を確かめる
- 本番に移し、古い管理表を使う期限を決めて、入力先を1つにそろえる
- 入力率と、更新が止まったレコードの件数を毎週見て、項目や通知を直す
ここで飛ばされやすいのが、手順2と5です。業務の整理をしないまま画面を作ると、現場が使わないアプリができます。古い管理表を残したままだと、二重入力になって、新しいアプリが後回しにされます。全体の進め方は、中小企業のDXの進め方でも整理しています。

アプリを実際に作る手順は、画面つきでkintone自作ガイドにまとめています。最初の1本ならkintoneアプリの作り方、顧客台帳から始めるなら顧客管理アプリを作る全手順を見ながら進められます。
導入でよく起きる、つまずきの例
支援の現場でよくあるのは、次のような場面です。1つ目は、最初の設計で項目を欲張り、入力されないアプリになることです。2つ目は、管理表を残したまま新しいアプリを始め、二重入力で疲れてしまうことです。3つ目は、アプリを作った担当者が異動し、設定の意図が分からなくなることです。
いずれも、ツールの機能では防げません。誰が設計と運用を持つのか、何をやめるのか、入力されたものを誰が見るのかを、導入の前に決めておくことで防げます。これらの決め方は、このあとのアクセス権と運用ルールとあわせて、紙1枚にまとめておくと、担当が替わっても引き継げます。
アクセス権は、最初にざっくり決めておく
公式サイトでは、アクセス権をアプリ単位から特定のレコード単位まで、組織やユーザー単位で設定できると説明されています。細かく設定できるぶん、最初から作り込みすぎると、運用が重くなります。目安として、まず次の3段階で考えます。
- 全員が見られるもの(顧客の基本情報、案件の状況など)
- 特定の部署だけが見られるもの(見積もりの内訳、採用の選考状況など)
- 管理者だけが触れるもの(アプリの設定、ステータスの定義)
営業の案件を全員が見られるようにしておくと、担当が休んだときに代わりの人が状況を把握できます。一方、人事や報酬に関わる情報は、最初から見られる人を絞っておきます。あとで閲覧の範囲を狭めるのは、関係者への説明が必要になり、手間がかかります。
アプリが増えたときの運用ルール
kintoneは作りやすいので、気づくとアプリが増えます。サイボウズの公式サイトでは、変更履歴の記録と、変更前の状態への復元ができると説明されています。それでも、誰がどのアプリを管理しているかが分からなくなると、直したいときに直せません。次のような運用ルールを、最初に決めておくことを勧めます。
- アプリごとに管理者を決め、設定を変えられる人を限る
- 試しに作るアプリは、名前に「テスト」とつけ、使い終えたら整理する
- 項目や選択肢を変えるときは、変更する日と理由を記録する
- 半年に一度、使われていないアプリと項目を見直す
この運用が回っていないと、似た名前のアプリが並び、現場が「どこに入力すればよいか」で迷います。入力が分散すると、集計の数字も信用されなくなります。
kintoneを広げる:外部サービス・APIとの連携
kintoneには、外部システムとつなぐ手段が用意されています。開発者向けの公式情報には、Webhook、REST API、プラグインが挙げられています。Webhookは、レコードの追加、編集、削除、コメント、ステータスの更新などをきっかけに、外部のサービスへ通知を送る仕組みです。公式ヘルプには、1分間に60回を超えるレコードの操作があった場合、61回目以降のWebhook通知は送られないという注意書きがあります。大量の更新が走る運用では、この上限を踏まえた設計が必要です。
外部のシステムからkintoneへ書き込むときは、アプリ単位で権限を絞れるAPIトークンの利用が、開発者向けの情報で推奨されています。追加の権限だけを与えておけば、万一の影響を小さくできます。n8nなどの自動化ツールとの使い分けは業務自動化ツールの選び方で扱っています。
支援の現場から(オンライン英会話スクール)
オンライン英会話スクールでは、予約ツール(TimeRex)で入った面談の予約を、kintoneのリードへ自動でひもづけています。始めた当初は、15件中7件(約47%)がリードに反映されていませんでした。メールアドレスの書き方のゆれ(前後の空白・大文字・全角など)をそろえてから照合し、それでも相手が決まらないものは、確認待ちの置き場に入れる形にしました。
同じお子さんが何度か申し込んでいる場合も、氏名と電話番号が同じなら最新の申込を自動で選ぶようにして、人が確認する件数は10件から1件に減っています。
よくある質問
Q. kintoneはCRMとして使えますか。
使えます。公式サイトにも、顧客・案件管理が用途として挙げられていて、サンプルアプリにも顧客と案件を管理するパックがあります。専用のCRM製品と違い、項目や画面を自社で設計することになります。
Q. 何人から使えますか。
ライトコースとスタンダードコースは、最小ユーザー数が10です。ワイドコースは1,000です(2026年10月時点の公式の料金ページ)。少人数での契約条件は、公式ページか販売窓口で確認してください。
Q. プログラミングができなくても使えますか。
基本のアプリ作成は、プログラミングなしでできると公式に説明されています。ただ、画面の細かな動きを変えるJavaScriptやCSSのカスタマイズは別の話で、スタンダードコース以上が前提です。
Q. データの移行はどうすればよいですか。
Excelなどからデータを入れるときは、先に項目の設計を決め、表記ゆれを整えておきます。会社名の表記が不ぞろいなままだと、重複が増えます。取り込み前に、必須項目と選択肢の定義を決めておくことが大切です。
Q. 社内に詳しい人がいなくても導入できますか。
設定の作業は外部に任せることもできます。ただ、業務の流れや、ステータスの進む条件を決めるのは、現場の業務を知っている人です。この部分を外部に丸投げすると、画面だけ整って使われない状態になりやすいです。
Q. スマートフォンから使えますか。
公式サイトには、スマートフォンやタブレットに対応していると書かれています。外出先での入力を前提にするなら、項目を少なくしておくと入力しやすくなります。
まとめ:kintoneは設計を自分たちで持てる会社に向く
kintoneは、アプリという単位で、業務の画面と流れを自分たちで作れる基盤です。顧客・案件管理から日報、申請、問い合わせまで、同じ仕組みの上で扱えます。Salesforceとは、完成した営業向けの機能から始めるか、自分たちで組み立てるか、という性質の違いがあります。
- 基本の仕組みは、アプリ・レコード・一覧・グラフ・プロセス管理・通知・アクセス権
- 作るときは、1つの業務から始め、項目は判断に使うものに絞る
- プランは3コース。外部連携やプラグインはスタンダード以上(2026年10月時点)
- Salesforceとは、設計を誰が持つかで向き不向きが分かれる
- 導入は、小さく始めて、入力率を毎週見ながら直していく
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この記事を書いた人
株式会社Nexly 代表 大林 諒。広告運用、kintone・SalesforceなどのCRM構築、業務の自動化とAI活用を中心に、マーケティングの設計から実行まで中小企業の支援をしています。自社でも転職エージェント「Re:WORK」を運営し、広告・SEO・CRMを日々回しています。
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