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業務の棚卸しのやり方|AI・自動化に任せる業務の選び方とテンプレート

業務の棚卸しのやり方|AI・自動化に任せる業務の選び方とテンプレート

業務の棚卸しは、「誰が、どの業務に、どれくらいの時間を使っているか」を、業務名・頻度・時間・入力元・判断ルールの5点で書き出す作業です。目的は全業務を網羅することではなく、AIや自動化に任せる候補を選ぶことなので、まずは1つの部門、2週間で、A4数枚のシートにまとめれば足ります。

この記事では、記入シートのテンプレート、書き出しの手順、業務フロー図の描き方、そして任せる業務の優先度の付け方を順に説明します。Nexlyが業務の自動化やAI活用の相談を受けるときも、最初にやるのはツールの選定ではなく、この棚卸しです。何に時間がかかっていて、そのうちルールで書けるものはどれか。そこが見えると、ツールの選び方は自然に絞られます。

この記事でわかること

  • 棚卸しで書き出す項目と、そのまま使える記入シート
  • 2週間で1部門を棚卸しする手順と、書くときの粒度の目安
  • 業務フロー図の描き方(記号を4つに絞る方法)
  • 時間×頻度×ルール化のしやすさで、任せる業務に優先度をつける計算例
  • 棚卸しのあとの進め方と、効果の測り方

棚卸しで決めるのは「何を任せるか」であって、全業務の記録ではない

棚卸しと聞くと、会社の業務を全部書き出す大がかりな作業を想像しがちですが、そこまでやる必要はありません。経済産業省の「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き2025」は、DXに取り組む企業の実例として、地道な業務プロセスの洗い出しや基幹システムの棚卸から現状把握を始めている、と書いています。同じ手引きは、取組の入り口については、身近なところ、取りかかりやすいところから、たとえば個別業務のデジタル化から着手し、ノウハウを蓄積しながら広げていく企業が多いと述べています。棚卸しもその考え方に沿って、全社ではなく、手をつけやすい範囲から始めるのが現実的です。

棚卸しで答えを出したい問いは、次の3つです。

この3つが分かると、「この業務はルールが固定なので自動化」「この業務は文章の解釈が要るのでAI」「この業務は判断が重いので人が残る」と分けられます。分け方の詳細は、後の章で表にします。

始める前に決める3つのこと:範囲、期間、書く人

いきなり全員にシートを配ると、書き方がばらばらになって集計できません。次の3つを先に決めます。

範囲は1部門、できれば1チームに絞る

最初は、時間がかかっていて、かつ手順が比較的そろっている部署が向いています。営業事務、カスタマーサポート、経理、採用の事務などが候補です。範囲が広いと、2週間で終わらず、集計にたどり着く前に熱が冷めます。

期間は2週間。最初の3日で書き、残りで確認する

シートの記入に3日、聞き取りと確認に4〜5日、集計と優先度づけに3日、というのが目安です。業務の時間は、記憶で書くとずれるので、書く期間中の3日間だけでも、実際に作業した時間をメモしてもらうと精度が上がります。

書くのは担当者本人。聞き取りは15分で十分

管理者が想像で書くと、実際の作業と違います。担当者本人に書いてもらい、書いたあとに15分程度の聞き取りで補います。聞き取りでは「その作業で、一番手間がかかるのはどこですか」「別の人がやったら、どこで迷いますか」の2つを聞くと、判断ルールや例外が出てきます。

記入シートのテンプレート:10項目

シートは、1業務を1行で書きます。項目は次の10個にすると、あとで優先度を計算しやすくなります。

項目書き方記入例(ダミー)
1. 業務名「動詞+対象」で書く問い合わせメールを種類別に振り分ける
2. 頻度1日・週・月の何回か1日15件
3. 1回の時間分で書く。3日間の実測の平均3分
4. 担当担当する人・役割事務2名で交代
5. 入力元何を見て作業を始めるか共有の受信箱のメール
6. 出力先作業の結果をどこへ入れるか顧客管理の台帳、担当者へのチャット
7. 判断ルール迷う点と、そのときの決め方件名と本文に「見積」があれば営業へ。判断がつかないものは責任者へ
8. 例外ルールどおりにいかない場面複数の用件が1通に入っているとき
9. 使っているツールメール、表計算、システム名などメール、スプレッドシート
10. 困りごとやりたくない理由、ミスが出やすい点量が多い日は後回しになる
業務の棚卸しシートの画面イメージ。表計算ソフト風の画面に、業務名、頻度、1回の時間、入力元、判断ルールなどの列があり、ダミーの業務が3行並んでいる
棚卸しシートのイメージ(ダミーデータ)

列が多く見えるかもしれませんが、必須なのは1〜3と7です。時間が分かれば優先度が出て、判断ルールが書ければ自動化できるかが分かります。それ以外の列は、聞き取りで埋める形でも構いません。

書き方で迷いやすい3つの項目

記入のとき、とくに迷いが出るのが次の3つです。先に書き方を決めておくと、集計のときに直す手間が減ります。

書き出しの手順:1日の流れから、業務の単位に割る

白紙のシートに「業務を書いてください」と言っても、何を単位にすればよいか迷って止まります。次の順で進めると、書きやすくなります。

  1. 1日の流れを、時刻順に書き出す(出社してから退社まで。思い出しやすい単位でよい)
  2. その流れを「動詞+対象」の単位に割る(「メールを見る」ではなく「問い合わせメールを振り分ける」)
  3. 週や月に1回の業務を足す(月末の請求、週次の報告、四半期の棚卸しなど。日々の流れには出てこない)
  4. 各業務に、頻度と1回の時間を入れる
  5. 判断ルール、入力元、出力先、例外を埋める

粒度の目安は、1業務が10分から2時間くらいです。10分より短いものは親の業務にまとめ、2時間を超えるものは、手順の途中で分けます。たとえば「月次報告書を作る」は半日かかるので、「売上データを集計する」「グラフを作る」「コメントを書く」のように割ります。割ってみると、集計はルールで書けて自動化でき、コメントは人が書く、といった分かれ目が見えてきます。

棚卸しの進め方を5つの手順で示した図。1日の流れを書く、動詞と対象の単位に割る、週次・月次の業務を足す、頻度と時間を入れる、判断ルールと入出力を埋める
棚卸しの書き出し手順

部門ごとに、出てきやすい業務の例

1日の流れを書いても、思い出せない業務があります。次の表は、聞き取りのときに「こういう作業はありませんか」と投げかけるためのヒントです。会社によって違うので、当てはまるものだけを拾ってください。

部門出てきやすい業務見落としやすい業務
営業・営業事務見積書の作成、案件の進捗入力、顧客への連絡、受注後の手続き他システムへの転記、月末の売上確認、担当者への催促
カスタマーサポート問い合わせの返信、内容の記録、担当者への引き継ぎよくある質問の更新、返信文面の探し直し、クレームの共有
経理・総務請求書の発行、入金の確認、経費の精算、備品や契約の管理領収書の突合、押印や回覧の待ち、問い合わせへの回答
採用・人事応募者への連絡、日程調整、書類の確認、入社手続き応募媒体ごとの転記、面接官への共有、辞退の連絡
マーケティング広告やアクセスの数字の確認、レポート作成、問い合わせの集計数字の集め直し、媒体ごとの形式合わせ、会議用の資料づくり

「見落としやすい業務」の列は、他の人に頼んだり、人の仕事を待っていたりする時間が多く含まれます。1人のシートでは見えず、部門で並べたときに、同じ内容を別の人が別の場所に入れている、といった形で見つかります。

業務フロー図の描き方:記号は4つで足りる

シートで一覧にしたあと、時間が大きい業務や、複数人が関わる業務は、流れを図にします。業務フロー図には、BPMN(OMGが標準化している業務プロセスの記法)のような正式な記法や、情報処理用の流れ図記号のJIS規格もありますが、社内で共有して議論するための図なら、記号を4つに絞れば十分です。

記号意味書くこと
角丸の四角始まりと終わり「問い合わせを受信」「担当者に引き渡し」など
四角作業「動詞+対象」。1つの四角に1つの作業
ひし形判断(分岐)「はい/いいえ」で答えられる問いにする
矢印順序分岐の矢印には、条件を書く

図を描くときは、横に「担当者」の帯(スイムレーン)を引き、どの作業を誰がやっているかを分けると、人の間の引き継ぎが見えてきます。引き継ぎのところで待ち時間が発生したり、同じ内容を別の場所に二度入力したりしていることがあり、そこが改善の候補になります。

業務フロー図の例。問い合わせの受信から、種類の判断、営業へ引き渡す場合と、その他として総務に回す場合、顧客台帳への記録までを、角丸の四角、四角、ひし形、矢印で描いた図。担当の帯が事務担当と営業担当に分かれている
業務フロー図の例(問い合わせの振り分け)

描くときの注意が2つあります。ひとつは、例外をすべて描き込まないことです。主な流れと、よくある例外2〜3個にとどめます。例外まで全部描くと読めなくなり、目的が果たせません。もうひとつは、「現状どおり」に描くことです。あるべき姿を想像して描くと、現場の実態とずれて、改善の材料になりません。

任せる業務の優先度をつける:年間時間 × ルール化のしやすさ

一覧ができたら、どれから手をつけるかを決めます。見る軸は、効果の大きさと、実現のしやすさの2つです。

効果の大きさは、年間の合計時間で見る

効果は、1回の時間ではなく、年間の合計時間で比べます。式は次のとおりです。

年間の合計時間(分)= 1回の時間(分)× 1回あたりの件数 × 年間の実施回数

実現のしやすさは、ルール化できるか、入力が電子化されているかで見る

自動化が成り立つ条件は、おおまかに2つです。判断ルールを言葉にできること、そして入力元がデータの形で取れること。紙やPDFで届くもの、口頭で依頼されるものは、まず入力を整える作業が要ります。

次の表は、ダミーの3業務で計算した例です。年間の営業日は240日と仮定しています(実際の日数は会社ごとに違うので、自社の数字に置き換えてください)。

業務(ダミー)1回の時間×件数×回数年間の合計時間ルール化入力の電子化向く方法
問い合わせメールの振り分け3分×15件×240日=10,800分180時間△(文面の解釈が要る)○(メール)AIで分類し、人が例外を確認
週次の売上レポート作成90分×1回×52週=4,680分78時間○(手順が固定)○(システムの数字)自動化(定時の集計)
見積価格の判断30分×10件×12か月=3,600分60時間×(案件ごとの判断)△人が残す。下調べだけ支援

この例では、効果の大きさは問い合わせの振り分け、実現のしやすさは週次の売上レポートがそれぞれ上位です。両方が高いものから始めると成果が見えやすいので、最初の1つはルール化が○で、入力も電子化されているものを選ぶのが無難です。問い合わせの振り分けは効果が大きいぶん、文面の解釈が要るため、最初から全件を任せず、AIの分類結果を人が確認する期間を置きます。

優先度シートの画面イメージ。表計算ソフト風の画面に、業務ごとの年間の合計時間、ルール化、入力の電子化、ミスの影響、判定が並ぶ。ダミーの3業務
優先度シートのイメージ(ダミーデータ)
任せる業務の優先度を決める2軸の図。横軸はルール化のしやすさ、縦軸は年間の合計時間。右上は最初に着手、左上は工夫すれば候補、右下は小さく試す、左下は後回し
年間時間とルール化のしやすさで優先度を決める

時間の削減見込みは、保守的に置く

年間の合計時間は「いま使っている時間」であり、「なくなる時間」ではありません。自動化やAIで減る分は、一部です。見込みを置くときは、「減らせる割合」を仮に決めて、計算例として扱います。たとえば問い合わせの振り分け(年間180時間)で、AIの分類で作業の半分が置き換わり、残りは人が確認すると仮定すると、減る時間は90時間です。割合は仮の数字で、実際は試して測ります。見込みを大きく置きすぎると、あとで「思ったほど減っていない」という評価になり、取組全体の信頼を落とします。

効果が小さくても、先にやるほうがよい業務

年間の合計時間が小さくても、次のような業務は先に手をつける価値があります。

こうした業務は、時間では測れない効果があります。優先度の表に「ミスの影響」「属人化」の列を足して、○をつけておくと、時間の大小だけで決めずに済みます。

ポイント

最初の1つは、年間時間が大きくて、ルールで書けて、入力が電子化されているもの。効果が小さくても、確実に動くものから始めると、2つ目以降の協力が得やすくなります。

判断ルールを言葉にして、自動化・AI・人に振り分ける

判断ルールの取り出し方

棚卸しの中でいちばん時間がかかるのが、判断ルールの言語化です。ベテランの担当者ほど、「なんとなく」で判断していて、書き出せないことがあります。次の聞き方をすると、ルールが取り出せます。

出てきたルールは、「もし〜なら、〜する」の形に直します。書けたルールが10個以内に収まり、例外が少なければ、ルールどおりに動く自動化(条件分岐)で足ります。文面の意味を読み取る必要があるもの、たとえば問い合わせの種類の判断や、要約、文章の下書きには、AIの出番があります。ルールが書き切れず、例外が半分近くを占める業務は、無理に任せず人が残します。

ルールで動く仕組みとAIで分類する仕組みの違い、振り分けの設計は問い合わせ・メールの自動振り分けで、ツールの選び方は業務自動化ツールの選び方で整理しています。

任せ方は3つに分ける:自動化、AI、人が残す

棚卸しの結果を、次の3つの箱に入れていきます。

分類向く業務の条件例注意点
自動化(ルールで動かす)手順が固定。入力がデータで取れる。例外が少ない定時の集計、フォームの内容を台帳に入れる、通知の送信入力の形式が変わると止まる。エラー時の通知を入れる
AIに任せる(人が確認する)文章の意味を読む必要がある。多少の誤りは人が直せる問い合わせの分類、議事録の要約、文面の下書き誤りが出る前提で、確認の場面を決める。個人情報の入力に注意
人が残す判断が重い。例外が多い。相手との関係が大事価格の判断、クレーム対応、採用の最終判断下調べや下書きをAIや自動化で支援するのはよい

AIに任せる業務は、入力する情報の線引きと、出力の確認ルールを先に決めてから始めてください。生成AIの社内ガイドラインの作り方に、決める項目と条文例があります。部門ごとのAIの使い方はAIで業務効率化できる仕事でまとめています。

聞き取りの15分で使う質問

書いてもらったシートを見ながら、次の質問を順に聞くと、抜けている業務や、本当に困っている点が出てきます。

  1. このシートに書いていない作業は、ほかにありますか(月末・四半期・年1回のものも)
  2. 一番手間がかかっている作業は、どれですか。その理由は何ですか
  3. 同じ内容を、2か所以上に入力している作業はありますか
  4. 人から頼まれて、割り込みで入る作業は、どれくらいありますか
  5. ミスが出やすい作業は、どれですか。ミスが出たらどうなりますか
  6. あなたが休んだら、止まる作業は、どれですか

3番の「2か所以上に入力している作業」は、ツールをつなげば消せる可能性がある部分です。4番の割り込みは、時間として見えにくいので、シートに「割り込み対応」という業務を1行立てて、件数と時間を書いてもらうと、全体像がつかめます。

棚卸しのあと:小さく試し、前後を測る

優先度が決まったら、最初の1つだけを小さく試します。ここで大事なのは、始める前の数字を残しておくことです。IPAの「DX動向2025」では、DXの成果が「わからない」と答えた日本の企業にその理由を聞いたところ、「DXの成果目標を定めていない」「成果の評価はこれから進める予定」が多かったとされています。目標がないと、成果が出ていても評価できない、と調査も指摘しています。

棚卸しシートには、その材料がすでに入っています。次の3つを、試す前と後で比べます。

たとえば、問い合わせの振り分けをAIで分類する形にして、月の合計時間が下がったか、誤分類を人が直した件数がどれくらいか、を2か月分並べて見ます。数字で比べられると、次の業務に広げるかどうかを、感覚ではなく根拠で決められます。

棚卸しから改善までの流れを示した図。棚卸しシートを作る、優先度をつける、1つだけ小さく試す、前後の時間と誤りを比べる、次の業務に広げる、の5段階
棚卸しから改善までの流れ

任せる前に、「やめる」「減らす」を先に検討する

棚卸しをすると、そもそも続ける意味が薄い業務が出てきます。誰も見ていない報告書、同じ数字を別の形式で作り直しているレポート、慣習で続いている確認の押印などです。自動化は、その業務が必要であることを前提にしているので、やめられるものを自動化すると、不要な仕組みを作って保守する羽目になります。優先度をつける前に、各業務に対して「やめられないか」「頻度を減らせないか」「簡単な形にできないか」の3つを聞いておきます。

関係者に見せる1枚のまとめ方

棚卸しの結果は、経営者や関係部署に見せて合意を取る場面があります。シート全体を見せるのではなく、次の4点を1枚にまとめると伝わります。

この1枚があると、「何をやるのか」「なぜそれからなのか」「いつ結果が分かるのか」が一度に伝わります。判断を仰ぐ側も、全体を読み込まずに決められます。

試す業務が決まったら、実際の仕組みを組む段階に入ります。自動化の仕組みの例はn8nとはで、DX全体の進め方は中小企業のDXの進め方で整理しています。

支援の現場から(外国人材の受け入れ支援に関わるBtoB企業)

外国人材の受け入れ支援に関わるBtoB企業で、メール配信ツールに溜まったフォームとランディングページを棚卸ししました。いま使われているかを1本ずつ確かめると、フォームは33本から15本、ランディングページは12本から5本まで減らせました。

残している理由を誰も説明できないものは、たいてい使われていません。ただ消す前に、つながっている先(送信の履歴や、ひもづいている商談)だけは確かめてから外しています。

棚卸しでよくある失敗と、その避け方

失敗なぜ起きるか避け方
管理者が想像で書いてしまう現場の実態を知らないまま、あるべき手順を書く担当者本人に書いてもらい、15分の聞き取りで補う
粒度がばらばらで集計できない業務の単位を決めていない「動詞+対象」、10分〜2時間を目安にそろえる
時間が記憶で書かれてずれる実測していない3日間だけ実際の時間をメモしてもらう
棚卸しだけで終わる次の行動が決まっていない最初から、最初の1つを選ぶところまでを範囲にする
書くのが「監視」に見える目的が伝わっていない「楽にするため」で、人の評価に使わないと最初に伝える

最後の「監視に見える」は、とくに注意が要ります。作業時間を書かせると、担当者は自分の仕事を評価されると感じて、実態より短く、または忙しく書くことがあります。目的は仕事を減らすことで、評価ではない、と最初に口頭でも文書でも伝えてください。

シートを集める前に、次の5点を確認してから回収すると、やり直しが減ります。

よくある質問

Q. 棚卸しは、社内でやるのと外部に頼むのと、どちらがよいですか?

シートの記入と聞き取りは社内の担当者が動いたほうが、実態に近くなります。外部に頼むとよいのは、粒度をそろえる設計、優先度づけの客観的な見方、そのあとの仕組みの組み立てです。経済産業省の手引きも、内部で推進する人材を確保しにくい中小企業は、外部の支援機関やITベンダーなどを適切に活用することが求められると述べています。

Q. エクセルや紙の台帳がばらばらでも、棚卸しはできますか?

できます。むしろ、その状態が分かること自体が成果です。入力元や出力先の列に「紙」「個人のExcel」と書いておくと、自動化の前にデータを整える作業が必要だと見えてきます。

Q. 業務フロー図は、全業務で描く必要がありますか?

必要ありません。年間の合計時間が大きいもの、複数人が関わるもの、自動化の候補になったものだけで足ります。描く数が増えるほど、更新が追いつかなくなります。

Q. 業務の時間が正確に分からないときは、どうしますか?

3日間だけ、作業の開始と終了をメモしてもらうのが簡単です。それも難しければ、「5分以内」「30分程度」「半日」のような幅で書いてもらい、大きいものから先に精度を上げます。優先度づけには、桁が合っていれば足ります。

Q. 人数が少なくて、部門に分かれていない会社では、どこから始めますか?

全員が兼任している会社では、部門ではなく「お金に関わる業務(請求・入金)」「お客様への対応(問い合わせ・見積)」のように、流れで範囲を切ります。経営者が日々やっている作業も、1人分のシートとして書いてもらうと、経営者でなくてもできる作業が見つかることがあります。

Q. AIで任せる業務が見つからなかったときは、どうしますか?

見つからないこと自体は失敗ではありません。ルールで動く自動化に向く業務ばかりだった、あるいは、まず入力をデータで取れる形に整える段階だった、という意味です。AIを使うことが目的になると、効果の薄いところにAIを入れてしまうので、業務の性質に合うほうを選んでください。

Q. 棚卸しの結果は、どれくらいの頻度で更新しますか?

半年に1度、または業務やツールが大きく変わったときです。自動化した業務は、動いているかを確認する日も、あわせて決めておくと、止まったまま気づかない状態を避けられます。

まとめ:1部門・2週間で書き出し、最初の1つを決める

業務の棚卸しは、全業務を網羅する作業ではなく、AIや自動化に任せる候補を選ぶための準備です。小さく始めて、数字で前後を比べれば、次の業務に広げる根拠になります。

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この記事を書いた人

株式会社Nexly 代表 大林 諒。広告運用、kintone・SalesforceなどのCRM構築、業務の自動化とAI活用を中心に、マーケティングの設計から実行まで中小企業の支援をしています。自社でも転職エージェント「Re:WORK」を運営し、広告・SEO・CRMを日々回しています。

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