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DX人材とは|社内にいない中小企業の進め方と育て方

DX人材とは|社内にいない中小企業の進め方と育て方

DX人材とは、データとデジタル技術を使って、業務やビジネスを変えていく役割を担う人のことです。ただし、経済産業省とIPA(情報処理推進機構)が公表している「デジタルスキル標準」は、DX人材を「すごいエンジニア1人」とは捉えていません。全員が身につけるべき基礎(DXリテラシー)と、DXを推進する専門の役割(6つの類型)に分けて整理しています。中小企業が最初に考えるべきことは、専門家を採用することより、社内で誰が旗を振り、誰が業務を説明し、誰が形にするのかを決めることです。

この記事では、公式の定義と6つの類型を確認したうえで、中小企業に必要な役割を3つに絞り、外部の使い方と社内で育てる手順をまとめます。Nexlyは、業務の棚卸しやkintone・Salesforceの構築、定着までの支援をしていて、「DXを進めたいが、社内に詳しい人がいない」という相談をよく受けます。公式資料で確認できる事実と、支援の現場での実務上の考え方は、分けて書きます。

この記事でわかること

  • 経産省・IPAのデジタルスキル標準にある、DX人材の公式の整理(2026年4月公表のver.2.0)
  • DXを推進する6つの類型と、中小企業にいちばん関係する役割
  • 中小企業に必要な3つの役割(旗振り・業務を知る人・作る人)
  • 外部の専門家やツールに任せてよいことと、社内に残すこと
  • 社内で育てる6つの手順と、つまずきやすい点

DX人材の公式の定義:デジタルスキル標準とは

「DX人材」には、法律で決まった定義はありません。ただ、国の整理として最も参照されているのが、経済産業省とIPAが策定した「デジタルスキル標準(DSS)」です。IPAのサイトによると、2026年4月にver.2.0が公表されています。個人の学習と、企業の人材確保・育成の指針として作られたものです。

この標準では、DXそのものを、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード3.0」(2024年9月改訂)に基づいて、次のように説明しています。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。つまり、ITツールを入れることがDXなのではなく、データとデジタルを使って、業務や組織まで変えることがDXです。

そして、人材については2つの標準で整理されています。

全員が基礎を持ち、そのうえで専門の役割を担う人が推進する、という二層の考え方です。IPAの資料には、企業がDXを実現するには、経営層を含めて一人ひとりがDXを自分事として捉える状態が必要で、そのうえで専門性を持った人材が活躍することが重要だと書かれています。

デジタルスキル標準の構成図。全てのビジネスパーソン向けのDXリテラシー標準と、DXを推進する人材向けのDX推進スキル標準の二層で示す
デジタルスキル標準の二層の構成

二層に分かれているのは、DXが一部の専門家だけでは進まないからです。専門の人が優れた仕組みを作っても、現場がそれを使わなければ、業務は変わりません。逆に、全員が基礎を持っていても、設計して形にする人がいなければ、何も動きません。両方が揃って、はじめて前に進みます。中小企業が人材を考えるときも、この二層で見ると、整理しやすくなります。

DX推進スキル標準の6つの類型

DX推進スキル標準は、DXを推進する人材を「類型」に分けて定義しています。ver.2.0では6類型です。2024年のver.1.2までは5類型でしたが、AI活用とデータ活用の重要性の高まりを受けて、データマネジメントが新設されました。

類型IPAの説明を要約した役割
ビジネスアーキテクトビジネスや業務の変革で実現したい目的を定義し、最適なビジネスモデルと業務プロセスを設計して、関係者を調整しながら成果を出す
デザイナー顧客・ユーザーの視点も含めて、製品・サービスの方針や体験をデザインする
データサイエンティストデータを集めて分析し、業務の変革や新しいビジネスにつなげる。AIの仕組みの設計・運用も含む
データマネジメントデータの安全性・信頼性を確保し、組織全体でデータを使える仕組みを設計・運用する
ソフトウェアエンジニアデジタル技術を使った製品・サービスのシステムやソフトウェアを設計・実装・運用する
サイバーセキュリティ業務を支えるデジタル環境のセキュリティリスクを抑える対策を担う

見て分かるとおり、全部の類型を、中小企業が1社で揃えるのは現実的ではありません。IPAの資料にも、DX推進に必要な役割は、企業が全てを最初から揃えることは必須ではなく、事業規模やDXの推進度合に応じて一部の役割から揃えていくことが想定される、と書かれています。さらに、標準の表現は特定の産業や職種に依存しないように汎用的に書かれていて、各社が自社の事業に合わせて具体化する必要があるとされています。

中小企業にとって特に関係が深いのは、社内の業務の課題を整理して、変えていく役割です。ビジネスアーキテクト類型は、ver.2.0でビジネスアーキテクト、ビジネスアナリスト、プロダクトマネージャーの3つのロールに整理し直されました。このうち、ビジネスアナリストは、業務・組織・システムを分析して要求を整理し、実装担当者へ伝えたり、関係者の利害を調整したりする役割と説明されています。中小企業のDXで「旗を振る人」に求められる仕事は、この説明にかなり近いと、Nexlyは考えています。

DX推進スキル標準ver.2.0の6つの類型(ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティ)を並べ、中小企業が最初に関係しやすい類型を強調した図
DX推進スキル標準の6つの類型(ver.2.0)

中小企業に必要なのは3つの役割

ここからは、公式資料の整理を、中小企業の実情に合わせた、Nexlyの実務上の考え方です。公的な基準ではありません。社員が数十人から数百人の会社でDXを進めるとき、専門家を揃える前に、次の3つの役割が社内で決まっているかを確認します。

役割1:旗を振る人(推進役)

やることを決め、優先順位をつけ、関係者を巻き込み、進み具合を見る人です。IPAの類型でいえば、ビジネスアーキテクトやビジネスアナリストの考え方に近い役割です。必ずしも技術に詳しい必要はなく、経営者の意図を現場の言葉に直し、現場の事情を経営者に伝えられる人が向いています。

この役割は、経営者本人や、経営に近い管理職が担うのが理想です。現場の担当者に任せる場合は、決める権限と時間を一緒に渡さないと、進みません。「兼務で空いた時間にやって」では、止まりやすいです。

役割2:業務を知る人(現場の代表)

いまの仕事が、誰によって、どんな手順で行われているかを説明できる人です。DXの成否は、この人の話をどれだけ正確に引き出せるかで決まります。ツールの専門家がいくら優れていても、業務を知らなければ、使われない仕組みになります。

業務を知る人は、各部署に1人ずつ必要になります。この人たちには、システムを作る技術は求めません。必要なのは、手順を言葉にする力と、「ここは変えてよい、ここは変えられない」を判断できることです。業務の言葉にする方法は、業務の棚卸しのやり方にまとめています。

役割3:作る人(実装役)

決まった内容を、実際に動く仕組みにする人です。kintoneのアプリを組む、Salesforceの設定を変える、自動化の流れを作る、といった作業をします。ここは、社内に置くか、外部に任せるかを選べる部分です。社内に置く場合も、ノーコードの範囲で作れる人が1人いれば、始められることが多いです。

ツールによって、作る難しさは違います。たとえば、kintoneはプログラミングなしでアプリを作れると公式に説明されていますが、設計を誰が決めるかは別の問題です。詳しくはkintoneでできることで書いています。

会社の規模ごとの、役割の持ち方の例

3つの役割を、何人で担うかは会社の規模で変わります。次はあくまで目安で、支援の現場で見かける形を整理したものです。

規模のめやす旗を振る人業務を知る人作る人
数十人まで経営者本人が担う各部門の責任者が兼ねる外部に任せ、社内は1人が窓口になる
50〜100人前後経営に近い管理職を1人置く部署ごとに1人外部を使いながら、社内に1人育てる
100人を超える専任か、それに近い形で推進役を置く部署ごとに複数人社内にチームを持ち、外部は専門領域だけに使う

規模が小さいほど、経営者が旗を振る形になります。経営者が忙しすぎて、実質的に誰も振っていない状態になるのが、最も多い失敗です。その場合は、経営者が決める項目を絞り(目的と優先順位だけ)、日々の進行を別の人に渡します。

兼務で進めるときの注意

中小企業では、3つの役割を兼務で担うことが普通です。兼務で進めるなら、役割ごとに「いつ、何時間使うか」を決め、通常の業務と区別します。たとえば、推進役は毎週火曜の午前、業務を知る人は2週間に1度の聞き取りの日、といった具合に、予定として確保します。予定にならないものは、緊急の業務に押し出されて、実行されません。

中小企業に必要な3つの役割(旗を振る人、業務を知る人、作る人)を並べ、それぞれの仕事、向いている人、IPAの類型との対応のめやすを示した図。対応は目安
中小企業に必要な3つの役割

全員に求められるのは、DXリテラシー

専門の役割を決めても、現場の全員がDXに無関心だと、仕組みは使われません。デジタルスキル標準は、そのために、全てのビジネスパーソンが身につけるべきスキルとして、DXリテラシー標準を定めています。IPAのサイトでは、次の4つの要素で構成されると説明されています。

全員が専門家になる必要はありません。「なぜ業務を変えるのか」「どんなデータが、どう使われるのか」を、自分の言葉で説明できる状態を目指します。たとえば、日々の入力が、あとで自分の仕事を楽にするための材料になると理解している人は、入力を後回しにしにくくなります。入力が定着しない原因は、kintone・Salesforceが現場で使われない原因と立て直し方で扱っています。

学習のための入口として、IPAの「マナビDX」というポータルがあり、DXリテラシー標準の項目に対応した講座を探せると案内されています。また、ITの基礎を学ぶ試験として、ITパスポート試験が、DXリテラシー標準に「特に有用」な試験とIPAのサイトに記載されています。試験の取得を目標にするかどうかは会社の判断ですが、共通の学習の目安として使えます。

学習の進め方は、全員に同じ講座を受けさせるより、役割ごとに分けるほうが負担が少なくなります。推進役には、業務や組織の変革の進め方を。業務を知る人には、データが業務にどう使われるかの基礎を。作る人には、使うツールの操作と設計の考え方を、という具合です。講座は、公式のポータルや、経済産業省の認定制度の講座などから選べます。受講の費用や助成の有無は、講座ごとに違うため、申し込む前に提供元の案内を確認してください。

自社の状況を点検する:3つの役割は埋まっているか

役割の考え方が分かったら、自社の現状を点検してください。次の表は、Nexlyが相談を受けるときに最初に聞く内容を、自己点検の形にしたものです。公的な診断基準ではなく、実務上の目安です。

確かめること「はい」と言えないときの兆し先にやること
推進役が決まっていて、週に使える時間が確保されている誰が担当か聞くと、人によって答えが違う経営者が1人を指名し、時間と権限を明文化する
部署ごとに、業務の手順を説明できる人がいる「あの人に聞かないと分からない」が多い手順を書き出す担当を決め、棚卸しを始める
作る人(社内か外部)が決まっているツールは契約したが、誰が設定するか決まっていない外部の候補を比べるか、社内でノーコードを試す人を置く
全員が、なぜ業務を変えるのかを説明できる現場から「また新しいツールか」という反応が出る経営者が目的と、やめるものを全員に話す
成果を測る、業務に近い数字が決まっている導入してから半年たっても、効果の話が出ない入力件数、確認時間などの数字を2つ決める

5つのうち、3つ以上が「はい」と言えないなら、ツールの選定より前に、役割と目的の整理から始めたほうが、結果的に早く進みます。逆に、ほとんどが「はい」と言えるのに進まない場合は、時間が確保されていないことが原因のことが多いです。

人材不足の実態:採る前に確認すること

IPAの「DX動向2025」を引用した資料では、日本企業の85.1%がDXを推進する人材が不足していると示されていて、米国やドイツと比べても著しく高い水準とされています。つまり、「うちにいない」のは多くの会社に共通する状況で、専門人材を採用すれば解決する、と考えるのは簡単ではありません。この数字は、調査で人材が不足していると回答した企業の割合で、不足の人数や職種までは、引用元の資料では分かりません。

そこで、採用の前に確認することが3つあります。

この3つが曖昧なまま専門人材を採用しても、期待したことと違う、という食い違いが起きやすくなります。採用は、最後に考えることです。

採用以外にも、選択肢はあります。既存の社員に役割を与えて育てる、外部の支援を期間を区切って使う、ノーコードのツールで現場が自分で作れる範囲を広げる、といった形です。どれを選ぶかは、変えたい業務の量と、社内で割ける時間で決まります。多くの中小企業では、外部の支援を使いながら、既存の社員を育てる形が現実的です。採用は、仕組みが回り始めて、専任の担当が必要になってから考えても遅くありません。

外部の専門家やツールに任せる範囲

社内に作る人がいない場合、外部の支援を使うのは普通の選択です。ただし、全部を任せると、その会社でしか分からない業務の判断が欠けて、使われない仕組みになります。任せてよいことと、社内に残すことを分けます。

項目外部に任せやすい社内に残すこと
目的と優先順位整理の進め方の助言何を変えるかの最終判断
業務の整理聞き取りと、手順の図式化実際の手順の説明と、変えてよい範囲の判断
ツールの設計・構築画面や項目の設計、設定、連携の実装項目の意味とステータスの条件を決めること
運用の定着入力率の点検の仕組み作り、改善提案現場に使うよう伝え、使われているか見ること
保守・改修不具合対応、軽微な改修改修の要否の判断と優先順位

右の列は、外部に渡せません。渡すと、判断の責任が社内からなくなって、担当者が替わるたびに話が止まります。外部の人は、会社の事情を知らない前提で、業務を説明する時間を取ることが必要です。

外部を選ぶときに見ること

支援会社を選ぶときは、次のような点を見ます。

特に、引き渡しの有無は大切です。設計の意図が社内に残っていないと、あとで直したいときに、同じ会社に頼むしかなくなります。ツールの選び方については、CRM・SFA・MAの違いも参考になります。

外部に頼む前に、社内で用意しておく3点

外部の支援を受けるときに、社内で用意しておくと、見積もりも設計も、ずれにくくなります。

この3点が揃っていれば、外部の担当者は、初回の打ち合わせから設計の話に入れます。揃っていないと、最初の数回が現状の聞き取りだけで終わり、費用も期間も増えます。これは、外部の費用を抑える意味でも、社内でできる準備です。

外部に任せやすいこと(設計の助言、聞き取りと図式化、設定と連携の実装)と、社内に残すこと(何を変えるかの判断、業務の説明、項目の意味とステータスの条件、現場への浸透)を左右に並べた図
外部に任せることと、社内に残すこと

社内で育てる6つの手順

外部を使いながらも、少しずつ社内に力をつけておくと、依存が減ります。育てるといっても、いきなり専門家を目指すのではなく、業務に近い範囲から広げます。次の順番で進めてください。

  1. 推進役を1人決める。決める権限と、週に確保する時間(たとえば半日)を一緒に渡す
  2. 各部署に、業務を知る人を1人決める
  3. 全員に、DXリテラシーの共通理解をつくる。なぜ業務を変えるのか、何を目指すのかを、経営者が説明する
  4. 小さな業務を1つ選び、実際に作ってみる。作る過程に、推進役と業務を知る人を同席させる
  5. 作った結果と、迷った点を記録して、次の業務に使い回せる形にする
  6. 作る人を社内に1人置く。最初は、ノーコードで直せる範囲に限る

3番目で、経営者本人が話すことが大切です。現場は、「会社が本気かどうか」を見ています。経営者が話さず、推進役に任せきりにすると、「また担当者の個人的な取り組みか」と受け取られて、協力が得られにくくなります。

4番目は、座学より、実際の業務で試すことを優先する意図です。公式の学習サイトの講座も役に立ちますが、自社の業務を題材にした経験のほうが、身につきやすいと感じます。小さく作り、使ってみて、直す。その繰り返しの中で、社内に力が溜まります。全体の進め方は、中小企業のDXの進め方にまとめています。

社内でDX人材を育てる6つの手順(推進役を決める、業務を知る人を各部署に置く、共通理解をつくる、小さな業務で実際に作る、記録して使い回す、作る人を社内に置く)を番号付きで並べた図
社内で育てる6つの手順

最初の90日の進め方の例

6つの手順を、期間に置き換えると、次のような流れになります。これもNexlyが支援で使っている進め方の一例で、会社の規模や業務によって調整してください。

90日で目指すのは、大きな成果ではなく、「小さな仕組みが1つ回り、社内に進め方が残っている」状態です。この状態になれば、次の業務は、前回の記録を使い回して進められます。

最初の90日の進め方の例。1か月目は役割と目的を決め業務を1つ選ぶ、2か月目は小さく作って試す、3か月目は本番に移して入力件数を毎週見る、という3段階の流れ図
最初の90日の進め方の例

育てるときに起きやすい、つまずき

支援の現場で、よく見るつまずきを挙げます。

時間が確保されていない

推進役を決めても、通常の業務のままだと、DXの仕事は常に後回しになります。業務の一部を他の人に移す、会議を減らす、といった形で、時間を物理的に空ける必要があります。時間を渡さないまま「期待している」と伝えるだけでは、負担になるだけです。

1人に集中して、その人が辞めると止まる

詳しい人が1人しかいないと、その人の異動や退職で、全てが止まります。設計の意図や設定の内容を文書にして、業務を知る人にも共有しておきます。この意味でも、外部に作ってもらう場合に、引き渡しの資料を求めることが大切です。

成果が見えず、途中でしぼむ

DXは、成果が出るまでに時間がかかります。数か月で売上が変わることは、あまりありません。そこで、短い期間で確認できる指標を決めておきます。たとえば、「手入力の件数が減った」「確認にかかる時間が短くなった」といった、業務に近い数字です。失敗の典型は、DXが失敗する原因にまとめています。

学んだことが、評価に反映されない

学習や改善に時間を使った人が、評価されないと、続きません。DXに関する取り組みを、評価や役割の中にどう位置づけるかを、経営者が決めておくことが必要です。IPAの資料でも、人材の確保・育成には、必要な人材が活躍できる人事制度の見直しが含まれる例が示されています。

よくある質問

Q. DX人材は、エンジニアのことですか。

エンジニアだけではありません。IPAの標準では、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの6類型を、DXを推進する人材として整理しています。業務を整理して、変革を進める役割も、DX人材の重要な一部です。

Q. 社員が少なくても、DX人材は必要ですか。

専門の人材が複数いる必要はありません。ただ、「旗を振る人」「業務を知る人」「作る人」の3つの役割を、誰かが担う必要はあります。兼務でも構いませんが、時間と権限を渡してください。

Q. 資格は取ったほうがよいですか。

必須ではありません。IPAのサイトには、ITパスポート試験がDXリテラシー標準に特に有用、情報セキュリティマネジメント試験が有用と書かれています。基礎の学習の目安にはなりますが、資格の有無より、自社の業務を整理して、仕組みに落とし込めるかのほうが大切です。

Q. 外部に頼むと、社内に力がつきませんか。

頼み方によります。作ってもらう過程に、推進役と業務を知る人が入り、設計の意図を説明してもらい、引き渡しの資料を受け取る形にすれば、社内にも残ります。逆に、要望だけを伝えて完成品を受け取る形だと、残りません。

Q. 最初に何から始めればよいですか。

推進役を1人決めて、いまいちばん手間がかかっている業務を1つ選び、手順を書き出すことから始めてください。ツールの選定は、そのあとで十分です。

なお、この記事で引用した公式の数字や定義は、2026年10月時点でIPAのサイトに掲載されている内容です。デジタルスキル標準は継続的に見直される方針が示されているため、取り組む前に、最新の版をIPAのサイトで確認してください。

まとめ:DX人材は「揃える」より「役割を決める」

経産省・IPAのデジタルスキル標準は、DX人材を、全員が持つ基礎(DXリテラシー)と、推進する専門の役割(6類型)で整理しています。しかも、役割は最初から全て揃える必要はなく、事業規模や進み具合に応じて、一部から揃えていくことが想定されています。

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この記事を書いた人

株式会社Nexly 代表 大林 諒。広告運用、kintone・SalesforceなどのCRM構築、業務の自動化とAI活用を中心に、マーケティングの設計から実行まで中小企業の支援をしています。自社でも転職エージェント「Re:WORK」を運営し、広告・SEO・CRMを日々回しています。

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