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KPIツリーの作り方|売上から逆算して施策の目標を決める手順

KPIツリーの作り方|売上から逆算して施策の目標を決める手順

KPIツリーは、最終的な目標(KGI)を、売上を作る要素に分解して、枝分かれの図にしたものです。たとえば「月の売上300万円」を「受注件数×受注単価」に分け、受注件数を「商談数×受注率」に分け、と掛け算や足し算で降りていくと、どの数字を動かせば目標に届くのかが見えます。作り方の要点は、図を細かくすることではなく、現場が実際に動かせる数字まで分解して、その数字を毎週同じ場所で見られる状態にすることです。

この記事では、KGIとKPIの違い、分解の手順、BtoB・EC・店舗の計算例、追うKPIの選び方、GA4やCRMからの数字の取り方をまとめます。Nexlyは広告運用やGA4・GTMの計測設計、SalesforceやkintoneでのCRM構築を行っていて、KPIツリーは「どの数字をどのツールで取るか」を決める設計図としても使っています。その実務の順に書きます。

この記事でわかること

  • KGI・KPIの違いと、KPIツリーで何が決まるのか
  • 売上から掛け算・足し算で分解する4つの手順
  • BtoB・EC・店舗の分解例(数字はすべて仮定の計算例)
  • どのKPIを追うか選ぶ基準と、数字を取る場所(GA4・広告・CRM)
  • KPIツリーが機能しなくなる失敗と、見直しのタイミング

KPIツリーとは?目標を「動かせる数字」まで分解した図

KPIツリーは、頂点にKGI(重要目標達成指標)を置き、その下に、KGIを構成する要素をKPI(重要業績評価指標)として並べた樹形図です。KGIは最終的に達成したい成果で、売上、利益、新規顧客数などが当たります。KPIは、そこへ至る途中の数字で、訪問数、問い合わせ数、商談数、受注率などです。

ツリーにする利点は、二つあります。ひとつは、目標と日々の作業が数字でつながることです。「売上を上げよう」では何をすればよいか決まりませんが、「問い合わせから商談になる割合を20%から25%にする」なら、営業の対応速度やフォームの質問項目など、具体的な施策が決まります。もうひとつは、議論の噛み合わなさがなくなる点です。営業は商談数、広告担当は問い合わせ数、経営者は売上を見ていて、どの数字が悪いのか話がずれることがよくあります。一枚の図に並べると、全員が同じ地図を見られます。

KPIツリーの例。頂点に月の受注売上300万円、その下に受注件数3件と受注単価100万円、受注件数の下に商談数12件と受注率25%、商談数の下にリード数60件と商談化率20%、リード数の下にサイト訪問数3,000と問い合わせ率2%が並ぶ
BtoBの分解例(数字は仮定の計算例)

注意したいのは、KPIは「結果」の数字であって、「やること」ではない点です。ツリーの末端に「ブログを週1本書く」と書くと、行動の目標になってしまいます。末端には「訪問数」のように数字を置き、「ブログを書く」はその数字を動かす施策として、別に管理します。

KGIとKPI、先行指標と遅行指標の違い

混同されやすい言葉を、先に整理しておきます。

用語意味例
KGI最終的に達成したい成果。期限と数字で書く今期の売上、年間の新規契約数
KPIKGIに至る途中の指標。動かせる単位まで分解する商談数、受注率、問い合わせ数
先行指標結果より前に動く数字。早く気づけるサイト訪問数、問い合わせ数、商談の設定数
遅行指標結果として後から出る数字。確実だが遅い受注数、売上、解約数

売上は遅行指標で、結果が出たときにはもう打つ手が遅れがちです。そのため、KPIツリーの中に先行指標を入れておき、「問い合わせ数が先月より減った」という段階で気づける形にしておきます。ただし、先行指標が動いても遅行指標が連動しない場合があります。たとえば、問い合わせ数が増えても、質の低い問い合わせが増えただけなら、商談や受注は増えません。このため、先行指標は、できるだけ売上に近い段階(商談化した問い合わせ数など)で置くほうが、判断を誤りにくくなります。

KPIツリーの作り方:売上から逆算する4つの手順

手順は次の4つです。机の上で数字を並べるだけでなく、最後に実データと突き合わせるところまで行います。

KPIツリー作成の4ステップ。KGIを数字と期限で決める、掛け算・足し算で分解する、実績の数字を入れる、追う数字を選んで担当を決める
KPIツリー作成の4ステップ
  1. KGIを、数字と期限で書く(例:今期末までに月の受注売上を300万円)
  2. KGIを、掛け算と足し算で分解する。掛け算は「件数×単価」「訪問数×転換率」のような関係、足し算は「新規+既存」「チャネル別」のような関係
  3. 各枝に、直近の実績の数字を入れる。数字が取れない枝は、取れる枝まで分解し直すか、取れる仕組みを作る
  4. 目標との差が大きい枝と、手を打てる枝を見て、追うKPIを選び、担当を決める

分解の途中で、どこまで細かくするかは、「その数字を動かす担当者がいるか」で決めます。たとえば「問い合わせ数」を「広告経由」と「自然検索経由」に分けると、広告担当とSEO担当がそれぞれ見る数字になります。ところが「広告経由」をさらに「キーワードごと」に分けても、日々の意思決定には使いにくく、ツリーが読みにくくなるだけです。3〜4階層で止めるのが、実務では読みやすいです。

よく使う分解の型の早見表

最初から白紙で分解するのは大変なので、業態ごとの型を持っておくと早く進みます。次の表は、よく使う型の一覧です。自社の流れに合わせて、段階を足し引きしてください。

業態売上の分解枝の足し算の例
BtoB(問い合わせ型)訪問数×問い合わせ率×商談化率×受注率×受注単価流入元別(広告・検索・紹介)
EC訪問数×購入率×客単価新規とリピート、流入元別
店舗・予約型来店客数×客単価新規来店とリピート来店
月額課金(サブスクリプション)契約数×月額単価(契約数=前月の契約数+新規−解約)新規獲得と解約の差し引き
広告運用(獲得型)費用÷CPA=獲得数、CPA=CPC÷CVRキャンペーン別・媒体別

月額課金型は、掛け算だけでなく、足し算と引き算が入る点が違います。契約数は、前の月の契約数に新規を足して、解約を引いたものです。新規を増やすことばかり考えていても、解約が多ければ契約数は増えません。この型では、新規の枝と同じ重さで、解約の枝を置きます。

掛け算の分解と足し算の分解:使い分けの目安

掛け算は、「ひとつの流れの中で、段階が進むごとに減る」ものに使います。訪問から問い合わせ、商談、受注のように、前の段階の数に率を掛けて次の段階の数になる関係です。足し算は、「種類の違う流れの合計」に使います。新規顧客とリピート顧客、広告経由と紹介経由のように、別々の施策で動く数字を足して全体にします。

この使い分けを間違えると、数字が合わなくなります。たとえば、「売上=新規売上×既存売上」と書くと、意味が通りません。迷ったら、単位を確認します。件数×円なら売上(円)になり、円×円なら単位が成立しません。単位が合うかを見るだけで、分解の間違いに気づきやすくなります。

BtoB・EC・店舗の分解例(数字はすべて仮定の計算例)

業態によって、ツリーの形は変わります。ここでは、三つの業態で、売上から末端までの分解を、仮定の数字で書いてみます。自社の数字で作り直す際の見本として使ってください。

BtoB:Webの問い合わせから受注まで

最初の図と同じ例です。月の受注売上300万円を目標にすると、次のように分解されます。

階層指標計算数字(仮定)
KGI月の受注売上受注件数×受注単価300万円
KPI受注単価—100万円
KPI受注件数商談数×受注率3件
KPI商談数・受注率リード数×商談化率12件・25%
KPIリード数・商談化率訪問数×問い合わせ率60件・20%
KPIサイト訪問数・問い合わせ率—3,000・2%

逆算の検算は、3,000×2%=60件、60×20%=12件、12×25%=3件、3×100万円=300万円です。この検算が通ることを確認してから、実績の数字を入れます。

現状の数字を入れて、目標との差を並べる(仮定)

ツリーができたら、各枝に目標値と現状の値を並べます。BtoBの例で、現状の数字が次のとおりだったとします。

指標目標現状(仮定)目標に対する割合
サイト訪問数3,0003,000100%
問い合わせ率2%1%50%
商談化率20%20%100%
受注率25%25%100%
受注単価100万円100万円100%

この表を見ると、売上が目標の半分になっている原因は、問い合わせ率ひとつだけだと分かります。訪問数、商談化率、受注率はすでに目標どおりなので、そこに広告費や営業の時間をかけても、売上は動きにくいです。実際の現場では、複数の枝が少しずつ外れていることが多く、こうはきれいに分かれませんが、差の大きい枝から順に手を付ける、という考え方は変わりません。

EC:サイトの訪問から購入まで

ECでは、売上を「訪問数×購入率×客単価」に分けます。月の売上500万円を目標にした仮定の例です。

ECの売上500万円を、訪問数5万、購入率2%、客単価5,000円に分解し、さらに客単価を購入点数2.5点と商品単価2,000円に分解した図
ECの分解例(仮定の計算例)

50,000訪問×2%=1,000件、1,000件×5,000円=500万円です。客単価は、さらに「1回あたりの購入点数×商品の平均単価」に分けられ、2.5点×2,000円=5,000円です。訪問数は、広告、自然検索、SNS、メールなど流入元の足し算に分けると、施策ごとの担当者が決まります。また、購入が新規かリピートかの足し算も、後述するLTVの考え方につながります。

店舗:予約と来店、再来店

店舗型のサービスでは、新規来店とリピート来店の足し算が骨格になります。月の売上400万円を目標にした仮定の例です。

指標計算数字(仮定)
月の売上来店客数×客単価1,000人×4,000円=400万円
来店客数新規来店+リピート来店400人+600人
新規来店地図・検索での閲覧数×予約率20,000×2%=400人
リピート来店前月の来店客数×再来店率1,000人×60%=600人

この例では、新規は集客の施策(広告、地図、口コミ)で動き、リピートは来店後のフォロー(次回予約、連絡)で動きます。二つの枝を分けておくと、広告費を増やすべきか、来店後の連絡を見直すべきかを、数字で判断できます。

どのKPIを追うか:選ぶ基準は「ずれの大きさ」と「手の打ちやすさ」

ツリーを作ると、枝が10個、20個と出てきます。全部を毎週見るのは現実的ではないので、追う数字を選びます。選ぶ基準は、次の3つです。

同じ「2倍」でも、難しさは枝ごとに違います。たとえば、先ほどのBtoBの例で、現状が訪問3,000・問い合わせ率1%・商談化率20%・受注率25%・単価100万円だとします。この場合、受注は1.5件で、売上は150万円です。目標の300万円まで、2倍に伸ばす必要があります。

売上を2倍にする3つの道を比較した図。訪問数を2倍にする、問い合わせ率を1%から2%にする、商談化率を20%から40%にする。それぞれの動かしやすさを比べている
同じ「2倍」でも、動かしやすさは枝ごとに違う(仮定の計算例)
動かす枝変化必要なこと難しさの見立て
訪問数3,000→6,000広告費の増額、記事の追加など費用・時間がかかる。費用対効果も要確認
問い合わせ率1%→2%フォームの項目、ページの内容の改善小さく試せる。成果が見えるまでが早い
商談化率20%→40%問い合わせの質の見直し、初回対応の改善広告の狙い方を変えると質に影響する

この見立ては仮定の数字による例ですが、考え方は実務でも同じです。訪問数を増やす前に、すでに来ている訪問者の問い合わせ率を直すほうが、広告費をかけずに済み、結果が早く見えることが多いです。ただし、問い合わせ率が既に高い場合は、訪問数に戻ります。数字で順番を決めるのが、KPIツリーを作る目的です。

ポイント

追うKPIは、1つの目標につき3〜5個までに絞ります。10個を毎週見ると、会議が数字の説明で終わり、施策の議論に入れません。残りの枝は、月に一度の点検や、異常があったときの確認用に置いておきます。

支援の現場から(オンライン英会話スクール)

オンライン英会話スクールで、リードから契約までの歩留まりが26.8%から18.8%に落ちたことがあります。まず集計を見直すと、No showやキャンセルまで「実施」に数えていたり、一部が手で貼った数字のままだったりしたので、予約と実施の定義をそろえて数え直しました。

数え直すと、予約率は77.1%→78.4%、実施率は51.9%→57.1%とむしろ上がっていて、落ちていたのは面談のあとの契約率(51.6%→33.0%)だけでした。ツリーで分けて見ないと、広告や予約の改善に手を打ってしまうところでした。

数字の取り方:GA4・広告・CRMをどう組み合わせるか

ツリーの各枝の数字は、取れる場所が決まっています。取れない枝があるなら、取る仕組みを先に作るほうが、ツリーが使えるものになります。

枝取る場所注意
訪問数、流入元GA4、広告管理画面流入元を分けるには、広告のリンクに目印(UTMパラメータなど)を付ける
問い合わせ数、購入数GA4のキーイベント、フォームの記録、ECの注文データサンクスページ到達かフォーム送信かで数え方が変わる。二重計測に注意
商談数、受注数、受注額CRM(SalesforceやkintoneなどのCRM)入力が揃っていないと数えられない。入力ルールを決める
売上、利益会計ソフト、請求書CRMの受注額と、会計の売上の計上タイミングが違うことがある
継続率、解約率CRM、請求管理定義(解約の日付をいつとするか)を先に決める

GA4では、問い合わせの完了などの重要な行動を「キーイベント」としてマークすると、数えやすくなります。GA4のキーイベントは、ビジネスの成果にとって特に重要なアクションを測定するイベントで、以前の名称は「コンバージョン」でした(Googleの公式ヘルプによる)。設定の手順はGA4のキーイベント設定で書いています。広告の流入元を分けるためのUTMパラメータの付け方も、あらかじめそろえておくと、枝ごとの数字が揃います。

数字の定義を一枚にそろえておく

同じ「問い合わせ数」でも、数える人によって数字が違うことがあります。GA4はフォーム送信の完了を数え、営業は電話の問い合わせも含めて数え、広告管理画面は広告経由だけを数えている、といったずれです。ツリーを運用する前に、各KPIの定義を表にして、一か所に置いておきます。

この定義書が無いと、会議のたびに「その数字はどこの数字ですか」という確認から始まります。定義を決めるのは手間ですが、一度決めれば、担当が変わっても数字の意味が引き継がれます。

KPIダッシュボードの画面イメージ。上に月の受注売上と目標、中央にKPIツリー、各枝の今月の値と先月比、取得元のGA4・CRMの表示が並ぶ
KPIツリーのダッシュボードの画面イメージ(ダミーデータ)

ここで一番つまずきやすいのが、広告・GA4と、CRMのつなぎ目です。「どの広告から来た問い合わせが、どの商談になり、受注したか」は、問い合わせの時点で流入元の情報をCRMに保存しておかないと追えません。フォームに流入元を持たせる隠し項目を用意し、CRMのリードに入る形にしておくと、受注までを広告の成果として見られるようになります。CRMの入力が続かないときは、CRMが現場で使われない原因と立て直し方で、入力しやすくする手順を書いています。

広告のKPIと事業のKPIをつなぐ:CPAとLTVの置きどころ

広告を運用している会社では、ツリーの「訪問数」「問い合わせ数」のあたりが、広告のKPIと重なります。広告では、1件あたりの獲得単価(CPA)を追うことが多いですが、CPAだけでは事業全体の利益が分かりません。ツリーの上位に、受注率と受注単価、さらに継続や再購入を含めたLTV(顧客生涯価値)を置くと、「CPAがいくらまでなら採算が合うか」を決められます。

たとえば、先ほどのBtoBの例で、問い合わせ1件の価値は「受注率×商談化率×受注単価」で出せます。商談化率20%・受注率25%・単価100万円なら、1件あたり5万円分の売上です(0.2×0.25×100万円)。粗利率などを引いたうえで、CPAの上限を決めます。この考え方は、CPAとはやLTV・CAC・CPOとはで詳しく書いています。ツリーを作ると、広告の数字と事業の数字が、ひとつの線でつながります。

広告費の枝を分解する計算例(仮定)

広告費の枝は、費用、クリック単価(CPC)、コンバージョン率(CVR)の三つに分けると、どこに手を打つかが決まります。広告費が月100万円、CPCが200円、CVRが2%という仮定の例で計算します。

指標計算数字(仮定)
クリック数広告費÷CPC100万円÷200円=5,000クリック
獲得件数クリック数×CVR5,000×2%=100件
CPA広告費÷獲得件数(またはCPC÷CVR)100万円÷100件=1万円

CPAが1万円で、前の章の「問い合わせ1件の価値」が5万円なら、売上ベースでは採算が合う見込みです。ここから粗利率や営業にかかる費用を引いて、利益が出るかを確認します。CPAを下げたいときは、CPCを下げる(広告の質や入札を見直す)か、CVRを上げる(ページやフォームを直す)かの二択で、どちらが動かしやすいかは、先に見た枝の選び方の基準で決めます。

よくある失敗:ツリーが使われなくなる5つのパターン

KPIツリーが使われなくなる5つの失敗パターンとその直し方。細かく分けすぎる、数字が取れない、担当がいない、追う数が多い、更新しない
失敗パターンと直し方

KPIの数字が改善したのに、売上が増えない場合は、ツリーのつながりを疑います。問い合わせ数は増えたのに受注が増えないなら、増えた問い合わせの質が低い可能性があります。この場合は、問い合わせ数の下に、「商談になった数」の枝を足して、質の変化を見られるようにします。ツリーは一度作って終わりではなく、数字が語るずれに合わせて、形を直すものです。

もうひとつ、「目標の数字を実績から作る」失敗があります。末端のKPIの目標を、前年の実績に10%を足した数字で決めると、KGIから逆算した数字とずれます。KGIから逆算した値を出し、実績と見比べて、現実的かどうかを判断します。逆算した値が現実離れしているなら、KGIか、施策の量を見直します。

運用のしかた:週次・月次で何を見るか

ツリーは、作ってからの運用が大事です。週に一度、15分程度で、追うKPIの数字だけを確認します。見る順番は、KGIに近い数字から、枝を降りていきます。受注が目標に届いていなければ、商談数、リード数、訪問数と降りて、どこで数字が止まっているかを確認します。

週次15分の確認の段取り

週次の確認は、決まった順番で進めると、15分で終わります。

  1. KGIの進み具合を見る(今月の累計と、目標に対する進捗)
  2. 追うKPIの数字を、先週・先月と比べる
  3. 目標と大きく外れた数字があれば、その下の枝へ降りて、原因の見当を付ける
  4. 施策の進み具合を確認し、次の1週間にやることを決める

原因の分析は、15分では終わりません。外れた数字の見当を付けるところまでにして、深掘りは別の時間に回します。会議が原因の議論で膨らむと、続かなくなるからです。

月に一度は、ツリー全体を見て、施策の効果を振り返ります。うまくいった施策は残し、効かなかった施策は理由を書き残します。四半期に一度は、ツリーの構造そのものを見直します。新しい流入元が増えた、商品が変わった、といった変化があれば、枝を足したり削ったりします。

数字を見る場所は、一つにまとめます。GA4、広告管理画面、CRMを別々に開くと、確認が面倒になり、続きません。スプレッドシートやBIツールに数字を集めて、ツリーの形に並べておくと、週次の確認が短く済みます。数字の取り込みを自動にすると、手入力の手間と転記ミスも減ります。Nexlyでも、GA4・広告・CRMの数字をまとめて見られる形を、お客様と一緒に組むことがあります。

よくある質問

Q. KPIツリーとロジックツリーは同じものですか?

形は近く、どちらも要素を木の形に分解します。KPIツリーは、頂点にKGIを置き、末端を測定できる数字(KPI)にする点が違います。ロジックツリーは、原因や施策を整理するのにも使います。

Q. 数字がまだ取れていない場合、どうすればよいですか?

取れる枝だけで始めます。取れない枝は、取るための仕組み(GA4の設定、CRMの入力項目)を先に作ります。最初から全部の数字がそろっている会社は少なく、数字を取る仕組みを作る過程で、ツリーも精度が上がります。

Q. 目標の数字は、どうやって決めればよいですか?

KGIは、売上や利益の計画から決めます。末端のKPIの目標は、KGIから逆算し、現状の実績と比べます。差が現実的でなければ、KGIか施策の量を見直します。業界の平均値は、出典が確かでない限り、参考にとどめます。

Q. 少人数の会社でも作る必要はありますか?

あります。少人数ほど、何に時間を使うかの判断が結果を左右します。階層を2〜3段、追う数字を3つ程度に絞った、小さなツリーで十分です。

Q. ツリーの見直しは、どのタイミングで行いますか?

四半期に一度が目安です。新サービスの開始、価格の変更、広告の構成の大きな変更があったときも見直します。

Q. KPIの達成度を、個人の評価に使ってもよいですか?

使う場合は注意が必要です。KPIの数字を評価に直結させると、数字を良く見せる行動が起きやすくなります。たとえば、商談数を評価すると、質の低い商談を増やす方向に動いてしまうことがあります。評価に使うなら、複数の数字を組み合わせるか、数字の達成に加えて、取り組みの中身も見るようにします。

まとめ:KGIから逆算して、動かせる数字を選び、取れる形にする

KPIツリーは、目標を、日々動かせる数字に分解して、全員が同じ地図を見るための図です。作ることより、実データで検算し、追う数字を絞って、取れる仕組みを整えることに価値があります。

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この記事を書いた人

株式会社Nexly 代表 大林 諒。広告運用、kintone・SalesforceなどのCRM構築、業務の自動化とAI活用を中心に、マーケティングの設計から実行まで中小企業の支援をしています。自社でも転職エージェント「Re:WORK」を運営し、広告・SEO・CRMを日々回しています。

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