一覧の作り方。絞り込み・並び替え・カレンダー表示まで

公開 書いた人 大林 諒

kintoneのアプリは、使い始めてしばらくすると「レコードはあるのに、見たいものが見つからない」状態になります。原因はたいてい、初めからある「(すべて)」の一覧だけで回していることです。この記事では、業務ごとに一覧を作り分けるやり方を、表示形式の選び方から絞り込みの条件、並び順、カレンダー形式、インライン編集、アクセス権との関係まで通して書きます。最後に、実務でほぼ必ず作る一覧を10個並べます。アプリ管理権限があり、フィールドを配置したアプリが1つある人を前提にしています。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 一覧の3つの表示形式
  3. 設計表
  4. 表形式の一覧を作る
  5. 絞り込みの条件
  6. 並び順(ソート)
  7. カレンダー形式の一覧を作る
  8. インライン編集を使うか止めるか
  9. 個人の絞り込みと、管理者が作る一覧の違い
  10. グラフ(集計)との使い分け
  11. 一覧に出せないフィールド
  12. 応用
  13. できないことと、その代わり
  14. よく詰まるところ
  15. 実務で作る定番の一覧10例
  16. 次にやること

先に決めること

一覧は何個でも作れるので、思いつきで足していくと、ドロップダウンに似た名前の一覧が20個並んで誰も使わなくなります。作り始める前に次の4つを決めておきます。

一覧は「誰が、いつ、何をするために開くか」で作る

一覧の単位は人と場面です。「営業担当が朝いちばんに開いて、今日連絡する案件を見る」「経理が月末に開いて、今月の請求漏れを探す」のように、開く人と目的を1文で言えるものだけを作ります。1文で言えない一覧は、作っても開かれません。

一覧名もこの1文から付け、「自分の担当・今週連絡」のように開く前に中身がわかる名前にします。

数字を見たいのか、レコードを触りたいのか

ここを混ぜると、一覧が横に長くなり続けます。件数や金額の合計を見たいならグラフ(集計)を作り、1件ずつ開いて対応したいなら一覧を作ります。一覧の画面に合計は出ません。使い分けはあとの節で表にしています。

見せてはいけないレコードがあるか

一覧そのものにはアクセス権を設定できません。公式ヘルプにも「一覧にはアクセス権を設定できません」と書かれています。「この一覧は課長だけ」と作っても、ほかの人はドロップダウンから選べますし、絞り込みを外せば全部見えます。見せてはいけないレコードやフィールドがあるなら、一覧ではなくレコードとフィールドのアクセス権で止めます。アクセス権で閲覧できないレコードは、どの一覧にも出ません。

どの一覧を最初に出すか

アプリを開いたときに表示される一覧は、アプリの設定の「一覧」タブで一番上に置いた一覧です。いちばん多くの人が、いちばん多く使う一覧を一番上にします。「(すべて)」は動かせないので、自分で作った一覧のうちどれを先頭にするかを決めます。

一覧の3つの表示形式

一覧を作るときに、まず表示形式を選びます。選べるのは「表形式」「カレンダー形式」「カスタマイズ」の3つです。

表示形式見え方作れる人向いている用途
表形式フィールドが列、レコードが行に並ぶアプリ管理権限のある人ほとんどの一覧。一覧の画面で直接編集もできる
カレンダー形式月のカレンダーの日付欄にレコードが並ぶアプリ管理権限のある人訪問予定、納期、休暇、イベント
カスタマイズHTMLとJavaScriptで自由に組むkintoneシステム管理権限のある人カード表示、ガントチャートなど標準で出せない形

カスタマイズはライトコースでは選べません。料金ページでも、JavaScriptやCSSの読み込み、プラグインなどの拡張機能はスタンダードコース(月額1,800円/1ユーザー、税抜)とワイドコースが対象で、ライトコース(月額1,000円/1ユーザー、税抜)は対象外です。

あとから表示形式を変えられるのは、表形式とカレンダー形式の間だけです。カスタマイズで作った一覧は、表形式にもカレンダー形式にも変えられません。

設計表

説明のために、営業の案件管理アプリを例にします。フィールドは案件名(文字列(1行))、顧客名(文字列(1行))、担当者(ユーザー選択)、状況(ドロップダウン)、金額(数値)、受注予定日(日付)、次回訪問日(日付)、メモ(文字列(複数行))の8つです。このアプリに作る一覧を、最初に表にしておきます。

一覧名表示形式表示するフィールド(左から)条件ソート
自分の担当・進行中表形式案件名、顧客名、状況、金額、次回訪問日担当者 次のいずれかを含む ログインユーザー、かつ状況 次のいずれかを含む 商談中・見積提出済み次回訪問日の昇順
今月受注予定表形式案件名、顧客名、担当者、金額、受注予定日受注予定日 = 今月受注予定日の昇順、金額の降順
訪問予定カレンダー形式日付は次回訪問日、タイトルは訪問表示状況 次のいずれかを含む 商談中・見積提出済みなし
次回訪問日が空表形式案件名、顧客名、担当者、状況、更新日時次回訪問日が空、かつ状況 次のいずれかを含む 商談中・見積提出済み更新日時の昇順
書き出し用表形式全フィールドなしレコード番号の昇順

カレンダーのタイトルに使う訪問表示は、文字列(1行)に計算式 顧客名 & " " & 案件名 を設定したフィールドです。理由はカレンダー形式の節で書きます。計算式にはフィールド名ではなくフィールドコードを書きます。この記事の式は、各フィールドのフィールドコードをフィールド名と同じ文字にそろえた前提で書いています。

表形式の一覧を作る

一覧を追加する

  1. アプリの「レコードの一覧」画面を開きます。
  2. 右上の歯車の形をした「アプリを設定」アイコンをクリックします。
  3. 「アプリの設定」画面で「一覧」タブを開きます。
  4. 右側の+アイコンをクリックします。
  5. 「一覧名」に「自分の担当・進行中」と入れます。
  6. 表示形式で「表形式」を選びます。
  7. 画面左側のフィールドを、右側のエリアにドラッグして並べます。左から案件名、顧客名、状況、金額、次回訪問日の順にします。
  8. 「条件」と「ソート」を設定します(次の節で書きます)。
  9. 「保存」をクリックします。
  10. 「アプリの設定」画面で「アプリを更新」をクリックします。
  11. 確認のダイアログで、もう一度「アプリを更新」をクリックします。

「保存」だけでは、使っている人の画面には反映されません。最後の「アプリを更新」まで押して完了です。一覧を何個か作るときは、全部保存してから1回だけ「アプリを更新」を押せば足ります。

フィールドが多いアプリでは、左側の検索欄にフィールド名を入れると候補が絞れます。

一覧の設定画面。左にフィールドの候補、右に案件名から次回訪問日までが並んだ状態
一覧の設定画面。左にフィールドの候補、右に案件名から次回訪問日までが並んだ状態

列は5〜7個に抑える

一覧は横にスクロールさせた時点で読まれなくなります。実際に回っている一覧は5〜7列がほとんどで、メモのような長い文字列は列に入れません。

列幅は、一覧の画面で列の右の境界線をドラッグすれば変わります。ただし、この幅はログインユーザーとWebブラウザーの組み合わせごとに保持されるもので、ほかの人には反映されません。全員の初期の幅をそろえたいときは、管理者が幅を調整したあと、「アプリ設定メニュー」アイコンから「現在の列幅をアプリ設定に保存」を選びます。続けて「設定を続ける」を押すと「列幅の設定」に今の幅が入るので、保存してアプリを更新します。各ユーザーが自分で幅を変えていればそちらが優先され、「オプション」の「列幅をデフォルトに戻す」でアプリに保存した幅に戻ります。

一覧の数と順番

一覧は1つのアプリに1,000個まで作れます。数が増えるとドロップダウンで探せなくなります。使わなくなった一覧は、同じ「一覧」タブの「削除」で消します。

ドロップダウンに出る順番は、「一覧」タブの「作成済みの一覧」で、各一覧の左にある「ドラッグして並び替え」アイコンで変えます。一番上に置いた一覧が、アプリを開いたときに最初に表示される一覧になります。

似た一覧を作るときは、元の一覧の「複製」を押すと、名前に「- コピー」が付いた一覧ができます。「(すべて)」と「(作業者が自分)」の一覧は複製できません。

絞り込みの条件

一覧の設定の「条件」で、表示するレコードを絞ります。条件の付け方は、一覧の画面の「絞り込む」アイコンから開くダイアログと同じです。

使える演算子

フィールドの種類によって、選べる演算子が変わります。公式ヘルプで確認できたものを表にします。

演算子主に使うフィールド使いどころ
=(等しい)/≠(等しくない)文字列(1行)、数値、日付など値が完全に一致するものを出す、外す
次のキーワードを含む/次のキーワードを含まない文字列系顧客名に「株式会社」を含む、など部分一致
次のいずれかと等しい文字列(1行)、リンク、コピー元が文字列(1行)かリンクのルックアップ顧客名がA商事かB工業
次のいずれかを含むラジオボタン、チェックボックス、複数選択、ドロップダウン、ユーザー選択、組織選択、グループ選択、作成者、更新者、ステータス、作業者状況が商談中か見積提出済み
次のいずれも含まないユーザー選択値にEveryoneグループを指定して、担当者が未入力のレコードを出す
≧(以降)/≦(以前)/<(より前)日付、日時、時刻期限が今日以前
≦(以下)など数値、計算金額が100万円以下
空欄である/空欄ではない文字列(複数行)メモが未記入
ファイルあり/ファイルなし添付ファイル契約書が未添付

入れる値は、フィールドに登録されている値と完全に一致させます。ドロップダウンの選択肢が「商談中」なのに「商談中 」と空白を付けると、1件も出ません。

日付の相対条件

日付と日時のフィールドでは、特定の日付のほかに「今日」「今週」「今月」のような相対の条件を選べます。開くたびに基準日が変わるので、「今月受注予定」の一覧は来月になれば自動で翌月分に切り替わります。

条件範囲
今日/昨日/明日絞り込みを実行した日が基準
今週/先週/来週日曜日から土曜日まで。週の開始曜日は変えられない
今月/先月/来月1日から月末日まで
今年/昨年/来年1月から12月まで

月の条件は、日にちまで指定できます。来月の1日から末日なら「=(等しい)」「来月」「すべて」です。25日締めの会社で今月25日から来月24日までを出したいなら、条件を2つにして、1つ目を「≧(以降)」「今月」「25日」、2つ目を「≦(以前)」「来月」「24日」にし、「すべての条件を満たす」を選びます。

画面によっては「当日」「当週」「当月」「当年」と出ることがありますが、範囲の考え方は同じです。プロセス管理のように、レコードを操作する前に条件を決めておく画面では「来週」ではなく「翌週」と表示されます。

絞り込むダイアログ。受注予定日 = 今月の条件が入った状態
絞り込むダイアログ。受注予定日 = 今月の条件が入った状態

ログインユーザーで「自分の分だけ」を出す

担当者ごとに一覧を作る必要はありません。1つの一覧で、開いた人ごとに中身を変えられます。

  1. 一覧の設定の「条件」で、担当者(ユーザー選択)を選びます。
  2. 演算子は「次のいずれかを含む」にします。
  3. 値の欄に「ログインユーザー」と入力し、候補に出た「ログインユーザー」を選びます。
  4. 「保存」をクリックし、アプリを更新します。

値の欄に文字で「ログインユーザー」と打てば候補に出ます。選択のダイアログを開いた場合は、「その他」タブからも選べます。ユーザー選択と組織選択のフィールドでは、開いた人の「優先する組織」も条件に使えます。部署ごとに一覧を分けずに済むので、組織で担当が決まる業務ではこちらが便利です。

担当者を作成者で持っているアプリなら、作成者に同じ条件を付けます。ただし、作成者は代理で入力した人になるので、事務の人がまとめて入力する運用ではユーザー選択のフィールドを別に持つほうが崩れません。

条件の値の欄に「ログインユーザー」を入力し、候補が出た状態
条件の値の欄に「ログインユーザー」を入力し、候補が出た状態

ANDとORの組み合わせ

複数の条件をつなぐときは、「すべての条件を満たす」か「いずれかの条件を満たす」のどちらか一方しか選べません。1つの一覧で両方は混ぜられません。

ただし、1つの条件の中で「次のいずれかと等しい」や「次のいずれかを含む」を使えば、「(条件1 または 条件2)かつ 条件3」の形は作れます。「顧客名がA商事かB工業で、受注予定日が今月」なら、顧客名に「次のいずれかと等しい」でA商事とB工業を入れ、受注予定日 = 今月を足し、「すべての条件を満たす」を選びます。

逆の「(条件1 かつ 条件2)または 条件3」は作れません。実務でどうしても要るときは、計算式で判定用のフィールドを作ります。文字列(1行)に IF(OR(AND(状況="商談中", 金額>=1000000), 次回訪問日=""), "要確認", "") のような式を入れ、一覧の条件は「判定 = 要確認」の1つだけにします。式の中の名前はフィールドコードで、ここではフィールド名と同じにしています。未入力かどうかは ="" で判定できます。複雑な条件は一覧で頑張らず、フィールド側に答えを持たせるほうが、あとで直す人にも読めます。式の書き方は「計算式の書き方。条件分岐(IF)と日付計算のパターン集」にまとめています。

並び順(ソート)

一覧の設定の「ソート」で、5段まで並び順を指定できます。「今月受注予定」なら1段目を受注予定日の昇順、2段目を金額の降順にすると、同じ日の中で大きい案件が上に来ます。

ソートに使えるのは、レコード番号、更新者、作成者、更新日時、作成日時、文字列(1行)、数値、計算、ラジオボタン、ドロップダウン、日付、時刻、日時、リンク、ルックアップ、プロセス管理のステータスです。関連レコード一覧とテーブルの中のフィールドではソートできません。

気を付けたいのは作成者と更新者です。この2つでソートすると、名前の50音順ではなく、ユーザーIDの順に並びます。ユーザーIDはユーザーを追加したときに自動で振られる番号なので、名前順に見たいならユーザー選択ではなく、担当者名を文字列で持つ必要があります。

一覧に表示する件数の初期設定は20件です。一覧の画面で「オプション」アイコンから「表示件数」を選ぶと変えられます。

カレンダー形式の一覧を作る

訪問予定や納期は、表で日付順に並べるより、カレンダーで見たほうが空いている日が一目でわかります。

  1. 「一覧」タブで+アイコンをクリックします。
  2. 「一覧名」を「訪問予定」にします。
  3. 表示形式で「カレンダー形式」を選びます。
  4. 「日付」で次回訪問日を選びます。
  5. 「タイトル」で訪問表示を選びます。
  6. 「条件」で、状況を「次のいずれかを含む」にし、商談中と見積提出済みを選びます。
  7. 「保存」をクリックし、アプリを更新します。

「日付」に選べるのは、作成日時、更新日時、日付、日時のフィールドです。アプリに日付か日時のフィールドが無いと、作成日時か更新日時でしか並べられません。予定をカレンダーで見たいなら、まず予定日のフィールドを置きます。

「タイトル」に選べるのは、レコード番号、文字列(1行)、文字列(複数行)、リッチエディター、添付ファイル、ユーザー選択、組織選択、グループ選択、作成者、更新者、作業者、数値、計算、リンク、ルックアップです。選べるのは1つだけなので、顧客名と案件名を両方出したいなら、設計表の訪問表示のように、文字列(1行)の計算式でつないだフィールドを作ってタイトルにします。

カレンダーの日付の右上にある「+」をクリックすると、新しいレコードの画面が開き、「日付」に指定したフィールドにその日付が入ります。日時のフィールドなら、クリックした日付にクリックした時点の時刻が付きます。画面右上の「レコードを追加する」から開いた場合は、クリックした日付は入らず、「日付」に指定したフィールドの初期値が入ります。訪問の予定を入れる人には、カレンダーの「+」から入れる、と伝えておくと日付の打ち間違いが減ります。

訪問予定のカレンダー。日付ごとに「顧客名 案件名」が並んだ状態
訪問予定のカレンダー。日付ごとに「顧客名 案件名」が並んだ状態

カレンダー形式には次の制約があります。

  • 1ページに表示されるのは500件までで、超えると先頭の500件だけが出ます。予定が多いアプリでは条件で絞ります。
  • 日付に指定できるフィールドは1つなので、開始日から終了日までをまたがる帯のような表示はできません。3日間の出張は、開始日の欄に1件出るだけです。
  • 設定項目は日付とタイトルだけで、担当者ごとの色分けはできません。担当者ごとに分けたいなら、「自分の担当」のようにログインユーザーで絞った一覧を作ります。
  • スペースのお知らせやスレッドに一覧を貼ると、カレンダー形式の一覧も表形式で表示されます。

インライン編集を使うか止めるか

表形式の一覧では、一番右の列の「編集する」アイコンか、レコードをダブルクリックすると、一覧の画面のままで値を書き換えられます。この機能は初期設定で有効です。状況を「商談中」から「見積提出済み」に変えるような軽い更新は、レコードを1件ずつ開くより格段に早く終わります。

一覧で編集できるのは、文字列(1行)、文字列(複数行)、数値、ラジオボタン、チェックボックス、複数選択、ドロップダウン、日付、時刻、日時、リンク、ユーザー選択、組織選択、グループ選択です。型が合っていても、テーブルの中のフィールド、ルックアップの「ほかのフィールドのコピー」に指定したフィールド、関連レコード一覧の「表示するレコードの条件」に使っているフィールドは一覧では編集できません。

一方で、一覧の画面では削除もできるので、金額や数量を扱うアプリでは誤操作が怖くなります。止めるときは次の手順です。

  1. 「アプリの設定」画面の「設定」タブを開きます。
  2. 「その他の設定」にある「高度な設定」をクリックします。
  3. 「レコード一覧でのインライン編集」にある「レコード一覧でのレコードの直接編集と削除を有効にする」のチェックを外します。
  4. 「保存」をクリックします。
  5. 「アプリを更新」をクリックします。

編集だけ許して削除は止める、という分け方はこの設定ではできません。削除を止めたいだけなら、インライン編集は有効のまま、アプリやレコードのアクセス権で削除の権限を外します。

高度な設定の「レコード一覧でのインライン編集」欄
高度な設定の「レコード一覧でのインライン編集」欄

個人の絞り込みと、管理者が作る一覧の違い

一覧の画面で「絞り込む」アイコンから条件を付けると、ボタンは「保存」と「適用」の2つが出ます。

操作できる人結果ほかの人から見えるか
保存アプリ管理権限のある人一覧名を付けて、アプリの一覧として保存される見える。ドロップダウンに並ぶ
適用誰でもその場限りで絞り込んだ状態を表示する見えない
ブックマーク誰でも絞り込んだ一覧のページをユーザーごとに保存する見えない

アプリ管理権限のない人が自分用の絞り込みを残す手段は、ブックマークです。絞り込みを適用した状態で、画面上部の星の形をした「ブックマーク」アイコンをクリックし、「このページをブックマークする」を押して「名前」を付け、「OK」を押します。ブックマークはユーザーごとに保存され、集計結果や検索結果のページも残せます。

kintoneの標準機能には、管理者以外が「自分だけの一覧」をアプリに保存する仕組みはありません。そのため、現場から「この条件の一覧が欲しい」と頼まれるたびに管理者が一覧を足すことになり、一覧が増え続けます。全員に要るものは一覧に、本人しか使わないものはブックマークに、と線を引いておくと、ドロップダウンが散らかりません。

モバイル版では、アプリの管理権限の有無にかかわらず、絞り込み条件を保存できません。スマホで使う一覧は、PCで作っておきます。

グラフ(集計)との使い分け

一覧とグラフは、どちらも条件で絞れるので混同されがちです。

見たいもの使うもの例
1件ずつ開いて対応するレコード一覧今日連絡する案件
件数や金額の合計グラフの「表」担当者別の受注予定金額
2つの軸で分けた数字グラフの「クロス集計表」担当者×状況の件数
時間の流れ折れ線グラフ、縦棒グラフ月ごとの受注件数
全体に対する割合円グラフ、100%積み上げ状況ごとの構成比

グラフの「集計方法」は「レコード数」「合計」「平均」「最大値」「最小値」から選びます。グラフ上の集計結果をクリックすると、その数字に含まれるレコードだけの一覧が開きます。このとき並ぶ列と順番は、デフォルトの一覧と同じです。グラフから中身を確かめる流れを考えると、デフォルトの一覧の列は、レコードを判断するのに最低限要る列にしておきます。

グラフの「保存する」も、一覧の「保存」と同じくアプリ管理権限が要り、「適用」は自分の画面だけに出ます。

一覧に出せないフィールド

フィールド一覧での扱い代わりの手
関連レコード一覧表示できない。ソートもできない参照される側のアプリで一覧を作る
テーブル列に追加はできるが、常に表示はできない。レコードごとの「表示する」で開く。複数のレコードを同時に開けない明細を別アプリに分ける
テーブルの中のフィールドソートできない。一覧で編集できない合計を計算フィールドで本体に持たせる
ラベル、スペース、罫線、グループ表示する値がない不要
添付ファイルPCでは表示できる。モバイルの一覧では表示されないファイル名を文字列で持つ

テーブルのフィールドで絞り込むと、どれか1行でも条件を満たせばそのレコードが出ます。「明細のすべての行が出荷済み」のような条件は作れないので、行ごとの状態を判定したいなら、計算式で本体に「未出荷の行数」のような数字を持たせ、それで絞ります。

関連レコード一覧で絞り込んだ場合も、関連するレコードのうち1件でも条件を満たせば出ます。関連レコード一覧が空のレコードは絞り込めません。関連レコード一覧の数字をまとめて見たいときの考え方は、「関連レコードの使い方と集計のやり方」に書いています。

「(すべて)」の一覧には、テーブル、テーブルの中のフィールド、作成者、更新者、作成日時、更新日時、関連レコード一覧などが出ません。更新日時を見たいだけでも、一覧を1つ作る必要があります。

応用

書き出し用の一覧を作っておく

ファイルに書き出すと、一覧の画面に出ているレコードが対象になります。毎月同じ条件、同じ列で書き出すなら、その条件と列で一覧を保存しておけば、一覧を選んで「オプション」から「ファイルに書き出す」を押すだけで済みます。書き出す項目は、書き出す画面でも「すべて追加」「すべてクリア」で変えられます。

ポータルに一覧を貼る

よく使う一覧は、アプリを開かせるよりポータルに貼っておくほうが見られます。担当者の条件にログインユーザーを入れた一覧を貼れば、ポータルを開いた人ごとに自分の担当だけが出ます。貼り方とポータルの組み立ては「ポータルとスペースの使い方。社内の入口を作る」にまとめています。

カスタマイズ形式で標準にない形を作る

カード型の表示や、日付の帯で予定を見せるガントチャートのような形は、カスタマイズ形式で作ります。一覧の設定でカスタマイズを選び、次の項目を設定します。

  • 「一覧を表示する範囲」で、PCのみか、PCとモバイルの両方かを選ぶ
  • 「ページネーションを表示する」にチェックを入れるかを決める
  • HTMLの欄に、html、head、bodyのタグを除いたHTMLを書く

HTMLの欄にJavaScriptは書けません。データを取ってきて並べる処理は、アプリのJavaScriptのカスタマイズとして別に読み込みます。表示中の一覧の条件と並び順は kintone.app.getQuery() で取れるので、その一覧の「条件」を絞り込みの入口として使えます。最初の1本の動かし方は「kintoneのJavaScriptカスタマイズ入門。最初の1本を動かすまで」に書いています。

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
一覧ごとのアクセス権レコード・フィールドのアクセス権で止める。一覧ごとに表示を出し分けたいならJavaScriptかプラグイン
「(A かつ B)または C」の条件計算式で判定用のフィールドを作り、その値で絞る
管理者以外が一覧をアプリに保存するブックマークで個人用に残す
一覧の画面に合計を出すグラフの「表」を作る。一覧の上に出したいならJavaScript
作成者・更新者を名前順に並べる担当者名を文字列で持ってソートする
カレンダーで期間を帯で出す、色分けするカスタマイズ形式かプラグイン
絞り込みのドロップダウンに出るフィールドの順番を変える変えられない。欄にフィールド名を打って探す
編集は許して削除だけ止める(インライン編集の設定で)削除の権限をアクセス権で外す

よく詰まるところ

症状原因直し方
一覧を作ったのに、ほかの人の画面に出ない一覧の「保存」だけで、「アプリを更新」を押していないアプリの設定画面で「アプリを更新」を押す
「期限 ≦(以前) 今日」の一覧に、期限が空のレコードが混ざる日付の「以前」「より前」、数値の「以下」は空欄のレコードも含む「≠(等しくない)」で空欄を指定した条件を足し、「すべての条件を満たす」にする
「今週」の一覧に月曜〜日曜が出ないkintoneの週は日曜日から土曜日まで。開始曜日は変えられない「≧(以降)」と「≦(以前)」で日付を組む
作成者でソートしたのに名前順にならない作成者・更新者はユーザーIDの順に並ぶ名前順が要るなら文字列のフィールドを持つ
「自分の担当」の一覧で、他人の案件も見えてしまう一覧は表示の条件で、アクセス権ではない。絞り込みを外せば全部見える見せてはいけないならレコードのアクセス権で止める
絞り込みの「保存」ボタンが無い、保存できないアプリ管理権限がない。モバイル版では誰も保存できない。「アプリの共通設定」で禁止されている権限がEveryoneグループに付与されているアプリでも保存できない管理者に一覧を足してもらうか、ブックマークで残す。共通設定とアプリのアクセス権の組み合わせを見直す
自分で広げた列幅が、ほかの人や別のブラウザーで戻っている列幅はログインユーザーとブラウザーの組み合わせごとに保持される管理者が「現在の列幅をアプリ設定に保存」で全員の初期幅を決める
ドロップダウンの選択肢で絞ったのに0件になる値が完全一致していない。選択肢の名前を変えたあと、古い値のレコードが残っている選択肢の文字を確かめ、古い値のレコードを一括更新する
カレンダーに一部の予定しか出ない1ページ500件までで、超えた分は表示されない条件で担当者や状況を絞る
スマホの一覧にテーブルと添付ファイルが出ないモバイル版の一覧ではテーブルと添付ファイルを表示できない必要な値を文字列や数値で本体に持たせる
一覧の画面で一部のフィールドだけ編集できないルックアップのコピー先や関連レコード一覧の条件に使うフィールド、テーブルの中は一覧で編集できないレコードを開いて編集する
絞り込んで一括削除したら、思ったより多く消えた一括削除は削除権限のあるレコードが対象で、絞り込みの確認を飛ばした実行前に件数を確かめ、ファイルに書き出してから消す。削除したレコードは復旧できない

一括削除は、「高度な設定」で「レコード一括削除を有効にする」にチェックを入れたアプリでだけ使え、アプリ管理とレコード削除の権限が要ります。1度に5万件まで消せるので、一覧で絞り込んでから実行する前に、件数と条件を必ず見直します。

期限 ≦(以前) 今日 に空欄除外の条件を足した絞り込みダイアログ
期限 ≦(以前) 今日 に空欄除外の条件を足した絞り込みダイアログ

実務で作る定番の一覧10例

業種を問わず、ほとんどのアプリでどれかは必要になります。条件の書き方は上の節のとおりです。

一覧名条件ソート開く人と場面
自分の担当・進行中担当者 次のいずれかを含む ログインユーザー、状況 次のいずれかを含む 未着手・対応中期限の昇順担当者が毎朝
今日が期限期限 = 今日、状況が完了以外担当者の昇順リーダーが朝礼前に
期限切れ期限 <(より前) 今日、期限 ≠ 空欄、状況が完了以外期限の昇順リーダーが毎日
今週の予定予定日 = 今週予定日の昇順全員が週の初めに
今月の受注・売上受注日 = 今月受注日の降順営業と経理が月中に
来月の更新・契約満了更新日 = 来月更新日の昇順担当者が月末に
入力漏れ必須にしていない重要なフィールドが空更新日時の昇順管理者が週1回
最近更新された更新日時 = 今週更新日時の降順上長が状況をつかむとき
承認待ちプロセス管理なら「(作業者が自分)」、無ければ状況と承認者で絞る作成日時の昇順承認者が毎日
予定のカレンダーカレンダー形式。日付は予定日、タイトルは計算式でつないだ表示用の文字列なし全員が空いている日を探すとき

最初から10個全部を作る必要はありません。実際には「自分の担当」「期限切れ」「入力漏れ」の3つを作って先頭を「自分の担当」にするだけで、「(すべて)」を開いてスクロールする人はほぼいなくなります。残りは、現場から「この条件で見たい」と言われたときに足します。

一覧のドロップダウン。自分の担当・進行中が先頭に並んだ状態
一覧のドロップダウン。自分の担当・進行中が先頭に並んだ状態
期限切れの一覧。期限の古い順に並んだ状態
期限切れの一覧。期限の古い順に並んだ状態

次にやること

一覧がそろったら、次はそれをどこから開かせるかです。ポータルに担当者ごとの一覧を貼る方法は「ポータルとスペースの使い方。社内の入口を作る」に、ANDとORの壁を越えるための判定フィールドの作り方は「計算式の書き方。条件分岐(IF)と日付計算のパターン集」に書いています。顧客と案件のように2つのアプリをつないで見せたいなら「関連レコードの使い方と集計のやり方」、標準の3つの表示形式で足りない形を作るなら「kintoneのJavaScriptカスタマイズ入門。最初の1本を動かすまで」に進みます。

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