Salesforceのメールテンプレートと一括メール。差し込み項目と送信の設定

公開 書いた人 大林 諒

営業が商談から送るフォローのメールを、Salesforceのメールテンプレートにして、誰が送っても同じ品質で届くようにします。例は社員30名ほどの法人向けサービス会社の営業チーム(営業5名・営業マネージャー1名)で、商談の担当者に送る「提案後フォロー」のテンプレートを作り、商談の画面から送るところまで進めます。一括送信(リストメール)、差出人とドメイン認証、届かないときの調べ方も扱います。設定には「アプリケーションのカスタマイズ」と「すべてのデータの編集」の権限が要り、DKIMとSPFは自社のDNSを触れる人の協力が要ります。Classic の画面の説明は読み飛ばしてかまいません。

この記事の内容
  1. Salesforceからメールを送る4つの方法
  2. 先に決めること
  3. 設計表
  4. 作る手順
  5. 送ったメールが活動として残る仕組み
  6. 応用
  7. 使えるエディションと上限
  8. できないことと、その代わり
  9. メールが届かないときの切り分け
  10. よく詰まるところ
  11. 次にやること

Salesforceからメールを送る4つの方法

Salesforceの中でメールを送る手段は4つあります。テンプレートはどれからも使えますが、差し込み項目の効き方と上限の数え方が少しずつ違います。

方法送る人宛先向いている場面
レコードからの1通営業が手で送る取引先責任者・リード・任意のアドレス提案後のフォロー、見積送付、日程調整
リストメール営業が手で送る取引先責任者・リードのリストビュー、キャンペーンのメンバーセミナー案内、価格改定のお知らせ
メールアラート承認プロセスやフローが送る所有者・ロール・メール項目など承認の依頼と結果の通知
フローの「メールを送信」アクションフローが送る任意のアドレス・レコードのID受注時の社内通知、期日前のリマインド

使い分けの基準は「人が文面を見てから送るか」です。営業が一言足してから送るものはレコードからの1通かリストメール、条件がそろったら同じ文面で出るものはフローかメールアラートにします。自動で送る文面は、顧客向けとは別のテンプレートに分けます(理由は後述)。

先に決めること

ここを飛ばしてテンプレートから作り始めると、送れない・届かない・迷惑メールに入る、のどれかで作り直しになります。

差出人を誰にするか

差出人は営業本人のアドレスか、会社の共通アドレス(sales@ など)です。提案後のフォローは返信を本人に受けたいので本人のアドレス、自動通知のように同じ窓口で受けたいものは組織のメールアドレス(組織の共有アドレス)にします。リストメールの送信画面には差出人を選ぶ欄が無いので、組織のメールアドレスを差出人にできるのは、レコードから送る1通とメールアラートです。返信は選んだアドレスに届きます。

自社ドメインの検証をどちらでやるか

Salesforceから自社ドメインのアドレスで送るには、ドメインごとの所有権の検証と、ユーザーごとのメールアドレスの検証の両方が必要です。ドメインの検証は「DKIM キー」か「承認済みメールドメイン」のどちらかでやります。公式はDKIMを勧めていて、受信側のなりすまし判定にも効くので、DNSを触れるならDKIMにします。サブドメイン(mail.example.co.jp など)から送る場合は、サブドメインごとに別の検証が要ります。

送る経路をどれにするか

経路は「Salesforce経由」、営業のGmailかOffice 365で送る「外部メールサービス経由」、自社のメールサーバーを通す「メールリレー」の3つです。外部メールサービス経由はドメインの検証が要らない代わりに、Salesforceのメールログに出ません。営業5名なら Salesforce経由で始め、DKIMとバウンス管理を整えると、届いたかをSalesforceの中で追えます。

テンプレートを誰が作り、どこに置くか

Lightning のメールテンプレートは、作った時点では作った人だけの非公開です。全員で使う文面は公開フォルダーか、共有したフォルダーに置きます。フォルダーで共有範囲を分ける「フォルダーと拡張共有」は Professional Edition 以上で使えます。実際に回っている形は、マネージャーが文面を決めて「営業共通」フォルダーに置き、営業は自分の非公開テンプレートで言い回しを足す分け方です。営業が共通テンプレートを書き換えられると、いつの間にか文面がばらばらになります。

設計表

この記事で作るものです。

名前種類関連エンティティ種別置き場所使う場面
提案後フォローLightning メールテンプレート商談営業共通フォルダー提案の翌日に商談から送る
セミナー案内Lightning メールテンプレート空白(グローバル)営業共通フォルダーリストメールで取引先責任者に送る
sales@example.co.jp組織のメールアドレスなし設定窓口から送る1通とメールアラートの差出人

送信まわりの設定値です。

画面項目設定
送信アクセス権本番は「すべてのメール」
送信バウンス管理を有効化オン
DKIM キー鍵サイズ2048 ビット
DKIM キーセレクター/代替セレクター例 sf-a / sf-b
活動設定メール追跡を有効化オン
Lightning メールテンプレートフォルダーと拡張共有オン
権限セットリストメールの送信を許可営業5名とマネージャーに付与

作る手順

1. 送信のアクセス権を確かめる

最初に、組織がそもそもメールを外に出せる状態かを確かめます。

  1. 画面右上の歯車アイコンから「設定」を開きます。
  2. 「クイック検索」に「送信」と入力し、「メール」の下の「送信」を開きます。
  3. 「メールを送信するためのアクセス権」セクションの「アクセス権」を見ます。
  4. 「すべてのメール」でなければ「すべてのメール」に変えて「保存」をクリックします。
送信の画面。アクセス権が「すべてのメール」になっている状態
送信の画面。アクセス権が「すべてのメール」になっている状態

アクセス権の選択肢は3つです。「アクセス権なし」はパスワードリセット以外の送信をすべて止め、「システムメールのみ」は新規ユーザーやパスワードリセットのような Salesforce自身が出すメールだけを通し、「すべてのメール」はすべてを通します。新しい本番組織は「すべてのメール」で始まりますが、作成・リフレッシュした Sandbox は「システムメールのみ」で始まります。Sandbox でテストしたメールが一通も届かないのは、たいていこれです。活動の「メール」タブも「すべてのメール」でないと出てきません。

Sandbox ではドメインの検証も要ります。DKIM キーは本番からコピーできないので、Sandbox で作り直すか、本番の承認済みメールドメインを「Sandbox へのコピーを許可」にしてインポートします。顧客へ誤送信しないよう、検証が終わったら「システムメールのみ」に戻します。

2. DKIM キーを作ってDNSに載せる

  1. 「設定」の「クイック検索」に「DKIM」と入力し、「DKIM キー」を開きます。
  2. 「鍵を新規作成」をクリックします。
  3. 「DKIM 鍵を作成」の画面の「鍵サイズ」で「2048ビット」を選びます。
  4. 「セレクター」に「sf-a」のような識別名を入れます(英数字とハイフンで62文字まで、先頭は英字か数字)。
  5. 「代替セレクター」に別の識別名(例 sf-b)を入れます。
  6. 「ドメイン」にメールアドレスの@の後ろ(例 example.co.jp)を入れます。
  7. 「ドメイン一致パターン」にはドメインを入れると同じ値が自動で入るので、そのままにします。
  8. 「保存」をクリックします。
DKIM キーの作成画面。セレクター・代替セレクター・ドメイン・ドメイン一致パターンを入れた状態
DKIM キーの作成画面。セレクター・代替セレクター・ドメイン・ドメイン一致パターンを入れた状態

キーは「無効」の状態で作られます。ドメインは保存後に変えられないので、打ち間違えたら作り直しです。通常15分以内に、キーの詳細画面に「CNAME レコード」と「代替 CNAME レコード」が出ます。「TXT レコード状況」が公開中のままなら、数分おいて再読み込みします。この2つの CNAME を、DNSを管理している人に登録してもらいます。

DNSの反映には最大72時間かかります。反映が済むと詳細画面の上に緑のチェックが出ます。

  1. 「DKIM キー」の一覧でキーのセレクターをクリックします。
  2. 「編集」をクリックします。
  3. 「有効化」をクリックし、確認画面で「OK」をクリックします。

有効化した後は、Salesforceが30日ごとに鍵を自動で入れ替えます。代替 CNAME はそのためのものです。有効化できない原因で多いのは、CNAME の打ち間違い、1つしか登録していない、DNSの管理画面がドメインを自動で足して「example.co.jp.example.co.jp」と二重になった、の3つです。

DNSにCNAMEを足せない事情があるときは「承認済みメールドメイン」を使います。ドメインを追加すると確認キーが出るので、TXTレコードとしてDNSに載せ、反映後に「ドメインの所有権を検証」をオンにして保存します。こちらは所有権を示すだけで、メールに署名はしません。

3. SPF を通す

SPF は、受信側が「このサーバーはこのドメインの代わりに送ってよいか」を確かめる仕組みです。通す方法は2つあります。

  • 「送信」の画面で「標準のメールセキュリティメカニズムへのコンプライアンスを有効化」をオンにする。見えない側の差出人(エンベロープの送信元)が *.bnc.salesforce.com になり、自社ドメインに SPF レコードがなくても SPF を通ります。画面に出る差出人は送信者のままです。
  • 自社ドメインの SPF レコードに include:_spf.salesforce.com を足す。公式の例は v=spf1 mx include:_spf.salesforce.com ~all です。使うのは _spf.salesforce.com だけです。

Google Workspace や Microsoft 365 を使っていれば SPF レコードがすでに1行あるので、その行に include を足します。2行にすると判定がエラーになり、普段のメールまで迷惑メール扱いされます。

4. 組織のメールアドレスを作る

  1. 「設定」の「クイック検索」に「組織」と入力し、「組織のアドレス」を開きます。
  2. 「追加」をクリックします。
  3. 表示名に「〇〇株式会社 セミナー事務局」、メールアドレスに「sales@example.co.jp」を入れます。
  4. 「目的」で「ユーザー選択」を選びます。
  5. このアドレスから送れるプロファイルを選び、「保存」をクリックします。
  6. sales@example.co.jp に届く確認メールのリンクをクリックします。
組織のメールアドレスの編集画面。表示名・アドレス・使えるプロファイルを選んだ状態
組織のメールアドレスの編集画面。表示名・アドレス・使えるプロファイルを選んだ状態

確認リンクを押し、ドメインの検証(手順2)が済むまでは送れません。権限セットで使える人を決めるなら、権限セットの「Organization-Wide Email Address Access」でアドレスを有効にします。メールアラートで使っている間は削除も変更もできず、No-Reply(返信不可)を目的にできるのは組織で1つだけです。

5. テンプレートのフォルダーを用意する

  1. 「設定」の「クイック検索」に「メールテンプレート」と入力し、「Lightning メールテンプレート」を開きます。
  2. 「フォルダーと拡張共有」を有効にします。
  3. アプリケーションランチャーから「メールテンプレート」を開きます。
  4. 新しいフォルダーを作り、名前を「営業共通」にします。
  5. フォルダーの共有で、営業チームには参照、営業マネージャーには編集を付けます。

フォルダーを作れるのはシステム管理者と「すべてのデータの編集」権限を持つ人で、ほかの人には「Lightning メールテンプレート用フォルダの作成」権限を付けます。共有はフォルダーから引き継がれます。この設定を後で無効にすると、営業が作ったフォルダーに入れなくなるので戻しません。

6. 提案後フォローのテンプレートを作る

  1. 「メールテンプレート」で「新規メールテンプレート」をクリックします。
  2. 「メールテンプレート名」に「提案後フォロー」と入れます。
  3. 「関連エンティティ種別」で「商談」を選びます。
  4. 「フォルダー」で「営業共通」を選びます。
  5. 「件名」に差し込み項目を手で打ち込みます。
  6. 「HTML 値」の欄に本文を書きます。
  7. 本文の右下の差し込みのボタンから、差し込み項目を入れます。
  8. 「保存」をクリックします。
新規メールテンプレートの画面。関連エンティティ種別が商談、フォルダーが営業共通になっている状態
新規メールテンプレートの画面。関連エンティティ種別が商談、フォルダーが営業共通になっている状態

件名には差し込み項目の選択画面(差し込みピッカー)が使えないので、{{{Opportunity.Name}}} のご提案について のように手で打ちます。本文はピッカーから選ぶと書き間違いがありません。

本文の場所ピッカーで選ぶもの入る形
宛名受信者 → 姓ピッカーが入れる形のまま
提案の件名商談 → 商談名{{{Opportunity.Name}}}
差出人の名前送信者 → 名前{{{Sender.Name}}}
差出人の連絡先送信者 → メール{{{Sender.Email}}}
署名送信者 → メール署名{{{Sender.Signature}}}
差し込み項目の挿入ウィンドウ。受信者・送信者・組織・商談の項目が並んでいる状態
差し込み項目の挿入ウィンドウ。受信者・送信者・組織・商談の項目が並んでいる状態

{{{Sender.Signature}}} は、各営業が「私のメール設定」で署名を登録していないと空になります。5名の署名の書式をそろえてから使い始めます。

差し込み項目の書き方

Lightning メールテンプレートの差し込み項目は、中括弧3つ・オブジェクト名・ピリオド・項目名・中括弧3つ、の形です。受信者の名は {{{Recipient.FirstName}}}、関連する取引先のIDは {{{Account.Id}}} になります。Summer ’18 から入った Handlebars Merge Language(HML)という書き方で、それ以降に作ったテンプレートはすべてこの形式です。

書き方例どこで使うか
HML(中括弧3つ){{{Recipient.FirstName}}}Summer ’18 以降の Lightning メールテンプレート、拡張レターヘッド
SML(中括弧1つと感嘆符){!Account.AccountNumber}Classic メールテンプレート、Summer ’18 より前の Lightning メールテンプレート

効き方には決まりがあります。

  • 使える項目は「関連エンティティ種別」で決まります。空白か「取引先責任者」「リード」だとグローバルテンプレートになり、受信者・送信者・組織の項目だけが使えます。
  • 関連先と合わないオブジェクトの項目や、値が空の項目は、その部分が消えて送られます。宛名の項目は入力必須にしておきます。
  • 受信者の項目は取引先責任者とリードで使えるものが違い、{{{Recipient.Department}}} は取引先責任者だけです。宛先が社内ユーザーだと受信者の項目は使えません。
  • レコードから送るとき、受信者の項目には「宛先」の最初の1人の値が入ります。宛先に複数人を並べると、全員に1人目の名前で届きます。
  • HML のテンプレートに SML の項目を混ぜると保存できません。HML から SML には戻せません。

Classic メールテンプレートは「設定」の「Classic メールテンプレート」で作る古い形式で、テキスト・カスタム HTML・レターヘッド・Visualforce の4種類があり、差し込み項目は SML で書きます。Lightning のメール作成画面でも使えますが、Lightning のフォルダーには置けず、添付ファイルは参照のみで、Visualforce のものはリストメールで使えません。承認プロセスの承認依頼メールは今も Classic で作るのが一般的です。新しく作るものは Lightning にし、Classic から移すときは本文を新しいテンプレートに貼って差し込み項目を HML に置き換えます。

7. 商談から送る

  1. 送りたい商談を開きます。
  2. 「活動」タブの「メール」をクリックします。
  3. 「宛先」に商談の担当者(取引先責任者)を入れます。
  4. 下の「テンプレートを挿入、作成、または更新」アイコンから「テンプレートの挿入…」を選び、「提案後フォロー」を選びます。書きかけの本文があると「現在のメールが上書きされます」と出ます。
  5. 本文を読み、相手に合わせて一言足します。
  6. プレビューして「送信」をクリックします。

作成画面の本文には {{{Opportunity.Name}}} のような差し込み項目がそのまま見えていて、送るときに値に置き換わります。「送信者」で本人のアドレスか組織のメールアドレスを選べます。

商談の活動タブでメールを作成中。提案後フォローのテンプレートが挿入され、宛先に取引先責任者が入っている状態
商談の活動タブでメールを作成中。提案後フォローのテンプレートが挿入され、宛先に取引先責任者が入っている状態

差し込み項目は宛先の最初の受信者のデータで値に置き換わります。宛先や関連先を後から変えたら、テンプレートを入れ直す運用にします。翌朝に届けたいときは「後で送信」で日時を指定できます(Professional Edition 以上)。

8. リストメールで送る

リストメールは、宛先の一人ひとりに別々のメールを送る機能で、差し込み項目が人ごとに入ります。送る人に「リストメールの送信を許可」の権限が要ります。

  1. 「設定」の「権限セット」で営業用の権限セットを開きます。
  2. 「システム権限」の「編集」をクリックします。
  3. 「リストメールの送信を許可」にチェックを入れて保存します。
  4. 取引先責任者のリストビュー(例:セミナー案内対象)を開きます。
  5. 送る相手にチェックを入れます。
  6. 「メールを送信」をクリックします。「リストメールの送信」のウィンドウが開きます。
  7. 件名を入れ、テンプレート「セミナー案内」を入れます。
  8. 「確認」タブで受信者の名前をクリックし、差し込みの結果を確かめます。
  9. 「送信」をクリックします。すぐに送らないときは「ドラフトとして保存」で残せます。
リストメールの送信画面。受信者にリストビュー、テンプレートにセミナー案内が入り、確認タブを開いた状態
リストメールの送信画面。受信者にリストビュー、テンプレートにセミナー案内が入り、確認タブを開いた状態

1件もチェックせずに「メールを送信」を押すと、そのビューの全員が宛先になります(「最近参照したデータ」を除く)。手でチェックできるのは200件まで、宛先の欄に足せるリストビューは10個までで、本文は32,000文字、件名は3,000文字までです。キャンペーンのメンバーにも送れます。

ハードバウンスした人、アドレスが空の人、「メール送信除外」がオンの人には送られません。配信停止の相手はこれをオンにします。

リストメールは組織の1日の一括メールの上限に数えられ、通常1日5,000件の受信者です。これは Enterprise 以上の値で、Professional は既定1,000件なので、自社の組織の割り当てで確かめます。公式も大量のマーケティング配信向けではないとしています。送信画面の下には「送信制限の残り」が出るので、送る前にここで残りを見ます。Developer Edition の組織では「10/10」と出ました。

9. 開封の追跡とバウンス管理をオンにする

  1. 「設定」の「クイック検索」に「活動設定」と入力し、「活動設定」を開きます。
  2. 「メール追跡を有効化」を選び、「送信」をクリックします。
  3. 「クイック検索」に「拡張メール」と入力し、「拡張メール」を有効にします。
  4. 「送信」の画面で「バウンス管理を有効化」を選んで保存します。

開封の追跡は、HTMLメールに透明な1×1ピクセルの画像を入れ、読み込まれたら開封とみなす仕組みで、組織の全メールに一律でかかります。相手が画像を止めていれば記録されず、セキュリティ製品が先に読み込むと開封と記録されます。公式も精度は低いとしているので、フォローの電話の順番づけ程度に使います。

宛先がアドレスだけで取引先責任者やリードに結びついていないメール、本文が空のメールは追跡されません。結果は、メールのページレイアウトに「最初に開封されたメール」「最後に開封されたメール」を足して見るか、レポートの「HTML メールの状況」で見ます。リストメールの開封はこのレポートにだけ出ます。

バウンス管理をオンにすると、アドレスが恒久的に届かない(ハードバウンス)場合に、取引先責任者やリードのメールアドレスの横に警告アイコンが出ます。メール項目を強調表示パネルに置いておき、警告はレコードを編集してアドレスを直すと消えます。メールボックスが一杯のような一時的な失敗では、レコードに印は付きません。

送ったメールが活動として残る仕組み

拡張メールが有効なら、送ったメールは「メールメッセージ」として保存され、互換のための ToDo も1件ずつ作られます。メールメッセージを消すと ToDo も消えますが、逆は残ります。拡張メールが無効だと ToDo だけが作られ、返信も転送もできません。

商談から送ったメールは、商談と宛先の取引先責任者の両方の活動タイムラインに出ます。リストメールは受信者のタイムラインに出て、取引先にも出すには「取引先責任者の主取引先への活動の積み上げ集計」を有効にします。リストメールの活動に残る本文は差し込み前のテンプレートのままです。

営業が普段のメールソフトから送ったメールは、この仕組みでは残りません。Outlook のメールを商談や取引先責任者に残すなら、SalesforceとOutlookの連携。メールと予定を記録する の手順で記録します。

応用

フローとメールアラートでテンプレートを使う

フローの「メールを送信」アクションは、「メールテンプレートを使用」を選ぶと Classic か Lightning のテンプレートで送れます。受信者以外のレコード(商談など)の項目を使うときは、「関連レコード ID」にそのIDを渡します。テンプレートを使うと、1日の上限がワークフローメールの上限から一般のメールの上限に変わります。

メールアラートでは、テンプレートの関連エンティティ種別とメールアラートのオブジェクトをそろえます。Lightning テンプレートでは別のオブジェクトの項目をたどる差し込み項目が使えず、自動化で使うテンプレートでは受信者の差し込み項目も効きません。「提案後フォロー」をそのままフローに流用すると宛名が空になるのはこのためです。自動で送る文面は、宛名を取引先責任者などの項目から取る専用のテンプレートにします。フローの組み方は Salesforceフローの作り方。レコードトリガーで更新と通知を自動化する、承認依頼のメールは Salesforceの承認プロセスの作り方。値引き申請を上長承認にする で扱っています。

メールアラートの差出人は、選ばないとレコードを更新した人になり、顧客向けのメールが経理担当の名前で届いたりします。顧客向けは差出人を組織のメールアドレスに固定します。

展示会の参加者に送る

名刺交換した相手へのお礼は、リードをキャンペーンに入れてメンバーにリストメールで送ります。レポートで絞った相手も、結果をキャンペーンに追加してから送ります。

使えるエディションと上限

公式ヘルプの「必要なエディション」で確かめた範囲です。

機能使えるエディション
Lightning メールテンプレート、レコードからの送信、リストメール、メール追跡、バウンス管理Essentials・Professional・Enterprise・Performance・Unlimited・Developer
テンプレートのフォルダーと拡張共有Professional・Enterprise・Performance・Unlimited・Developer
後で送信Professional・Enterprise・Performance・Unlimited
送信の設定、DKIM キー、SPF、承認済みメールドメインDatabase.com を除くすべて
組織のメールアドレスすべて

Starter と Pro Suite は、各機能の「必要なエディション」欄に名前がありません。使えるかは、上の手順の画面が出るかで確かめます。

上限は次のとおりです。1日の区切りはどれもグリニッジ標準時(日本時間の午前9時)です。

対象上限
レコードからの1通(外部宛て)組織で1日5,000件の外部アドレスまで。社内ユーザー宛ては数えない
メール作成画面からの送信ユーザーごとに1時間250人の外部受信者まで
リストメール組織の1日の一括メールの上限に含まれる(Enterprise 以上は通常1日5,000件、Professional は既定1,000件)
メールアラート標準ユーザーライセンス1つにつき1日1,000件、組織全体で2,000,000件まで
Developer Edition・トライアルユーザーごとに1日50人、1通15人まで。リストメールは外部1日10人まで

Spring ’19 以降に作った組織では、5,000件の上限にメールアラートとフローの「メールを送信」も数えられます。

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
件名に差し込みピッカーを使う本文でピッカーから入れた形をコピーして件名に貼る
自動化のテンプレートで受信者の差し込み項目を使う宛名を取引先責任者などの項目から取る専用テンプレートを作る
値が空のときに既定の文字を入れる(BLANKVALUE のような書き方)宛名の項目を入力必須にするか、「ご担当者」を返す数式項目を作って差し込む
リストメールで大量のマーケティング配信をする配信停止の仕組みを持つ Marketing Cloud などの配信ツールを使う
1通ごとに開封の追跡を止める、開封率を正確に測るできない。返信や商談の進み具合で効果を見る
上限を超えた分を翌日に自動で送り直す受信者を分けて日をまたいで送る

メールが届かないときの切り分け

上から順に確かめると、どこで止まっているかが分かります。

確かめること見る場所原因だったときの直し方
組織が外に送れる状態か送信のアクセス権「すべてのメール」にする
送信者のドメインが検証済みかDKIM キー、承認済みメールドメインDKIM キーを有効化する
送信者のアドレスが検証済みかユーザーの詳細、組織のメールアドレス確認メールのリンクを押す
Salesforceが送ったかメールログイベントが D(配送)なら Salesforce は送れている
相手のサーバーで止まっていないかメールログT は一時的な障害で24時間再試行、P は恒久的な失敗なので宛先を直す
迷惑メールに入っていないか相手の迷惑メールフォルダーDKIM と SPF を整え、相手に許可リストへ加えてもらう
相手のサーバーが Salesforce を受け付けるか「テスト配信」届かないテストがあれば相手のメール管理者に許可を頼む
上限に達していないかエラーメッセージ日本時間9時以降に送り直す。宛先を分ける

メールログは「設定」の「メールログファイル」から「メールログをリクエスト」で取ります。「開始時刻」「終了時刻」と「送信先または送信元のメールのみを含める」で絞れます。過去30日分が対象で、要求から30分以内に取れ、1回で取れる期間は7日まで、待機中の要求は3件までです。Gmail や Office 365 経由のメールはログに出ないので、送った人のメールソフト側を見ます。

メールログリクエストの画面。開始時刻・終了時刻・送信先のアドレスで絞り込んだ状態
メールログリクエストの画面。開始時刻・終了時刻・送信先のアドレスで絞り込んだ状態

よく詰まるところ

症状原因直し方
活動に「メール」タブが出ないアクセス権が「すべてのメール」でない「送信」で「すべてのメール」にする
Sandbox からだけ届かないSandbox は「システムメールのみ」で始まり、DKIM キーもコピーされないアクセス権を変え、DKIM キーを作るか承認済みメールドメインをインポートする
差出人が「email@〜.sfcustomeremail.com」になる送信者のドメインが未検証で、代わりのアドレスが使われたDKIM キーを作って有効化する
DKIM の「有効化」が押せないDNSの反映待ち、CNAME の打ち間違い、1つしか登録していない詳細画面を再読み込みし、2つの CNAME を画面の値と照らす
宛名が空のまま届く関連エンティティ種別と合わない項目、または値が空関連先と宛先の種類をそろえ、宛名の項目を必須にする
フローから送ると宛名が空自動化のテンプレートでは受信者の項目が使えない自動化専用のテンプレートを作る
共通テンプレートが営業に見えない非公開のまま、またはフォルダーが共有されていない営業共通フォルダーに移して共有する
テンプレートが保存できないHML に SML の項目({!...})が混じっているSML の項目を消すか HML に書き換える
リストメールのボタンが無い「リストメールの送信を許可」がない、またはカンバン表示権限セットで付与し、表形式のビューで操作する
誰も開いていないのに開封と出る相手のセキュリティ製品が先に画像を読み込んだ開封だけで判断せず、返信や電話の反応で見る

次にやること

受注時の社内通知は Salesforceフローの作り方。レコードトリガーで更新と通知を自動化する で組みます。値引きの承認依頼と結果のメールは Salesforceの承認プロセスの作り方。値引き申請を上長承認にする で作れます。セミナー案内を送った後の商談まで追うなら Salesforceのキャンペーンの使い方。展示会やセミナーの成果を商談まで追う、普段の Outlook のメールも残したいなら SalesforceとOutlookの連携。メールと予定を記録する に進みます。

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