Salesforceのリード管理とWeb-to-リード。問い合わせフォームから自動で登録する

公開 書いた人 大林 諒

自社サイトの問い合わせフォームから送られた内容を、Salesforceのリードとして登録する仕組みを作ります。題材は社員30名ほどの法人向けサービス会社の営業チームで、フォームから入ったリードをキュー「新規問い合わせ(リード)」に置き、営業が引き取って連絡し、見込みがあれば取引開始する、という実際に回っている流れを組みます。読み終わると、値の設計からフォーム、割り当てと自動返信、取引開始、レポートまで自分の組織で作れる状態になります。設定には「アプリケーションのカスタマイズ」権限が要ります。公式ヘルプの対象エディションは、Web-to-リードが Essentials・Group・Professional 以上、リードの割り当てルールが Essentials・Group(リードのみ)・Professional 以上、自動レスポンスルールが Professional 以上です。Starter と Pro Suite での扱いは後半の表にまとめています。画面は Lightning Experience で説明し、Classic の画面の説明は読み飛ばしてかまいません。

この記事の内容
  1. リードとは何か。取引先・取引先責任者・商談との違い
  2. 先に決めること
  3. 設計表
  4. 作る手順
  5. 応用
  6. できないことと、その代わり
  7. よく詰まるところ
  8. 次にやること

リードとは何か。取引先・取引先責任者・商談との違い

4つのオブジェクトの役割

リードは「まだ素性を確かめていない見込み客」を入れておく場所です。フォームの送信者や展示会の名刺がリードになります。1件の中に会社名と人の名前を両方持ち、取引先や商談とはつながっていません。連絡して脈があると分かったら「取引開始」し、取引先(会社)・取引先責任者(人)と、必要なら商談(案件)を作ります。以後の営業活動はそちら側で進めます。

オブジェクト入るものいつ作るか
リード素性を確かめる前の見込み客問い合わせ・名刺交換のとき
取引先会社1社取引開始時、または直接登録
取引先責任者取引先に属する人取引開始時、または直接登録
商談受注を目指す案件提案が具体的になったとき

リードを使う理由は、確度の低いデータで取引先を汚さないことです。フォームには売り込みやいたずらも入ります。リードで受けて1件ずつ見て、残すものだけを取引先に上げる関所の役目です。

リードを使う会社・使わない会社

状況判断理由
サイトの問い合わせ・広告・展示会から新規の見込み客が毎月入る使う見込み客を選別する段階が要る
マーケティング担当と営業が分かれている使う引き渡しの前後を状況で区切れる
新規はほぼ紹介で、最初の打ち合わせ時点で会社も担当者も分かっている使わなくてよい取引先・取引先責任者を直接作れば済む
既存顧客への追加販売が売上の大半使わなくてよい新規の見込み客がほとんど発生しない

題材の会社はフォームと検索広告から月に数十件の問い合わせが入るので、リードを使います。

先に決めること

リード状況の値と「取引開始済み」の印

リード状況は、リードが選別のどこにいるかを表す選択リストです。値のうち1つを「デフォルトの状況」にし、1つ以上に「取引開始済み」の印を付けます。フォームから入ったリードには、デフォルトの状況が自動で入ります。取引開始のときは、取引開始済みの印が付いた値の中からしか選べません。

値は少なく保ちます。迷う値があると入力がばらつき、状況別のレポートが読めなくなります。題材の組織では4つです。取引開始しなかった理由を残すなら、状況の値を増やさず、理由の選択リストを別に作ります。

リードソースの値

リードソースは、リードがどこから来たかを表す選択リストです。取引開始すると、取引先の「取引先ソース」、取引先責任者と商談の「リードソース」に引き継がれるので、受注した商談を「どこから来た案件か」で集計する土台になります。

題材の組織では、リードソースは経路の大分類に留め、どの広告から来たかはキャンペーン「検索広告 2026年10月」で見ます。広告ごとに値を増やすと、毎月値が増えて選択リストが荒れるからです。フォームから入れる値は隠し項目で「Web」に固定し、送信者に選ばせません。選ばせると、割り当てルールの条件に使う値が空になります。

誰に割り当てるか(キューか個人か)

キューは「担当が決まるまでリードを置いておく共有の箱」で、メンバーがリードを自分の所有にできます。担当を地域や商材で決められない会社、手の空いた人から対応したい会社に向いています。題材の組織では、Web のリードはキュー「新規問い合わせ(リード)」に入れて高木 浩と森下 彩が引き取り、電話問い合わせは最初から森下 彩に割り当てます。

自動返信を誰の名前で出すか

受付の自動返信メールの送信者アドレスは、検証済みの組織の共有メールアドレスか、Salesforce のユーザーに登録されたアドレスでなければなりません。個人の名前で出すと、その人が休んだときに返信先が宙に浮くので、「営業部」の共有アドレスを組織の共有メールアドレスとして登録して使います。

設計表

リード状況

表示ラベルAPI参照名意味デフォルト取引開始済み
オープン – 未連絡Open – Not Contacted入ったばかりで、まだ誰も連絡していないオンオフ
対応中 – 連絡済みWorking – Contacted担当が連絡し、やり取りしているオフオフ
クローズ – 取引開始済みClosed – Converted見込みありと判断し、取引開始したオフオン
クローズ – 取引開始せずClosed – Not Converted営業対象外、連絡がつかない、重複などオフオフ

リードソース

表示ラベルAPI参照名入る経路入れ方
WebWeb自社サイトの問い合わせフォームフォームの隠し項目で固定
電話問い合わせPhone Inquiry代表電話への問い合わせ受けた人が手で登録
パートナー紹介Partner Referral販売パートナーからの紹介手で登録
購入リストPurchased List購入した見込み客リストインポート
その他Other上のどれにも当たらないもの手で登録

割り当てと自動返信

設定値
割り当てルールInbound_Routing。Web → キュー「新規問い合わせ(リード)」、電話問い合わせ → 森下 彩、条件なし → キュー
自動レスポンスルール条件なしのエントリ1つで受付メールを送る。送信者は営業部の共有アドレス
Web-to-リードreCAPTCHA 検証オン。フォームの項目は姓・名・会社・メール・電話・説明・問い合わせ種別

リードのカスタム項目と対応付け

取引開始したときに商談へ引き継ぐ項目を1つ足します。

オブジェクト表示ラベルAPI参照名データ型対応付け先
リード問い合わせ種別Inquiry_Type__c選択リスト(資料請求・見積依頼・デモ希望・その他)商談の「問い合わせ種別」
商談問い合わせ種別Inquiry_Type__c選択リスト(値の制限なし)なし

使えるエディション

公式ヘルプの「必要なエディション」に載っている範囲です。

機能StarterPro SuiteProfessionalEnterpriseUnlimited
リード、取引開始、リード項目の対応付け使える使える使える使える使える
Web-to-リード記載なし記載なし使える使える使える
リードの割り当てルール記載なし記載なし使える使える使える
自動レスポンスルール記載なし記載なし使える使える使える
キュー記載なし記載なし使える使える使える
キャンペーン記載なし記載なし使える使える使える

公式では表のほか Essentials と Group も、Web-to-リードと割り当てルール(リードのみ)の対象です。Starter と Pro Suite で使えるかは、「設定」の「クイック検索」に「Web-to-リード」「割り当てルール」と入れ、メニューが出るかで確かめます。出なければ Professional 以上が要ります。

作る手順

1. リード状況の値を整える

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「オブジェクトマネージャー」タブで「リード」を開きます。
  3. 左のメニューで「項目とリレーション」をクリックします。
  4. 「リード状況」をクリックします。
  5. 値の一覧で、変えたい値の「編集」をクリックします。
  6. 表示ラベルを設計表どおりにし、「デフォルト」と「取引開始済み」のチェックを設計表どおりにして保存します。
  7. 足りない値は「新規」で追加します。
リード状況の値の一覧。「オープン - 未連絡」がデフォルト、「クローズ - 取引開始済み」に取引開始済みの印が付いている
リード状況の値の一覧。「オープン – 未連絡」がデフォルト、「クローズ – 取引開始済み」に取引開始済みの印が付いている

デフォルトの値には取引開始済みの印を付けられません。取引開始済みの印が付いた値が1つも無いと、取引開始のときに選べる状況が無くなり、取引開始できません。リードソースも同じ画面の流れで値を整えます。

2. リードの設定でデフォルトの所有者を決める

  1. 「設定」の「クイック検索」に「リードの設定」と入力し、「リードの設定」を選びます。
  2. 「編集」をクリックします。
  3. 「デフォルトのリード所有者」の種別を「キュー」にして、「新規問い合わせ(リード)」を選びます。
  4. デフォルトの所有者にメールで知らせるなら「デフォルトのリード所有者に通知」にチェックを入れます。
  5. 「保存」をクリックします。
リードの設定の編集画面。デフォルトのリード所有者にキューを指定した状態
リードの設定の編集画面。デフォルトのリード所有者にキューを指定した状態

割り当てルールのどの条件にも当たらなかったリードは、ここで決めた所有者に入ります。

3. キューを作る

  1. 「設定」の「クイック検索」に「キュー」と入力し、「キュー」を選びます。
  2. 「新規」をクリックします。
  3. 「表示ラベル」に「新規問い合わせ(リード)」と入力します。表示ラベルは、営業が見るリストビューの名前になります。
  4. 「キュー名」に「Inbound_Leads」と入力します。
  5. 新しいリードがキューに入ったときに誰に知らせるかを選びます。
  6. 「サポートされるオブジェクト」で「リード」を選択済みの側に移します。
  7. 「キューメンバー」で、ユーザーから「高木 浩」と「森下 彩」を選択済みの側に移します。
  8. 「保存」をクリックします。
キューの編集画面。サポートされるオブジェクトにリード、メンバーに2名が入った状態
キューの編集画面。サポートされるオブジェクトにリード、メンバーに2名が入った状態

メンバーには個々のユーザーのほか、ロール・公開グループも入れられます。営業が増えてもキューを触らずに済むよう、公開グループをメンバーにする形も取れます。

4. リードの割り当てルールを作る

  1. 「設定」の「クイック検索」に「割り当てルール」と入力し、「リードの割り当てルール」を選びます。
  2. 「新規」をクリックします。
  3. ルール名に「Inbound_Routing」と入力し、このルールを有効にするチェックを入れて「保存」をクリックします。
  4. 作ったルール名をクリックして開きます。
  5. ルールエントリの「新規」をクリックします。
  6. 「順序」に「1」と入力します。
  7. 「条件が一致する」を選び、「リード: リードソース」「次の文字列と一致する」「Web」と指定します。
  8. 割り当て先で「キュー」を選び、「新規問い合わせ(リード)」を指定します。
  9. 通知メールのテンプレートを選び、「保存 & 新規」をクリックします。
  10. 「順序」に「2」と入力し、条件を「リード: リードソース」「次の文字列と一致する」「電話問い合わせ」、割り当て先をユーザー「森下 彩」にして「保存 & 新規」をクリックします。
  11. 「順序」に「3」と入力し、条件を指定せずに割り当て先をキュー「新規問い合わせ(リード)」にして「保存」をクリックします。
割り当てルール「Inbound_Routing」の詳細。3つのルールエントリが順序どおりに並んでいる
割り当てルール「Inbound_Routing」の詳細。3つのルールエントリが順序どおりに並んでいる

エントリは順序の小さい順に評価され、最初に一致したところで割り当てが決まります。どれにも一致しないと、Web のリードはデフォルトのリード所有者へ、インポートしたリードはインポートした管理者へ戻るので、最後のエントリは条件なしにします。条件は1エントリにつき25個まで、1つ255文字までで、数式でも書けます。

リードの割り当てルールは同時に1つしか有効にできません。インポート用とWeb用もエントリの条件で分けます。メールテンプレートを指定しないと新しい所有者への通知は送られず、キューに割り当てた場合はキューのメールアドレスとメンバー全員に届きます。

5. 自動返信のメールテンプレートを用意する

「お問い合わせを受け付けました。2営業日以内に担当よりご連絡します」という本文に、差し込み項目で姓と会社名を入れたテンプレートを作り、「使用可能」にしておきます。自動レスポンスルールのエントリのテンプレート欄は Classic メールテンプレートを選ぶ作りなので、このテンプレートは「設定」の「Classic メールテンプレート」で作ります。差し込み項目の書き方は「Salesforceのメールテンプレートと一括メール。差し込み項目と送信の設定」にまとめています。

6. 自動レスポンスルールを作る

  1. 「設定」の「クイック検索」に「自動レスポンスルール」と入力し、「リード自動レスポンスルール」を選びます。
  2. 「新規」をクリックします。
  3. ルール名に「問い合わせ受付」と入力します。
  4. 「有効」にチェックを入れ、「保存」をクリックします。
  5. 作ったルールを開き、ルールエントリの「新規」をクリックします。
  6. 「順序」に「1」と入力します。
  7. 条件は指定しません。
  8. 送信者の名前に「営業部」、送信者のメールアドレスに検証済みの共有アドレスを入力します。
  9. 必要なら返信先アドレスを入力します。
  10. 手順5のメールテンプレートを選び、「保存」をクリックします。
リード自動レスポンスルールのエントリ編集画面。順序・送信者名・送信者アドレスを入れた状態
リード自動レスポンスルールのエントリ編集画面。順序・送信者名・送信者アドレスを入れた状態

自動レスポンスルールもリード用は1つだけ有効にできます。文面を変えたいときはエントリを分け、問い合わせ種別が「見積依頼」なら見積の流れを説明するテンプレート、最後に条件なしの通常テンプレート、とします。どれにも当たらなければ Web-to-リードのデフォルトの応答テンプレートが使われます。送ったメールはリードの活動履歴に残ります。

7. Web-to-リードを有効にする

  1. 「設定」の「クイック検索」に「Web-to-リード」と入力し、「Web-to-リード」を選びます。
  2. 「編集」をクリックします。
  3. Web-to-リードを有効にするチェックを入れます。
  4. 「reCAPTCHA 確認が必要」がオンになっていることを確かめます。
  5. 「デフォルトのリード作成者」を選びます。
  6. 「デフォルトの応答テンプレート」で、手順5のテンプレートを選びます。
  7. 「保存」をクリックします。
Web-to-リード設定の編集画面。reCAPTCHA 確認、デフォルトのリード作成者、デフォルトの応答テンプレートを入れた状態
Web-to-リード設定の編集画面。reCAPTCHA 確認、デフォルトのリード作成者、デフォルトの応答テンプレートを入れた状態

デフォルトのリード作成者には、「すべてのデータの編集」「メールの送信」「活動へのアクセス」の3つを持つユーザーを選びます。3つはプロファイルだけ、または権限セットだけでまとめて付け、両方に分けて付けません。

1日に受け付けられる Web-to-リードの要求は500件までです。超えると、デフォルトのリード作成者に取得した情報がメールで届きます。毎日500件を超えるならカスタマーサポートに相談します。

8. フォームのHTMLを作る

  1. Web-to-リード設定の画面で「Web-to-リードフォームの作成」をクリックします。
  2. 「選択済みの項目」に、姓・名・会社・メール・電話・説明・問い合わせ種別を入れます。
  3. 広告用のフォームなら「キャンペーン」も入れます。
  4. 「戻り URL」に、送信後に表示するお礼ページのURLを入力します。
  5. reCAPTCHA をフォームに入れるため「HTML に reCAPTCHA を含める」を選び、ルックアップで reCAPTCHA の API キーペアを指定します。
  6. 「生成」をクリックします。
  7. 表示されたHTMLをすべてコピーします。
  8. 「完了」をクリックします。
Web-to-リードフォームの作成画面。選択済みの項目と戻りURLを入れた状態
Web-to-リードフォームの作成画面。選択済みの項目と戻りURLを入れた状態

API キーペアは、Google の reCAPTCHA 管理画面でサイトのドメインを登録して発行したキーを Salesforce に登録したものです。Google のサーバーにつながらないときも送信を通すなら「サーバーフォールバックを有効化」を選びます。

生成されたHTMLを整えた形が次です。値は伏せ字にし、見た目の部分は省いています。

<meta http-equiv="Content-type" content="text/html; charset=UTF-8">
<form action="https://webto.salesforce.com/servlet/servlet.WebToLead?encoding=UTF-8&orgId=00Dxxxxxxxxxxxx" method="POST">
<input type="hidden" name="oid" value="00Dxxxxxxxxxxxx">
<input type="hidden" name="retURL" value="https://www.example.co.jp/contact/thanks/">
<input type="hidden" name="lead_source" value="Web">
<input type="hidden" name="Campaign_ID" value="701xxxxxxxxxxxx">
<label for="last_name">姓</label><input id="last_name" name="last_name" type="text">
<label for="first_name">名</label><input id="first_name" name="first_name" type="text">
<label for="company">会社名</label><input id="company" name="company" type="text">
<label for="email">メール</label><input id="email" name="email" type="text">
<label for="phone">電話</label><input id="phone" name="phone" type="text">
<label for="00Nxxxxxxxxxxxx">問い合わせ種別</label>
<select id="00Nxxxxxxxxxxxx" name="00Nxxxxxxxxxxxx">
<option value="資料請求">資料請求</option>
<option value="見積依頼">見積依頼</option>
<option value="デモ希望">デモ希望</option>
<option value="その他">その他</option>
</select>
<label for="description">お問い合わせ内容</label><textarea id="description" name="description"></textarea>
<input type="submit" name="submit">
</form>

oid は送信先の組織ID、retURL は送信後の移動先です。標準項目の name は last_name のような英語名、カスタム項目は 00N で始まる項目IDです。リードソースは生成直後は選択リストなので、type="hidden" の1行に書き換えて値を API 参照名の Web に固定します。

キャンペーンを入れたフォームから入ったリードは、そのキャンペーンのメンバーになります。広告のランディングページにだけ「検索広告 2026年10月」の Campaign_ID 入りのフォームを置けば、広告経由のリードがキャンペーンに集まります。キャンペーンの使い方は「Salesforceのキャンペーンの使い方。展示会やセミナーの成果を商談まで追う」で扱っています。

9. 自社サイトに貼る(WordPress の場合)

HTMLをそのまま使うなら、WordPress の固定ページに「カスタムHTML」ブロックを置いて貼り、見た目はサイトのCSSで整えます。崩してはいけないのは form の action、隠し項目の oid と retURL、各入力欄の name 属性です。label や id は書き換えて構いませんが、name が1文字でも違うとその値は捨てられます。

Contact Form 7 などのプラグインは、送信内容をまず WordPress が受け取る作りなので、そのままでは Salesforce に届きません。連携用の追加プラグインなどで転送する場合も、渡す項目名は生成されたHTMLの name に合わせます。your-name のまま送っても姓には入りません。

文字コードも合わせます。生成されたHTMLは UTF-8 前提で、action の URL にも encoding=UTF-8 が付いています。ページが Shift_JIS などだと、会社名や問い合わせ内容が文字化けしたリードになります。

プラグインの自動返信と Salesforce の自動返信を両方残すと、送信者に受付メールが2通届きます。受付メールは Salesforce 側に一本化し、プラグイン側は社内向けの通知だけにします。

10. テスト送信で確かめる

生成されたHTMLには、テスト用の行がコメントで入っています。

<!-- <input type="hidden" name="debug" value=1> -->
<!-- <input type="hidden" name="debugEmail" -->
<!-- value="<<add emailId here>>"> -->
  1. 3行の先頭と末尾の <!-- と --> を消します。
  2. <<add emailId here>> を自分のメールアドレスに置き換えます。
  3. テスト用のページにHTMLを置き、フォームを送信します。
  4. 届いたデバッグ情報のメールで、送った値と項目の対応を確かめます。
  5. Salesforce でリードができ、リードソースが「Web」、状況が「オープン – 未連絡」、所有者がキュー「新規問い合わせ(リード)」になっていることを確かめます。
  6. テスト用に入れたメールアドレスに受付メールが届いたことを確かめます。
  7. 確認が終わったら、デバッグ用の3行をコメントに戻します。
テスト送信で作られたリードの詳細。所有者がキュー、リードソースが Web になっている
テスト送信で作られたリードの詳細。所有者がキュー、リードソースが Web になっている

フォームから入ったリードには「未読」の印が付き、リストビュー「私の未読リード」で見つけられます。誰かが開くと既読になります。

11. キューからリードを引き取る

  1. 「リード」タブを開きます。
  2. リストビューで「新規問い合わせ(リード)」を選びます。
  3. 自分が対応するリードのチェックボックスにチェックを入れます。
  4. 「所有者の変更」をクリックします。
  5. 所有者に自分を選び、「送信」をクリックします。
  6. リードを開き、連絡したら状況を「対応中 – 連絡済み」にします。
リストビュー「新規問い合わせ(リード)」で2件にチェックを入れた状態
リストビュー「新規問い合わせ(リード)」で2件にチェックを入れた状態

引き取れるのはキューのメンバーと、ロール階層でその上にいるユーザーです。

12. リードの取引を開始する

  1. リードを開きます。
  2. 「取引の開始」をクリックします。
  3. 「取引先」で、新しく作るか、既存の取引先を選びます。
  4. 「取引先責任者」で、新しく作るか、既存の取引先責任者を選びます。
  5. 「商談」で、作る商談の名前を入れるか、既存の商談を選びます。まだ案件になっていなければ「取引開始時、商談は作成しない」にチェックを入れます。
  6. 「レコードの所有者」を確かめます。
  7. 「取引開始後の状況」が「クローズ – 取引開始済み」になっていることを確かめます。
  8. 「取引の開始」をクリックします。
リードの取引の開始画面。取引先・取引先責任者・商談・取引開始後の状況の欄
リードの取引の開始画面。取引先・取引先責任者・商談・取引開始後の状況の欄

取引開始は取り消せません。取引開始したリードは参照のみになり、Lightning Experience では検索結果には出ますが、検索結果から取引開始済みのリードを開いて参照・編集することはできません。活動・メモ・ファイルは作られたレコードに引き継がれ、キャンペーンのメンバーだったリードは取引先責任者がメンバーになります。既存の取引先・取引先責任者を選んだ場合、既存の値は上書きされず、空の項目にだけリードの値が入ります。新しい商談の完了予定日には、標準の会計年度なら当四半期の最終日が入るので、実際の見込み日に直します。

操作には、リード・取引先・取引先責任者の「作成」「編集」と「取引の開始」権限、商談を作るなら商談の「作成」が要ります。

13. リード項目の対応付けを設定する

標準項目は自動で引き継がれます。主なものです。

リードの項目引き継ぎ先
会社取引先の取引先名、商談の商談名と取引先名
姓・名・役職・メール取引先責任者の同じ項目
リードソース取引先の取引先ソース、取引先責任者と商談のリードソース
説明取引先責任者の説明
業種・従業員数取引先の同じ項目
キャンペーン商談の主キャンペーンソース

カスタム項目は自分で対応付けます。この対応付けは Apex のリード変換(Apex Lead Convert)を使う組織で使え、古い PLSQL のリード変換のままの組織では使えません。

  1. 「オブジェクトマネージャー」で「リード」を開きます。
  2. 「項目とリレーション」をクリックします。
  3. 「リードの項目の対応付け」をクリックします。
  4. 「問い合わせ種別」の行で、対応付け先に「商談」の「問い合わせ種別」を選びます。
  5. 「保存」をクリックします。
リードの項目の対応付け画面。問い合わせ種別を商談の項目に対応付けた状態
リードの項目の対応付け画面。問い合わせ種別を商談の項目に対応付けた状態

カスタム選択リストは、テキスト・テキストエリア・値を制限しない選択リストにしか対応付けられません。商談側を値の制限なしで作るのはこのためです。チェックボックス・通貨・日付・数値などは同じデータ型の項目にだけ対応付けられ、数値系は長さと小数点の位置も揃えます。対応付けに使っている項目は、削除もデータ型の変更もできなくなります。

応用

リードのレポート(ソース別・状況別・取引開始率)

「レポート」タブの「新規レポート」で、レポートタイプ「リード」を選んで3つ作ります。

見たいこと行のグループ列のグループ検索条件
どこから来ているかリードソース作成日(月)作成日が今年度
放置されていないかリード状況リード所有者取引開始済みが偽
どれだけ取引開始できたかリードソース取引開始済み作成日が今四半期

リードのレポートは取引開始済みのリードも表示するので、未処理だけを見るときは取引開始済みを外す条件を入れます。

取引開始率は、リードに数式項目「取引開始フラグ」(数値、IF(IsConverted, 1, 0))を作り、レポートで「取引開始フラグの合計 ÷ レコード件数」の集計数式を作ると、リードソースごとの率が1列で並びます。

リードソース別に件数と取引開始率を並べたレポート
リードソース別に件数と取引開始率を並べたレポート

受注まで追うなら、商談のレポートをリードソース別に集計します。

取引開始済みのリードを見られる人を決める

マーケティングの担当が取引開始済みのリードを見直したい場合は、権限セットの「アプリケーション権限」の「セールス」で「取引開始済みのリードを表示および編集」を付け、必要な人にだけ割り当てます。

同じ人が何度も送ってくる

Web-to-リードは送信のたびに新しいリードを作ります。資料請求と見積依頼を別々に送った人は2件になります。重複を知らせる仕組みは「Salesforceの重複ルールと一致ルール。取引先とリードの二重登録を防ぐ」で作ります。

できないことと、その代わり

できないこと理由・公式の記載代わりの手
取引開始を取り消す取引開始は取り消せない取引開始の前に既存の取引先・取引先責任者を検索して選ぶ。誤った取引先が作られたら手で直す
1日500件を超えて受け付けるWeb-to-リードの要求は1日500件まで。超えるとデフォルトのリード作成者に取得情報がメールで届くカスタマーサポートに上限を相談する。reCAPTCHA でスパムを止め、無駄な件数を減らす
リード用の割り当てルールを2つ同時に有効にするルール種別ごとに有効にできるのは1つ1つのルールの中でエントリを分ける
自動レスポンスで数日後に追いかけメールを送る自動レスポンスルールは受付時の1通フローのスケジュール済みパスでメールを送る。メール配信の専用ツールを使う
取引開始でカスタムオブジェクト(導入プロジェクトなど)を作る対応付けられるのは取引先・取引先責任者・商談の項目商談の受注をきっかけにフローで作る
フォームから既存のリードを更新するWeb-to-リードは送信ごとに新規作成重複ルールで知らせ、手で統合する
順番に均等に割り当てる割り当てルールは条件で振り分ける仕組み自動採番の番号を人数で割った余りを数式で出し、余りごとにエントリを分ける。キューで引き取る運用にする
Starter・Pro Suite で Web-to-リードと割り当てルールを使う日本語ヘルプの対象エディションに名前がない組織のメニューで確かめ、無ければ Professional 以上を検討する

よく詰まるところ

症状原因直し方
フォームを送ってもリードができない必須の姓や会社が空、入力規則に引っかかっている、name 属性が違うデバッグ用の行を有効にして送信し、届いたメールで原因を見る。入力規則が Web からの登録も止めていないか確かめる
会社名や問い合わせ内容が文字化けするフォームを置いたページの文字コードが UTF-8 でないページを UTF-8 にする。action の encoding=UTF-8 を消していないか確かめる
すべてのリードがデフォルトのリード所有者に入る割り当てルールが有効になっていない、条件の値が違うルールを有効にする。リードソースの隠し項目の値が API 参照名「Web」になっているか確かめる
受付メールが送信者に届かないテンプレートが使用可能になっていない、自動レスポンスルールが無効、送信者アドレスが未検証テンプレートを使用可能にする。ルールを有効にする。共有アドレスを検証する
Sandbox でテストすると受付メールが届かない新しい Sandbox の「送信」の設定が既定で「システムメールのみ」「設定」の「送信」でアクセス権を「すべてのメール」にしてからテストする
本番に移したらカスタム項目の値だけ入らないカスタム項目の name は項目IDで、Sandbox と本番で違う本番の組織でHTMLを作り直し、name を差し替える
キューのリードを引き取れない、キューが選べないメンバーになっていない、サポートされるオブジェクトにリードが無いキューを編集してメンバーとリードを足す
取引開始で状況を選べない、取引開始できない取引開始済みの印が付いた状況の値が無いリード状況のどれか1つに取引開始済みの印を付ける
取引開始しても商談にカスタム項目が入らないリード項目の対応付けをしていない、データ型が合わない「リードの項目の対応付け」で設定する。選択リストは対応付け先を値の制限なしにする
「取引の開始」ボタンが無い「取引の開始」権限が無い、またはページのボタンから外れている権限セットで権限を付ける。リードのページレイアウトのボタンを確かめる
スパムのリードが大量に入るreCAPTCHA 検証をオフにしている、HTMLに入れていない検証をオンにし、HTMLを作り直す
広告のリードがキャンペーンに入らないHTMLに Campaign_ID の隠し項目が無い、別のフォームから送られている広告用のページだけ、キャンペーンを入れて作ったHTMLに差し替える

次にやること

リードを受け止められるようになったら、営業管理全体の中での位置づけを「SFAとは。CRMとの違いと、Salesforceで営業管理を始める手順」で見直します。同じ人や同じ会社のリードが重なるのを止めるのは「Salesforceの重複ルールと一致ルール。取引先とリードの二重登録を防ぐ」、広告や展示会ごとにリードと商談の成果を追うのは「Salesforceのキャンペーンの使い方。展示会やセミナーの成果を商談まで追う」、受付メールの文面と差し込み項目は「Salesforceのメールテンプレートと一括メール。差し込み項目と送信の設定」で作ります。

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