GA4とGoogle広告を連携する:問い合わせを広告のコンバージョンにする

公開 更新 書いた人 大林 諒

Googleアナリティクス4(GA4)で体験申込を数えられるようになったら、次はその件数をGoogle広告に渡します。Google広告は渡された申込の件数を見て入札を調整するので、ここがつながっていないと、広告は「クリックが多い」方向へしか賢くなりません。やり方は、GA4のキーイベント(旧コンバージョン)をGoogle広告に読み込む方法と、Google広告のコンバージョンタグをサイトに別に入れる方法の2つがあり、数え方もアトリビューションも違います。ここでは、GA4とGoogle広告のリンク、自動タグ設定、2つの方法の比べ方、拡張コンバージョン、どちらを入札の目標にするかまでを、予約制の料理教室「サンプル料理教室」のサイト sample-cooking.example で体験申込をGoogle広告の目標にする流れで書きます。GA4とGoogleタグマネージャー(GTM)が入っていて、体験申込完了(/thanks/ の表示で送る generate_lead)がGA4のキーイベントになっている前提です(2026年10月時点)。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 2つの方法の比較
  3. リンクの手順と権限
  4. 自動タグ設定(gclid)
  5. GA4のキーイベントをGoogle広告に読み込む
  6. Google広告のコンバージョンタグを別に入れる
  7. 拡張コンバージョン
  8. どちらを入札の目標にするか
  9. サンプル料理教室の例
  10. 応用
  11. できないことと、その代わり
  12. よく詰まるところ
  13. 次にやること

先に決めること

リンクの画面を開く前に、4つ決めておきます。ここを決めずに設定を始めると、同じ申込が2回数えられたり、入札が電話タップに引っ張られたりして、数か月後にやり直しになります。

1つ目は、入札の目標にする申込を1つに絞ることです。サンプル料理教室なら体験申込の完了だけを目標にします。電話タップやLINEの友だち追加も大事な入口ですが、申込より件数が多く、質がばらつきます。全部を目標にすると、広告は数が稼ぎやすい電話タップを増やす方向へ寄っていきます。目標にしないものも、Google広告の中で数字として見ることはできます。

2つ目は、申込の数え方をGA4の読み込みにするか、Google広告のコンバージョンタグにするかです。両方を作ってもかまいませんが、入札に使う「メイン」はどちらか一方にします。両方をメインにすると、1件の申込が2件として数えられます。どちらを選ぶかはこのあとの比較表と「どちらを入札の目標にするか」で決めます。

3つ目は、作業する人の権限です。リンクにはGA4の「編集者」以上と、Google広告アカウントの管理者権限が両方要ります。広告を代理店に任せている場合、Google広告の管理者権限は代理店側にしかないことがよくあります。誰がどちらの画面を操作するかを先に決め、必要なら一時的に権限をもらいます。

4つ目は、申込の件数の正をどこに置くかです。件数そのものは、GA4でもGoogle広告でもなく、フォームの受信件数を正にします。GA4もGoogle広告も、広告から来て、タグが動いて、計測の条件を満たした分しか数えません。Google広告のコンバージョン数は「広告がどれだけ効いたか」を見る数字で、「申込が何件あったか」を数える数字ではありません。

2つの方法の比較

GA4のキーイベントを読み込む方法と、Google広告のコンバージョンタグを別に入れる方法を並べます。どちらもGoogle広告の管理画面では「コンバージョン アクション」として並び、入札にも使えます。違うのは、誰が数えて、どの広告に手柄を渡すかです。

項目GA4のキーイベントを読み込むGoogle広告のコンバージョンタグ
数える仕組みGA4が受け取ったキーイベントをGoogle広告へ渡すサイトのタグがGoogle広告へ直接送る
サイトの作業GA4のキーイベントがあれば追加のタグは不要GTMにコンバージョンタグを足す
手柄を渡す範囲GA4の「コンバージョン アトリビューション設定」に従う。Googleの有料チャネルだけか、自然検索なども含めるかを選べるGoogle広告の広告操作の中で分ける
アトリビューションモデルGoogle広告で選ぶ。既定はデータドリブンGoogle広告で選ぶ。既定はデータドリブン
ビュースルー表示されない計測できる
反映の速さGA4の処理を待ってから届くので遅いタグから直接届くので早い
GA4の数字との揃い方揃いやすい(同じイベントを数えている)揃わないのが普通
向く会社まず広告の成果を見たい・GTMを触る人がいない広告費を増やして入札を自動に任せる

アトリビューションの違いは、比べるときにいちばん効きます。GA4の読み込みで「有料チャネルとオーガニック チャネル」を選ぶと、広告をクリックしたあとに自然検索から戻って申し込んだ人の手柄は、自然検索に渡ることがあります。Google広告のタグはGoogle広告の広告操作の中で手柄を分けるので、同じ申込でもGoogle広告の数字はタグのほうが多く出がちです。GA4側の既定は、2023年6月以降に初めてリンクした場合「Google の有料チャネル」です。また、GA4から読み込んだコンバージョンで別の端末をまたいだ申込をGoogle広告に出すには、GA4でGoogleシグナルを有効にしておく必要があります。

反映の速さは、Google広告のレポートで昨日の申込がまだ出ていない、という形で現れます。公式ヘルプでは、GA4での発生からGoogle広告に取り込まれるまで最大24時間かかることがあるとされています。GA4から読み込んだコンバージョンはタグより遅れて入ります。月十数件の教室なら、締めの数字には響きません。入札の自動調整は直近のデータを使うので、件数が多い会社ほどこの遅れが効いてきます。

リンクの手順と権限

GA4とGoogle広告のリンクは、どちらの画面からでも作れます。GA4側から作るのがわかりやすいので、ここではGA4から作ります。

やることGA4で要る権限Google広告で要る権限
リンクを作る・外す編集者以上管理者
キーイベントを作る編集者以上不要
GA4の画面からコンバージョンを作るマーケティング担当者以上リンク済みであること
Google広告の画面から読み込む不要(リンク済みであること)管理者
自動タグ設定をオンにする不要管理者

GA4からリンクする

  1. GA4で左下の「管理」を開きます。
  2. 「サービス間のリンク設定」の「Google 広告のリンク」を開きます。
  3. 「リンク」を押します。
  4. 「Google 広告アカウントを選択」で、サンプル料理教室の広告アカウントにチェックを入れて「確認」を押します。
  5. 「次へ」を押します。次の画面で、「パーソナライズド広告を有効化」(初期状態でオン)を確かめます。
  6. 「自動タグ設定を有効にする」を開き、有効にするか、そのまま維持するかを選びます。
  7. 「次へ」を押し、設定を確かめて「送信」を押します。
GA4の「管理」→「Google 広告のリンク」で、リンク済みの広告アカウントが一覧に出ているところ
GA4の「管理」→「Google 広告のリンク」で、リンク済みの広告アカウントが一覧に出ているところ

リンクしたい広告アカウントが一覧に出ないときは、ほとんどがGoogle広告側の権限不足です。GA4にログインしているGoogleアカウントが、その広告アカウントの管理者になっているかを確かめます。代理店のクライアント センター(MCC)の下にあるアカウントの場合は、代理店の担当者にMCC側から操作してもらうのが早いです。

「パーソナライズド広告を有効化」は、GA4で作ったオーディエンスをGoogle広告のリマーケティングに使うかどうかの設定です。申込を数えるだけならどちらでも動きますが、体験レッスンのページを見て申し込まなかった人に広告を出すならオンにします。

リンクを確かめる

リンクができたかどうかは、GA4の「Google 広告のリンク」の一覧と、Google広告側のリンクの一覧の両方で確かめます。Google広告側では「ツール」の「データ マネージャー」を開き、「接続されたプロダクト」の「Google Analytics (GA4) & Firebase」にある「管理とリンク」で、リンクの一覧が表に出ます。片側にしか出ていないときは、リンクの作成が最後まで終わっていないかもしれないので、もう一度リンクの手順を見直します。

Google広告の「データ マネージャー」→「管理とリンク」で、リンクの一覧が出ているところ
Google広告の「データ マネージャー」→「管理とリンク」で、リンクの一覧が出ているところ

自動タグ設定(gclid)

自動タグ設定は、広告がクリックされたときに、移動先のURLに gclid(Google クリック ID)というパラメータを付ける機能です。sample-cooking.example/lesson/?gclid=… のような形でサイトに届き、GA4はこの値を見て「Google広告のどのキャンペーン・どの広告から来たか」を判定します。GA4のキーイベントを読み込む方法は、この自動タグ設定が有効なことが前提です。

  1. Google広告で「管理」アイコンを開きます。
  2. 「アカウント設定」を開きます。
  3. 「自動タグ設定」を開き、「ユーザーが広告クリック時にアクセスする URL にタグを設定する」にチェックを入れて保存します。

新しく作った広告アカウントは、自動タグ設定が最初から有効です。それでも、昔のアカウントや代理店から引き継いだアカウントではオフのことがあるので、リンクのついでに必ず見ます。

Google広告の「アカウント設定」→「自動タグ設定」で、チェックが入っているところ
Google広告の「アカウント設定」→「自動タグ設定」で、チェックが入っているところ

自動タグ設定を有効にしたあと、広告の移動先がエラーページになることがあります。URLに知らないパラメータが付くと止めてしまうサイトがあるためです。サンプル料理教室のサイトはWordPressなので普通は問題になりませんが、外部の予約システム reserve.example へ直接広告を出す場合は、予約システム側がパラメータを受け付けるかを、広告の最終ページURLを開いて確かめます。

自動タグ設定と、手で付けるUTMパラメータは、配信元ごとに使い分けられます。Google広告の広告は自動タグ設定に任せ、Meta広告・LINEの配信・チラシのQRコードにはUTMを付ける、という分け方にすると、GA4の参照元がきれいに分かれます。UTMの付け方は「UTMパラメータの付け方:広告・メール・LINE・QRコードのリンクを分ける」で書いています。

GA4のキーイベントをGoogle広告に読み込む

読み込みは、Google広告の画面からでも、GA4の画面からでもできます。結果は同じGoogle広告のコンバージョン アクションになりますが、GA4の画面から作ったものは「サブ」として作られます。入札に使うなら、作ったあとにGoogle広告で「メイン」に切り替えます。

GA4でキーイベントに印を付けた直後は、Google広告の読み込み画面にそのキーイベントがまだ出ないことがあります。出るまで24〜48時間かかることがあるので、キーイベントの設定は広告の設定より先に済ませておきます。キーイベントの作り方は「キーイベントの設定:問い合わせ完了をGA4で数える」で書いています。

Google広告の画面から読み込む

  1. Google広告で左の「目標」を開きます。
  2. 「コンバージョン」を開きます。
  3. 「+ 新しいコンバージョン アクション」を押します。
  4. コンバージョンの種類で「インポート」を選びます。
  5. 「Google アナリティクスのプロパティ」を選び、「ウェブ」を選びます。
  6. 「続行」を押します。
  7. 一覧から generate_lead にチェックを入れ、「インポートして続行」を押します。
  8. 「完了」を押します。
Google広告の「インポート」で、GA4のウェブ キーイベントの一覧から generate_lead にチェックを入れたところ
Google広告の「インポート」で、GA4のウェブ キーイベントの一覧から generate_lead にチェックを入れたところ

GA4の画面から作る

  1. GA4で「広告」を開きます。
  2. 「ツール」の「コンバージョン管理」を開きます。
  3. 「新しいコンバージョン」を押し、「次へ」を押します。
  4. コンバージョンを作るGoogle広告アカウントを選びます。
  5. generate_lead を選びます。キーイベントでないイベントを選ぶと、そのイベントはGA4でキーイベントとして印が付きます。
  6. コンバージョンのカテゴリを選びます。
  7. 「次へ」で内容を確かめ、「保存」を押します。

GA4の画面から作るときの権限はマーケティング担当者以上で、Google広告の管理者権限がない人でも作れます。ただし、目標のカテゴリと「アクションの最適化」(メインかサブか)はGA4の画面からは変えられません。ここはGoogle広告で変えます。GA4の画面で変えた設定は、Google広告の「変更履歴」にだけ残ります。

読み込んだあとに決める設定

読み込んだコンバージョン アクションを開くと、次の設定があります。サンプル料理教室で選ぶ値を右に書きます。

設定何を決めるかサンプル料理教室
名前レポートに出る名前GA4_体験申込
値1件の値。GA4の値を使うか、固定の値か、使わないか使わない(または体験1件の目安額)
カウント方法1回のクリックからの申込を「全件」で数えるか「初回のみ」で数えるか初回のみ
クリックスルー コンバージョンの計測期間クリックから何日以内の申込を広告の成果にするか既定のまま
アトリビューション手柄の分け方のモデルデータドリブン(既定)
アクションの最適化メイン(入札に使う)かサブ(見るだけ)か方法を決めてから選ぶ

カウント方法は、購入のように1人が何度も起こして意味があるものは全件、申込や問い合わせのように1人1回で十分なものは「初回のみ」にします。体験申込を2回送る人はたいてい入力の直しなので、「初回のみ」にします。

Google広告で読み込んだコンバージョン アクションの設定画面(カウント方法・計測期間・アトリビューション)
Google広告で読み込んだコンバージョン アクションの設定画面(カウント方法・計測期間・アトリビューション)

GA4側で手柄を渡す範囲を決める

GA4から読み込んだコンバージョンが、どのチャネルまで手柄を数えるかは、GA4の「広告」→「コンバージョン管理」→「コンバージョン アトリビューション設定」で決めます。「Google の有料チャネル」にすると、Google広告の操作があった申込を広告の成果として数えます。「有料チャネルとオーガニック チャネル」にすると、自然検索やSNSにも手柄が分かれ、Google広告に渡る件数は減ります。変更はその後の申込にだけ効き、過去の数字は変わりません。

広告の入札に使うなら「Google の有料チャネル」のままにします。自然検索のブログ記事からの申込が多いサイトで「有料チャネルとオーガニック チャネル」にすると、広告の数字が実態より少なく見え、入札が弱くなります。

Google広告のコンバージョンタグを別に入れる

もう1つの方法は、Google広告のコンバージョン アクションを「ウェブサイト」で作り、出てきたタグをGTMで /thanks/ に入れるやり方です。タグはGoogle広告へ直接送るので、GA4の処理を待ちません。入れ方の細かい手順は「GTMで広告のタグを入れる:Google広告のコンバージョンタグとMeta ピクセル」で書いているので、ここでは流れだけ押さえます。

  1. Google広告の「目標」→「コンバージョン」で「+ 新しいコンバージョン アクション」を押します。
  2. 種類で「ウェブサイト」を選び、sample-cooking.example を入れます。
  3. 申込の完了で数えるアクションを作り、コンバージョン IDとコンバージョン ラベルを控えます。
  4. GTMで「Google 広告のコンバージョン トラッキング」タグを作り、「コンバージョン ID」と「コンバージョン ラベル」を入れます。下に続く「コンバージョン値」「トランザクション ID」「通貨コード」は、体験申込に金額を付けないので空欄のままにします。
  5. トリガーは、GA4の generate_lead と同じ「/thanks/ の表示」にします。
  6. GTMのプレビューとTag Assistantで、/thanks/ でタグが配信されることを確かめてから公開します。
GTMの「Google 広告のコンバージョン トラッキング」タグに、コンバージョン IDとラベルを入れたところ
GTMの「Google 広告のコンバージョン トラッキング」タグに、コンバージョン IDとラベルを入れたところ

GA4の generate_lead とGoogle広告のタグを同じトリガーにしておくのが大事です。トリガーが違うと、2つの数字の差が「数え方の違い」なのか「数えている瞬間の違い」なのか切り分けられなくなります。

GTMでGoogle広告のタグを入れるときは、「コンバージョン リンカー」タグも、ほとんどの場合は「すべてのページ」トリガーで配信します(コンテナが全ページでGoogleタグを読み込んでいる場合は不要とされています)。広告クリックの情報をサイトのCookieに残しておくためのタグで、これがないと、レッスン紹介から料金、申込と進んだ人の申込を広告の成果に結び付けられないことがあります。

拡張コンバージョン

拡張コンバージョンは、申込フォームに入力されたメールアドレスや電話番号を、ハッシュ化してGoogle広告に送り、コンバージョンの計測を補う仕組みです。Cookieが使えなかった申込でも、Googleアカウントの情報と照らし合わせて、広告の成果として数えられる分が増えます。申込そのものの件数が増えるわけではなく、取りこぼしていた「広告から来た申込」が数えられるようになる、という機能です。

送れる情報と、送る前の扱いは決まっています。下の表は、Google Ads APIや手作業で自分でハッシュ化して送るときの決まりです。

情報自分で送るときの扱い
メールアドレス前後の空白を取り、小文字にしてSHA-256でハッシュ化。gmail.com・googlemail.com のときは、@の前のピリオドと「+」以降も取ってからハッシュ化
電話番号国番号付きのE.164形式(+81…)にしてSHA-256でハッシュ化
名・姓・番地SHA-256でハッシュ化
国・都道府県・市区町村・郵便番号ハッシュ化しない

ハッシュ化は一方向の変換で、Googleに届くのは元のメールアドレスではなく64文字の英数字です。Googleタグ(gtag.js)で送る場合は、ハッシュ化をタグが行うので、サイト側で計算したり、上の表の整形をしたりする必要はありません。

拡張コンバージョンを使うには、Google広告で拡張コンバージョンを有効にし、表示される確認(Google 広告データ処理規約の適用とGoogleのポリシーの順守)に「同意する」を選びます。実装のやり方は、Googleタグ、GTM、Google Ads APIの3つがあり、公式ではGoogleタグでの設定が勧められています。サンプル料理教室はGTMの中をこちらで触るので、GTMで設定します。

  1. Google広告の「目標」→「コンバージョン」→「設定」で、「拡張コンバージョン(ウェブ向け)」のパネルを開きます。
  2. 「拡張コンバージョンをオンにします」をオンにし、確認の内容を読んで「同意する」を選びます。
  3. 設定方法で「Google タグ マネージャー」を選び、「Google タグ マネージャーに移動」を押します。
  4. GTMでの設定方法は3つあります。自動収集は、「Google 広告ユーザー提供データイベント」タグをフォーム送信のトリガーで作るか、既存のイベントタグの自動収集を使います。手動は、フォームのメール欄・電話欄をCSSセレクタで拾う変数を作ります。コードは、カスタム JavaScript 変数で user_data を返します。
  5. 手動やコードの場合は、作った変数をタグのイベント パラメータ user_data に設定します。
  6. プレビューで体験申込を1件送り、タグにユーザー提供データが入っていることを確かめてから公開します。
Google広告の「目標」→「コンバージョン」→「設定」で、拡張コンバージョン(ウェブ向け)を有効にしたところ
Google広告の「目標」→「コンバージョン」→「設定」で、拡張コンバージョン(ウェブ向け)を有効にしたところ

サンプル料理教室のフォームは送信後に /thanks/ へ移るので、/thanks/ の時点ではフォームの入力欄がもう画面にありません。この形だと、入力欄から自動で拾う設定ではうまく取れないことがあります。フォームの送信時に入力値を dataLayer に入れておき、/thanks/ で読む形にするのが確実です。この部分はテーマとフォームプラグインに手が入るので、制作会社に頼みます。

この手順は、Google広告のコンバージョンタグに拡張コンバージョンを足すやり方です。サンプル料理教室はGoogle広告のタグをメインにしているので、このやり方にしています。

申込フォームに入力された個人情報を広告の計測に使うので、プライバシーポリシーに「広告の効果測定のため、入力された情報をハッシュ化して広告配信事業者に送ることがある」旨を書いておきます。文言は制作会社か、法務の相談先と決めます。

どちらを入札の目標にするか

ここからは公式の決まりではなく、実際に運用していての判断です。基準は、広告費の規模と、GTMを触る人がいるかの2つです。

状況メインにするものサブにするもの
広告費が月数万円で、まず広告の成果を見たいGA4から読み込んだ体験申込なし
GTMを触れる人がいて、入札を自動に任せるGoogle広告のタグの体験申込GA4から読み込んだ体験申込
拡張コンバージョンまで使うGoogle広告のタグの体験申込(拡張コンバージョンあり)GA4から読み込んだ体験申込
電話・LINEからの申込が多い申込の完了電話タップ・LINE追加

広告を始めたばかりで件数が少ないうちは、GA4から読み込む方法で十分です。GA4で見ている generate_lead とGoogle広告の数字が同じものを数えているので、代表に説明しやすく、ずれの理由を追いやすいからです。

広告費を増やして、入札を「コンバージョン数の最大化」のような自動の戦略に任せる段階になったら、Google広告のタグをメインに切り替えます。反映が早く、拡張コンバージョンで取りこぼしが減り、ビュースルーも数えられるので、入札の判断材料が増えます。GA4の読み込みはサブに残し、2つの数字の差を毎月見ます。差が急に開いたら、どちらかのタグが壊れた合図です。

どちらにしても、メインは1つです。入札に使うのは「メイン」のアクションだけで、Google広告の「コンバージョン」列にもメインだけが入ります。サブは入札に使われず、「すべてのコンバージョン」列で見られます。電話タップとLINE追加はサブにして「すべてのコンバージョン」で眺め、増えたか減ったかだけ見ます。

サンプル料理教室の例

サンプル料理教室では、体験レッスン向けにGoogle広告の検索広告を月5万円ほど出しています。最初の3か月はGA4の読み込みだけで運用し、件数が安定してからGoogle広告のタグを足しました。いまの設定は次のとおりです。

コンバージョン アクション数える仕組みメイン/サブカウント方法
体験申込(タグ)Google広告のタグ・/thanks/ ・拡張コンバージョンありメイン初回のみ
GA4_体験申込GA4の generate_lead を読み込みサブ初回のみ
GA4_電話タップGA4の電話タップのキーイベントを読み込みサブ初回のみ
GA4_LINE追加GA4のLINE追加のキーイベントを読み込みサブ初回のみ

ある月の数字を並べると、こうなりました。

数字件数何を数えているか
フォームの受信15体験申込のすべて(正)
GA4の generate_lead12タグが動いた申込すべて(広告以外も含む)
GA4で参照元がGoogle広告の generate_lead6GA4がGoogle広告から来たと判定した申込
Google広告「体験申込(タグ)」8Google広告の操作のあとの申込(広告の操作日で計上)
Google広告「GA4_体験申込」6GA4から読み込んだ分

フォームの15件と広告の8件が違うのは当然で、残りは自然検索・Instagram・LINE・チラシからの申込です。GA4の6件とGoogle広告のタグの8件の差は、Google広告がクリックした日で数え、拡張コンバージョンで取りこぼしを補っている分です。この2つの差が毎月1〜3件の範囲なら、どちらも正常に動いていると判断します。報告では、申込の総数はフォームの15件、広告経由はGoogle広告の8件と、出どころを書き分けて代表に渡します。

Google広告の「目標」→「コンバージョン」の一覧で、体験申込(タグ)がメイン、GA4から読み込んだ3つがサブになっているところ
Google広告の「目標」→「コンバージョン」の一覧で、体験申込(タグ)がメイン、GA4から読み込んだ3つがサブになっているところ

応用

GA4のオーディエンスを広告に使う

リンクの「パーソナライズド広告を有効化」をオンにしておくと、GA4で作ったオーディエンスをGoogle広告で使えます。サンプル料理教室では「料金ページを見たが体験申込をしていない人」をGA4で作り、Google広告のリマーケティングに使っています。オーディエンスはGA4で作った時点から人が溜まり始めるので、使う予定があるなら早めに作っておきます。

Google広告の費用をGA4で見る

リンクと自動タグ設定ができていれば、GA4の「広告」やトラフィック獲得のレポートで、Google広告のキャンペーンごとのクリックや費用を見られます。毎月の数字をデータポータル(Looker Studio)の1枚にまとめるときは、費用と申込の件数を同じ表に並べて、体験申込1件あたりの広告費を出します。

電話タップ・LINE追加を広告ごとに見る

電話タップとLINE追加はサブにしておき、Google広告の「すべてのコンバージョン」列で、キャンペーンや検索語句ごとに見ます。体験申込は少ないのに電話タップが多い検索語句があれば、その語句で来る人は電話で聞きたい人だとわかります。広告文に電話番号を出すかどうかの判断材料になります。

できないことと、その代わり

できないこと理由代わりの手
体験後の入会をタグで数える入会は教室で決まり、サイトの外で起きる入会した人の gclid やメールアドレスを使って、Google広告にオフラインのコンバージョンとして取り込む
予約システム reserve.example での予約を数える予約システムのタグを触れないことが多い予約システムが Google広告やGA4のタグを入れられるか、運営会社に確かめる。無理なら申込の完了で数える
電話で実際に話した件数を数える電話タップは「押した」までしかわからないGoogle広告の電話番号表示と通話の計測を使う。教室の電話の受付表と突き合わせる
GA4の読み込みでビュースルーを見るGA4から読み込んだコンバージョンでは表示されないビュースルーが要るならGoogle広告のタグを使う
過去の申込をさかのぼって広告の成果にする設定はその後のデータにしか効かない設定した日をメモし、比べるのはそれ以降の期間にする
Meta広告の成果をGoogle広告に入れるGoogle広告が数えるのはGoogle広告の操作だけMeta広告はMetaのピクセルで数え、GA4でUTM別に比べる

よく詰まるところ

症状原因直し方
申込が1件なのにGoogle広告で2件になるGA4の読み込みとGoogle広告のタグを両方メインにしているどちらか一方をメインにし、もう一方は「入札単価の最適化に使わないサブアクション」にする
GA4の読み込み画面にキーイベントが出ないキーイベントに印を付けたばかり、またはウェブ以外を開いている24〜48時間待つ。「Google アナリティクスのプロパティ」→「ウェブ」を選んでいるか確かめる
リンクの画面に広告アカウントが出ないGA4にログインしているGoogleアカウントが広告アカウントの管理者でないGoogle広告で管理者権限をもらう。MCCの下なら代理店にMCC側から操作してもらう
リンクが片方の画面にしか出ないリンクの申請が承認されていない両方の画面でリンクの状態を見て、承認待ちなら承認する
GA4でGoogle広告からの流入が「(not set)」や「(direct)」になる自動タグ設定がオフ、またはリダイレクトで gclid が消えている自動タグ設定をオンにする。最終ページURLを開き、着いたURLに gclid が残っているか確かめる
自動タグ設定をオンにしたら広告の移動先がエラーになるサイトや予約システムが知らないパラメータを受け付けない制作会社か運営会社にパラメータを通してもらう。直るまで移動先をWordPress側のページにする
Google広告の件数がGA4より多い計上日(広告の操作日)、アトリビューション、拡張コンバージョンの違い故障ではない。差が毎月同じくらいなら正常と見て、急に開いたときだけ調べる
昨日の申込がGoogle広告にまだ出ないGA4から読み込んだコンバージョンはGA4の処理を待つGA4での発生から取り込みまで最大24時間かかるとされているので、ひと晩待つ。急ぐならGoogle広告のタグを入れる
GA4から作ったコンバージョンで入札が動かないGA4の画面から作るとサブになるGoogle広告の「目標」→「コンバージョン」でアクションを開き、メインに切り替える
自然検索からの申込が多い月に広告の数字が減ったGA4のアトリビューション設定が「有料チャネルとオーガニック チャネル」入札に使うなら「Google の有料チャネル」に戻す。変更はその後の申込にだけ効く
拡張コンバージョンの診断で「データなし」と出る/thanks/ の時点でフォームの入力欄が画面にない送信時に dataLayer へ入れて、/thanks/ で読む形に直す
電話タップに入札が引っ張られる電話タップをメインにしている申込の完了だけをメインにし、電話タップはサブにする
Google広告の「目標」→「コンバージョン」で、アクションの「ステータス」列と「アクションの最適化」列が見えるところ
Google広告の「目標」→「コンバージョン」で、アクションの「ステータス」列と「アクションの最適化」列が見えるところ

数字が合わない理由をもっと広く知りたいときは、「ユーザー・セッション・イベント数の違い:GA4の数字が合わない理由」で、Google広告の数字との違いも含めて一覧にしています。

次にやること

GA4とGoogle広告がつながったら、次は数える仕組みと流入元の分け方を整えます。

  • キーイベントの設定:問い合わせ完了をGA4で数える
  • GTMで広告のタグを入れる:Google広告のコンバージョンタグとMeta ピクセル
  • UTMパラメータの付け方:広告・メール・LINE・QRコードのリンクを分ける
  • ユーザー・セッション・イベント数の違い:GA4の数字が合わない理由

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