データポータル(Looker Studio)の計算フィールド:CASE文・比率・日付の関数

公開 更新 書いた人 大林 諒

データポータル(Looker Studio)の計算フィールドは、元のデータにない項目を式で足す機能です。GA4のイベント名 generate_lead を「体験申込フォーム」と読める名前にする、広告費とクリックからクリック単価を出す、申込日と体験日から何日待たせたかを数える、といったことができます。この記事では、サンプル料理教室の代表が毎月見る1枚に計算フィールドを足していきます。使うデータは、GA4のデータソースと、スプレッドシート「サンプル料理教室_申込一覧」(列: 申込日・申込経路・レッスン種別・体験日・入会したか)と「サンプル料理教室_広告費」(列: 日付・媒体・キャンペーン・費用・クリック)です。データソースをつなぎ、グラフを置くところまでは済んでいる前提です。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 作る計算フィールドの一覧
  3. 作る手順
  4. よく使う関数を料理教室の例で
  5. 集計済みの指標と集計前の値を混ぜられないエラー
  6. 応用
  7. できないことと、その代わり
  8. よく詰まるところ
  9. 次にやること

先に決めること

計算フィールドは、どこに作るかで、あとから使える範囲が変わります。式を書き始める前に次の4つを決めます。

データソースに作るか、グラフに作るか

計算フィールドには、データソースに作るものと、1つのグラフの中だけに作るもの(グラフ固有の計算フィールド)の2種類があります。

項目データソースの計算フィールドグラフ固有の計算フィールド
作れる人データソースの編集者レポートの編集者
使える範囲そのデータソースを使うすべてのレポートとグラフ作ったグラフの中だけ
別の計算フィールドを式に入れるできるできない(グラフ固有どうしは参照できない)
統合したデータ(データを統合)使えない使える
前提データソースの編集権限データソースの「レポートのフィールド編集」がオン

サンプル料理教室では、毎月の1枚で何度も使うものはデータソースに、1つの表で試すだけの式と統合した表で使う式はグラフに作ります。迷ったらデータソースです。グラフ固有のものは、グラフが増えるたびに書き直すことになります。

ディメンションを作るのか、指標を作るのか

計算フィールドは、式の書き方で、グラフでの集計のされ方が変わります。

  • 1行ずつの値を変えるだけの式(例: イベント名を日本語にする、日付から曜日を出す)は、文字や日付の項目としてグラフに置きます。1行ずつの数値を出す式(例: 体験までの日数)は指標側に置くと、既定で合計(SUM)で集計されます
  • SUM() や COUNT() で集計する式、GA4の指標を割り算する式は、集計済みの指標になります

GA4のデータは、データポータルに届いた時点で集計が済んでいます。スプレッドシートのデータは1行ずつ届き、データポータルが集計します。同じ式でもGA4では通らずスプレッドシートでは通るものがあるのは、このためです。

名前の付け方

フィールド名はデータソースの中で重ならない名前にし、予約されているキーワードは使えません。サンプル料理教室では、代表が表の見出しで読んで分かる日本語にしています(「申込の種類」「集客の入口」「体験までの日数」)。

元のデータで直すか、計算フィールドで直すか

計算フィールドは表示を変えるだけで、GA4やスプレッドシートの中身は変わりません。直す場所の目安は次のとおりです。

  • スプレッドシートの表記ゆれ(「Instagram」「インスタ」が混ざる)は、入力の段階でプルダウンにして防ぐのが先です。過去の行は計算フィールドで揃えます
  • GA4のイベント名をGTM側で変えると、過去のデータは古い名前のまま残ります。読みやすくしたいだけなら、GTMは触らず計算フィールドで直します

作る計算フィールドの一覧

この記事でサンプル料理教室の1枚に足すものです。

名前種類作る場所データソース式の中心
申込の種類ディメンションデータソースGA4CASE(イベント名)
ボタンの場所ディメンションデータソースGA4CASE(link_location)
集客の入口ディメンションデータソースGA4CASE(チャネル・参照元・メディア)
入口のページ分類ディメンションデータソースGA4IF・REGEXP_EXTRACT
申込の件数率指標データソースGA4キーイベント ÷ セッション
体験の曜日ディメンションデータソース申込一覧WEEKDAY・CASE
体験までの日数数値(指標側に置く)データソース申込一覧DATETIME_DIFF
媒体の名前ディメンションデータソース広告費LOWER・CONTAINS_TEXT・CASE
クリック単価指標データソース広告費SUM ÷ SUM・ROUND
申込1件の広告費指標グラフGA4と広告費の統合費用 ÷ キーイベント

よく使う関数を分類ごとに並べます。関数はほかにもありますが、小さな会社の1枚で使うのはほぼこれだけです。

分類関数書き方料理教室での使い道
条件CASECASE WHEN 条件 THEN 値 ELSE 値 ENDイベント名を日本語にする
条件IFIF(条件, 真のとき, 偽のとき)ブログから来たかどうかで2つに分ける
条件IFNULLIFNULL(式, 空のときの値)取り出せなかった値を「トップ」にする
算術ROUNDROUND(式, 桁数)クリック単価を円単位にする
日付DATETIME_DIFFDATETIME_DIFF(後の日付, 前の日付, DAY)申込から体験までの日数
日付WEEKDAYWEEKDAY(日付)体験日の曜日(日曜が0)
文字CONCATCONCAT(X, "・", Y)申込の種類とボタンの場所をつなぐ
文字LOWER・TRIMLOWER(X)・TRIM(X)大文字小文字と前後の空白を揃える
文字CONTAINS_TEXTCONTAINS_TEXT(X, "文字")媒体名に「google」が入っているか
文字REGEXP_EXTRACTREGEXP_EXTRACT(X, "正規表現")URLの最初の階層を取り出す

作る手順

データソースに計算フィールドを作る

  1. レポートの編集画面で、メニューの「リソース」→「追加済みのデータソースの管理」を開く
  2. GA4のデータソース(例: 「GA4_サンプル料理教室」)の「編集」をクリックする
  3. 「フィールドを追加」をクリックし、「計算フィールドを追加」を選ぶ
  4. 「フィールド名」に「申込の種類」と入れる
  5. 「数式」に式を入れる(式は次の節)
  6. 右下の「保存」をクリックする
  7. 「すべてのフィールド」をクリックして、フィールドの一覧に戻る
  8. 「完了」をクリックして、データソースの管理を閉じる
データソースの編集画面で「フィールドを追加」から「計算フィールドを追加」を選んだところ
データソースの編集画面で「フィールドを追加」から「計算フィールドを追加」を選んだところ

数式の欄では、フィールド名や関数名を数文字入れると候補が出ます。候補から選ぶと、全角と半角のスペースの違いのような打ち間違いが起きません。左の「使用可能なフィールド」から数式へドラッグしても入ります。正しいフィールド名は緑か青、正しい関数名は緑の大文字で表示され、式に誤りがあると警告が出て保存できません。

保存した後、フィールドの一覧で「タイプ」と「集計方法」を確かめます。率の指標はタイプを「パーセント」にすると「12.5%」の形で出ます。金額は「通貨」にすると円の記号が付きます。通貨にしても数字が換算されるわけではなく、記号が付くだけです。

計算フィールドの数式の欄に CASE 文を入れ、フィールド名が色付きで表示されているところ
計算フィールドの数式の欄に CASE 文を入れ、フィールド名が色付きで表示されているところ

グラフに計算フィールドを作る

  1. 計算フィールドを使いたいグラフを選ぶ
  2. 右側のプロパティ パネルの「設定」タブで、「+ ディメンションを追加」か「+ 指標を追加」をクリックする
  3. 「+ フィールドを追加」をクリックする
  4. 名前と数式を入れる
  5. 「適用」をクリックする
表の「設定」タブで「+ 指標を追加」から「+ フィールドを追加」を開いたところ
表の「設定」タブで「+ 指標を追加」から「+ フィールドを追加」を開いたところ

「+ フィールドを追加」が出ないときは、データソースの「レポートのフィールド編集」がオフになっています。データソースの画面のヘッダーにある設定で、新しく作ったデータソースでは初めからオンです。この設定が使えるのは再利用可能なデータソースだけで、レポートの中で作った埋め込みデータソースなら、編集者はいつでもフィールドを変えられます。

グラフ固有の計算フィールドはほかのグラフから選べず、グラフごとコピーしたときだけ付いてきます。2つ以上のグラフで使うと分かった時点で、データソースに作り直します。

直す・消す

データソースの計算フィールドは、フィールド名の横の「fx」をクリックすると式を直せます。グラフ固有のものは、「設定」タブでフィールドにカーソルを合わせ、「fx」をクリックします。

消すときは、データソースの編集画面でフィールドの横の「その他」から「削除」を選びます。削除した計算フィールドは戻せず、同じデータソースを使うほかのレポートのグラフやフィルタもエラーになります。「非表示」でもエラーになる範囲は同じで、再利用可能なデータソースなら全部のレポートに効きます。ただし非表示は、「表示」に戻せば元に戻ります。サンプル料理教室では、計算フィールドの名前と式を申込一覧のスプレッドシートの別シートに控え、消してしまったら貼り直して戻しています。

式の書き方の決まり

  • 文字は "体験申込フォーム" のように引用符で囲む(一重でも二重でもよい)
  • = は値が等しいかを調べる。「Instagram」と「instagram」のような表記ゆれがあるときは、先に LOWER や TRIM で揃える
  • 正規表現の特殊文字は、バックスラッシュを2つ重ねてエスケープする(例: "\\.")
  • CASE の WHEN は上から順に見られ、最初に当てはまった THEN が返る。細かい条件ほど上に書く
  • CASE の THEN は、すべて同じ型(全部文字、全部数字)にする
  • ELSE を書かないと、どの WHEN にも当てはまらない行は null(空)になる

よく使う関数を料理教室の例で

CASE:イベント名を日本語にする

GA4のイベント名は、GTMで付けた英語のまま届きます。サンプル料理教室で毎月の1枚に出てくるのは、キーイベントの generate_lead(体験申込完了)・tel_tap(電話タップ)・line_add(LINE追加)と、キーイベントにしていない reserve_click(予約システム reserve.example へのリンク)・instagram_click・form_start(申込フォームの入力開始)です。

GA4のデータソースに「申込の種類」を作ります。

CASE
  WHEN イベント名 = "generate_lead" THEN "1 体験申込フォーム"
  WHEN イベント名 = "tel_tap" THEN "2 電話タップ"
  WHEN イベント名 = "line_add" THEN "3 LINE友だち追加"
  WHEN イベント名 = "reserve_click" THEN "4 予約システムへ移動"
  WHEN イベント名 = "instagram_click" THEN "5 Instagramへ移動"
  WHEN イベント名 = "form_start" THEN "6 申込フォームの入力開始"
  WHEN イベント名 IN ("page_view", "session_start", "first_visit", "user_engagement", "scroll") THEN "自動で取れる閲覧系"
  ELSE イベント名
END

書き方で決めていることが3つあります。

  • 頭に番号を付けています。この項目で昇順に並べると、毎月同じ順番(申込に近いものが上)で並びます
  • ELSE で元のイベント名を返しています。後からGTMでイベントを足したとき、英語のまま表に出るので、式への足し忘れに気づけます
  • GA4が自動で取るイベントは IN でまとめています。括弧の中の値のどれかに一致すれば当てはまります

この項目と「キーイベント」の表でキーイベントが0より大きい行に絞ると、申込の3行になります。指標を「イベント数」にすると、申込の手前の動きも並びます。

「申込の種類」をディメンションにした表で、番号順に日本語のイベント名が並んでいるところ
「申込の種類」をディメンションにした表で、番号順に日本語のイベント名が並んでいるところ

CASE と CONCAT:どのボタンかを足す

電話タップとLINE追加に、どこのボタンかを入れるパラメータ link_location(値は header・footer・lesson_page・fixed_bottom)を付け、GA4でカスタムディメンションに登録していれば、データソースにもその名前で並びます。まず値を日本語にした「ボタンの場所」を作ります。

CASE link_location
  WHEN "header" THEN "ヘッダー"
  WHEN "footer" THEN "フッター"
  WHEN "lesson_page" THEN "レッスン紹介の本文"
  WHEN "fixed_bottom" THEN "スマホの画面下に固定"
  ELSE "場所なし"
END

体験申込フォームの送信には link_location を付けていないので、値は「(not set)」になり、ELSE で「場所なし」に入ります。

このように比べる相手が1つのフィールドだけなら、CASE 項目 WHEN 値 THEN … の短い形で書けます。次に、2つの計算フィールドをつないだ「申込とボタン」を作ります。データソースの計算フィールドは、ほかの計算フィールドを式に入れられます。

CONCAT(申込の種類, "・", ボタンの場所)

「2 電話タップ・スマホの画面下に固定」のような1行ができ、表のディメンションを1つにしたまま、どの申込がどこのボタンから来たかが読めます。CONCAT には集計した値(指標)は入れられません。

CASE と LOWER:チャネルを教室の呼び方にまとめる

「セッションのデフォルト チャネル グループ」は「Organic Search」「Paid Social」のように英語で、LINEの配信やチラシは、URLに付けたutmパラメータしだいで別のチャネルに入ります(「Referral」や「Unassigned」になることが多いので、実際の行き先は自分のレポートで確かめます)。サンプル料理教室では、LINE配信のURLに utm_source=line&utm_medium=message、チラシのQRコードに utm_source=flyer&utm_medium=qr を付けています。これを使って「集客の入口」を作ります。

CASE
  WHEN LOWER(セッション参照元) = "line" THEN "LINE配信"
  WHEN LOWER(セッション メディア) = "qr" THEN "チラシのQRコード"
  WHEN セッションのデフォルト チャネル グループ = "Paid Search" THEN "Google広告"
  WHEN セッションのデフォルト チャネル グループ IN ("Paid Social", "Paid Other") THEN "Meta広告"
  WHEN セッションのデフォルト チャネル グループ = "Organic Search" THEN "Google検索"
  WHEN セッションのデフォルト チャネル グループ = "Organic Social" THEN "Instagram"
  WHEN セッションのデフォルト チャネル グループ = "Direct" THEN "直接"
  ELSE "その他"
END

LINEとチラシを一番上に置くのは、WHEN が上から順に見られるからです。チャネルの条件を先に書くと、LINEの配信が別の行に入ります。LOWER で小文字にしているのは、手で付けたutmパラメータが大文字と小文字を区別して記録されるからで、スタッフが「LINE」「Line」と書き分けても同じ行に集まります。

「集客の入口」をディメンションにした表で、LINE配信・チラシ・Google広告が分かれているところ
「集客の入口」をディメンションにした表で、LINE配信・チラシ・Google広告が分かれているところ

IF・REGEXP_EXTRACT・IFNULL:入口のページを分類する

ランディング ページのディメンションはページのパス(/blog/recipe-1/ など)で届くので、ブログ記事が1本ずつ別の行になります。毎月の1枚では、まず「ブログから入ったかどうか」だけ分かれば足ります。

IF(CONTAINS_TEXT(ランディング ページ, "/blog/"), "ブログ", "ブログ以外")

もう少し細かく、パスの最初の階層(blog・lesson・price など)で分けるなら、REGEXP_EXTRACT で取り出します。トップページ「/」は最初の階層が無いので、一致せず空になる想定です(空の返り方はヘルプに記載がないので、画面で確かめます)。そこを IFNULL で「トップ」にした「入口のページ分類」がこれです。

IFNULL(REGEXP_EXTRACT(ランディング ページ, "^/([^/]+)/"), "トップ")

REGEXP_EXTRACT は、括弧で囲んだ部分に最初に一致した文字を返します。「blog」「lesson」「price」「access」「thanks」が並ぶので、必要なら CASE で「ブログ」「レッスン紹介」と日本語にします。

比率:申込の件数率とクリック単価

GA4のデータソースで、セッションあたりの申込の件数を出す「申込の件数率」を作ります。

キーイベント / セッション

タイプを「パーセント」にします。GA4の指標どうしの割り算で、集計は自動になります。表のどの行でも「その行のキーイベント合計 ÷ その行のセッション合計」になります。

GA4にもとからある「セッション キーイベント率」は「キーイベントが発生したセッションの割合」で、1回の訪問で電話タップとLINE追加があっても1と数えます。自作のほうは件数で割るので2です。1枚の中ではどちらか片方だけにします。

スプレッドシートの「サンプル料理教室_広告費」では、1行ずつの値が届くので、集計を自分で書きます。

ROUND(SUM(費用) / SUM(クリック), 0)

これで「クリック単価」が円単位で出ます。行ごとに 費用 / クリック を作ってから平均すると、クリックが3回しかない日の単価と300回ある日の単価が同じ重さで平均され、実際より高く出ます。率と単価は必ず「合計 ÷ 合計」で作ります。

申込一覧の「入会率」も同じ考え方で、SUM(CASE WHEN 入会したか = "入会" THEN 1 ELSE 0 END) / COUNT(申込日) のように、件数を合計してから割ります。

日付の関数:曜日・待ち日数・月

申込一覧の「体験日」から、体験レッスンが何曜日に入っているかを出します。WEEKDAY は日曜日を0、土曜日を6として返すので、CASE で曜日の名前にします。

CASE WEEKDAY(体験日)
  WHEN 0 THEN "7 日"
  WHEN 1 THEN "1 月"
  WHEN 2 THEN "2 火"
  WHEN 3 THEN "3 水"
  WHEN 4 THEN "4 木"
  WHEN 5 THEN "5 金"
  WHEN 6 THEN "6 土"
END

番号を月曜始まりにしているのは、表を昇順に並べたときに日曜が最後に来るようにするためです。平日夜と土日のどちらに体験が集まっているかが、1つの表で分かります。GA4のデータには「曜日」(0〜6の数字)と「曜日の名前」(英語の Sunday など)がもとからあるので、GA4側では計算フィールドは要りません。

申込から体験までの日数は DATETIME_DIFF で出します。1つ目に後の日付(体験日)、2つ目に前の日付(申込日)を入れます。順番を逆にすると、マイナスの日数になります。

DATETIME_DIFF(体験日, 申込日, DAY)

これをグラフの指標に入れて集計方法を「平均」にします(選べるかはヘルプに記載がないので、画面で確かめます)。代表が知りたいのは「待たせすぎた人が何人いたか」なので、区分にした「待ち日数の区分」も作ります。

CASE
  WHEN 体験までの日数 <= 3 THEN "1 3日以内"
  WHEN 体験までの日数 <= 7 THEN "2 4〜7日"
  WHEN 体験までの日数 <= 14 THEN "3 8〜14日"
  WHEN 体験までの日数 > 14 THEN "4 15日以上"
  ELSE "5 体験日が未定"
END

体験日が空欄の行は日数が null になり、どの WHEN にも当てはまらず ELSE に入ります。実際に運用していると、待ち日数が8日を超えた申込は体験に来ない割合が上がるので、この区分を入会率と並べて置くと、受付の段取りを直すきっかけになります。

月ごとにまとめるだけなら、日付の粒度を「年、月」にすれば足ります。月を文字としてつなぎたいときだけ、FORMAT_DATETIME("%Y-%m", 申込日) で「2026-10」のような文字にします。書式は BigQuery の書式要素に従います(DATETIME_TRUNC(申込日, MONTH) なら月の1日の日付になります)。

日付の関数が動かないときは、まず列のタイプを見ます。タイプが「テキスト」なら、データソースの画面で「日付」に変えます。古いデータソースに残る「互換モード」の日付では DATETIME_DIFF・DATETIME_TRUNC・FORMAT_DATETIME が使えないので、これも新しい「日付」に変えます。

文字の関数:媒体名の表記ゆれを揃える

「サンプル料理教室_広告費」は、Google広告とMeta広告の管理画面から数字を手で貼っています。担当が替わるたびに「Google広告」「google 広告」「Meta」「Instagram広告」と書き方が揺れます。「媒体の名前」で揃えます。

CASE
  WHEN CONTAINS_TEXT(LOWER(媒体), "google") THEN "Google広告"
  WHEN REGEXP_CONTAINS(LOWER(媒体), "meta|instagram|facebook") THEN "Meta広告"
  ELSE TRIM(媒体)
END

CONTAINS_TEXT は大文字と小文字を区別するので、LOWER で小文字にしてから探します。ELSE の TRIM は、前後に入った空白を消して、見た目は同じなのに別の行になるのを防ぎます。

キャンペーン名「体験_2026秋_検索」の頭を消すなら、REGEXP_REPLACE(キャンペーン, "^体験_", "") で「2026秋_検索」になります。

「媒体の名前」で揃えた後、広告費の表が Google広告 と Meta広告 の2行になったところ
「媒体の名前」で揃えた後、広告費の表が Google広告 と Meta広告 の2行になったところ

集計済みの指標と集計前の値を混ぜられないエラー

計算フィールドで最も多いつまずきがこれです。数式の中に、集計前の値(ディメンション)と集計済みの値(指標)を一緒に入れることはできません。

サンプル料理教室でよく起きるのは、「体験申込フォームのキーイベントだけを指標にしたい」と考えて、次の式を書いたときです。

CASE WHEN イベント名 = "generate_lead" THEN キーイベント ELSE 0 END

イベント名は1行ずつの値(ディメンション)、キーイベントはGA4で集計済みの数(指標)なので、保存できません。出るエラーと意味は次のとおりです。

出るエラー何が起きているか直し方
「式には指標またはディメンションを指定できますが、両方は指定できません。」ディメンションと指標を同じ式に入れた上の例なら式をやめ、グラフのフィルタで「イベント名」を generate_lead に絞る
「再集計の指標はサポートされていません。」GA4のセッションのような集計済みの指標を SUM() で集計し直そうとしたSUM(セッション) ではなく セッション のまま使う
「この式に指標の式と集計値は一緒に使用できません。」グラフ固有のディメンションとして作るべき式を、指標として作ったディメンションか指標か、作り直す側を決め直す
「リクエストに含まれる比率指標を集計できませんでした。別の指標を選択してください。」率の指標を置いたグラフに、計算フィールドを条件にしたフィルタをかけた率ではない指標に変える。フィルタを計算フィールドではなく元のフィールドにかける

スプレッドシートでは、同じ形の式が通ります。

SUM(CASE WHEN 媒体の名前 = "Google広告" THEN 費用 ELSE 0 END)

スプレッドシートの「費用」は集計前の数字で、行ごとに振り分けてから SUM しているからです。GA4ではフィルタか、次の節のスコアカードの統合を使います。

GA4のデータソースでは、計算フィールドを条件にしたフィルタをかけた表は、集計行(合計の行)が null になります。サンプル料理教室では、合計は表の集計行に頼らず、同じ条件のスコアカードを表の上に置いて出しています。

応用

絞り込んだ指標どうしで率を出す(スコアカードの統合)

「体験申込フォームの件数 ÷ セッション」のように、片方だけをイベント名で絞った率は、GA4のデータソースの計算フィールドでは作れません。スコアカードを2つ作って統合します。

  1. スコアカードを置き、名前を「セッション」、指標を「セッション」にする
  2. もう1つスコアカードを置き、名前を「体験申込」、指標を「キーイベント」にし、フィルタで「イベント名」が generate_lead に等しい行だけを含める
  3. 「セッション」「体験申込」の順にスコアカードを選ぶ
  4. 右クリックして「データを統合」を選ぶ
  5. 新しくできたスコアカードの指標を開き、式が「体験申込 ÷ セッション」になっているか確かめ、タイプを「パーセント」にする
2つのスコアカードを選んで右クリックし「データを統合」を選んだところ
2つのスコアカードを選んで右クリックし「データを統合」を選んだところ

広告費と申込を1つの式で割る(統合データとグラフ固有の計算フィールド)

申込1件あたりの広告費は、GA4のキーイベントとスプレッドシートの費用という、別のデータソースの値の割り算です。データソースの計算フィールドは統合したデータを扱えないので、GA4と広告費を日付と媒体で統合した表の中に、グラフ固有の計算フィールド「申込1件の広告費」(式は 費用 / キーイベント)を作ります。つなぎ目の値は、GA4側の「集客の入口」と広告費側の「媒体の名前」がどちらも「Google広告」「Meta広告」になるよう、計算フィールドで揃えてからつなぎます。形が違うと数字が黙ってずれます。

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
GA4の集計済みの指標を、1回のイベントごとに計算し直すGA4のデータをBigQueryに書き出し、SQLで1行ずつ計算する
計算フィールドでGA4やスプレッドシートの中身を直す計算フィールドは表示だけ。今後の分は、GTMのイベント名やスプレッドシートの入力欄を直す
グラフ固有の計算フィールドを別のグラフで選ぶデータソースに作り直す。急ぐならグラフごとコピーする
データソースの計算フィールドで、統合したデータを使う統合した表の中にグラフ固有の計算フィールドを作る
GA4の表で、計算フィールドでフィルタした行の合計を集計行に出す同じフィルタのスコアカードを別に置く
前月や前年の値を式の中で参照するスコアカードと表の「比較期間」を使う

よく詰まるところ

症状原因直し方
保存できず「フィールド名が無効です。」と出るフィールド名の打ち間違い。全角と半角のスペースの違いが多い(「ランディング ページ」など)数式の欄で数文字打って候補から選ぶ
CASE で全部が ELSE の値か空になる比べている値が実際の値と違う(大文字小文字・前後の空白・(not set))元のフィールドだけの表を作って実際の値を見る。LOWER と TRIM で揃える
LINE配信が「その他」に入るチャネルの条件を LINE の条件より上に書いた細かい条件(参照元・メディア)を CASE の上に移す
REGEXP_MATCH で /blog/ のページが当てはまらないREGEXP_MATCH は値全体が一致したときだけ真になる".*/blog/.*" と書くか、CONTAINS_TEXT か REGEXP_CONTAINS を使う
「再集計の指標はサポートされていません。」と出るGA4の指標に SUM などをかけた集計関数を外して指標のまま使う
「式には指標またはディメンションを指定できますが、両方は指定できません。」と出るイベント名とキーイベントのように、ディメンションと指標を同じ式に入れたグラフのフィルタで絞る。率が要るならスコアカードの統合
率のグラフが「構成エラー」で壊れる率の指標を置いたグラフに、計算フィールドのフィルタをかけた元のフィールドでフィルタするか、率ではない指標にする
GA4の表の合計行が null になる計算フィールドを条件にしたフィルタをかけている合計は同じ条件のスコアカードで出す
日付の関数で「引数のタイプが一致していない。」と出る日付の列のタイプがテキスト、または互換モードの日付データソースで列のタイプを「日付」にする
体験までの日数がマイナスになるDATETIME_DIFF の日付の順番が逆1つ目に後の日付(体験日)、2つ目に前の日付(申込日)
クリック単価が管理画面より高い行ごとの単価を平均しているSUM(費用) / SUM(クリック) で作り直す
グラフに「+ フィールドを追加」が出ないデータソースの「レポートのフィールド編集」がオフ、またはデータソースの編集権限が無いデータソースのヘッダーで設定をオンにする。権限のある人に頼む

次にやること

「ボタンの場所」の元になる link_location は、GTMでパラメータを付け、GA4でカスタムディメンションに登録して初めてデータポータルに出ます。まだなら「イベントパラメータとカスタムディメンション:どのボタンが押されたかを分ける」から設定します。申込一覧と広告費のスプレッドシートの列の作り方、日付の列をデータポータルが日付として読む形にする方法、貼った数字がいつ反映されるかは「スプレッドシートをデータポータル(Looker Studio)につなぐ:表の作り方と、数字が更新されるタイミング」に書いています。作った「申込の種類」「集客の入口」「待ち日数の区分」を1枚のどこに置くかは、「データポータル(Looker Studio)のグラフとダッシュボード:1枚に何をどこへ置くか」で決めます。

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