ユーザー・セッション・イベント数の違い:GA4の数字が合わない理由

公開 更新 書いた人 大林 諒

Googleアナリティクス4(GA4)を開くと、「ユーザー」「セッション」「表示回数」「イベント数」「キーイベント」と似た数字が並び、しかもどれもSearch Consoleや広告管理画面、フォームの受信件数と合いません。合わないこと自体はほとんどの場合故障ではなく、数えている対象とタイミングが違うだけです。ここでは、GA4の主な指標が何を数えているかを公式の定義どおりに整理し、ほかの数字と合わない理由を一覧にしたうえで、毎月の報告でどの数字を正とするかを決めます。例は予約制の小さな料理教室「サンプル料理教室」のサイト sample-cooking.example で、体験申込がGA4では12件、フォームの受信では15件だった月を扱います。GA4とGoogleタグマネージャー(GTM)が入っていて、体験申込完了がキーイベントになっている前提で書きます(2026年10月時点)。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 指標の定義
  3. 数字が合わない理由の一覧
  4. Search Consoleと合わない
  5. 広告管理画面と合わない
  6. フォームの受信件数と合わない
  7. どちらを正とするか
  8. サンプル料理教室の例:GA4で12件、フォームで15件
  9. UAとの数え方の違い
  10. 応用
  11. できないことと、その代わり
  12. よく詰まるところ
  13. 次にやること

先に決めること

数字を見比べる前に、3つ決めておきます。ここが曖昧なまま「どれが本当の数字か」を探し始めると、毎月同じところで止まります。

1つ目は、件数の正をどこに置くかです。問い合わせ・申込の件数は、GA4ではなくフォームの受信(管理画面やメール)を正にします。GA4は、ブラウザでタグが動いた分しか数えられないからです。GA4に任せるのは「どこから来たか」「どのページを通ったか」の割合のほうです。

2つ目は、比べる期間です。GA4の日別データは処理に時間がかかり、確定前は数字が動きます。前月の数字を締めるのは月が替わって数日たってからにし、ほかの数字と突き合わせるときも、同じ日付の区切り(日本時間の0時から24時)で比べます。

3つ目は、「ユーザー数」と言ったときにどの指標を指すかです。GA4にはユーザーの数え方が3つあり、レポートの「ユーザー」は多くの場合アクティブユーザーです。社内で「先月のユーザー数」と言うならどれのことか、最初に決めておきます。

指標の定義

GA4の主な指標を、公式ヘルプとデータAPIの説明に沿ってまとめます。定義の言い回しは公式の文言を短くしたものです。

指標何を数えるか(公式の定義)小さな会社での使い道
合計ユーザー数(総ユーザー)期間中に少なくとも1つのイベントを記録した個別のユーザーの数ほぼ見なくていい
アクティブユーザー数期間中にサイトを利用したユーザーの数。エンゲージメントのあったセッションがあるか、first_visit や engagement_time_msec が記録されたユーザー「先月何人来たか」はこれで言う
新規ユーザー数初めてサイトにアクセスしたユーザーの数(first_visit が記録された数)チラシ・広告を出した月の伸びを見る
セッションサイトで開始されたセッションの数(session_start の数)流入元ごとの比較の分母
エンゲージのあったセッション数10秒を超えて続いた、キーイベントが起きた、またはページが2回以上表示されたセッションの数「ちゃんと見た訪問」の数
表示回数ユーザーが見たウェブページやアプリの画面の数ページごとの人気を見る
イベント数ユーザーがイベントをトリガーした回数単体では見ない
キーイベントユーザーがキーイベントをトリガーした回数申込・電話タップ・LINE追加の目安
「レポート」→「レポートのスナップショット」で、ユーザー・新規ユーザー・セッション等の指標カードが並んだところ
「レポート」→「レポートのスナップショット」で、ユーザー・新規ユーザー・セッション等の指標カードが並んだところ

ユーザーが3種類ある理由

合計ユーザー数は「1回でも何かのイベントが届いた人」をすべて数えます。アクティブユーザー数はそのうち「実際に利用した」と判定された人だけです。新規ユーザー数は初回訪問の first_visit が記録された人です。GA4のレポートで単に「ユーザー」と表示されている列は、多くがアクティブユーザー数です。

新規ユーザー数がアクティブユーザー数より多く出ることがあり、公式ヘルプにもそう書かれています。数え方が別の物差しなので、足し引きして「新規+リピーター=ユーザー」とはなりません。リピーター(過去に1回以上セッションを始めた人)も別に数えられていて、合計がぴったり合わないのは仕様です。

ここでいう「ユーザー」は人ではなく、ブラウザに入ったCookie(デバイスごとの識別子)です。同じ人がスマホとパソコンで見れば2人、Cookieを消して来れば新規ユーザーとしてもう1人になります。料理教室の生徒の数とGA4のユーザー数を比べても意味がないのはこのためです。

セッションと「エンゲージのあったセッション」

セッションは、ページを開いてから操作が30分途切れるまでのひとまとまりです。30分以内に戻ってくれば同じセッションが続き、30分を超えると次の操作で新しいセッションが始まります。セッションの長さに上限はありません。30分という区切りは、「管理」→「データストリーム」→ウェブストリーム→「タグ設定を行う」→「セッションのタイムアウトを調整する」で変えられます(最大7時間55分)。料理教室のサイトで変える理由はまずないので、既定のままにします。

エンゲージのあったセッションは、10秒を超えて続いたか、キーイベントが起きたか、ページが2回以上表示されたセッションです。ブログのレシピを開いて5秒で閉じた訪問は数えません。この「10秒」も同じ画面で調整できますが、これも既定のままで困りません。

イベント数とキーイベント数

イベント数は、サイトで記録されたイベントをすべて足した回数です。GA4ではページを開くこと自体が page_view というイベントで、ほかにも自動で多くのイベントが記録されます。1回の訪問でどれだけイベントが記録されるかを、サンプル料理教室のブログ記事から体験申込まで進んだ訪問で見るとこうなります。

操作記録されるイベントイベント数
検索からレシピ記事を開くfirst_visit・session_start・page_view3
記事を下までスクロールscroll1
レッスン紹介ページへ移るpage_view1
体験申込フォームに入力して送信page_view(フォーム)・form_start・page_view(/thanks/)・generate_lead4
ページを離れるuser_engagement1

この訪問1回で、イベント数はおよそ10になります。scroll や form_start は「拡張計測機能」の設定によって記録されたりされなかったりし、user_engagement も記録のされ方がブラウザの状況で変わるので、同じ操作でも数はぶれます。イベント数の合計は「サイトがどれだけ動いたか」の目安にはなりますが、何人来たか・何件申込があったかの答えにはなりません。イベント数を見るなら、「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」で、イベント名ごとに分けて見ます。

キーイベントは、イベントのうちキーイベント(旧コンバージョン)として印を付けたものの回数です。サンプル料理教室では体験申込完了の generate_lead、電話タップの tel_click、LINE追加の line_click の3つを数えています(画面の例のキーイベント一覧には、設定を試したときの phone_tap と purchase も並んでいます)。キーイベントのカウント方法は既定で「イベントごとに 1 回」で、1回のセッションで5回起きれば5件と数えます。サンクスページを再読み込みすると、同じ人の申込が2件になることがあるのはこのためです。

「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」で、イベント名ごとのイベント数とキーイベントが並んだ表
「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」で、イベント名ごとのイベント数とキーイベントが並んだ表

数字が合わない理由の一覧

GA4の数字がほかの数字と合わない理由を、数える対象・タイミング・ブラウザ側・GA4側の処理に分けて並べます。1つの差に複数の理由が重なっていることがほとんどです。

理由何が起きるかGA4が少なく出るか多く出るか
数える対象が違うSearch Consoleはクリック、広告管理画面は広告のクリックやコンバージョン、GA4はセッションやイベントを数えるどちらにも振れる
計上する日が違うGoogle広告は広告のインプレッション(表示)が発生した日にコンバージョンを計上し、GA4は申込が起きた日に計上する日別・月別でずれる
データの処理待ちGA4の日次データは確定まで24〜48時間かかり、その間は数字が変わる直近は少なく出やすい
Cookieの同意同意バナーで拒否されると、行動モデリングが使えない規模のサイトではその人の記録が基本のレポートに入らない少なく出る
広告ブロック・ブラウザ設定JavaScriptが無効、計測を止める拡張機能が入っている、ページが読み込み切る前に離れた少なく出る
しきい値ユーザー属性などを含むレポートで、人数が少ない行が隠される少なく出る
推定値(HyperLogLog++)セッション数・アクティブユーザー数などは正確な数え上げではなく推定わずかにずれる
bot の除外GA4は既知の bot を自動で除外するが、Search Consoleや広告管理画面は扱いが違うGA4が少なく出る
内部トラフィックの除外教室のWi-Fiや代表の自宅からのアクセスを除いているGA4が少なく出る
タイムゾーンSearch Consoleは太平洋時間、GA4はプロパティで決めたタイムゾーン日別でずれる
計測の不備タグの入っていないページ、別ドメインへの移動、二重に動くタグどちらにも振れる

推定値とHyperLogLog

GA4は2021年10月から、セッション数・アクティブユーザー数などを HyperLogLog++ という方法で推定しています。何百万件の識別子を1つずつ数える代わりに、少ないメモリで「だいたいこの数」を出す計算です。公式ヘルプは、従来の数え方とわずかな差異が出ることがあると書いています。

実務で効くのは、BigQueryに書き出した生データで数え直すと、レポートやデータポータル(Looker Studio)の数字とわずかにずれる、という点です。小さな会社がこの差を気にする場面はほとんどありません。月に数百セッションの教室サイトで、推定の誤差が判断を変えることはありません。

しきい値

しきい値は、個人が特定されないように、人数の少ない行をレポートから隠す仕組みです。年齢・性別・インタレストなどのユーザー属性を含むレポートや、サイト内検索の語句で起きます。しきい値がかかるとレポート上部の「データ品質」の表示で知らせが出ます。小さなサイトで年齢別に分けたら合計が減った、という症状はこれです。

「レポート ID」が「ブレンド」や「計測データ」で User-ID を使っている場合も、しきい値の対象になります。User-IDを送っていない教室サイトなら気にしなくて構いません。それでも気になるときは「管理」の「データの表示」の中にある「レポート ID」の画面で「デバイスベース」に切り替えます。この切り替えは表示だけの話で、集めたデータそのものは変わらず、いつでも戻せます。

「レポート ID」の画面で「ブレンド」「計測データ」「デバイスベース」の3つが並んだところ
「レポート ID」の画面で「ブレンド」「計測データ」「デバイスベース」の3つが並んだところ

Cookieの同意

Cookieの同意バナーを入れて同意モードを使っている場合、拒否した人のデータは個人の識別子と結び付きません。GA4には、同意した人の行動から拒否した人の分を推定して埋める「行動モデリング」があります。ただし使えるのは、拒否された状態のイベントが1日1,000件以上ある日が7日以上、かつ同意した人が1日1,000人以上いる日が過去28日のうち7日以上あるサイトだけです。サンプル料理教室のような規模では条件に届かないので、拒否した人の分は基本のレポートには入らないと考えます。同意バナーを入れた月から数字が下がるのはこのためで、集客が落ちたわけではありません。

Search Consoleと合わない

Search Consoleのクリック数は「Google検索の結果からサイトがクリックされた回数」、表示回数は「検索結果にサイトが出た回数」です。GA4の「Organic Search」のセッションとは、次の理由でまず一致しません。

  • Search Consoleはクリックを数え、GA4はセッションを数える。30分以内に検索結果から2回クリックしても、GA4では1セッションにまとまる
  • GA4はページでタグが動いて初めて数える。読み込み中に閉じた、同意を拒否した、計測を止める設定のブラウザだった、という分は入らない
  • Search Consoleの既定のタイムゾーンは太平洋時間で、日本時間とは日付の区切りが違う
  • Search Consoleは正規URLでまとめ、GA4は実際に開かれたURLで数える。URLの末尾にパラメータが付くと、GA4では別のページに分かれる
  • GA4の「Organic Search」にはYahoo!やBingからの流入も入る。Search ConsoleはGoogle検索だけ
  • Search Consoleのグラフはサイト全体(プロパティ単位)で、表の「ページ」はページ単位で集計されるので、Search Consoleの中でもグラフと表の合計が合わない

Search Consoleで見るのは「検索結果に出たか・何位か・どの語句で押されたか」までで、サイトに来てからのことはGA4で見る、と役割で分けます。2つの数字を同じ表に並べて差を説明しようとしないことです。

広告管理画面と合わない

Google広告とMeta広告の管理画面は、GA4と数え方の考え方が違います。

項目広告管理画面GA4
流入の単位広告のクリック数セッション数
無効なクリック不正と判定したクリックを除く除かずに記録する
コンバージョンを計上する日広告のインプレッションが発生した日(Google広告)申込が起きた日
何の手柄にするか自社の広告の操作があれば計上する既定のアトリビューションで、ほかの流入元にも手柄を振り分ける
見えない分デバイスをまたいだ分をモデリングで足すタグが動かなかった分は入らない

Google広告のクリック数とGA4のセッション数がずれる理由は、公式ヘルプに十数個並んでいます。料理教室の規模で効くのは、自動タグ設定(gclid)がオフになっている、広告のリンク先がリダイレクトしてパラメータが消えている、ランディングページが読み込まれる前に戻られた、の3つです。Google広告で「コンバージョン(コンバージョンの日時別)」の列を追加すると、申込が起きた日で数えた値が見られるので、GA4と比べるときはこちらを使います。

Meta広告は、2026年3月に、ウェブサイトのコンバージョンをクリックの手柄にするのは「リンクのクリック」だけにすると発表しました。それまでは、いいね・シェア・保存といったクリックもクリックの手柄に入っていました。Metaはこの変更でGoogleアナリティクスなどとの数字の食い違いが減るとしていますが、リンクを押さずに広告に反応しただけの人の申込も「エンゲージスルー」としてMeta側では数えるので、GA4の「Paid Social」のキーイベントより多く出るのは変わりません。

Google広告の「キャンペーン」の表で「表示項目」から「コンバージョン(コンバージョンの日時別)」列を追加するところ
Google広告の「キャンペーン」の表で「表示項目」から「コンバージョン(コンバージョンの日時別)」列を追加するところ

フォームの受信件数と合わない

申込件数のずれでいちばん困るのがここです。GA4の体験申込完了は、サンクスページ /thanks/ が開いてタグが動いた回数です。フォームの受信はサーバーに届いた送信の数です。差の出方は2方向あります。

GA4がフォームより少なくなる理由は、送信後にサンクスページが表示される前に閉じた、同意を拒否した、計測を止める設定のブラウザだった、内部トラフィックとして除外した場所から送った、の4つが中心です。スパムの自動送信はブラウザを通らずにフォームへ直接送られることが多く、これもフォームの件数だけを増やします。

GA4がフォームより多くなる理由は、サンクスページの再読み込みやブックマークからの再表示、テーマとGTMの両方に同じタグが入っていて二重に送られている、のどちらかです。GA4が多いほうに振れているときは、まず計測の不備を疑います。

どちらを正とするか

毎月の報告で迷わないように、知りたいことごとに正とする数字を決めておきます。サンプル料理教室では次のように決めています。

知りたいこと正とする数字GA4の役割
体験申込の件数フォームの受信(スパム・テスト・重複を除いたもの)どこから来た申込かの割合
電話の件数実際に受けた電話の記録電話ボタンが押された回数(かけたかは分からない)
LINEの友だち追加LINE公式アカウントの管理画面の友だち数どのページのボタンから押されたか
検索結果での見られ方Search Console検索から来た人がそのあと何をしたか
広告費あたりの申込広告管理画面の値と、フォーム受信から数えた広告経由の件数を両方並べる広告から来た人のサイト内の動き
何人来たかGA4のアクティブユーザー数そのまま使う

ポイントは、GA4の数字を「件数」として報告しないことです。GA4のキーイベントは件数の目安で、仕事に使うのは割合と傾向です。フォームで15件、GA4で12件なら、「体験申込15件。うち経路が分かるのは12件で、Instagramが5件、検索が4件……」と報告します。12件の内訳の比率を15件全体の傾向とみなす、という使い方です。

サンプル料理教室の例:GA4で12件、フォームで15件

ある月、データポータルの月次の1枚で体験申込完了のキーイベントが12件、WordPressのフォームの受信が15件でした。代表から「3件どこに行ったのか」と聞かれたときの調べ方を順に書きます。

  1. 前月分を確かめるのは、月が替わって3日以上たってからにする。GA4のデータが確定してから比べる
  2. GA4のレポートのタイムゾーンが日本になっているかを「管理」→「プロパティの詳細」で確かめる
  3. WordPressのフォームプラグインの受信一覧(またはフォームの通知メール)を開き、15件を日付と時刻つきで書き出す
  4. 15件のうち、スパム(本文がURLだけ、名前が英字の羅列など)、スタッフのテスト送信、同じ人の二重送信に印を付ける
  5. GA4で「探索」→「自由形式」を開き、ディメンションに「日付」と「イベント名」、指標に「キーイベント」を入れ、イベント名を generate_lead に絞る
  6. 日別にフォームの受信とGA4のキーイベントを並べ、ずれている日を探す
  7. ずれている日の受信の中身を見て、理由を1件ずつ当てる
「探索」→「自由形式」で、行に「日付」、値に「キーイベント」を入れ、イベント名で generate_lead に絞った表
「探索」→「自由形式」で、行に「日付」、値に「キーイベント」を入れ、イベント名で generate_lead に絞った表

この月に分かった内訳はこうでした。

区分件数GA4に入ったか
本人がサイトから送った申込1312件入った。1件は入っていない
受付が電話で受けた申込を教室のパソコンからフォームに代理入力1入らない(教室のWi-Fiは内部トラフィックとして除外)
スパムの自動送信1入らない(ブラウザを通っていない)
合計1512

入らなかった本人の1件は、送信時刻の前後にGA4の記録が何もなく、計測を止める設定のブラウザか、サンクスページが出る前に閉じたかのどちらかと見ました。このくらいの漏れは毎月出ます。月に十数件の規模で1〜2件ずれるのは、計測の仕組みから見て普通のことです。

報告はこうなります。体験申込は14件(スパム1件を除く。うち電話からの代理入力1件)。サイトからの申込13件のうち、GA4で経路が分かるのは12件。経路の内訳は12件で計算する。

あわせて、代理入力の申込はGA4に入らない前提で運用を決めました。電話で受けた申込はフォームに代理入力するときに、問い合わせ内容の欄に「電話受付」と書く決まりにして、フォームの受信一覧だけで見分けられるようにしています。

逆に、GA4が16件、フォームが15件のように GA4 のほうが多い月が出たら、サンクスページの再読み込みか二重のタグを疑います。GTMの「プレビュー」でサンクスページを開き、Tag Assistant で generate_lead が1回だけ送られているかを確かめます。

UAとの数え方の違い

2023年までのユニバーサルアナリティクス(UA)の数字と比べている資料が社内に残っていると、ここでもずれが出ます。公式ヘルプは、ユーザーとセッションで最大20%程度、ページビューで最大10%程度の差が出ると書いています。

項目UAGA4
主に見るユーザー合計ユーザー数アクティブユーザー数
セッションが切れる条件30分操作なし、深夜0時をまたぐ、新しいキャンペーンのパラメータが来る30分操作なしだけ
直帰率1ページだけ見て何もしなかったセッションの割合エンゲージのなかったセッションの割合(エンゲージメント率の反対)
目標・コンバージョン1セッションにつき1件起きるたびに数える(キーイベントの既定)
bot の除外ビューの設定で有効にする既知の bot は自動で除外。オフにできない

GA4では深夜0時をまたいでもセッションが切れないので、夜遅くにレシピを見ていた人のセッションが2つに割れることはありません。直帰率はUAと名前が同じでも中身が違います。UAでは1ページ見て30秒読んで帰れば直帰でしたが、GA4では10秒を超えていればエンゲージのあったセッションで、直帰ではありません。UA時代の直帰率と並べて「直帰率が下がった」と言わないことです。

UAの目標から移行して作ったキーイベントは、カウント方法が「セッションごとに 1 回」になっていることがあります。「管理」→「データの表示」→「イベント」の「キーイベント」タブに、キーイベントにしたイベント名の行が並びます。対象の行の右端のメニューからカウント方法の画面を開くと、「カウント方法(generate_lead)」のようにイベント名の付いた画面になり、「イベントごとに 1 回」(推奨と表示)と「セッションごとに 1 回」のどちらになっているかが分かります。変えると変更後のデータだけが新しい数え方になり、過去の数字は変わりません。

「キーイベント」タブから開いた「カウント方法(generate_lead)」の画面で、「イベントごとに 1 回」と「セッションごとに 1 回」が並んだところ
「キーイベント」タブから開いた「カウント方法(generate_lead)」の画面で、「イベントごとに 1 回」と「セッションごとに 1 回」が並んだところ

応用

データポータルで並べて見る

月次の1枚に、GA4のキーイベントとフォームの受信件数を横に並べておくと、代表が毎月同じ質問をしなくて済みます。フォームの受信件数は、フォームプラグインの書き出しかGoogleスプレッドシートに貼った一覧をデータポータルの別データとして読み込みます。比べる列は「フォーム受信」「うち有効」「GA4キーイベント」の3つで足ります。

データポータル(Looker Studio)の月次レポートで、フォーム受信とGA4キーイベントを並べた表
データポータル(Looker Studio)の月次レポートで、フォーム受信とGA4キーイベントを並べた表

BigQueryで数え直す

GA4のデータをBigQueryに書き出していれば、推定ではなく実際の数で数え直せます。小さな会社では必須ではありませんが、制作会社や代理店とレポートの数字を突き合わせる場面では役に立ちます。

SELECT
  event_date,
  COUNT(DISTINCT user_pseudo_id) AS total_users,
  COUNT(DISTINCT IF(
    event_name = 'first_visit'
    OR (SELECT COALESCE(value.string_value, CAST(value.int_value AS STRING))
        FROM UNNEST(event_params) WHERE key = 'session_engaged') = '1'
    OR (SELECT value.int_value FROM UNNEST(event_params)
        WHERE key = 'engagement_time_msec') > 0,
    user_pseudo_id, NULL)) AS active_users,
  COUNT(DISTINCT CONCAT(user_pseudo_id, CAST(
    (SELECT value.int_value FROM UNNEST(event_params) WHERE key = 'ga_session_id')
  AS STRING))) AS sessions,
  COUNTIF(event_name = 'generate_lead') AS trial_applications
FROM `your-project.analytics_XXXXXXXXX.events_*`
WHERE _TABLE_SUFFIX BETWEEN '20260901' AND '20260930'
GROUP BY event_date
ORDER BY event_date

user_pseudo_id をそのまま数えた total_users は、期間中にイベントを1つでも送ったブラウザの数なので、レポートの「アクティブ ユーザー数」ではなく合計ユーザー数に近い値です。アクティブ ユーザー数に寄せるには、active_users の列のように、初回訪問(first_visit)・エンゲージメントのあったセッション・エンゲージメント時間のどれかがあるという条件を足して数えます。この条件は公式の定義をSQLに置き換えたもので、レポートとまったく同じ判定にはなりません。日別の行を足しても月のユーザー数にはならないので、月で見るときは GROUP BY を外して期間全体で数えます。

ここで出る数字は、GA4のレポートとわずかに違います。このSQLの COUNT(DISTINCT) は1件ずつの数え上げで、レポートは推定値だからです。BigQueryにはGoogleシグナル由来のデータが含まれないことも、差の理由になります。なお、BigQueryの近似関数(HLL_COUNT など)で数えるとまた別の差が出ます。HyperLogLog++ の解説では、GA4の精度設定はセッション数が 12、アクティブ ユーザー数と合計ユーザー数が 14 で、BigQueryで同じ精度を指定してもユーザー数はわずかにずれるとしています。

別ドメインの予約システムをまたぐとき

月謝の決済や通常レッスンの予約は reserve.example という別ドメインです。クロスドメイン測定を設定していないと、sample-cooking.example から reserve.example へ移った時点で別のユーザー・別のセッションとして数えられ、reserve.example 側のセッションの参照元が sample-cooking.example になります。セッション数が実際より多く出て、流入元が自分のサイトに化けます。予約システムにも同じ測定IDのタグが入れられるなら、「管理」→「データストリーム」→ウェブストリーム→「タグ設定を行う」→「ドメインの設定」に両方のドメインを登録します。入れられないなら、予約システムへの移動は「外部リンクのクリック」として数えるだけにとどめます。

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
GA4で申込の正確な件数を出すフォームの受信を正にし、GA4は経路の割合に使う
1人の人が何回来たかを正確に数える生徒のことは予約システムや顧客台帳で数える。GA4の「ユーザー」はブラウザ単位
同意を拒否した人の行動を小さなサイトで推定する行動モデリングの条件に届かないので、同意率をバナーの管理画面で毎月見ておく
既知の bot の除外をオフにする、除外された量を見るできない。怪しいアクセスは別の記事の手順で見分ける
しきい値を自分で外す期間を広げる、ユーザー属性を外す、「レポート ID」を「デバイスベース」にする
Search Consoleのクリック数とGA4のセッション数をそろえるそろえない。検索結果のことはSearch Console、サイト内のことはGA4と役割で分ける
過去のデータに後からキーイベントの印を付ける印を付けた日以降しか数えないので、イベントそのものの数を「イベント」レポートで見る

よく詰まるところ

症状原因直し方
新規ユーザー数がユーザー数より多いアクティブユーザー数と新規ユーザー数は別の物差し仕様なので直さない。「何人来たか」はアクティブユーザー数で言う
先月の数字が昨日見たときと違うデータの処理待ちで、確定前の値を見ていた月が替わって数日たってから締める
体験申込がGA4とフォームで数件ずれるタグが動かなかった送信、代理入力、スパムフォームを正にし、日別に突き合わせて理由を当てる
GA4の申込がフォームより多いサンクスページの再読み込み、タグの二重設置Tag Assistant で1回だけ送られているか確かめる
年齢別に分けたら合計が減ったしきい値で人数の少ない行が隠れた期間を広げるか、ユーザー属性を外して見る
Search Consoleのクリック数とGA4の検索流入が合わないクリックとセッションの違い、タイムゾーン、Yahoo!の流入そろえようとせず、役割で分けて見る
Google広告のコンバージョンとGA4のキーイベントが合わない計上する日、アトリビューション、無効なクリックの扱いの違い「コンバージョン(コンバージョンの日時別)」列で比べる
予約システムに移るとセッションが増え、参照元が自分のサイトになるクロスドメイン測定をしていない「ドメインの設定」に両方のドメインを登録する
同意バナーを入れた月から数字が落ちた拒否した人の分がレポートに入らない集客の問題と分けて考え、同意率と一緒に報告する
UA時代より直帰率が大きく下がった直帰率の定義が変わったUAの直帰率と並べて比べない
キーイベントが1セッション1件しか数えられないUAの目標から移行し、カウント方法が「セッションごとに 1 回」「キーイベント」タブの行のメニューからカウント方法の画面を開き、「イベントごとに 1 回」に変える
教室で試しに送った申込がGA4に出ない内部トラフィックの除外が効いている正常な動き。確認は DebugView か教室の外の回線で行う

次にやること

数字の意味が分かったら、レポートのどこを見るかを決めます。「GA4の画面の見方:レポートのどこで何が分かるか」で、毎月見る画面を3つに絞ります。体験申込完了のキーイベントがまだ数えられていない、あるいは二重に数えている疑いがあるなら「キーイベントの設定:問い合わせ完了をGA4で数える」で設定を見直します。検索結果での見られ方は「Search Consoleの見方:検索キーワード・表示回数・掲載順位」に、見覚えのないアクセスの急増は「botとスパムのアクセスを見分ける:GA4でできることと、できないこと」に続きます。

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