データポータル(Looker Studio)のフィルタと期間:見る人が絞り込めるコントロールの置き方

公開 更新 書いた人 大林 諒

データポータル(Looker Studio)のレポートは、作った人が決めた期間と条件で数字を出します。毎月の1枚を代表に渡すと、すぐに「Instagramから来た人だけ見たい」「夏の3か月で見たい」と言われます。そのたびに作った人がグラフを直すのでは続きません。期間とフィルタを、作る人が固定するものと、見る人が選べるものに分けて置くと、代表も受付も自分で絞り込めるようになります。この記事では、サンプル料理教室の毎月の1枚に、期間設定とプルダウンのコントロールを足し、GA4・申込一覧・広告費の3つのデータに正しく効くように組みます。前提は、GA4とスプレッドシート「サンプル料理教室_申込一覧」「サンプル料理教室_広告費」がデータソースとしてつながり、ページが3枚あることです。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 期間・フィルタ・コントロールの一覧
  3. 置き方の手順
  4. URLで期間やフィルタを渡す
  5. 応用
  6. できないことと、その代わり
  7. よく詰まるところ
  8. 次にやること

先に決めること

コントロールは置くだけなら1分で終わります。ただ、どのグラフに効くか、どの日付で絞るかを決めずに置くと、代表が選んだ期間で一部のグラフだけ数字が変わらない、という報告が来ます。置く前に次の5つを決めます。

誰が何を絞り込むか

サンプル料理教室では、見る人と絞り込みたいものが次のように分かれます。

  • 代表: 期間だけ変えたい。月ごとの数字と、ときどき「夏の3か月」
  • 受付: 申込経路とレッスン種別で絞りたい。毎週月曜に先週分を見る
  • 広告を見る人(代表が兼ねる): 媒体(Google広告・Meta広告)で絞りたい

全員に同じコントロールを並べると、1ページに選ぶものが5つも6つも並びます。期間はレポート全体に1つ、申込経路とレッスン種別は申込のページだけ、媒体は広告費のページだけ、と場所を分けます。

期間の基準にする日付

申込一覧には「申込日」と「体験日」の2つの日付があります。期間で絞るときにどちらで絞るかで、数字が変わります。10月31日に申し込み、11月3日に体験した人は、申込日で数えれば10月、体験日で数えれば11月です。

サンプル料理教室では、申込数・入会数は申込日で数え、「今月の体験予定」の表だけ体験日で数えます。データソースに日付が2つ以上あるときは、グラフごとに「期間のディメンション」を手で選ぶことになります。

固定するものと、選ばせるもの

データポータルの絞り込みは、作る人が決めて見る人は変えられないもの(フィルタ)と、見る人が選ぶもの(コントロール)の2種類です。

  • 固定する: 「入会した人だけの表」「テストの申込を除く」「Search Consoleのクエリが空の行を除く」のように、毎回同じ条件で見るもの
  • 選ばせる: 期間・申込経路・レッスン種別・媒体のように、見る人によって知りたいところが違うもの

迷ったら固定します。選べるものが多いほど、代表が別の条件を選んだまま「先月の申込が少ない」と勘違いする場面が増えます。

どの範囲に効かせるか

期間もフィルタも、グラフ1つ・グループ・ページ・レポート全体のどこにでも付けられます。下ほど広く効き、上の設定で個別に上書きできます。毎月の1枚では、期間はレポート全体、フィルタはグラフごと、コントロールはページごとを基本にします。

見せたくない数字をコントロールで隠さない

コントロールやURLで絞った状態で共有しても、見る人は条件を外せます。講師に広告費を見せたくないなら、広告費のページを別のレポートにするか、そもそも共有しません。見せる範囲を決めるのは共有の設定とフィルタで、コントロールではありません。

期間・フィルタ・コントロールの一覧

絞り込みの道具は名前が似ていて混ざりやすいので、先に並べます。

道具誰が決める効く範囲見る人が変えられるかサンプル料理教室での使い道
レポートの期間(デフォルトの期間フィルタ)編集者レポート全体の初期値期間設定のコントロールがあれば変えられる全ページ「先月」
グラフの期間編集者そのグラフだけ変えられない13か月の推移・今年の累計
比較期間編集者そのグラフ変えられないスコアカードの前年同月比
フィルタ(フィルタ プロパティ)編集者グラフ・グループ・ページ・レポート変えられない入会した人だけ・テストを除く
期間設定のコントロール編集者が置き、見る人が選ぶページ全体(レポートレベルにすると全ページ)変えられる上部に1つ
プルダウン リストのコントロール編集者が置き、見る人が選ぶページ全体(グループにすると一部)変えられる申込経路・レッスン種別・媒体
クイック フィルタ(フィルタバー)見る人ページ全体変えられる受付が一時的に使う
パラメータ編集者が作り、見る人やURLが値を渡すパラメータを使う計算フィールド変えられる(許可したとき)URLで経路を渡す

コントロールの種類は、プルダウン リストと固定サイズリスト・入力ボックス・高度なフィルタ・スライダー・チェックボックス・プリセット フィルタ・期間設定・データ管理・ディメンション コントロールがあります。小さな会社の毎月の1枚では、期間設定とプルダウン リストの2つでほぼ足ります。

置き方の手順

レポート全体の期間を決める

  1. レポートを編集モードで開く
  2. 上部のメニューから「ファイル」→「レポート設定」を開く
  3. 「デフォルトの期間フィルタ」を「カスタム」にし、プリセットから先月を選ぶ
  4. 右上の「×」で閉じる

「自動」のままだと、期間はつないだデータの種類で決まります。GA4は過去28日間、スプレッドシートはシートの全期間です。同じページにGA4とスプレッドシートのグラフを並べると、片方は28日分、片方は開業以来の全件になります。3つのデータを並べるレポートでは、レポート全体の期間を必ず決めます。

カスタムのプリセットには「今日」「昨日」「先週(月曜日から始まる)」のような相対の期間が並びます。週は既定で日曜日始まりです。受付が月曜に先週分を見るなら「先週(月曜日から始まる)」を選びます。「今日を含む」のチェックは、今日の途中までのデータを入れるかどうかで、毎月の1枚では外します。

レポート設定で「デフォルトの期間フィルタ」を「カスタム」にし、先月を選んだところ
レポート設定で「デフォルトの期間フィルタ」を「カスタム」にし、先月を選んだところ

スプレッドシートのグラフは期間のディメンションを選び直す

GA4のデータソースは期間のディメンションが「日付」に自動で決まり、変えられません。スプレッドシートでは、日付の列が2つ以上あると、どれが選ばれるかを毎回確かめる必要があります。

  1. 申込一覧のデータを使うグラフを選ぶ
  2. 右側の「設定」タブで「期間のディメンション」を「申込日」にする
  3. 「今月の体験予定」の表だけ「体験日」にする

期間のディメンションにできるのは、年・月・日がそろった日付の項目だけです。シートの申込日が「10/31」のように年の無い文字で入っていると、日付として選べません。シート側で「2026/10/31」の形にそろえ、データソースの画面で型が日付になっていることを確かめます。時刻が入っていても、期間で絞るときに時刻は見られません。

グラフごとに期間を変える

レポート全体が先月でも、推移のグラフだけは長い期間で見たいことがあります。

  1. 期間グラフを選ぶ
  2. 「設定」タブの「デフォルトの期間」で「カスタム」を選ぶ
  3. 「詳細設定」を開き、「開始」と「終了」のそれぞれで基準を「今日」か「絶対指定」、向きを「負」(前へ)か「正」(後へ)から選び、数と単位を入れる
  4. 「適用」をクリックする

受付の「直近12週の申込数」なら、開始を「今日」「負」「84」「日」、終了を「今日」「負」「1」「日」にします。グラフに期間を付けると、そのグラフは期間設定のコントロールの影響を受けなくなります。代表が期間を「夏の3か月」に変えても、推移のグラフは12週のままです。意図どおりですが、グラフのタイトルに「直近12週」と書いておかないと、なぜこれだけ変わらないのかと聞かれます。

単位を「月」にすると、月の初めから終わりまでにそろいます。開始を「今日」「負」「13」「月」、終了を「今日」「負」「1」「月」にすると、今日が10月なら前年9月1日から今年9月30日までの13か月になります。

期間グラフの「詳細設定」で開始と終了をマイナスで指定したところ
期間グラフの「詳細設定」で開始と終了をマイナスで指定したところ

期間設定のコントロールを上に置く

  1. ツールバーの「コントロールを追加」から「期間設定」を選ぶ
  2. ページの右上に置く
  3. 右側の「期間設定のプロパティ」で「デフォルトの期間」を先月にする
  4. 「スタイル」タブで文字の大きさを整える

コントロールのデフォルトの期間は、追加した時点ではつないだデータの既定(GA4なら過去28日間)です。レポート全体を先月にしていても、コントロール側も先月にそろえておくと、どのページを開いても同じ期間から始まります。

期間設定のコントロールは、ページ上で日付の項目を持つグラフ全部に効きます。GA4のグラフは「日付」で、申込一覧のグラフは「申込日」(体験予定の表は「体験日」)で、広告費のグラフは「日付」で、それぞれ絞られます。データソースが違っても、1つのコントロールで3つとも動きます。

見る人は、コントロールで今の期間を変えられますが、比較期間は変えられません。比較期間を設定できるのは編集者だけです。代表が期間を「夏の3か月」にすると、比較期間を「前年」にしてあるスコアカードなら、比較は前年の同じ3か月になります。

ページ右上に期間設定のコントロールを置き、プロパティで先月を選んだところ
ページ右上に期間設定のコントロールを置き、プロパティで先月を選んだところ

グラフにフィルタを付ける

申込のページに「入会した人だけ」の表を置きます。見る人には変えさせない条件なので、コントロールではなくフィルタを使います。

  1. 表を選び、右側の「設定」タブの下にある「フィルタ」で「フィルタを追加」をクリックする
  2. 名前を「入会した人だけ」にする
  3. 「一致条件」を選び、項目を「入会したか」、条件を「次に等しい(=)」、値を「入会」にする
  4. 「保存」をクリックする

条件には「一致条件」(当てはまる行だけ残す)と「除外条件」(当てはまる行を消す)があります。テストで入れた申込を消すなら、「除外条件」で「申込経路」が「テスト」の行を消します。

文字の条件は大文字と小文字を区別します。媒体が「meta広告」と「Meta広告」で混ざっているシートでは、正規表現の先頭に (?i) を付けると両方に当たります。

(?i)^meta広告$

条件を2つ以上つなぐときは「AND」と「OR」を使います。1つのフィルタに入れられるORは10個まで、1つのグラフに付けられる条件は75個までです。申込経路を7つ並べてORにするより、「次に含まれる」で Google広告,Meta広告,Instagram のようにカンマで並べたほうが、あとで読み返しやすくなります。

表のフィルタで「入会したか」が「入会」の行だけを含める条件を作ったところ
表のフィルタで「入会したか」が「入会」の行だけを含める条件を作ったところ

申込経路とレッスン種別のプルダウンを置く

  1. 申込のページを開き、「コントロールを追加」から「プルダウン リスト」を選ぶ
  2. ページの上、期間設定の左に置く
  3. 「データソース」を申込一覧にする
  4. 「コントロール フィールド」を「申込経路」にする
  5. 「指標」に申込の件数を入れ、「注文」で件数の多い順に並べる
  6. 「スタイル」タブで「検索ボックスを有効にする」をオフにする
  7. 同じ手順で、「レッスン種別」のプルダウンを横に置く

プルダウンの横に件数が出るので、受付は「LINEは今月3件」と選ぶ前に分かります。指標は並べ替えと表示に使うだけで、件数で絞ることはできません。

「デフォルトの選択」を空にすると、開いたときは全部の経路が入った状態になります。経路を1つずつしか選ばせたくないときは、「スタイル」タブで「単一選択」をオンにし、「すべて選択を許可する」もオンにします。後者は単一選択のときだけ出る項目で、オフのままだと何か1つを必ず選んだ状態で開くので、デフォルトの選択を決めておく必要があります。

プルダウンの選択は、ほかのコントロールの選択肢にも効きます。申込経路で「Instagram」を選ぶと、レッスン種別のプルダウンにはInstagramから申し込みがあった種別だけが残ります。

申込経路のプルダウンを開き、経路ごとの件数が並んでいるところ
申込経路のプルダウンを開き、経路ごとの件数が並んでいるところ

ページ単位とレポート単位を使い分ける

コントロールは、置いたページのグラフにだけ効きます。期間設定のように全ページで同じものを使いたいときは、レポートレベルに変えます。

  1. 期間設定のコントロールを選ぶ
  2. メニューの「配置」→「レポートレベルに変更」を選ぶ

これで3枚のページすべてに同じ位置で表示され、1ページで選んだ期間がほかのページにも引き継がれます。申込経路のプルダウンはページ単位のままにします。広告費のページには申込経路の項目が無いので、置いても効きません。

レポートレベルにしたコントロールが別のページで見えないときは、そのページのグラフの下に隠れています。「テーマとレイアウト」の「レイアウト」でレポートレベルのコンポーネントの位置を「上」にすると、ページ上のほかの部品より手前に出ます。

フィルタにもページ単位とレポート単位があります。レポート設定の「フィルタ」に付けた条件はレポート全体に、ページの設定に付けた条件はそのページに効きます。上から順にレポート、ページ、グラフと引き継がれ、グラフの「フィルタ」の欄にある切り替えで引き継ぎを止められます。ただし、レポート単位のフィルタが効くのは、レポートの既定のデータソースを使うグラフだけです。GA4とスプレッドシートを並べるレポートでは、レポート単位のフィルタに頼らず、ページかグラフに付けます。

期間設定のコントロールを選び、「配置」メニューの「レポートレベルに変更」を開いたところ
期間設定のコントロールを選び、「配置」メニューの「レポートレベルに変更」を開いたところ

一部のグラフにだけ効かせる

1ページ目の「毎月の数字」には、GA4のスコアカードと申込一覧の件数が並んでいます。ここに申込経路のプルダウンを置くと、申込一覧のグラフは絞られ、GA4のグラフは何も変わりません。これは不具合ではなく、GA4に「申込経路」の項目が無いからです。代表は「プルダウンが効いていない」と受け取ります。

プルダウンを効かせるグラフだけを囲むには、グループにします。

  1. プルダウンと、効かせたいグラフを選ぶ(Shiftを押しながらクリック)
  2. メニューの「配置」→「グループ」を選ぶ(WindowsはCtrl+G、MacはCmd+G)

グループにすると右側が「グループのプロパティ」に変わり、プルダウンはグループの中のグラフにだけ効きます。見た目でも分かるように、グループの後ろに薄い四角を敷き、「申込一覧で絞れます」と小さく書いておきます。

申込経路のプルダウンと申込一覧のグラフ2つをグループにしたところ
申込経路のプルダウンと申込一覧のグラフ2つをグループにしたところ

GA4とスプレッドシートの両方に効かせる

コントロールは、表示名ではなく項目の内部のID(フィールド ID)で絞ります。GA4やGoogle広告のように項目が決まっているデータソースどうしなら自動で効きますが、スプレッドシートの項目は、名前が同じでもIDが違えば効きません。

広告費のページでは、広告費のシートの「媒体」と、申込一覧の「申込経路」を1つのプルダウンで絞りたい場面があります。どちらも「Google広告」「Meta広告」という同じ値が入っているので、IDをそろえれば効きます。

  1. メニューの「リソース」→「フィールド名と ID を管理」を開く
  2. 「フィールドのオーバーライドを追加」をクリックする
  3. 「フィールドを選択」で広告費の「媒体」を選び、「新しい ID」に media と入れる
  4. もう一度「フィールドのオーバーライドを追加」で申込一覧の「申込経路」を選び、「新しい ID」に同じ media と入れる
  5. 媒体のプルダウンを置き、両方のグラフが絞られることを確かめる

IDを変えられるのはレポート単位だけです。グラフで使っている項目のIDを変えると、そのグラフが壊れ、項目を選び直すことになります。IDは、グラフを作る前にそろえます。2つの項目はどちらも文字の型にしておきます。

URLで期間やフィルタを渡す

毎月のメールやチャットで「Instagram経由だけの表示」を渡したい、という場面があります。URLに絞り込みを載せる方法は3つあります。

方法URLに載るもの使う場面
レポートへのリンクを取得(現在のビュー)今かかっているフィルタ今見ている絞り込みをそのまま1回渡す
カスタム ブックマーク リンク見る人が選んだフィルタの設定見る人が自分の絞り込みをブックマークする
パラメータをURLで渡す許可したパラメータの値決まった値を入れたリンクを作って配る

今の絞り込みのままリンクを渡す

  1. 表示モードで、プルダウンを「Instagram」にする
  2. 右上の「共有」の横の下向きの矢印から「レポートへのリンクを取得」を選ぶ
  3. 「レポートの現在のビューにリンクする」がオンになっていることを確かめる
  4. 「リンクをコピー」をクリックする

このリンクを開いた人は、同じフィルタがかかった状態でレポートを見ます。グラフ1つだけへのリンクは、グラフの右上の「その他」から「コンポーネントへのリンク」で取れます。こちらも「レポートの現在のビューにリンクする」がオンなら、かかっているフィルタが入ります。

カスタム ブックマーク リンクを有効にする

何もしないと、見る人がプルダウンで選んだ内容は残りません。再読み込みすると元の設定に戻ります。受付が毎週同じ絞り込みで開きたいなら、選んだ内容がURLに載るようにします。

  1. レポートを編集モードで開く
  2. 「ファイル」→「レポート設定」を開く
  3. 「カスタム ブックマーク リンク」で「閲覧者の設定をレポートのリンクで有効にする」をクリックする

これで、表示モードでプルダウンを選ぶたびにURLが変わり、そのURLをブラウザのブックマークに入れれば、次から同じ絞り込みで開きます。決まりごとは4つあります。

  • 使えるのは表示モードだけ
  • URLが2,000文字ほどを超えると、載せた設定が全部捨てられ、既定の表示で開く
  • レポートにコントロールを足したり消したりすると、URLの中身が変わる。ブックマークは作り直す
  • 見る人はアドレスバーでURLを書き換えられる。見せる範囲を絞る目的には使わない

複数選べるプルダウンは、編集画面で初期値を1つしか決められません。「Google広告とMeta広告の2つが選ばれた状態」で開かせたいときは、表示モードで2つ選んだ状態のURLをブックマークにして配ります。

レポート設定の「カスタム ブックマーク リンク」で閲覧者の設定をリンクに載せる設定をオンにしたところ
レポート設定の「カスタム ブックマーク リンク」で閲覧者の設定をリンクに載せる設定をオンにしたところ

パラメータをURLで渡す

決まった値を入れたリンクを、作る側で組み立てたいときはパラメータを使います。サンプル料理教室では、申込経路を受け取るパラメータを作り、チラシの担当者には「チラシ」を入れたリンクを、Instagramの担当者には「Instagram」を入れたリンクを渡しています。

  1. 申込一覧のデータソースに、テキストのパラメータ「経路の指定」を作り、既定値を「すべて」にする
  2. 計算フィールド「経路が一致」を作る
  3. 申込のグラフに、「経路が一致」が「正しい」の行だけを含めるフィルタを付ける
  4. メニューの「リソース」→「変数(パラメータ)を管理」を開き、「経路の指定」の行の「レポートの URL での変更を許可する」にチェックを入れる
  5. 同じ行に出るURL用のパラメータ名(ds0.route のような形かは画面で確かめる)を控える

計算フィールドの式は次のとおりです。

CASE
  WHEN 経路の指定 = "すべて" THEN TRUE
  WHEN 申込経路 = 経路の指定 THEN TRUE
  ELSE FALSE
END

URLには、パラメータの名前と値をJSONにし、URLエンコードして params という名前で付けます。名前はパラメータの名前ではなく、変数の管理の画面に出るURL用のパラメータ名を使います。URL用の名前が ds0.route なら、渡す中身は次のとおりです。

{"ds0.route": "チラシ"}

手で書くとエンコードを間違えるので、ブラウザの開発者ツールのコンソールで組み立てます。

const base = "https://datastudio.google.com/reporting/REPORT_ID/page/PAGE_ID";
const params = { "ds0.route": "チラシ" };
console.log(base + "?params=" + encodeURIComponent(JSON.stringify(params)));

REPORT_ID と PAGE_ID は、レポートを開いたときのアドレスバーの値に置き換えます。複数の値を選べるパラメータには ["Google広告", "Meta広告"] のように配列で渡します。値が効くのは表示モードで開いたときです。

URLで値を変えられるパラメータは、見る人も書き換えられます。パラメータで見せるデータの範囲を切り替える作りにはしません。

変数の管理の画面で「URL に変更を加える」にチェックを入れ、「名前」の列にURL用の名前が出ているところ
変数の管理の画面で「URL に変更を加える」にチェックを入れ、「名前」の列にURL用の名前が出ているところ

期間をURLで渡したいとき

期間設定のコントロールで選んだ期間がURLに載るかどうかは、公式のドキュメントで確かめられる範囲には書かれていません。「去年の夏の3か月」を決め打ちで配りたいときは、URLに頼らず、期間を固定したページを1枚足します。ページの期間を固定にし、期間設定のコントロールはそのページに置きません。

応用

ボタン1つで「広告経由だけ」にする

代表にプルダウンを開かせるより、ボタンを押すだけのほうが早い場面があります。プリセット フィルタを使います。

  1. 申込一覧のデータソースに、計算フィールド「広告経由」を CONTAINS_TEXT(申込経路, "広告") で作る
  2. 「コントロールを追加」から「プリセット フィルタ」を選び、ページの上に置く
  3. 「ボタンのプロパティ」の「設定」タブで、「ボタンの操作の種類」を「フィルタ」、「コントロール フィールド」を「広告経由」にする
  4. ボタンの文字を「広告経由だけ」にする

プリセット フィルタは、正しいか誤りかの2つの値を持つ項目にしか使えません。もう1度押すと解除されます。「フィルタをリセット」のボタンを横に置くと、プルダウンもまとめて戻せます。同じグループにしたボタンは1つしか同時にオンになりません。グループは1ページに5つまでです。

表の行をクリックしてほかのグラフを絞る

表の「Instagram」の行をクリックすると、同じページのほかのグラフがInstagramに絞られる、という使い方もできます。クロスフィルタリングといい、ほとんどのデータソースで最初からオンです。オンかどうかは、グラフの「設定」タブを一番下までスクロールした「インタラクション」の「クロスフィルタリング」で確かめます。Google広告のような広告のデータでは最初はオフです。スコアカードはクロスフィルタリングの元にできません。戻すときは、グラフを右クリックして「操作をリセット」を選びます。

代表が意図せずクリックして、そのまま「数字が減った」と言う原因になるので、毎月の1枚では申込の表だけオンにし、ほかはオフにしています。

受付にはフィルタバーで一時的に絞らせる

コントロールを置くほどではないが、ときどき「パンのレッスンだけ」を見たい、という絞り込みには、閲覧者向けのフィルタバーを使います。

  1. 編集モードで「コントロールを追加」から「ビューア フィルタバーを追加」を選ぶ
  2. 「ビューア フィルタバーを有効にする」をオンにする
  3. 「許可するビューア フィルタ ディメンション」で「データソースとフィールドを選択する」を選び、申込一覧の「レッスン種別」と「申込経路」だけを残す

見る人がフィルタバーで足した絞り込みは、その人の画面だけに効き、ほかの人が見るレポートは変わりません。クイック フィルタはディメンションでしか作れず、ページ全体に効きます。

ビューア フィルタで「レッスン種別」を選び、パンだけに絞っているところ
ビューア フィルタで「レッスン種別」を選び、パンだけに絞っているところ

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
1つのプルダウンで、項目の無いデータソースのグラフも絞るGA4に無い項目(レッスン種別など)はグループで囲み、効く範囲を見せる
見る人に比較期間を変えさせる比較期間ごとにグラフを作るか、前年と前月のスコアカードを並べる
プルダウンを指標の値で絞る(申込が5件以上の経路だけ等)グラフのフィルタで指標の条件を付ける
コントロールやURLで、見せる範囲を制限する見せたくない数字は別のレポートにする。共有の設定とフィルタで制限する
クイック フィルタを一部のグラフにだけ効かせるプルダウンのコントロールを置き、グループにする
期間設定で選んだ期間をURLで配る(公式で確かめられない)期間を固定したページを足し、そのページへのリンクを渡す
レポート単位のフィルタを、既定でないデータソースのグラフに効かせるページ単位かグラフ単位でフィルタを付ける

よく詰まるところ

症状原因直し方
期間を変えてもGA4のグラフだけ数字が変わらないグラフに独自の期間が付いていて、コントロールより優先されているグラフの「デフォルトの期間」を「自動」に戻すか、タイトルに固定の期間を書く
申込一覧のグラフが開業以来の全件になるスプレッドシートの期間が「自動」で、シートの全期間になっているレポート設定で期間を先月にする
期間のディメンションに申込日が出てこない申込日が年の無い文字で入っていて、日付の型になっていないシートを「2026/10/31」の形にそろえ、データソースで型を日付にする
体験予定の表が申込日で絞られる期間のディメンションが自動で申込日になった表の「期間のディメンション」を体験日に変える
プルダウンで経路を選んでもGA4のスコアカードが変わらないGA4に申込経路の項目が無い申込一覧のグラフとプルダウンをグループにし、GA4のグラフを外す
媒体のプルダウンが広告費のグラフにしか効かないスプレッドシートどうしでフィールド ID が違う「フィールド名と ID を管理」で2つの項目に同じIDを付ける
IDを変えたらグラフがエラーになった使っている項目のIDを後から変えたグラフで項目を選び直す。次からはグラフを作る前にIDをそろえる
「meta広告」の行がフィルタで消えない文字の条件が大文字と小文字を区別する正規表現の先頭に (?i) を付けるか、シートの表記をそろえる
別のページを開くと期間が28日間に戻る期間設定のコントロールがページ単位のまま「配置」→「レポートレベルに変更」にする
レポートレベルのコントロールが見えないページがあるグラフの下に隠れている「テーマとレイアウト」でレポートレベルのコンポーネントを「上」にする
ブックマークで開いても絞り込みが消えるカスタム ブックマーク リンクがオフ、またはコントロールを足してURLが変わったレポート設定で有効にし、ブックマークを作り直す
URLで渡したパラメータが効かない変数の管理で「URL に変更を加える」にチェックが無い、URL用の名前でなくパラメータ名を使った、エンコードしていない、編集モードで開いたチェックを入れ、URL用の名前で組み、encodeURIComponent を通し、表示モードで開く
代表が開くと数字が少ない前に開いたときのクロスフィルタやフィルタバーが残っている右上の「リセット」で戻す。使わないグラフはクロスフィルタリングをオフにする

次にやること

コントロールを置く場所と、ページに何を並べるかは一緒に決まります。ページ上の並べ方は「データポータル(Looker Studio)のグラフとダッシュボード:1枚に何をどこへ置くか」に書きました。レポートやデータソースの作り方から確かめたいときは「データポータル(Looker Studio)の使い方:最初のレポートを作るまでの画面と手順」に戻ります。この記事で使った「経路が一致」「広告経由」のような計算フィールドの書き方は、「データポータル(Looker Studio)の計算フィールド:CASE文・比率・日付の関数」で詳しく扱っています。

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