Notionで顧客管理・案件管理:小さな会社の簡単なCRMを作る

公開 書いた人 大林 諒

Notion(ノーション)で顧客管理と案件管理を作る手順を、体験申込から入会までの流れを例に書きます。読み終わると、申込が1件来てから入会か見送りが決まるまでを1つのデータベースで追い、電話やLINEのやり取りを残し、月ごとの入会率をチャートで見られるところまで作れます。前提は、ワークスペースと受付のチームスペースがすでにあり、データベースの作り方(プロパティの追加とビューの切り替え)を一度触ったことがある状態です。例は全記事共通の「サンプル料理教室」で、受付2名と代表が体験申込を追う場面を使います。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 作るものの一覧
  3. 手順
  4. 応用
  5. 個人情報と権限の注意
  6. できないことと、その代わり
  7. よく詰まるところ
  8. 次にやること

先に決めること

顧客管理は、作り始めてから「1行が何を表すのか」を変えるとやり直しになります。データを入れ始める前に、次の4つを決めます。

1行を「人」にするか「申込」にするか

顧客管理には、顧客(人や会社)を1行にする作り方と、案件(1回の商談や申込)を1行にする作り方があります。BtoBの会社は1社に何件も案件が立つので、顧客と案件を別のデータベースにしてリレーションでつなぐのが基本です。

料理教室の体験申込は、1人が体験を受けて入会するか見送るかで終わります。同じ人が何度も体験に申し込むことはまれです。この場合は「体験申込」1つのデータベースに人の情報と段階を一緒に持たせ、1行を「1人の1回の申込」にするのがいちばん迷いません。データベースを2つに分けると、入力のたびにリレーションをつなぐ手間が増え、受付が続けられなくなります。

迷ったら、次の表で決めます。

状況作り方例
1人(1社)に案件がほぼ1件1つのデータベースに人と段階を持たせる教室の体験申込・サロンの初回来店・士業の初回相談
1社に案件が何件も立つ顧客と案件を分けてリレーションでつなぐBtoBの見積・受注、制作会社の案件
同じ人が何度も申し込む顧客と申込を分ける講座を何度も受ける人、毎年更新する契約

段階の名前と、どこで次へ進めるか

段階は、受付が見て迷わない名前にして、それぞれ「何が起きたら次へ動かすか」を決めます。サンプル料理教室は次の5つにします。

段階次へ動かす合図動かす人
申込フォームかLINEで申込が来た(自動で入る)受付
体験予約体験日が決まり、予約システムに入れた受付
体験済み体験レッスンが終わった講師か受付
入会予約システムで月謝の登録が済んだ受付
見送り入会しないと連絡があった、または体験日から2週間返事がない受付

「見送り」の決め方を先に決めておかないと、返事のない人がいつまでも「体験済み」に残り、入会率が実際より低く見えます。期限を決めて動かすのが大事です。

誰が見るか、どこに置くか

体験申込には名前・電話・メールが入ります。教室全体のチームスペースに置くと、講師や外部のデザイナーの目にも入る場所になります。受付のチームスペース(受付と代表だけ)に置き、講師には体験日と人数だけが見えるビューを別に渡す形にします。権限の考え方は後ろの「個人情報と権限の注意」でまとめます。

Notionに持たせないもの

サンプル料理教室では、通常レッスンの予約と月謝の決済は外部の予約システム(reserve.example)で受けています。Notionに予約枠や決済の状態まで持たせると、同じ情報を2か所で直すことになり、どちらかが必ず古くなります。Notionに置くのは「申込から入会まで、誰がどこまで対応したか」だけで、入会後の予約と請求は予約システムを正にします。

作るものの一覧

作るのはデータベース2つと、集計用のデータベース1つです。

データベース1行の単位置き場所主に見る人
体験申込1人の1回の申込受付のチームスペース受付・代表
やり取り電話・LINE・メール1回受付のチームスペース(体験申込の下)受付・代表
月別集計1か月代表だけの経営メモ代表

体験申込のプロパティ設計

プロパティ名種類入れるもの・決まり
名前タイトルお客様の名前。「山田様」のように様を付けない
段階ステータス申込・体験予約・体験済み・入会・見送り
申込日日付申込が来た日
申込経路セレクトホームページ・LINE・紹介・チラシ・その他
体験日日付体験レッスンの日時。時刻も入れる
体験メニューリレーションレッスン予定データベースの該当回
担当ユーザー対応する受付
電話電話ハイフンありで統一
メールメール
LINE名テキストLINE公式アカウントでの表示名
次の連絡日日付次に連絡する日。空なら連絡予定なし
見送り理由セレクト日程が合わない・料金・場所・返事なし・その他
やり取りリレーションやり取りデータベースとつなぐ
入会数式段階が入会なら1、それ以外は0
申込月数式申込日から「2026-10」の形を作る
月別集計リレーション月別集計データベースとつなぐ

「入会したか」をチェックボックスで別に持つ作り方もありますが、段階と二重になり、段階は入会なのにチェックが外れている行が必ず出ます。入会したかどうかは段階から数式で出し、人が入れる場所は1つにします。

やり取りのプロパティ設計

プロパティ名種類入れるもの・決まり
内容タイトル1行で要点。「体験日を11/8に変更」など
日時日付やり取りした日時
手段セレクト電話・LINE・メール・来店
向きセレクトこちらから・お客様から
対応者ユーザー
体験申込リレーションどの申込のやり取りか

手順

1. 体験申込データベースを作る

  1. 受付のチームスペースで、新しいページを作る
  2. ページ名に「体験申込」と入れる
  3. 本文で /database と入力し、「データベース:フルページ」を選ぶ
  4. 最初からある「名前」はそのまま使う
  5. 右上の「+」から、上の設計表のプロパティを1つずつ足す
  6. 「タグ」など最初から入っている使わないプロパティを削除する

電話・メールのプロパティは、種類を「電話」「メール」にしておくと、スマートフォンから押してそのまま発信やメール作成ができます。テキストで作ると押せません。

受付のチームスペースに置いた体験申込データベースのテーブルビュー。名前・段階・申込日・申込経路・体験日・担当の列が見えている
受付のチームスペースに置いた体験申込データベースのテーブルビュー。名前・段階・申込日・申込経路・体験日・担当の列が見えている

2. 段階をステータスのプロパティで作る

段階はセレクトでも作れますが、ステータスにすると選択肢が「未着手」「進行中」「完了」の3つのまとまりに分かれ、ボードやチャートで扱いやすくなります。

  1. 「+」から種類「ステータス」を選び、名前を「段階」にする
  2. 「未着手」のまとまりに「申込」を作り、最初からある選択肢は消す
  3. 「進行中」のまとまりに「体験予約」「体験済み」を作る
  4. 「完了」のまとまりに「入会」「見送り」を作る
  5. 新しい行が「申込」から始まるように、既定の値を「申込」にしておく
段階のステータスの編集画面。未着手に申込、進行中に体験予約・体験済み、完了に入会・見送りが並んでいる
段階のステータスの編集画面。未着手に申込、進行中に体験予約・体験済み、完了に入会・見送りが並んでいる

見送りを「完了」に入れるのは、対応が終わったという意味です。入会と見送りを同じまとまりに置いても、入会率は後の数式で分けて数えるので困りません。

3. ボードのビューで段階を動かす

受付が毎日開くのはボードです。段階ごとの列にカードが並び、ドラッグで次の段階へ動かせます。

  1. データベース名の横の「+」を押し、「ボード」を選ぶ
  2. ビューの名前を「段階ボード」にする
  3. ビューの設定から「グループ」を開き、「段階」を選ぶ
  4. 「プロパティ」で、カードに出すものを体験日・担当・次の連絡日・申込経路にしぼる
  5. 「並べ替え」で体験日を昇順にする

ボードは、何でグループにするかを選べます。ステータスのプロパティがあればそれが既定で使われ、ほかにセレクト・ユーザーなどでもまとめられます。数式のプロパティではグループにできないので、段階は人が選ぶプロパティにしておきます。

各列の見出しの右には件数が出ます。「申込」に何件たまっているかが一目で分かり、朝いちばんに「申込」の列が空になるまで連絡する、という決まりが作れます。件数の表示は見出しから「すべてカウント」以外にも変えられます。

「入会」「見送り」の列は日がたつほど長くなります。列見出しの「•••」から「グループを非表示」で隠すか、フィルターで「申込日が過去60日以内」にしぼると、ボードが動いている案件だけになります。

段階ボード。申込・体験予約・体験済みの3列にカードが並び、カードに体験日と担当が出ている。入会・見送りの列は非表示
段階ボード。申込・体験予約・体験済みの3列にカードが並び、カードに体験日と担当が出ている。入会・見送りの列は非表示

担当ごとに見たいときは、ビューの設定の「サブグループ」で「担当」を選ぶと、担当ごとの横の帯に分かれます。受付が2名なら、自分の帯だけを見れば済みます。

4. やり取りの記録を残す

電話やLINEのやり取りを残す方法は2つあります。どちらにするかは、やり取りの件数で決めます。

方法向く場面弱いところ
体験申込のページ本文に日付と内容を書き足す1人あたりのやり取りが数回「今週誰に電話したか」を一覧で出せない
やり取りデータベースに1回1行で入れ、リレーションでつなぐやり取りが多い、担当が交代する入力が1手間増える

サンプル料理教室は、体験日の変更や持ち物の確認でやり取りが増えるので、やり取りデータベースを使います。

  1. 体験申込のページの下に、フルページのデータベース「やり取り」を作る
  2. 設計表どおりにプロパティを足す
  3. 「+」から種類「リレーション」を選び、関連先に「体験申込」を選ぶ
  4. 「体験申込に表示」をオンにする(体験申込側にも「やり取り」の列ができる)
  5. 「リレーションを追加」を押す

入力は体験申込のページから行います。申込のページを開き、「やり取り」のプロパティから新しいページを作れば、つながった状態で1行が増えます。ページの中に、そのお客様のやり取りだけを日時の新しい順に並べたリンクドビューを置くと、電話を受けながら過去の経緯を読めます。

体験申込の1ページを開いたところ。プロパティの下に、その人のやり取りだけを並べたリンクドビュー(日時・手段・内容・対応者)がある
体験申込の1ページを開いたところ。プロパティの下に、その人のやり取りだけを並べたリンクドビュー(日時・手段・内容・対応者)がある

LINEの文面はそのまま貼らず、要点を1行で書きます。全文はLINE公式アカウントの管理画面に残っているので、Notionには「何を約束したか」だけあれば足ります。全文を貼るとNotionの中に個人情報が増え、検索で関係ない人にまで出てくる量が増えます。

ページ本文に書く方式にする場合も、書き方は決めておきます。いちばん上に新しいものを書く、1件ごとに日付から始める、の2つだけで、後から読む人が迷わなくなります。

5. 「次の連絡日」で連絡漏れをなくす

やり取りを残しても、次に連絡する日を誰も覚えていなければ連絡漏れが出ます。体験申込に「次の連絡日」を持たせ、受付が毎朝見るビューを作ります。

  1. 体験申込に「+」でテーブルのビューを足し、名前を「今日の連絡」にする
  2. フィルターで「次の連絡日」が「今日以前」を選ぶ
  3. もう1つ、「段階」が「入会」でも「見送り」でもない条件を足す
  4. 並べ替えを「次の連絡日」の昇順にする

連絡したら、やり取りを1行足して「次の連絡日」を書き換えるか空にします。このビューが空になれば今日の連絡は終わりです。

6. 入会率を数式とロールアップで出す

入会率は「入会した数 ÷ 申込の数」です。Notionは1つのデータベースの中で行をまたいだ割り算ができないので、月ごとの行を持つ集計用のデータベースを作り、ロールアップで数を集めてから割ります。

まず体験申込に、入会なら1になる数式と、申込月の数式を作ります。

if(format(prop("段階")) == "入会", 1, 0)
formatDate(prop("申込日"), "YYYY-MM")

format() は段階の値を文字にしてから比べるための関数です。数式は、本番のデータを入れる前にテスト用の行を1つ作って試します。段階を「入会」にした行で入会が1、それ以外で0になること、申込日が10月の行で申込月が「2026-10」と出ることを確かめてから使います。思った値が出ないときは、段階の選択肢の名前と数式の中の文字(空白や「済み」の有無)が同じかを先に見ます。

次に、代表だけの経営メモに「月別集計」データベースを作ります。

  1. 経営メモで /database と入力し、フルページのデータベースを作る
  2. タイトルを「月」にし、行を「2026-09」「2026-10」のように月ごとに作る
  3. 「+」から「リレーション」で関連先に「体験申込」を選び、「体験申込に表示」をオンにする
  4. 体験申込の各行の「月別集計」に、申込月と同じ月の行を選ぶ
  5. 月別集計に「ロールアップ」を足し、名前を「申込数」、リレーションに体験申込、計算を「すべてカウント」にする
  6. もう1つロールアップを足し、名前を「入会数」、対象のプロパティを「入会」、計算を「合計」にする
  7. 数式のプロパティ「入会率(%)」を足し、下の式を入れる
if(prop("申込数") == 0, 0, round(prop("入会数") / prop("申込数") * 1000) / 10)

この式は、申込10件・入会3件なら 30 を返します。名前に「(%)」を付けておくと、数字の意味で迷いません。小数点以下1桁まで出るので、申込7件・入会2件なら 28.6 になります。

手順4の「月の行を選ぶ」は、申込のたびに手でやると漏れます。体験申込のテンプレートやボタンで当月の行を入れる、月末に申込月で並べてまとめて選ぶ、のどちらかに決めておきます。毎月末に「月別集計」が空の行をフィルターで出してまとめて埋める運用が、小さな教室ではいちばん続きます。

月別集計データベースのテーブルビュー。月・申込数・入会数・入会率(%)の列があり、2026-08から2026-10の3行が並ぶ
月別集計データベースのテーブルビュー。月・申込数・入会数・入会率(%)の列があり、2026-08から2026-10の3行が並ぶ

見送りの数も同じ形で出せます。体験申込に「見送り」の数式(段階が見送りなら1)を足し、月別集計で合計をロールアップすれば、まだ結果が出ていない申込が何件残っているかも分かります。月の途中では結果待ちの申込が多く、入会率が低く見えます。判定は、その月の申込がほぼ入会か見送りに動いた翌月の半ばに見ます。

7. チャートのビューで見る

数字の並びより、棒グラフのほうが変化に気づきやすくなります。

  1. 月別集計のデータベース名の横の「+」から「チャート」を選ぶ
  2. 「チャートの種類」で縦棒グラフを選ぶ
  3. X軸の「データ」に「月」を選ぶ
  4. Y軸の「データ」に「入会数」を選ぶ

チャートのX軸とY軸にはロールアップのプロパティをそのまま使えません。月別集計の入会数がロールアップのままだとグラフにできないので、Y軸に使う値は数式のプロパティに置き換えます。月別集計に「入会数(グラフ用)」という数式を足し、prop("入会数") とだけ書いておけば、それをY軸に選べます。ここでつまずく人が多いところです。

体験申込のほうでチャートを作る手もあります。体験申込で「+」から「チャート」を選び、ドーナツグラフにして「段階」で分ければ、今いる申込が段階ごとに何件あるかがその場で分かります。縦棒グラフにしてX軸を「申込経路」、Y軸の「グループ化」を「段階」にすれば、経路ごとに入会と見送りの内訳を色分けして見られます。この形なら集計用のデータベースは要りません。

体験申込のチャートビュー。X軸が申込経路(ホームページ・LINE・紹介・チラシ)、棒が段階で色分けされている
体験申込のチャートビュー。X軸が申込経路(ホームページ・LINE・紹介・チラシ)、棒が段階で色分けされている

チャートはフリープランでは1つしか作れません(2026年10月時点)。有料プランなら数の制限はありません。フリープランで使うなら、まず申込経路ごとの棒グラフ1つにしぼります。

8. 申込をフォームから直接ためる

ホームページのフォームの内容を受付が手で写していると、写し間違いと写し忘れが出ます。Notionのフォームを使うと、回答がそのまま体験申込の1行になります。

  1. 体験申込のビューの「+」から「フォーム」を選ぶ
  2. 質問に名前・メール・電話・希望の体験日・申込経路を並べる
  3. 「入力できるユーザー」を「リンクを知っているWeb上のすべての人」にする
  4. フォームのリンクをホームページ sample-cooking.example の体験申込ボタンに貼る
体験申込のフォームの編集画面。名前・メール・電話・希望の体験日・申込経路の質問と、右側の「入力できるユーザー」の設定
体験申込のフォームの編集画面。名前・メール・電話・希望の体験日・申込経路の質問と、右側の「入力できるユーザー」の設定

Web上の誰でも回答できるフォームは、自動で匿名の回答になります。段階の既定の値を「申込」にしておけば、受付は段階ボードの「申込」の列を見るだけで新しい申込に気づけます。フォームから入った行の段階がどうなるかは、公開する前にテストの回答を1件送って確かめます。空で入る場合は、ボードに「段階が空」の行を拾うビューを足すか、受付が朝いちばんに「申込」へ動かす決まりにします。フォームの細かい設定は別の記事で書いています。

LINEから来た申込は、受付が体験申込に1行足します。フォームと同じ行に「申込経路:LINE」と入れておけば、経路ごとの集計に混ざります。

応用

見送り理由を数えて次の手を決める

見送りにしたときに「見送り理由」を必ず選ぶ決まりにしておくと、3か月ほどで傾向が見えます。体験申込でチャートを作り、X軸を「見送り理由」、フィルターを「段階が見送り」にすると、日程が合わない人が多いのか料金なのかが分かります。日程が理由なら平日昼のクラスを考える、料金なら体験当日の入会特典を見直す、という判断の材料になります。

担当の受付が交代しても経緯が切れないようにする

受付が休んだ日に別の受付が電話を受けても、やり取りデータベースに1行ずつ残っていれば、何を約束したかがすぐ分かります。担当を替えるときは、体験申込の「担当」を書き換えるだけです。「今日の連絡」のビューに「担当が自分」のフィルターを足したビューを受付ごとに作ると、自分の分だけを見られます。

BtoBの会社で使うときの形

教室ではなく、法人向けに見積や受注を追う会社なら、データベースを「会社」「案件」「やり取り」の3つにします。会社に社名・業種・担当者、案件に金額・段階・受注予定日を持たせ、案件から会社へリレーションをつなぎます。会社の行に「案件の金額の合計」をロールアップで出せば、どの取引先との取引が大きいかが分かります。段階は「問い合わせ・提案・見積・受注・失注」のようにして、ボードの作り方は同じです。

入会した人を次の台帳へ渡す

入会した人は、通常のレッスンの予約と月謝を予約システムで管理します。Notionの体験申込は「入会」で役目を終え、入会後の出欠や月謝の状態はNotionに持たせません。入会した人の講師への引き継ぎメモだけは、体験申込のページに「体験時の様子」として講師に書いてもらうと、通常レッスンの初回に役立ちます。

個人情報と権限の注意

体験申込には個人情報が入ります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、従業員100人以下の事業者を「中小規模事業者」とし、安全管理の手法の例として、個人データを扱う従業者をはっきりさせて不要なアクセスを防ぐこと、責任ある立場の人が扱いの状況を定期的に点検すること、従業者に研修をすることなどを挙げています。(取り扱う個人の数が過去6か月以内に5,000を超える事業者や、委託を受けて個人データを扱う事業者は、従業員数にかかわらず中小規模事業者から外れます。)Notionに置き換えると、次のように運用します。

注意することNotionでやること
見る人を限る体験申込は受付のチームスペースに置き、講師には体験日と人数だけのビューを別のページで見せる
ゲストに見せない外部のデザイナーや印刷会社をゲストで招いたページの下に、体験申込を置かない。ゲストを招く前に、そのページのサブページを確かめる
書きすぎないアレルギーなど配慮が要る情報は、体験に必要な範囲だけ書く。LINEの全文やスクリーンショットを貼らない
共有リンクを広げない体験申込のページの「共有」で、一般的なアクセスが「招待されたユーザーのみ」になっているか確かめる
定期的に見直す月に1回、代表が体験申込の「共有」を開き、アクセスできる人の一覧を見る
退職者を外す受付が辞めたら、その日のうちにワークスペースから外し、担当を引き継ぐ
古い申込を残しすぎない見送りから一定期間たった申込は、教室で決めた期間で消す

Notionのページは、作られたときに親ページの権限を引き継ぎます。教室全体のチームスペースの下に作ると、教室全体のメンバー全員が開ける状態から始まります。置き場所は最初から受付のチームスペースにします。

ビジネスプラン以上では、データベースの「共有」から「ページレベルのアクセス」で、ユーザーのプロパティに入っている人だけがその行を見られるルールを作れます(2026年10月時点)。担当の受付に自分の担当分だけを見せる、といった細かい分け方が要るならこの機能を使いますが、受付2名と代表の教室なら、チームスペースで分けるだけで足ります。

外部のサービスとNotionをつないで申込を自動で登録する場合、つないだサービスにも体験申込のデータが渡ります。つなぐ前に、そのサービスの扱いを確かめます。

できないことと、その代わり

Notionで作る顧客管理は、小さな会社が申込から入会までを追うには十分です。ただ、専用の顧客管理ツールと比べてできないことがあります。

できないこと代わりの手
お客様へのメールの一斉配信LINE公式アカウントやメール配信のサービスを使う。Notionは送った記録だけ残す
予約枠の管理とお客様からの予約受付予約システム(reserve.example)を使う
月謝の請求と入金の管理予約システムや会計ソフトを使う
入力のたびに承認を通す流れkintoneのプロセス管理やSalesforceの承認を使う
行ごとの細かい権限をフリー・プラスプランで分けるチームスペースとページで分ける。それでも足りなければビジネスプランかkintone
同じデータベースの中で行をまたぐ集計集計用のデータベースを作ってロールアップで集める
電話の発着信を自動で残す電話のサービス側の記録を使い、Notionには要点だけ書く

kintone・Salesforceへ移る目安

次のどれかに当てはまり始めたら、Notionで顧客管理を続けるより、専用のツールへ移るほうが手間が減ります。

目安起きること移り先
顧客や申込が数千件を超え、毎日何十件も増える絞り込みやボードの表示に待ちが出る。集計用のデータベースの手作業が増えるkintone・Salesforce
担当ごとに見られる行を厳しく分けたいチームスペースでは分けきれないkintone・Salesforce
入力の決まりを強く守らせたい(必須項目・入力できる値の制限)Notionは空欄のまま保存できるkintone
営業の段階ごとの見込み金額や予測を出したい数式とロールアップで作り込むほど壊れやすいSalesforce
問い合わせから受注、請求まで1つにつなげたいNotionと他の道具の間の写しが増えるkintone・Salesforce

実際に運用していると、Notionの顧客管理は「申込の受付から結果が出るまで」の追いかけには強く、入会後の長い付き合い(更新・解約・売上の推移)の管理になると作り込みが一気に増えます。入会後の管理まで1つのツールでやりたくなった時点が、kintoneやSalesforceを比べ始める時期です。姉妹サイトのkintoneとSalesforceのコラムでは、同じ料理教室の例で顧客管理を作っているので、移ったあとの形を比べられます。

よく詰まるところ

症状原因直し方
ボードを段階でまとめられない段階を数式で作っている段階はステータスかセレクトにする。グループに数式は使えない
入会率のグラフが作れないY軸にロールアップを選ぼうとしているprop("入会数") だけの数式のプロパティを作り、それをY軸にする
入会率が月によって0%になる月別集計のリレーションが空の申込がある体験申込で「月別集計」が空の行をフィルターで出して埋める
月の途中の入会率が低すぎる結果待ちの申込を分母に入れている判定を翌月の半ばにする。見送りの数も出して残りを見る
「入会」なのに入会数に数えられない段階の選択肢の名前を「入会済み」などに変えた数式の中の文字を選択肢の名前と同じにする
講師から体験申込の電話番号が見えると言われた教室全体のチームスペースに置いている、またはページを直接共有している受付のチームスペースへ移し、「共有」で付いている人を確かめる
外部のデザイナーが申込一覧を開けたゲストを招いたページの下に体験申込を置いていた体験申込を受付のチームスペースへ移し、ゲストの権限を外す
フォームからの申込に回答者の名前が入らないWeb上の誰でも回答できるフォームは匿名になる名前を質問として入れる
「次の連絡日」のビューに入会した人が出る段階の条件をフィルターに入れていない段階が入会・見送りでない条件を足す
同じ人の申込が2行あるフォームとLINEの両方から申し込まれた名前と電話で並べ替えて見つけ、片方を消してやり取りを寄せる
退職した受付が担当のままの申込が残る担当を引き継がずにワークスペースから外した外す前に「担当がその人」のビューを出して担当を替える

次にやること

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