Notionをn8nとつなぐ:フォーム・メール・kintoneから自動で登録する

公開 書いた人 大林 諒

Notion(ノーション)に申込や問い合わせを手で写している会社は多いです。フォームの通知メールを開いて、名前と日付をデータベースにコピーし、受付に「入りました」と声をかける。1件1分でも、月に100件あれば1時間半、写し間違いと写し忘れも混ざります。この記事では、ワークフロー自動化ツールのn8nを使って、フォーム・Gmail・kintoneからNotionへ自動で登録する形を、手順付きで書きます。読み終わると、n8nとNotionをつなぐ認証を作り、フォームの申込を体験申込データベースに入れて受付に知らせるワークフローを、自分で1本動かせます。前提は、Notionのワークスペースにデータベースが1つ以上あり、n8nを使える環境(n8nのクラウド版か、自社で立てたn8n)があることです。

例は、このコラムで毎回使っている、スタッフ6名ほどの予約制の小さな料理教室「サンプル料理教室」のワークスペースです。データベースは体験申込・タスク・レッスン予定を使います。

この記事の内容
  1. n8nとは、なぜNotionと組むのか
  2. 先に決めること
  3. n8nのNotionノードでできること
  4. 認証を作る
  5. 例1:ホームページのフォームの申込を体験申込に入れ、受付に知らせる
  6. 例2:Gmailの問い合わせメールをNotionのタスクにする
  7. 例3:kintoneとNotionを同期するときの注意
  8. Notionのオートメーションのwebhookからn8nを動かす
  9. 応用
  10. 止まったときの気づき方
  11. できないことと、その代わり
  12. よく詰まるところ
  13. 次にやること

n8nとは、なぜNotionと組むのか

n8nは、「フォームが送られたら」「メールが届いたら」「毎朝9時に」といったきっかけで、決めた順に処理を流すワークフロー自動化ツールです。画面上でノード(処理の箱)を線でつないで組み、NotionやGmail、Slack、kintoneのREST APIなどへ読み書きします。n8nそのものの始め方は姉妹サイトのn8nコラム(nexly.co.jp/n8n/)にまとめてあります。

Notionと組む理由は3つあります。

1つ目は、Notionの外で起きたことをNotionへ入れたいときです。Notionのオートメーションは「Notionの中で何かが変わったら」動く機能で、ホームページのフォームやGmailの受信をきっかけにはできません。外からNotionへ入れるには、Notion APIを呼ぶ何かが要り、n8nはその役になります。

2つ目は、途中で加工や分岐を入れたいときです。申込経路で担当を振り分ける、同じメールアドレスの申込がすでにあれば新しく作らず更新する、日付を整える、といった処理はNotionだけでは組めません。

3つ目は、Notionから外へ流したいときです。体験申込の「入会したか」が入会に変わったら、別の台帳やkintoneにも入れる。この「外へ」の流れは、Notionのオートメーションのwebhookでn8nを呼び出せば組めます。

逆に、Notionの中だけで完結する繰り返し(毎週の議事録ページを作る、状態が完了になったら日付を入れる)は、n8nを使わずNotionのボタンとオートメーションで足ります。道具を増やすほど、止まったときに見る場所も増えます。

先に決めること

n8nのワークフローは作るのは早いですが、あとで「どっちが正しいデータか分からない」「誰が止まったことに気づくのか」で揉めます。作る前に次の4つを決めます。

1つ目は、そのデータの正をどこに置くかです。フォームの申込なら、Notionの体験申込が正です。月謝と予約は外部の予約システム(reserve.example)が正で、Notionには写しを置くだけにします。kintoneとつなぐ場合は、とくにここを先に決めます。両方を正にすると、片方で直した内容がもう片方で上書きされます。

2つ目は、n8nがNotionのどのページに触れてよいかです。n8nはインテグレーション(Notion APIの接続)を通してNotionに入ります。インテグレーションは、接続を足したページとその下にしか触れません。サンプル料理教室では、体験申込とタスクのデータベースだけに接続し、代表だけの経営メモには接続しません。

3つ目は、n8nの認証を誰の持ち物にするかです。辞めた人のアカウントで作った認証は、その人が抜けると止まります。サンプル料理教室では、代表がインテグレーションを作り、n8nのアカウントも代表の名義にしています。

4つ目は、止まったときに誰に知らせるかです。受付が気づけないと、申込が入っていないことに数日後に気づきます。通知の宛先は代表のアドレス daihyo@sample-cooking.example にしておき、受付には別の流れで毎朝の件数だけ知らせます。

n8nのNotionノードでできること

n8nにはNotionノード(Notionを読み書きする箱)と、Notion Trigger(Notionの変化をきっかけにする箱)があります。2026年10月時点のn8n公式ドキュメントで、Notionノードの操作は次のとおりです。

対象(Resource)操作(Operation)サンプル料理教室での使いどころ
BlockAppend After / Get Many / Get Markdown申込ページの本文に、フォームの自由記入欄を書き足す
Data SourceGet / Searchデータベースの中身の定義(データソース)を調べる
DatabaseGetデータベースのプロパティの一覧を確かめる
Database PageCreate / Get / Get Many / Update体験申込に1件作る、同じメールの申込を探す、状態を更新する
PageArchive / Create / Get Markdown / Search / Update Markdown通常のページを作る、不要なページをアーカイブする
UserGet / Get Manyタスクの担当に入れる人のIDを調べる

ふだん使うのは、ほぼ「Database Page」の4つです。データベースの1行は、Notionの中では1枚のページなので、「行を足す」は「Database Page」の「Create」になります。

一覧にない操作は、HTTP RequestノードでNotion APIを直接呼べます。このときも、Notionノード用に作った認証をそのまま使えます。

Notion Triggerのきっかけは「Page added to database」(データベースにページが足された)と「Page updated in database」(データベースのページが更新された)の2つです。Notion側の変化を受けたいときは、この Notion Trigger か、後で書くNotionのオートメーションのwebhookのどちらかを使います。

n8nのワークフロー編集画面で、Notionノードを開き、ResourceにDatabase Page、OperationにCreateを選んだところ
n8nのワークフロー編集画面で、Notionノードを開き、ResourceにDatabase Page、OperationにCreateを選んだところ

認証を作る

n8nからNotionに入るには、Notion側でインテグレーションを作り、そのトークンをn8nに登録します。n8nの公式ドキュメントでは、社内用の「API integration token」と、外部に配る用の「OAuth2」の2つが書かれています。1つの会社の中で使うなら、社内用の方で足ります。

Notionでインテグレーションを作る

  1. Notionのサイドバーの「設定」を開き、「コネクト」のタブを選ぶ
  2. 「+ 新規コネクション」を押す
  3. 名前に n8n連携 と入れ、ワークスペース「サンプル料理教室」を選んで保存する
  4. 「コネクト権限の詳細設定」で、コンテンツの読み取り・書き込み・挿入と、ユーザー情報の読み取り(メールアドレスは除く)を有効にして保存する
  5. 「内部接続トークン」をコピーする

n8nの公式ドキュメントは英語の画面で書かれていて、手順4は「Capabilities」、手順5は「Internal Integration Secret」(Secretsのタブ)と表記されています。

コピーしたトークンは ntn_xxxx のような文字列です(2024年9月より前に作ったものは secret_ で始まり、そのまま使えます)。これを持っていれば、接続したページを誰でも読み書きできます。チャットやメールに貼らず、そのままn8nに入れます。

Notionの「設定」→「コネクト」で作ったn8n連携の「コネクト権限の詳細設定」を開き、読み取り・書き込み・挿入にチェックが入っているところ
Notionの「設定」→「コネクト」で作ったn8n連携の「コネクト権限の詳細設定」を開き、読み取り・書き込み・挿入にチェックが入っているところ

n8nに登録する

  1. n8nの左のメニューから認証の一覧(Credentials)を開く
  2. 新しく作るを押し、「Notion API」を選ぶ
  3. 「Internal Integration Secret」の欄に、さきほどの内部接続トークンを貼る
  4. 名前を Notion サンプル料理教室 にして保存する

データベースに接続を足す

インテグレーションを作っただけでは、n8nからは何も見えません。触れてよいページごとに接続を足します。

  1. Notionで体験申込のデータベースを開く
  2. 右上の ••• を押す
  3. 「その他」を開き、「コネクション」のグループにある「コネクションを追加」を押す
  4. 一覧から n8n連携 を選ぶ

タスクのデータベースにも同じ操作をします。接続を足していないページにn8nから触ると、エラーが返ります。n8nで「見つからない」と出たら、まず接続を疑います。

体験申込データベースの右上の•••メニューで「その他」を開き、「コネクションを追加」から、n8n連携を選んでいるところ
体験申込データベースの右上の•••メニューで「その他」を開き、「コネクションを追加」から、n8n連携を選んでいるところ

例1:ホームページのフォームの申込を体験申込に入れ、受付に知らせる

サンプル料理教室のホームページ sample-cooking.example には、体験レッスンの申込フォームがあります。今は送信されるとメールが届き、受付が体験申込データベースに手で写しています。これを、送信されたら自動で1行作り、受付に知らせる形にします。

体験申込データベースのプロパティは次のとおりです。

プロパティ種類フォームから入れる値
名前タイトルお名前
メールメールメールアドレス
電話電話電話番号
申込日日付送信された日時
申込経路セレクトホームページ(固定)
体験日日付希望日
入会したかセレクト未定(固定)
問い合わせ内容テキスト自由記入欄

手順

  1. n8nで新しいワークフローを作り、名前を HPフォーム→体験申込 にする
  2. 最初のノードにWebhookノードを置き、HTTP MethodをPOSTにする
  3. Webhookノードに出るテスト用のURLをコピーする
  4. ホームページのフォームの送信先(フォームのプラグインのwebhook設定など)に、テスト用のURLを入れる
  5. n8nでWebhookノードを待ち受けの状態にして、ホームページからテストの申込を1件送る
  6. n8nにフォームの中身が届いたことを確かめる(name email tel date message のような項目名で届く)
  7. 次にNotionノードを置き、ResourceをDatabase Page、OperationをGet Manyにして、体験申込の中からメールが同じ行を探す
  8. Ifノードを置き、見つかったら更新、見つからなければ新しく作る、に分ける
  9. 見つからなかった側にNotionノードを置き、ResourceをDatabase Page、OperationをCreate、データベースに体験申込を選ぶ
  10. プロパティを1つずつ足し、表のとおりにフォームの項目を割り当てる
  11. 作った行のURLを受け取り、Gmailノードで受付用のアドレスに「体験申込が入りました」とURL付きで送る
  12. テスト用のURLから本番用のURLに付け替え、ワークフローを本番で動く状態にする(ボタンの表記はn8nの版で違うので、画面右上の切り替えで確かめる)

日付は、Notionが読める形(2026-11-08 や 2026-11-08T19:00:00+09:00)で渡します。フォームが 2026/11/08 のように送ってくる場合は、n8nの式で直します。

{{ $json.body.date.replaceAll('/', '-') }}

申込日には、受け取った時刻を入れます。

{{ $now.setZone('Asia/Tokyo').toISO() }}

受付への通知の本文は、名前・体験日・Notionの行のURLの3つで足ります。受付はURLを押せばNotionの行が開き、そこで電話をかけた記録を残せます。

体験申込が入りました
名前:{{ $('Webhook').item.json.body.name }}
体験日:{{ $('Webhook').item.json.body.date }}
Notion:{{ $json.url }}
n8nのワークフロー全体(Webhook→Notion Get Many→If→Notion Create→Gmail)が線でつながっているところ
n8nのワークフロー全体(Webhook→Notion Get Many→If→Notion Create→Gmail)が線でつながっているところ
体験申込データベースに、申込経路が「ホームページ」の行が自動で1件増えたところ
体験申込データベースに、申込経路が「ホームページ」の行が自動で1件増えたところ

この例で気をつけること

同じ人が2回送ってくることがあります。手順7と8で、メールが同じ行を先に探しているのはこのためです。見つかった側では、新しく作らず、体験日と問い合わせ内容だけを更新します。

セレクトの選択肢は、Notion側の表記と1文字でも違うと別の選択肢として扱われます。ホームページ と HP が混ざると、申込経路での集計が割れます。n8nで固定値を入れるときは、Notionの選択肢をコピーして貼ります。

問い合わせ内容のテキストは、1つの塊で2,000字までです。長い自由記入が来る可能性があるなら、n8nで2,000字に切ってから入れるか、本文側にBlockのAppend Afterで書き足します。

Notionの公式のフォームで足りるなら、n8nを使わずにNotionのフォームでデータベースへ直接ためる方が単純です。ホームページの見た目のままフォームを使いたい、送信後に別の処理も挟みたい、という場合にn8nを使います。

例2:Gmailの問い合わせメールをNotionのタスクにする

info@sample-cooking.example には、法人からの出張レッスンの相談や取材の依頼が届きます。受付が読んで「あとで代表に回す」と思ったまま埋もれることがありました。届いたらタスクのデータベースに1行作り、担当と期限を付けます。

タスクのデータベースのプロパティは、名前(タイトル)・担当(ユーザー)・期限(日付)・状態(ステータス)・関連するレッスン(リレーション)に、メール用として「差出人」(メール)と「本文の冒頭」(テキスト)を足しておきます。

  1. n8nで新しいワークフローを作り、名前を 問い合わせメール→タスク にする
  2. 最初のノードにGmail Triggerを置き、EventをMessage Receivedにする
  3. Poll Timesで確認の間隔を決める(サンプル料理教室では15分ごと)
  4. 絞り込みのSearchに to:info@sample-cooking.example -from:reserve.example と入れ、予約システムからの自動メールを外す
  5. Read Statusは「Unread emails only」のままにする
  6. 次にNotionノードを置き、ResourceをDatabase Page、OperationをCreate、データベースにタスクを選ぶ
  7. 名前に件名、差出人に送り主のアドレス、本文の冒頭にメール本文の先頭500字を割り当てる
  8. 状態は「未着手」、期限は受信日の2日後にする
  9. 担当には受付Bを入れる(ユーザーのIDは、NotionノードのUserのGet Manyで一度調べておく)
  10. 最後にGmailノードで、そのメールに Notion登録済み のラベルを付ける

期限の式は次のとおりです。

{{ $now.setZone('Asia/Tokyo').plus({ days: 2 }).toFormat('yyyy-MM-dd') }}

本文の冒頭を500字に切る式です。

{{ ($json.text || '').slice(0, 500) }}

全文をNotionに写す必要はありません。タスクには「何の件か」と「誰からか」があれば動けます。返信はGmailで書くので、タスクの行にGmailで開くための手がかり(件名と差出人)が残っていれば足ります。

ラベルを付けるのは、あとで「どのメールがタスクになったか」をGmailの側から見られるようにするためです。ラベルの無い問い合わせが残っていれば、ワークフローが止まっていたと分かります。

n8nのGmail Triggerの設定で、Searchに「to:info@sample-cooking.example」が入っているところ
n8nのGmail Triggerの設定で、Searchに「to:info@sample-cooking.example」が入っているところ
タスクのデータベースのボードビューで、未着手の列に問い合わせメールの件名のタスクが並んでいるところ
タスクのデータベースのボードビューで、未着手の列に問い合わせメールの件名のタスクが並んでいるところ

例3:kintoneとNotionを同期するときの注意

会社によっては、顧客や案件の台帳をkintoneに置き、議事録やマニュアルをNotionに置いています。kintoneのレコードをNotionにも出したい、という相談はよくあります。手順を書く前に、先に決めることを書きます。

どちらを正にするかを1つに決める

同期で一番多い事故は、両方で書き換えて、どちらが正しいか分からなくなることです。kintoneで電話番号を直し、同じ日にNotionで住所を直すと、片方の同期がもう片方を古い値で上書きします。片方向にすると、この事故は起きません。

形正向き向いている場面
kintoneが正kintonekintone→Notion台帳はkintoneで入力し、Notionでは議事録やタスクから参照したい
Notionが正NotionNotion→kintoneNotionで受けた申込のうち、入会した人だけをkintoneの会員台帳に送る
両方向項目ごとに分ける双方向勧めない。やるなら項目ごとに正を決め、同じ項目を両方で書かない

サンプル料理教室では、Notionの体験申込が正で、入会が決まった人だけを会員台帳に送る「Notionが正」の形にしています。会員台帳側で直した内容は、Notionに戻しません。

突き合わせのキーを両方に持たせる

kintoneのレコード番号をNotion側の「kintoneのレコード番号」(数値)に、NotionのページIDをkintone側の「NotionのページID」(文字列1行)に入れておきます。2回目からはこのキーで探して更新します。名前やメールアドレスで突き合わせると、表記の揺れで別人として二重に作られます。

n8nでの組み方

kintoneとのやり取りは、n8nのHTTP RequestノードでkintoneのREST APIを呼んで組みます。kintone側のAPIトークンはアプリごとに発行し、必要な権限(レコード閲覧・追加・編集)だけにチェックを入れます。kintone側の変化をきっかけにするなら、kintoneアプリの設定のWebhookにn8nのWebhookノードのURLを入れます。kintone側の操作の詳しい手順は、姉妹サイトのkintoneコラム(nexly.co.jp/kintone/)に書いてあります。

消したときの扱いを決める

片方で消したレコードを、もう片方でも消すかを決めます。自動で消す流れは、間違えたときに戻せません。サンプル料理教室では、Notion側で消しても会員台帳は消さず、受付が月に1回、差分を見て手で直しています。

体験申込データベースに「kintoneのレコード番号」のプロパティを足し、入会した行に番号が入っているところ
体験申込データベースに「kintoneのレコード番号」のプロパティを足し、入会した行に番号が入っているところ

Notionのオートメーションのwebhookからn8nを動かす

Notionの中の変化をきっかけにn8nを動かすには、データベースのオートメーションに「Webhookを送信」のアクションを足します。2026年10月時点で、webhookのアクションは有料プランだけで使えます。

例として、体験申込の「入会したか」が「入会」に変わったら、n8nを呼び出して会員台帳への登録と代表への通知を行います。

  1. n8nで新しいワークフローを作り、最初にWebhookノードを置いてHTTP MethodをPOSTにする
  2. Webhookノードのテスト用のURLをコピーする
  3. Notionで体験申込のデータベースを開き、データベース上部の稲妻のアイコンを押す
  4. 「新規オートメーション」を押し、トリガーに「プロパティの編集」を選び、「入会したか」を「設定」「入会」にする
  5. 「アクションを追加」から「Webhookを送信」を選ぶ
  6. URLにn8nのテスト用のURLを貼る
  7. 送るプロパティに、名前・メール・電話・体験日を選ぶ
  8. 「カスタムヘッダーを追加する」で、キーに X-Notion-Token、値に自分で決めた長い合言葉を入れる
  9. n8nを待ち受けの状態にして、テストの行の「入会したか」を「入会」に変え、n8nに届いた中身を確かめる
  10. 届いた形に合わせて後ろのノードを組み、最後に本番用のURLへ付け替える

Notionのwebhookは中身の形がヘルプに細かく書かれていないので、手順9で実物を見てから後ろを組みます。webhookの送り方はPOSTだけで、送れるのはデータベースのプロパティだけです。ページの本文は送れません。1つのオートメーションに足せるwebhookは5つまでです。

手順8の合言葉は、n8nのWebhookノードの認証(Header Auth)に、ヘッダー名 X-Notion-Token と同じ値を登録して照らし合わせるのに使います。URLだけで受けると、URLを知った誰かが偽のデータを送れてしまいます。

体験申込のオートメーションの編集画面で、アクションに「Webhookを送信」が入り、URLとカスタムヘッダーが入力されているところ
体験申込のオートメーションの編集画面で、アクションに「Webhookを送信」が入り、URLとカスタムヘッダーが入力されているところ

応用

申込経路で担当を分けるには、例1のNotionノードの前にSwitchノードを置きます。LINEからの申込は受付A、ホームページからは受付Bを担当に入れる、という分け方です。

毎朝の件数を受付に知らせるには、Schedule Triggerで毎朝8時半に動かし、体験申込から「体験日が今日」の行をGet Manyで取ってきて、件数と名前をGmailで送ります。Notionを開かなくても、その日の体験の人数が分かります。

レッスン予定の申込数を外部の予約システムから写す場合も、同じ考え方です。予約システムが正で、Notionには毎晩1回、申込数だけを上書きします。Notionで申込数を直しても次の夜に戻るので、Notion側の申込数は直さない決まりにします。

ワークフローが増えてきたら、名前の頭に入口を付けます。HPフォーム→体験申込、Gmail→タスク、Notion→会員台帳 のように並べておくと、止まったときにどれを見ればいいかすぐ分かります。

止まったときの気づき方

自動化は、止まったことに気づけないのが一番困ります。気づき方を3つ重ねておきます。

1つ目は、n8nのエラー用のワークフローです。

  1. n8nで新しいワークフローを作り、名前を エラー通知 にする
  2. 最初のノードにError Triggerを置く
  3. 次にGmailノードを置き、宛先を daihyo@sample-cooking.example にする
  4. 本文に、止まったワークフローの名前・エラーの内容・実行の記録のURLを入れて保存する
  5. 見張りたいワークフローを開き、Options(オプション)の Settings(設定)にある「Error workflow」で エラー通知 を選んで保存する

本文は次のように書きます。

n8nのワークフローが止まりました
ワークフロー:{{ $json.workflow.name }}
止まったノード:{{ $json.execution.lastNodeExecuted }}
内容:{{ $json.execution.error.message }}
実行の記録:{{ $json.execution.url }}

実行の記録のURL(execution.url)は、実行の記録が保存される設定のときだけ入ります。ワークフローの設定で、失敗した実行を保存する設定にしておきます。1つのエラー用ワークフローを、全部のワークフローで使い回せます。条件に合わないデータを止めたいときは、Stop and Errorノードでわざと失敗させれば、同じ通知が届きます。

2つ目は、Notion側の止まり方を知っておくことです。Notionのオートメーションのwebhookは、送り先が失敗すると、オートメーションの横に注意の印が出て、オートメーションが自動で一時停止します。再開は手でやるまで止まったままです。n8nを直したあとに、Notionのオートメーションも再開します。

3つ目は、件数の突き合わせです。月に1回、フォームの送信件数と体験申込の申込経路「ホームページ」の件数、Gmailの Notion登録済み ラベルの数とタスクの件数を比べます。差があれば、どこかで落ちています。

n8nのエラー通知ワークフローで、Error TriggerとGmailノードがつながっているところ
n8nのエラー通知ワークフローで、Error TriggerとGmailノードがつながっているところ
Notionのオートメーションの一覧で、webhookの失敗により一時停止の印が出ているところ
Notionのオートメーションの一覧で、webhookの失敗により一時停止の印が出ているところ

できないことと、その代わり

やりたいことできない・向かない理由代わりの手
大量の行を一気に入れるNotion APIには回数の上限があり、ビジネス・エンタープライズ以外は1分180回(平均で毎秒3回)まで初回の移し込みはCSVのインポートで入れ、n8nは日々の差分だけにする
ページの本文をwebhookで送るNotionのwebhookのアクションはプロパティだけを送るn8n側でBlockのGet MarkdownやPageのGet Markdownで取り直す
長い文章を1つのテキストに入れるテキストの1つの塊は2,000字まで切って入れるか、本文に分けて書き足す
無料のNotionでwebhookを送るwebhookのアクションは有料プランだけn8nのNotion Triggerで「Page updated in database」を使う
承認の流れを厳しく回すNotionは承認の履歴や差し戻しを固く管理する作りではない申請と承認はkintoneやワークフローの専用の道具に置き、Notionには結果だけ写す
お客様の予約受付をNotionで受ける公開フォームから予約枠の管理までをNotionで固く回すのは向かない予約は予約システムに任せ、Notionは社内の管理に使う

n8nを自社で立てる場合は、サーバーの更新や停止もn8nの止まり方に入ります。サーバーの面倒を見られる人がいなければ、n8nのクラウド版にする方が安全です。

よく詰まるところ

症状原因直し方
n8nでデータベースが一覧に出ないインテグレーションの接続をデータベースに足していないデータベースの ••• →「その他」の「コネクションを追加」で接続を足す
Createで「プロパティが見つからない」と出るNotion側でプロパティ名を変えたn8nのNotionノードを開き直し、プロパティを選び直す
申込経路の集計が割れるセレクトの選択肢の表記がNotionとn8nでずれているNotionの選択肢をコピーしてn8nの固定値に貼る
日付が1日ずれるタイムゾーンを付けずに渡しているsetZone('Asia/Tokyo') を通してから入れる
同じ人が2行できる先に探さず毎回CreateしているメールでGet Manyしてから、IfでCreateとUpdateに分ける
テストでは動くのに本番で届かないフォームの送信先がテスト用のURLのまま本番用のURLに付け替え、ワークフローを本番で動く状態にする
担当が入らないユーザーのプロパティに名前を入れているUserのGet ManyでIDを調べ、IDで入れる
429のエラーが出る短い間にNotion APIを呼びすぎたn8nのノードの再試行を有効にし、間にWaitノードを入れる
Notionのオートメーションが動かなくなったwebhookの失敗で自動で一時停止したn8n側を直してから、オートメーションを手で再開する
辞めた人の作ったワークフローが止まった認証がその人のアカウントだった認証を代表のインテグレーションで作り直し、各ノードで付け替える
本文の冒頭が途中で切れて保存されない2,000字を超えた式で slice(0, 2000) 以下に切る

次にやること

外からNotionを読み書きする仕組みそのものは、「Notion APIの使い方:インテグレーションを作って外からデータを読み書きする」に書いています。n8nを使わずにNotionの中だけで済む繰り返しは「Notionのボタンとオートメーション:繰り返しの作業を自動にする」から先に試すと、道具を増やさずに済みます。申込をNotionで直接受けるなら「Notionのフォーム:申込や問い合わせをデータベースに直接ためる」、受付への通知や予定をSlackやGoogleカレンダーとつなぐなら「NotionとSlack・Googleカレンダー・Teamsの連携:通知と予定をつなぐ」に進みます。

あわせて読む