Google広告の改善:検索語句レポート・オークション分析・変更履歴の見方

公開 書いた人 大林 諒

Google広告は、出したあとに手を入れるところが決まっています。どんな検索で出たかを見る「検索語句レポート」、競合とどう競っているかを見る「オークション分析」、誰がいつ何を変えたかを見る「変更履歴」、Googleが出してくる「最適化案」、そして曜日や時間、デバイスや地域で数字を分けて見る「分割」です。ここでは、この5つを何のために、どの順で、どこまで見ればよいかを、水回りと給湯器の交換をしている「サンプル住まいサービス」の毎週の改善を例に書きます。読み終わると、毎週30分〜1時間で、触ってよいところだけを触る改善を回せるようになります。画面の経路と指標の名前は2026年10月時点の公式ヘルプで確かめています。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. 改善に使う5つの画面
  3. 検索語句レポートで除外とキーワードを決める
  4. オークション分析で競合を見る
  5. 変更履歴で誰が何を変えたかを見る
  6. 最適化案と最適化スコアを全部は受けない
  7. 曜日・時間・デバイス・地域で分けて見る
  8. サンプル住まいサービスの毎週の改善
  9. 応用
  10. できないことと、その代わり
  11. よく詰まるところ
  12. 次にやること

先に決めること

1. 何が良くなったら「改善」か

改善の作業は、良くなったかどうかを何で決めるかが先です。管理画面のCPAが下がっても、kintoneで成約が減っていれば改善ではありません。サンプル住まいサービスでは、Google広告の良し悪しを次の順で見ます。

  1. kintoneの顧客台帳での成約数と粗利(月に1回)
  2. 管理画面の問い合わせ(コンバージョン)の数とCPA(毎週)
  3. クリック単価とCVR(CPAが動いたときに、どちらが原因かを見る)

例の数字は、Google広告の検索キャンペーンに月35万円、クリック単価500円で約700クリック、CVR 4%で28件、CPA 1万2,500円、上限のCPAは1万5,000円です。この数字から大きく外れた週に、原因を探しにいきます。

2. 誰が触ってよいか

改善の作業は、触る人が増えるほど何が効いたのか分からなくなります。サンプル住まいサービスでは、設定を変えるのは販促担当1人、代表は数字を見て判断するだけ、代理店に頼んでいる作業があるならその範囲を紙に書いておく、と決めています。変更履歴は、この決まりが守られているかを確かめるためにも使います。

3. どのくらいの間隔で触るか

自動入札は、設定を変えるたびに学び直します。公式ヘルプでは、入札戦略の変更やキャンペーンの追加・削除、コンバージョン目標の大きな変更で「学習中」になり、最大7日かかると書かれています。評価は、コンバージョンまでの期間2回分か2週間の長いほうで見るのが勧められています。毎日何かを変えていると、学習が終わらないまま次の変更が入ります。予算・目標値・広告文の変更では「学習中」にはなりませんが、結果を見る前に次を変えると何が効いたのか分かりません。サンプル住まいサービスでは、入札や予算に関わる変更は2週間に1回まで、除外キーワードの追加は毎週、と分けています。

作業間隔理由
検索語句レポートを見て除外を足す毎週除外の追加で「学習中」にはならず、無駄な費用は早く止めるほど得
新しいキーワードを足す2週間に1回足しすぎると配信が広がり、効果が読めなくなる
オークション分析を見る2週間に1回、または単価が上がったとき競合の動きは週ごとには大きく変わらない
目標アクション単価(目標CPA)や予算を変える2週間以上あける「学習中」にはならないが、結果が出そろうまでの評価の期間をとる
変更履歴を見る毎週意図しない変更を早く見つける
最適化案を見る毎週。適用は選んで手で自動適用で勝手に入るのを防ぐ

改善に使う5つの画面

画面何が分かるか経路何を決めるか
検索語句レポート実際にどんな検索で広告が出て、クリックと問い合わせがあったか「キャンペーン」→「分析情報とレポート」→「検索語句」除外キーワードの追加、キーワードの追加
オークション分析同じ検索に出ている競合と、自社の出方の比較「キャンペーン」・「広告グループ」・「検索キーワード」でチェックを入れ「オークション分析」単価が上がった理由、張り合うか避けるか
変更履歴誰がいつ何を変えたか「キャンペーン」→「変更履歴」数字が動いた原因、意図しない変更
最適化案と最適化スコアGoogleが勧める変更左のメニューの「最適化案」どれを受けて、どれを断るか
分割(セグメント)曜日・時間・デバイス・地域ごとの数字表の上の「分割」、「分析情報とレポート」の「時間」「地域」など配信の時間・地域・デバイスの見直し

検索語句レポートで除外とキーワードを決める

見る手順

公式ヘルプの「検索語句レポートについて」によると、検索語句レポートは「キャンペーン」→「分析情報とレポート」→「検索語句」で開きます。どのキーワードから出たかを示す「キーワード」の列は、既定では出ていないので足します。

  1. 「キャンペーン」→「分析情報とレポート」→「検索語句」を開く
  2. 期間を先週の月曜から日曜にする
  3. 表示項目に「キーワード」と「マッチタイプ」を足す
  4. 費用の多い順に並べる
  5. 上から、費用がかかっているのに問い合わせのない語、依頼に結びつかない語を探す
  6. 依頼にならない語にチェックを入れ、「除外キーワードとして追加」で追加先(広告グループ・キャンペーン・除外キーワード リスト)を選ぶ
  7. 問い合わせが来ている語でキーワードに入っていないものは、「キーワードとして追加」で足す
「分析情報とレポート」→「検索語句」で、費用の多い順に並べ、「キーワード」と「マッチタイプ」の列を足したところ
「分析情報とレポート」→「検索語句」で、費用の多い順に並べ、「キーワード」と「マッチタイプ」の列を足したところ

公式ヘルプには、検索の少ない語句は、Googleのデータプライバシーの基準によりレポートに出ないことがある、とも書かれています。表に出ている語句の合計は、キャンペーンの合計より少なくなります。出ていない分があることを前提に、出ている語句から「型」を見つけて、語単位で除外します。

判断の基準

検索語句ごとの判断は、次の表で決めます。数字は例で、サンプル住まいサービスの上限のCPA 1万5,000円を基準にしています。

検索語句の状態例判断
依頼に結びつかない語を含む給湯器 交換 自分で、給湯器 求人すぐに除外(「自分で」「求人」を部分一致の除外で)
施工していない地域の名前を含む給湯器 交換 〇〇市(施工エリアの外)その地域名を除外
費用が上限のCPAの2倍(3万円)を超えて問い合わせ0エコキュート 価格 比較除外を検討。kintoneで似た語の問い合わせの中身も見る
問い合わせは来ているが、kintoneで成約しない型給湯器 リモコン 交換管理画面のCPAが良くても除外を検討する
問い合わせが来ていて、キーワードに入っていないガス給湯器 取り替え 費用キーワードとして追加。送り先のLPが合っているかも見る
費用が少なく判断できない表示が数回だけの語何もしない。翌週以降にたまってから見る

除外のマッチタイプは、検索語句そのものを完全一致で除外するか、原因になった語だけを部分一致で除外するかを選びます。除外キーワードの記号なしは、通常のキーワードと違って「部分一致」と呼ばれ、類義語には広がりません。除外の運用の詳細は「Google広告のキーワード設定:マッチタイプと除外キーワードの運用」に書いています。

管理画面のコンバージョンを信じすぎない

検索語句レポートの「コンバージョン」の列は、問い合わせの数であって成約の数ではありません。管理画面ではコンバージョンが多いのに、kintoneで成約まで追うと受注がほぼゼロの検索語句があり、数か月で数十万円を使っていた例があります。月に1回は、kintoneの顧客台帳で流入元が「Google広告」の問い合わせを抜き出し、問い合わせの内容から検索語句の型を照らし合わせます。

インテント マッチの広がりを見る

主力の語をインテント マッチ(以前の部分一致)で入れていると、検索語句レポートの「マッチタイプ」の列に、キーワードとは言葉の違う検索が並びます。インテント マッチは、キーワードの直接の意味を含まない関連の検索も拾います。広がった先に問い合わせが来ているなら良い広がり、費用だけかかっているなら除外で絞ります。広がりが大きすぎて除外が追いつかない広告グループは、主力の語を完全一致やフレーズ一致に寄せることも考えます。

オークション分析で競合を見る

指標の読み方

公式ヘルプの「オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する」に書かれている指標は次のとおりです(2026年10月時点)。検索キャンペーンでは6つ全部が見られます。

指標意味サンプル住まいサービスでの見方
インプレッション シェア表示される可能性があった回数のうち、実際に表示された割合。同じオークションの他社の値も出る自社が50%で競合が70%なら、競合のほうが多くの検索で出ている
広告の重複率自社と他社の広告が同時に表示された割合重複率の高い会社が、いちばん直接ぶつかっている相手
優位表示シェア自社が他社より上に出た割合、または自社だけが出た割合重複していても上に出ているか
上部掲載率同時に表示されたときに、他社が自社より上に出た割合(検索のみ)高い会社は、自社より強く入札しているか品質が高い
上部表示率広告が自然検索の結果より上に出た割合(検索のみ)低いと、ページの下のほうでしか出ていない
最上部表示率広告が最上部(自然検索の上の1番目)に出た割合(検索のみ)1番上を取れている割合

開き方は次のとおりです。

  1. 「キャンペーン」メニューで「キャンペーン」「広告グループ」「検索キーワード」のいずれかを開く
  2. 見たい項目にチェックを入れる
  3. 「オークション分析」を選ぶ
  4. 期間を4週間にし、前の4週間と比べる
キャンペーン「検索_水回り」にチェックを入れて「オークション分析」を開き、表示ドメインごとのインプレッション シェア・広告の重複率・上部掲載率が並んでいるところ
キャンペーン「検索_水回り」にチェックを入れて「オークション分析」を開き、表示ドメインごとのインプレッション シェア・広告の重複率・上部掲載率が並んでいるところ

公式ヘルプでは、レポートは一定の量のデータがある項目でしか作られず、インプレッション シェアが10%未満の相手は表示されない、検索パートナーのデータは含まない、と書かれています。表示ドメインの欄に「google.com」と出ることもあり、これはGoogleのドメインやGoogleビジネスプロフィールを使っている広告主などです。

競合が増えたときにどうするか

クリック単価が上がった週にオークション分析を見ると、新しい表示ドメインが増えていることがあります。ここでの判断は「張り合うか、避けるか」です。

状況判断
新しい競合が増え、自社のインプレッション シェアが落ちた。CPAは上限の内張り合わない。広告文とLPで来た人のCVRを上げる
競合の上部掲載率が高く、自社の最上部表示率が落ちた。CPAが上限を超えた入札を上げる前に、広告の品質(広告の関連性・LPの利便性)を見る
特定の時間帯や曜日だけ競合が強い分割で見て、その時間の成果が悪ければ配信を減らす
自社の社名の検索に競合が出ている社名のキャンペーンを分け、社名の検索は確実に出す

入札で張り合うと、競合も上げて単価だけが上がる、ということが起きがちです。小さな会社の予算では、単価の勝負より、同じクリックから問い合わせを多く取る方向で勝つほうが続きます。サンプル住まいサービスでも、競合が1社増えてクリック単価が500円から600円に上がった月に、入札を上げずに広告文に「工事費込みの目安を掲載」「関東3県 最短当日」を入れてCVRを戻した例があります。詳しい流れは「広告のCPAを下げる方法:媒体ごとに見る順番と、やってはいけない下げ方」に書いています。

変更履歴で誰が何を変えたかを見る

開き方と見られるもの

公式ヘルプの「変更履歴について」によると、変更履歴は「キャンペーン」メニューの「変更履歴」で開き、過去2年間の変更が見られます。キャンペーンや広告グループのページで対象を選んでから「変更履歴」を開くと、その対象だけの変更になります。

見られるもの中身
日時変更が行われた日時
ユーザー管理画面から変えた人のメールアドレス。自動のシステムや、Google Ads API など管理画面以外からの変更は「Google 広告システム」「Google Ads API」などの名前が出る(独立した「ツール」の列はない)
変更の種類予算の調整、キーワードの編集など。種類で絞り込める
成果の数字表示回数・クリック数・コンバージョン数・費用などを、変更と並べて見られる
「変更履歴」で、期間を先週にし、ユーザーの列に販促担当のメールアドレスと「Google 広告システム」が並んでいるところ
「変更履歴」で、期間を先週にし、ユーザーの列に販促担当のメールアドレスと「Google 広告システム」が並んでいるところ

毎週見ること

変更履歴を毎週見る目的は、意図しない変更を早く見つけることです。

  1. 期間を先週にして、「変更履歴」を開く
  2. ユーザーの列を見て、販促担当以外の名前がないかを見る(代理店の担当者・辞めた社員・「Google 広告システム」)
  3. 「Google 広告システム」の変更は、最適化案の自動適用で入ったものが多い。キーワードの追加や入札戦略の変更が入っていないかを見る
  4. 数字が大きく動いた日があれば、その前後の変更を見る

CPAが上がった月の原因を探したら、最適化案の自動適用でキーワードが10語ほど足されていた、という例もあります。自動適用の設定は「最適化案」のページの上部で切り替えられ、適用されたものは「履歴」で見られます。変更履歴と合わせて、何が勝手に入ったかを確かめます。

公式ヘルプでは、一部の変更(コンサルティング中にGoogleの担当者が行った変更や、アカウント単位の設定の一部)は一覧に出ないことがあるとも書かれています。自社や代理店の担当者の変更が出ないわけではありません。ただ、変更履歴に出ないからといって、何も変わっていないとは言い切れません。設定を変えたときは、社内の作業記録にも一行書いておきます。

最適化案と最適化スコアを全部は受けない

最適化スコアとは

公式ヘルプの「最適化スコアについて」によると、最適化スコアは、アカウントの設定がどの程度最適化されているかをGoogleが推定した値で、0〜100%で出ます。統計情報・設定・ステータス・最適化案の効果・最近の履歴から計算され、最適化案を適用するか非表示にすると更新されます。最適化スコアは品質スコアの計算には使われません。

ここで覚えておくのは、スコアはGoogleの勧めにどれだけ沿っているかの値であって、問い合わせや成約の数ではないことです。最適化案には、予算を増やす・インテント マッチのキーワードを足す・入札戦略を変える、といった、費用が増える方向のものが多く含まれます。全部受けるとスコアは100%に近づきますが、kintoneの成約が増えるとは限りません。

受けるもの・断るもの

サンプル住まいサービスでは、最適化案を次のように分けています。

最適化案の例判断理由
広告アセットを追加する(サイトリンク・コールアウトなど)受ける費用は増えず、広告の情報が増える
レスポンシブ検索広告の見出しを増やす内容を見て受ける提案された文言はそのまま使わず、自社の言葉で書き直す
コンバージョン計測の問題を直す受ける計測が壊れていると入札も判断もずれる
新しいキーワードを追加する1語ずつ見て選ぶ依頼に結びつかない語が混じる
予算を増やす断る(kintoneで成約が上限の内なら検討)予算は粗利から決める
入札戦略を変える・目標を変える自分で判断する学習がやり直しになる
検索パートナーやディスプレイ ネットワークに広げる断る成果を分けて見られなくなる
インテント マッチに切り替える計測とkintoneの成約がそろっていれば検討広がった分の検索語句を見張る手間が増える

断るものは、最適化案の右上の「X」で非表示にします。同じ種類の最適化案は、その他のアイコンから「すべて非表示にする」でまとめて消せます。非表示にしてもスコアは更新されるので、「スコアを上げるために全部適用する」必要はありません。代理店のレポートで最適化スコアが成果のように扱われていたら、kintoneの成約と並べて見せてもらいます。

「最適化案」のページで、最適化スコアと、最適化案のカードごとのスコアの上昇率と「適用」「X」が出ているところ
「最適化案」のページで、最適化スコアと、最適化案のカードごとのスコアの上昇率と「適用」「X」が出ているところ

自動適用の設定も確かめます。自動適用はアカウント単位の設定で、「最適化案」のページの上部で切り替えます。キーワードの追加や入札戦略の変更は自動適用をオフにし、週に1回ページを開いて内容を見てから手で適用します。

曜日・時間・デバイス・地域で分けて見る

分割の見方

表の上の「分割」を使うと、同じ表を曜日・時間・デバイスなどで分けて見られます。地域ごとの数字は「分析情報とレポート」の地域の画面で見ます。

分ける軸見ることサンプル住まいサービスでよくあること
曜日曜日ごとのCPAとCVR日曜の夜に給湯器の故障の検索と問い合わせが多い
時間時間ごとのクリックと問い合わせ深夜はクリックがあっても問い合わせが少ない
デバイスパソコン・スマホ・タブレットごとのCPA問い合わせの8割がスマホ。電話もスマホから
地域県・市区町村ごとの費用と問い合わせ施工エリアの端の市は移動が遠く、成約しても粗利が薄い
キャンペーンの表で「分割」→「時間」→「曜日」を選び、曜日ごとのクリック・コンバージョン・コンバージョン単価が並んだところ
キャンペーンの表で「分割」→「時間」→「曜日」を選び、曜日ごとのクリック・コンバージョン・コンバージョン単価が並んだところ

分けて見たあとに何を触るか

分けて見て差があっても、すぐに入札単価調整を入れるとは限りません。公式ヘルプの「入札単価調整について」によると、スマート自動入札では、地域・広告のスケジュール・オーディエンス・ユーザー属性の手動の調整は使われません。デバイスは、目標アクション単価なら調整でき(入札単価ではなく目標の値が変わる)、コンバージョン数の最大化などでは100%の引き下げ(そのデバイスに出さない)だけが使えます。広告のスケジュールは、調整の割合は使われませんが、配信する曜日と時間帯としては効きます。

サンプル住まいサービスは「コンバージョン数の最大化」を使っているので、分けて見た結果は次のように使います。

  1. 深夜に問い合わせがほとんど無く、費用だけかかっている → 広告のスケジュールで、その時間帯は配信しない
  2. 施工エリアの端の市は成約しても粗利が薄い → 地域の設定からその市を外す
  3. 電話を受けられない時間に電話アセットが出ている → 電話アセットの表示時間を営業時間に合わせる
  4. デバイスの差 → 自動入札に任せる。タブレットのように問い合わせがまったく無いデバイスだけ、データがたまってから100%の引き下げを検討する

分けたあとの1つ1つの区分は件数が少なくなります。月28件の問い合わせを7つの曜日に分けると1日あたり4件で、1件の差でCPAが大きく振れます。分割の結果で設定を変えるのは、4週間以上の合計で見て、はっきり差があるときだけにします。

サンプル住まいサービスの毎週の改善

販促担当が毎週月曜の朝に、次の順で1時間ほどかけています。

  1. 先週の数字を見る。費用・クリック・問い合わせ・CPAを、前の週と前の4週間の平均と並べる(10分)
  2. 変更履歴を見る。販促担当以外の変更、「Google 広告システム」の変更がないか(5分)
  3. 検索語句レポートを見る。費用の多い順に上から、除外とキーワードの追加を決める(20分)
  4. 最適化案を見る。受けるものだけ手で適用し、断るものは非表示にする(5分)
  5. CPAが上限の1万5,000円を超えた週だけ、クリック単価とCVRのどちらが動いたかを見て、単価ならオークション分析、CVRならLPと広告文を見る(10分)
  6. やったことを作業記録に書く。何を、なぜ変えたか(5分)

月に1回は、ここに次の作業を足します。

  • kintoneの顧客台帳で、流入元が「Google広告」の問い合わせの成約と粗利を出し、検索語句の型ごとに成約するかを見る
  • 曜日・時間・地域・デバイスで4週間分を分けて見る
  • 前月の検索語句レポートと地域・デバイスの数字を書き出して、共有フォルダに保存する

最後の書き出しは、悪くなったときに比べるためです。成果が落ちたとき、予算を削って逃げると取れていた分まで失います。取れていた月の検索語句・地域・広告を手元に残しておけば、悪くなった月と並べて、何が変わったのかを分解できます。

スプレッドシートの作業記録。日付・変更した人・変更した内容・理由・2週間後の結果の列が並んでいるところ
スプレッドシートの作業記録。日付・変更した人・変更した内容・理由・2週間後の結果の列が並んでいるところ

作業記録は、次のような形で十分です。

日付,変更した人,画面,内容,理由,2週間後の結果
2026-10-05,販促担当,検索語句,除外に「自分で」「部品」を部分一致で追加,費用1.2万円で問い合わせ0,
2026-10-05,販促担当,最適化案,サイトリンクの追加を適用,費用が増えない提案のため,
2026-10-19,販促担当,地域,施工エリア外の1市を除外,4週間で成約0・移動が遠い,

応用

レポートを自動で受け取る

毎週同じ表を開くなら、「分析情報とレポート」の「レポート エディタ」で表を保存し、メールで定期的に送る設定にしておくと、開く手間が省けます。スプレッドシートに自動で書き出したいときは、Google広告スクリプトやLooker Studioを使います。作り方は「広告運用のツール:Google広告エディター・スクリプト・レポートの自動化」に書いています。

P-MAX キャンペーンを出しているとき

P-MAX キャンペーンを出していると、検索語句レポートやオークション分析の見え方が変わります。オークション分析は、P-MAX キャンペーンでも検索ネットワークの検索広告とショッピング広告の分をアカウント単位とキャンペーン単位で見られます。検索キャンペーンとP-MAX キャンペーンで同じ検索を取り合っていないかは、完全一致のキーワードが優先されることを踏まえて見ます。見張り方は「P-MAXとAI Max:自動化キャンペーンに任せる範囲と見張り方」に書いています。

入札戦略を変えるとき

検索語句の整理が進み、問い合わせが過去30日に30件以上たまったら、「コンバージョン数の最大化」に目標アクション単価(目標CPA)を入れることを考えます。入れたあとは学習期間があるので、2週間は他の大きな変更をしません。入札戦略の選び方は「Google広告の入札戦略:コンバージョン数の最大化・目標CPA・目標ROASの選び方」に書いています。

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
検索語句レポートで全部の検索語句を見る検索の少ない語句は出ない。出ている語句から型を見つけて語単位で除外する
オークション分析で競合の入札額や予算を見る分かるのは出方の割合だけ。単価が上がった時期と重ねて推測する
インプレッション シェアが10%未満の競合を見るレポートに出ない。出ている相手で判断する
2年より前の変更履歴を見る社内の作業記録に残す
スマート自動入札で曜日や地域の入札単価調整を効かせる使われない。配信しない時間帯の設定や地域の除外で対応する
最適化スコアを上げて成果を上げるスコアは成約の数ではない。kintoneの成約で判断する
毎日の数字で判断する件数が少なく振れる。4週間の合計で見る

よく詰まるところ

症状原因直し方
検索語句レポートでどのキーワードから出たか分からない「キーワード」の列が既定で出ていない表示項目に「キーワード」を足す
検索語句の合計がキャンペーンの合計と合わない検索の少ない語句はプライバシーの基準で出ない出ている語句で型を見る
オークション分析が空データの量が足りない、期間が短い期間を4週間以上にする。キャンペーン単位で見る
表示ドメインに「google.com」があるGoogleのドメインやビジネスプロフィールを使う広告主競合として気にしなくてよい場合が多い
覚えのないキーワードが増えている最適化案の自動適用変更履歴で「Google 広告システム」を確かめ、自動適用をオフにする
最適化スコアが低いと代理店に言われたGoogleの勧めを受けていないだけ断った理由と成約の数字を並べて話す
深夜の配信を止めたのに費用が減らない予算はほかの時間に使われる費用ではなくCPAと問い合わせの数で見る
地域の入札単価調整を入れても変わらないスマート自動入札では使われない地域を外すか、キャンペーンを分ける
毎週変えているのに良くなったのか分からない学習が終わる前に次の変更を入れている入札・予算の変更は2週間に1回まで。作業記録に結果を書く
管理画面のCPAは下がったのに成約が減った成約しない問い合わせが増えたkintoneで検索語句の型ごとに成約を見る

次にやること

毎週の改善が回り始めたら、除外の運用・入札・自動化を深めます。

改善の作業は、触ったことより、触らなかった判断のほうが成果を守ることがあります。作業記録に「今週は変えなかった、理由はこう」と書くのも、立派な改善の一つです。

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