P-MAXとAI Max:自動化キャンペーンに任せる範囲と見張り方

公開 書いた人 大林 諒

Google広告には、配信先・入札・広告文の組み合わせをGoogleのAIに任せる仕組みが2つあります。1つは、検索・YouTube・ディスプレイ・Gmail・マップなどにまとめて配信する「P-MAX キャンペーン」、もう1つは、今ある検索キャンペーンに検索語句の広げ方・広告文・送り先のページの選び方を任せる「AI 最大化設定(AI Max)」です。どちらも、正しく数えたコンバージョンがたくさんある会社では強力ですが、計測が甘いまま任せると、数えやすい成果に向けて予算が流れます。ここでは、2つの仕組みと検索キャンペーンとの関係、任せる前に揃えるもの、任せたあと人が見張るところ、試す条件と止める基準を、水回りと給湯器の交換をしている「サンプル住まいサービス」を例に書きます。P-MAX キャンペーンそのものの基本はコーポレートのコラムの「P-MAXとは」に書いているので、ここでは自社で回すときの判断に絞ります。画面の名前と機能は2026年10月時点の公式ヘルプで確かめています。

この記事の内容
  1. 先に決めること
  2. P-MAXとAI Maxの違い
  3. 任せる前に揃えるもの
  4. 任せたあと人が見張るところ
  5. サンプル住まいサービスが試す条件と止める基準
  6. 応用
  7. できないことと、その代わり
  8. よく詰まるところ
  9. 次にやること

先に決めること

1. 何をコンバージョンとして数えるか

自動化のキャンペーンは、数えているコンバージョンを増やすことだけを目指します。サンプル住まいサービスのコンバージョンは、見積り依頼フォーム・電話・LINEの友だち追加の3つですが、友だち追加は「とりあえず登録」も多く、成約につながる割合が低い行動です。友だち追加まで入札の対象に入れたまま任せると、友だち追加が安く取れる配信先に予算が寄り、管理画面の数字だけ良くなります。任せる前に、入札に使うコンバージョンをフォームと電話に絞ります。

2. 検索キャンペーンを残すか

P-MAX キャンペーンは検索の枠にも出ます。今ある検索キャンペーン「検索_水回り」を止めてP-MAX キャンペーンに置き換えるのか、残したまま足すのかを決めます。サンプル住まいサービスは、検索キャンペーンを残し、P-MAX キャンペーンは別の予算で試す、と決めています。検索キャンペーンで成約する語が分かっているので、その語は検索キャンペーンで確実に取り、P-MAX キャンペーンには検索以外の面と、まだ拾えていない検索を任せる形です。

3. いくらを、どのくらいの期間試すか

自動化のキャンペーンは、学習に時間とコンバージョンが要ります。少ない予算で短く試すと、学習が終わらないまま「効かなかった」と判断することになります。サンプル住まいサービスでは、P-MAX キャンペーンを試すなら月5万円を6週間、AI Maxを試すなら検索キャンペーンの予算のまま4〜6週間、と期間を先に決めます(数字は例)。止める基準も、始める前に決めておきます(後の節)。

P-MAXとAI Maxの違い

2つの仕組みの一覧

比べるところP-MAX キャンペーンAI Max(検索キャンペーン向け AI 最大化設定)
何かキャンペーンの種類の1つ検索キャンペーンに重ねる設定。新しいキャンペーンの種類ではない
出る場所YouTube・ディスプレイ・検索・Discover・Gmail・マップなどGoogle検索(検索キャンペーンと同じ)
何を入れるかアセット グループ(画像・文字・ロゴ・動画)、オーディエンス シグナル、検索テーマ今ある検索キャンペーンのキーワード・広告・LP
自動になるもの配信先・入札・広告の組み合わせ検索語句の広げ方、広告見出しと説明文の追加、送り先のURLの選び方
人が絞れるものブランドの除外、除外キーワード、最終ページ URL の拡張の設定、チャネルの優先順位付けブランドの登録と除外、URLの登録と除外、関心対象地域、各機能のオンオフ
小さな会社が先に試すなら検索で成果と計測が安定してから検索キャンペーンで成約する語が分かっていて、取りこぼしを拾いたいとき

画面とヘルプでは、AI Maxは「検索キャンペーン向け AI 最大化設定」と表記されています。この記事では短く「AI Max」と書きます。

P-MAX キャンペーンの仕組み

公式ヘルプの「P-MAX キャンペーンについて」によると、P-MAX キャンペーンは、入れたアセットと設定をGoogleのAIと組み合わせ、YouTube・ディスプレイ・検索・Discover・Gmail・マップなど、使えるすべての枠に1つのキャンペーンで配信します。

入れるもの中身サンプル住まいサービスで入れるもの
アセット グループテーマごとにまとめた画像・文字・ロゴ・動画「給湯器」「トイレ」「浴室」の3つ。それぞれのLPの写真と文言
オーディエンス シグナルどんな人が客になりやすいかの手がかりサイトで問い合わせた人のリスト、給湯器のLPを見た人のリスト
検索テーマどんな検索に出したいかの手がかり「給湯器 交換」「エコキュート 交換」など
1日の予算と入札の目標コンバージョン数の最大化、目標アクション単価(目標CPA)など1日の平均予算 約1,650円(月5万円)、目標は入れずに始める

オーディエンス シグナルと検索テーマは「手がかり」であって、そこにしか出さないという指定ではありません。P-MAX キャンペーンは、手がかりより成果の良さそうな人や検索が見つかれば、そちらにも出します。

検索キャンペーンとの優先順位

同じ検索に検索キャンペーンとP-MAX キャンペーンの両方が当てはまるときの順番は、公式ヘルプの「キーワードのマッチタイプについて」と「P-MAX キャンペーンについて」に書かれています。

  1. 検索語句がキーワードとまったく同じ完全一致なら、検索キャンペーンが優先される
  2. フレーズ一致とインテント マッチ(以前の部分一致。AI Maxの検索語句とのマッチングを含む)は、P-MAX キャンペーンの検索テーマと同じ順位で扱われ、関連性と広告ランクで決まる

サンプル住まいサービスでは、成約がよく出ている語(「給湯器 交換」「エコキュート 交換」など)を検索キャンペーンに完全一致でも入れ、P-MAX キャンペーンに取られないようにしています。完全一致で入れていない語は、P-MAX キャンペーンと検索キャンペーンのどちらに付くか分からない、と思っておきます。

P-MAX キャンペーンの作成画面で、アセット グループに画像・広告見出し・説明文を入れ、オーディエンス シグナルと検索テーマを入れたところ
P-MAX キャンペーンの作成画面で、アセット グループに画像・広告見出し・説明文を入れ、オーディエンス シグナルと検索テーマを入れたところ

AI Maxの仕組み

公式ヘルプの「検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み」によると、AI Maxを有効にすると、次の3つの機能が使えるようになります(2026年10月時点)。

機能中身オンオフ
検索語句とのマッチングインテント マッチとキーワードを使わない技術で、関連性の高い検索語句を見つけるAI Maxを有効にすると自動で有効。広告グループの設定で無効にできる
テキストのカスタマイズ(以前の自動作成アセット)今ある広告やLPの文言をもとに、検索語句に合わせた広告見出しと説明文を作る自動で有効。キャンペーン単位で無効にできる
最終ページ URL の拡張成果が見込めるときに、サイトの中のより関連性の高いURLに送るキャンペーン単位で、既定はオン。テキストのカスタマイズが有効であることが前提

人が絞れるものとして、ブランドの登録(キャンペーン単位・広告グループ単位)とブランドの除外(キャンペーン単位)、URLの登録(広告グループ単位)とURLの除外(キャンペーン単位)、関心対象地域(広告グループ単位)があります。最終ページ URL の拡張を使うと、レスポンシブ検索広告の見出しの固定(ピン留め)は無視される、という点も覚えておきます。また公式ヘルプでは、予算による制限を受けているキャンペーンではAI Maxは効果を発揮しないと書かれています。

検索キャンペーンの設定で「AI 最大化設定」のセクションを開き、スイッチをオンにして、テキストのカスタマイズと最終ページ URL の拡張の項目が並んでいるところ
検索キャンペーンの設定で「AI 最大化設定」のセクションを開き、スイッチをオンにして、テキストのカスタマイズと最終ページ URL の拡張の項目が並んでいるところ

任せる前に揃えるもの

1. コンバージョンの質

自動化のキャンペーンに任せる前に、いちばん効くのはコンバージョンの設定です。Google広告のコンバージョン アクションには「メイン」と「サブ」があり、入札に使われるのは原則メインだけです(サブはモニタリングのみで「すべてのコンバージョン」の列に入る)。ただし、サブのアクションでもカスタム目標に入れたものは例外として入札に使われます。設定は「目標」→「コンバージョン」→「概要」で、各アクションの区分を「目標を編集」から変えます。

コンバージョンサンプル住まいサービスの区分理由
見積り依頼フォームの送信(/thanks/ の表示)メイン成約にいちばん近い
電話(広告からの通話・サイトの電話番号のタップ)メイン給湯器の故障は電話が多い
LINEの友だち追加サブ成約につながる割合が低く、安く取れる配信先に予算が寄る
GA4から取り込んだページの閲覧などサブ既定でサブ。カスタム目標に入れなければ入札に使わない

もう一歩進めるなら、kintoneで成約になった問い合わせをGoogle広告に戻します。オフラインのコンバージョンの取り込みで「成約」をメインにすると、問い合わせの数ではなく成約の数に向けて学習させられます。公式ヘルプでは、オフラインの取り込みを始めるなら「リードの拡張コンバージョン」から始めるのが勧められています。つなぎ方は「広告の成果を受注まで追う:kintone・CRMとつないで媒体を評価する」に書いています。

2. 除外キーワード

P-MAX キャンペーンにも除外キーワードを入れられます。公式ヘルプの「P-MAX の検索語句レポートについて」によると、検索枠とショッピング枠には、アカウント単位かキャンペーン単位で除外キーワードを適用します。ディスプレイや動画の面は、除外キーワードではなく「コンテンツ適合性」の設定で除外コンテンツ キーワードを指定します。

サンプル住まいサービスでは、検索キャンペーンで使っている除外キーワード リスト(共通_DIY・自分で、共通_求人、共通_範囲外、共通_地域外)と同じ語を、P-MAX キャンペーンにも入れます。DIYで直したい人、求人を探している人、施工エリアの外の人は、P-MAX キャンペーンでも客になりません。AI Maxは検索キャンペーンの設定なので、検索キャンペーンにすでにある除外キーワードがそのまま効きます。

3. ブランドの除外

自社の社名で検索する人は、広告がなくても来てくれる人が多い一方、P-MAX キャンペーンやAI Maxは社名の検索で安くコンバージョンを取りやすく、成果が良く見えます。社名の検索は検索キャンペーンで取るか、広告を出さないかを決め、P-MAX キャンペーンでは「ブランドの除外」で外しておくと、新しい客をどれだけ連れてきたかが見やすくなります。公式ヘルプの「P-MAX キャンペーンや検索キャンペーンにブランドの除外を適用する」によると、P-MAX キャンペーンでは「キャンペーン」→「設定」タブ→対象のキャンペーン→「その他の設定」→「ブランドの除外」で、ブランドリストを選ぶか「+ 新しいブランドリスト」で作って適用します。P-MAX キャンペーンのブランドの除外が効くのは、検索・ショッピング・YouTube 検索の枠だけです。検索キャンペーンでは、2025年5月27日以降ブランドの設定がAI Maxの設定に移り、新しくブランドリストを足すにはAI Maxを有効にする必要があります。AI Maxでは、ブランドの除外はキャンペーン単位、ブランドの登録はキャンペーン単位と広告グループ単位で設定できます。

競合の社名で検索した人に出るのを止めたいときも、ブランドの除外が使えます。競合の社名で来た問い合わせは、比べたうえで他社に決める人も多く、kintoneで成約まで追うと受注にならないことがあります。

4. URLの除外

P-MAX キャンペーンの最終ページ URL の拡張と、AI Maxの最終ページ URL の拡張は、どちらもサイトの中から送り先のページをGoogleが選びます。サンプル住まいサービスのサイトには、施工事例・会社案内・採用・ブログもあります。採用のページに送られた人は問い合わせをしませんし、ブログのDIYの記事に送られた人は自分で直してしまいます。

ページ扱い
/kyutoki/ などのLP3本送り先にしてよい
施工事例送り先にしてよい(LPから入れる導線がある場合)
採用・会社案内・プライバシーポリシーURLの除外に入れる
ブログ(DIYの記事を含む)URLの除外に入れる
/thanks/(完了ページ)URLの除外に入れる

送り先を完全に固定したいなら、最終ページ URL の拡張そのものをオフにします。AI Maxでは、最終ページ URL の拡張を使うと、レスポンシブ検索広告の見出しの固定(ピン留め)は無視されます。「工事費込み」のように必ず出したい言葉を見出しに固定しているなら、オンにする前に、その言葉が説明文にも入っているかを確かめます。

P-MAX キャンペーンの設定で、最終ページ URL の拡張の項目を開き、除外するURLに採用とブログのページを入れたところ
P-MAX キャンペーンの設定で、最終ページ URL の拡張の項目を開き、除外するURLに採用とブログのページを入れたところ

5. 予算に余裕があるか

公式ヘルプでは、予算による制限を受けている検索キャンペーンでは、AI Maxは効果を発揮しないと書かれています。「検索_水回り」が毎日予算を使い切っているなら、AI Maxを入れても広げる余地がありません。P-MAX キャンペーンも、予算が少なすぎると学習が進みません。1日の予算は、目標のCPAの数倍は欲しい、と思っておきます。サンプル住まいサービスの上限のCPA 1万5,000円に対して、月5万円の試しは少なめで、6週間で問い合わせが数件来るかどうかの規模です。数字で判断できるほどたまらない可能性があることは、始める前に代表と共有しておきます。

任せたあと人が見張るところ

自動化のキャンペーンは「任せたら終わり」ではなく、人が見張る場所が変わるだけです。サンプル住まいサービスでは、次の4つを週に1回見ます。

見るところ経路何を見るか
検索語句P-MAX:「検索語句」レポートのプルダウンで「P-MAX の検索語句とランディング ページ」/AI Max:検索語句レポートのマッチタイプ「AI 最大化設定」依頼に結びつかない検索、社名や競合名の検索に出ていないか
配信先(チャネル)P-MAX キャンペーンのチャネルのパフォーマンス、プレースメント レポート検索以外の面にどれだけ費用が流れているか
アセットアセット グループのレポート、アセットごとの指標自動で作られた文言や画像に、事実と違うものがないか
成約kintoneの顧客台帳管理画面の問い合わせが、成約になっているか

検索語句を見る

P-MAX キャンペーンの検索語句は、公式ヘルプの「P-MAX の検索語句レポートについて」によると、「検索語句」レポートを開き、プルダウンから「P-MAX の検索語句とランディング ページ」を選んで見ます。検索語句と、そのとき送られたページ、広告の形式(ショッピング広告かテキスト広告か)、検索語句・広告見出し・ページの組み合わせが見られます。データは2023年3月以降の分です。

AI Maxの検索語句は、ふだんの検索語句レポートに出ます。公式ヘルプの「検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み」によると、マッチタイプの欄に「AI 最大化設定」が加わり、「ソース」の列でインテント マッチの拡張から来たのか、キーワードを使わないマッチから来たのかが分かります。ランディング ページのレポートの「選択方法」の列では、AI Maxが選んだページの成果も見られます。

「検索語句」レポートのプルダウンで「P-MAX の検索語句とランディング ページ」を選び、検索語句とランディング ページの組み合わせが並んでいるところ
「検索語句」レポートのプルダウンで「P-MAX の検索語句とランディング ページ」を選び、検索語句とランディング ページの組み合わせが並んでいるところ

見方は、検索キャンペーンの検索語句レポートと同じです。費用の多い順に並べ、依頼に結びつかない語は除外キーワードに、施工エリアの外の地域名も除外に足します。P-MAX キャンペーンの検索語句レポートでは、クリックや表示の数よりコンバージョンのデータを優先して評価するよう公式ヘルプに書かれています。詳しい判断の基準は「Google広告の改善:検索語句レポート・オークション分析・変更履歴の見方」に書いています。

配信先を見る

P-MAX キャンペーンは、検索以外の面にも出ます。月5万円のうちどれだけがYouTubeやディスプレイ、Gmailに流れ、その面から問い合わせがあったかを、チャネルのパフォーマンスで見ます。ディスプレイの面で問い合わせが少ないのに費用が多い場合、ディスプレイ広告の仕組みとプレースメントの除外の考え方は「Googleディスプレイ広告とリマーケティング:作り方とターゲティング」が参考になります。

サンプル住まいサービスの場合、給湯器の故障は「今すぐ直したい」人の検索が中心なので、検索の面からの問い合わせが大半になる見込みです。P-MAX キャンペーンの費用の大半が検索以外に流れていて、そこからの問い合わせがほとんど無いなら、P-MAX キャンペーンを続ける理由は薄くなります。

P-MAX キャンペーンのチャネルのパフォーマンスで、検索・YouTube・ディスプレイ・Gmail・Discover・マップごとの費用とコンバージョンが並んでいるところ
P-MAX キャンペーンのチャネルのパフォーマンスで、検索・YouTube・ディスプレイ・Gmail・Discover・マップごとの費用とコンバージョンが並んでいるところ

アセットを見る

P-MAX キャンペーンでは、入れた画像や文言の組み合わせをGoogleが作ります。動画を入れていないと、入れた画像と文言から動画が自動で作られることもあります(自社の動画を入れると、その自動生成は止まります)。AI Maxのテキストのカスタマイズでも、LPの文言から広告見出しと説明文が作られます。

自動で作られた文言は、事実と違うことを書く可能性があります。「最短当日」の条件、施工エリア、料金の目安など、条件付きの言葉が条件なしで出ていないかを、アセットのレポートで確かめます。公式ヘルプでも、最終ページ URL の拡張で選ばれたページの内容と正確さは広告主の責任とされています。LPの側に条件をはっきり書いておくのが、自動の文言を正しく保ついちばんの手です。

P-MAX キャンペーンのアセット グループのレポートで、画像・広告見出し・説明文ごとの指標が並んでいるところ
P-MAX キャンペーンのアセット グループのレポートで、画像・広告見出し・説明文ごとの指標が並んでいるところ

成約を見る

最後に、月に1回はkintoneで成約を見ます。顧客台帳で流入元が「Google広告」の問い合わせを、キャンペーン別(検索_水回り と P-MAX)に分けて、成約数と粗利を出します。キャンペーンの区別は、LPのURLに付けたパラメータか、問い合わせの日時と管理画面の数字の突き合わせで行います。P-MAX キャンペーンの管理画面のCPAが検索キャンペーンより安くても、成約の数で負けているなら、安い問い合わせを集めているだけです。

サンプル住まいサービスが試す条件と止める基準

試す条件

サンプル住まいサービスでは、次の条件が全部そろったら試す、と決めています。

条件中身
計測フォームと電話がメインのコンバージョンで正しく数えられている。友だち追加はサブ
件数検索キャンペーンで、過去30日にメインのコンバージョンが30件前後ある
成約の追跡kintoneでキャンペーン別に成約を出せる
除外除外キーワード リスト4つとブランドの除外、URLの除外が入っている
検索の主力の語成約する語が完全一致でも検索キャンペーンに入っている
予算検索キャンペーンの予算を削らずに、試しの予算を別に出せる

AI MaxとP-MAX キャンペーンのどちらを先に試すかは、取りこぼしの場所で決めます。「検索_水回り」が予算を使い切っておらず、検索語句レポートでまだ拾えていない言い回しの問い合わせがありそうなら、AI Maxを先に試します。検索ではもう取り切れていて、YouTubeや地図の面で「今は困っていないが、そのうち給湯器を替える人」に知ってもらいたいなら、P-MAX キャンペーンを試します。どちらも一度に始めると、どちらが効いたのか分からなくなるので、1つずつにします。

止める基準

始める前に、止める基準を書いて代表と合わせておきます。数字は例です。

  1. 6週間たっても、メインのコンバージョンが3件に届かない → 止める(学習に足りる件数が集まらない規模)
  2. 管理画面のCPAが上限の1万5,000円の1.5倍(2万2,500円)を4週間続けて超える → 止める
  3. kintoneで、P-MAX キャンペーン経由の問い合わせの成約率が検索キャンペーンの半分以下 → 止めるか、入札に使うコンバージョンを見直す
  4. P-MAX キャンペーンを始めてから、検索キャンペーンの問い合わせが減り、合計の問い合わせが増えていない → 検索の分を取り合っているだけなので止める
  5. 自動で作られた文言に事実と違うものが出て、URLの除外や文言の修正で止まらない → テキストのカスタマイズや自動生成をオフにする

4つ目は見落としやすい点です。P-MAX キャンペーンの問い合わせが10件あっても、同じ時期に検索キャンペーンが10件減っていれば、増えた分はゼロです。判断は、キャンペーンごとではなく、Google広告の合計の問い合わせと成約で行います。

応用

入札の目標を入れる

P-MAX キャンペーンやAI Maxを入れた検索キャンペーンで問い合わせがたまってきたら、目標アクション単価を入れることを考えます。入札戦略を変えると学習がやり直しになるので、止める基準の判断とは期間を分けます。選び方は「Google広告の入札戦略:コンバージョン数の最大化・目標CPA・目標ROASの選び方」に書いています。

成約をコンバージョンにする

kintoneの成約をオフラインのコンバージョンとして取り込み、メインにすると、自動化のキャンペーンは「成約しそうな問い合わせ」を学ぶようになります。件数は少なくなるので、問い合わせをメインのまま残し、成約に値を付けて取り込む、といった組み合わせも考えます。

できないことと、その代わり

できないこと代わりの手
P-MAX キャンペーンの配信先を面ごとに細かく指定するチャネルの優先順位付けやブランドの除外、コンテンツ適合性で絞る
P-MAX キャンペーンで、検索キャンペーンと同じようにキーワードを指定する検索テーマは手がかり。確実に取りたい語は検索キャンペーンに完全一致で入れる
完全一致以外の語で、P-MAXと検索のどちらが出るかを決めるフレーズ一致・インテント マッチは検索テーマと同じ順位。完全一致を足す
AI Maxで、予算を使い切っているキャンペーンの配信を広げる予算に余裕のあるキャンペーンで試す
自動で作られる文言を事前に全部確かめるLPに条件を書く。アセットのレポートで出たものを見る。必要ならテキストのカスタマイズをオフ
2023年3月より前のP-MAXの検索語句を見るレポートに出ない。月に1回書き出して残す
ディスプレイや動画の面を除外キーワードで止めるコンテンツ適合性の除外コンテンツ キーワードを使う

よく詰まるところ

症状原因直し方
P-MAXを始めたら検索キャンペーンの問い合わせが減った同じ検索を取り合っている主力の語を完全一致で検索キャンペーンに入れる。合計の問い合わせで判断する
P-MAXのCPAが安いのに成約が増えない友だち追加など、成約しにくい行動がメインのコンバージョンになっている友だち追加をサブにする。kintoneで成約を見る
社名の検索ばかりで問い合わせが取れているブランドの検索を拾っているブランドの除外を入れる
採用やブログのページに送られている最終ページ URL の拡張URLの除外に入れる。必要ならオフにする
広告見出しの固定が効かないAI Maxの最終ページ URL の拡張を使うと固定は無視される必ず出したい言葉を説明文とLPにも入れる
AI Maxを入れても検索語句が増えない予算による制限を受けている予算に余裕のあるキャンペーンで試す
P-MAXの検索語句が見つからない通常の検索語句レポートのまま見ている「検索語句」レポートのプルダウンで「P-MAX の検索語句とランディング ページ」を選ぶ
動画を作っていないのに動画広告が出ている自動生成の動画自社の動画をアセット グループに入れる
6週間で問い合わせが2件しか来ない予算が学習に足りない規模止める基準どおり止めるか、検索キャンペーンに戻す
除外キーワードを入れたのにYouTubeで変な動画に出る除外キーワードは検索とショッピングの枠向けコンテンツ適合性の設定で除外する

次にやること

自動化のキャンペーンを試す前と、試したあとに読む記事です。

  • Google広告の入札戦略:コンバージョン数の最大化・目標CPA・目標ROASの選び方
  • Google広告の改善:検索語句レポート・オークション分析・変更履歴の見方
  • Googleディスプレイ広告とリマーケティング:作り方とターゲティング
  • 広告の成果を受注まで追う:kintone・CRMとつないで媒体を評価する

自動化のキャンペーンの良し悪しを決めるのは、Googleに渡すコンバージョンの質です。kintoneの成約と並べて見る仕組みを先に作っておけば、任せる範囲を広げるのも止めるのも、数字で決められます。

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